01. 2015年5月01日 22:44:21
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2年断念でも量的・質的緩和は効果を発揮、日銀が論文公表 2015/05/01 17:01 JST (ブルームバーグ):2年程度での2%物価目標の達成期限を事実上断念する一方で、物価の基調は着実に改善しているとして4月30日に追加緩和を見送った日本銀行。その翌日、立て続けに3本の論文を公表し、量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮していることをアピールした。 日銀が1日公表したのは、企画局が担当した「量的・質的金融緩和−2年間の効果の検証」というリポートと、2本の個人名入り論文。 前者は、量的・質的金融緩和が金融・経済に与えた政策効果について定量的な検証を行い、「2014年10−12月期までの累積で1ポイント弱、実質金利(10年物金利換算)を低下させる効果があった」と指摘。その上で、「実際の経済・物価は、おおむね量的・質的金融緩和が想定したメカニズムに沿った動きを示している」と評価した。 個人名入り論文「トレンドインフレ率は変化したか?−レジームスイッチング・モデルを用いた実証分析−」は、日本のトレンドインフレ率は「1990年代後半以降、約15年間にわたって0%」だったが、物価安定の目標や量的・質的金融緩和の導入後、「明確に上昇していることが示唆された」と指摘。 もう1本の個人名入り論文「均衡イールドカーブの概念と推移」は、ゼロ金利政策(1999−2000年)、量的緩和(01−06年)、包括的な金融緩和(10−13年)、量的・質的金融緩和(13年−)の過去4度の金融緩和局面ごとに均衡イールドカーブと実際の実質イールドカーブの関係を比較し、量的・質的金融緩和が「最も緩和的」と結論付けている。 歌舞伎プレーを見ているよう みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「マネタリーベースを増やせば物価が上がるというリフレ派の机上の論理と、現実との間に大きなギャップが出ている。日銀は消費増税の影響を軽く見ていた上、原油価格の下落によって量的・質的金融緩和の枠組み自体が揺り動かされている」と指摘する。 さらに、「2年で2%の達成という所期の目的は達成されなかったにもかかわらず、2年の公約は維持するというのは、まるで、大見得を切り続ける『歌舞伎プレー』を見ているようだ。やっていることと現実との間に大きな溝ができているのに、今さら引っ込みがつかなくなっており、自縄自縛の芝居を続けているのが今の日銀だ」と言う。 日銀は30日開いた金融政策決定会合で現状維持を決定。その後公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比が2%程度に達するのは「16年度前半ごろ」として、従来の「15年度を中心とする期間」から後ずれさせた。 13年4月、2%の物価目標を「2年程度」の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現すると宣言して以来、「15年度を中心とする期間に2%達成」という見通しは一貫して変わっていないと黒田東彦総裁は言い続けてきたが、2年が過ぎたこの日、とうとう目標達成期限の先送りを余儀なくされた。 失望的だった4月の東京CPI 黒田総裁は同日の会見で、「確かに2015年度を中心とする期間から、16年度前半ごろと、若干2%程度に達する見込みが後ずれしているのは事実だが、物価の基調は着実に改善しているし、今後とも改善が続く見通しなので、今の段階で何か追加的な緩和は必要ない」と述べた。 1日発表された4月の東京都区部の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合、いわゆるコアコアCPIは、増税の影響(0.1ポイント)を除くと前年比0.1%低下と、13年10月以来18カ月ぶりのマイナスに落ち込んだ。 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは統計発表後のリポートで、「4月は価格改定が集中するタイミングであり、広く値上げが実施されるのではという期待もあったが、結果は逆に下振れている。日銀としても、4月の価格改定には期待をかけていたと思われるだけに、この結果は失望的だろう」と指摘。 コアコアCPIの改善が限定的なものにとどまれば、「15年末以降、原油価格急落によるCPI押し下げ寄与が一巡する中でもコアCPIのプラス幅が小さなものにとどまり、目標である2%との乖離(かいり)がより明確になるだろう。原油価格下落という言い訳ができなくなる中、日銀の説明は一段と困難さを増すものと思われる」としている。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 上野英治郎 更新日時: 2015/05/01 17:01 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNNU666TTDS501.html ドル・円は119円台後半、米年内利上げ観測を背景にドル堅調 2015/05/01 16:01 JST (ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドル・円相場が堅調。良好な米経済指標を受け、年内の米利上げの可能性があらためて意識される中、ドル・円は海外時間に付けた約1週間ぶり高値付近へ水準を切り上げた。 1日午後4時現在のドル・円相場は119円78銭前後。朝方付けた119円37銭から一時119円81銭まで値を切り上げた。前日の海外市場では良好な米経済指標を手掛かりに119円90銭と4月23日以来の水準までドル高・円安が進んだ。 バークレイズ銀行の門田真一郎為替ストラテジストは、米経済指標が少し強めに出てきたことで、ドル・円は再び119円台後半に戻ってきたと説明。来週発表の雇用統計や今晩の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数を含めて「米国の景気が本当に大丈夫かを見極め。またドルが買われるような動きになれば多少ドル・円にも上昇圧力がかかりやすい」と語った。 朝方発表された日本の3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI )は前年比2.2%上昇と事前予想を上回り、消費増税の影響を除くベースで8カ月ぶりに伸びが高まった。外為どっとコム総合研究所の川畑琢也研究員は、CPIへの反応は「微妙」だったとした上で、この日の東京市場では「ゴールデンウイークで、実需の買いも入ったもよう」と話していた。 一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台前半でユーロが堅調に推移。前日の海外市場で付けた2月26日以来のユーロ高値(1.1266ドル)からは水準を切り下げて推移したものの、下値は限定的だった。川端氏は、前日にドイツ国債利回りが上昇し、米長期金利が低下に転じたことで「ユーロ・ドルに上昇圧力がかかっている」と説明した。 ユーロ・円相場は一時1ユーロ=134円76銭と2月26日以来の水準までユーロ高が進行。前日に引き続きユーロ買いが優勢となっている。 米ISM指数 ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、4月の米ISM製造業景況指数は52と前月の51.5から上昇すると予想されている。 前日発表された米国の1−3月期の雇用コスト指数は市場予想を上回る伸びとなり、先週の新規失業保険申請件数は15年ぶりの低水準となった。また。3月の個人消費支出(PCE)は昨年11月以来の高い伸びを記録し、4月のシカゴ製造業景況指数も市場予想を上回った。 三井住友信託銀行NYマーケットビジネスユニットの海崎康宏マーケットメイクチーム長(ニューヨーク在勤)は、「今までドルがずっと売られていた分、やはり強い指標が出て、9月利上げもまだ完全に排除できないという感じではないか」と解説。ドル・円は「強い指標が続いていけば、120円台に行くと思う」と話した。 前日の欧州債市場ではドイツ10年債が続落。2営業日の下げとしては3年余りで最悪となり、ECBが国債購入を開始した3月9日以降の上げ幅をほとんど消した。 欧州中央銀行(ECB)が同日公表した経済報告で、ユーロ圏の長期的なインフレ期待の低下は止まったとコメントした。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が同日発表した4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比横ばいと3月のマイナス0.1%から持ち直した。 海崎氏は、欧州経済指標の改善を背景に「ユーロ圏でQE(量的緩和)トレードのアンワインドが全般に続いている感じ」だとし、ドイツ金利がさらに上昇すれば、「前回もみ合ったレベルの例えば1.13ドル半ばくらいまで」行く可能性もあると指摘している。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 崎浜秀磨, 青木 勝 更新日時: 2015/05/01 16:01 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNN67J6K50Y701.html 国内指標、日銀総裁の物価上昇シナリオを後押し 2015 年 5 月 1 日 09:53 JST
黒田日銀総裁 Agence France-Presse/Getty Images 日本銀行の黒田東彦総裁は物価が再び上昇していくとのシナリオを堅持しているが、きょう発表された一連の国内経済指標は、こうしたシナリオの実現に期待をもたせる結果となった。 この数カ月間、黒田総裁は物価が再び上向き、2%の目標に向かって加速していくと主張してきたが、物価指標は総裁の予想に反した動きを示していた。 だが、総務省が発表した3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は、消費増税の影響を除くベースで前年同月比0.2%上昇と、2月のゼロ%をやや上回り、デフレ状態に逆戻りしたのではないかとの一部の見方に反する結果となった。黒田総裁はこうした見方を否定し続けている。 エネルギーと食品を除いた「コアコア」のCPIは、消費増税の影響を除くベースで0.4%上昇した。 一方、総務省が発表した3月の完全失業率は3.4%に低下した。賃金上昇を通じて物価上昇圧力が高まる可能性を裏付けた。もっとも、労働市場で需給が相当引き締まっているにもかかわらず、賃金の伸びは今のところ限定的なままだ。 https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12312591300819944275804580613392186333392&ei=mUdDVciWH8nuoATu1oC4Bg&usg=AFQjCNEdAxaAsML51OhSXdZi8bFzqQwKRw&bvm=bv.92189499,d.cGU
【日銀ウォッチ】物価目標後ずれ―追加緩和の可能性は By JACOB M. SCHLESINGER 原文(英語) 2015 年 5 月 1 日 12:34 JST 日本銀行の黒田東彦総裁(右) mike theiler/Reuters 日本銀行の黒田東彦総裁は、インフレ見通しの大幅な低下に直面した6カ月前、すでに大規模だった金融緩和策をさらに拡大し、世界の金融市場、そして日銀内部の関係者に衝撃を与えた。 日銀は30日、4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表した。各政策委員はここでも再び、公式インフレ見通しの下方修正と、物価上昇率目標2%の達成時期のさらなる先送りを強いられた。だが今回、国内経済へさらに資金を供給する機会を見送り、自信過剰に思われたかつてのデフレ対策に謙虚さを盛り込んだ。 国内指標、日銀総裁の物価上昇シナリオを後押し 30日開かれた日銀金融政策決定会合の結果は次のように報じられた。日銀が現在予想する物価上昇率目標の達成は「2016年度前半ごろ」で、原油価格が上昇することが条件となる。これは従来目標の「15年度を中心とする期間」から後ずれした形だ。分かりやすく言い換えると、13年4月に掲げた「2年程度」で2%の物価目標を実現するという当初の公約は現在、3年から3年半、あるいはそれ以上へ先延ばしされたということだ。 4月の展望リポートによると、14年度と15年度の消費者物価指数(生鮮食品除く、消費税引き上げの直接的影響除く)の前年比上昇率予想は0.8%で、目標の半分に満たない。ある政策委員は、15年度の上昇率がわずか0.2%となり、辛うじてデフレを回避すると予想している。 常に強気な黒田総裁は、公約と現実のずれは原油価格が主な原因で、経済成長や物価回復の広範な枠組みに変わりはないと主張している。 その一方、黒田総裁は30日の記者会見で、予想外の消費の低迷も物価圧力を弱めていると認めた。展望リポートによれば、日銀は14年度の実質国内総生産(GDP)予想を前年比0.9%減としており、減少幅は3カ月前の予想の約2倍に達している。 日銀はなぜ追加緩和に踏み切らなかったのか。黒田総裁は単にその必要はないとし、物価の基調が崩れたらちゅうちょなく政策の調整を行うと述べた。 だが、追加緩和の少なくとも当面の有効性をめぐり、疑念が広がっている兆候も見られる。日銀政策委員9人のうち3人は、後ずれした時期の下でさえ黒田総裁が目標を達成できるか率直に疑問視している。日本の見通しに覆いかぶさる雲の一つは、米国に見られる新たな弱さだ。これは、日銀緩和が招いた円安の裏側でドル高が進んだことが一因だ。 日銀ウォッチャーの大半は依然として、黒田総裁がもう一度緩和拡大に乗り出すのは時間の問題にすぎないと考えている。だが総裁は、政策委員会の過半数の支持を得ているか確認したいだろう。昨年10月の「量的・質的金融緩和」の拡大は賛成5、反対4の僅差で決まった。反対した森本委員の任期は6月末で満了となり、7月会合からは黒田総裁の理念により共感的と思われる新委員が後任を務める見通しだ。 関連記事 日銀の政策、インフレ目標達成へ進展=黒田総裁 日銀、民間資産の買い入れ増加を=IMF https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12312591300819944275804580613622652317294&ei=Z0dDVdydA43EogTB_4GYAw&usg=AFQjCNGKW9gbkwMsCcQCplft8zch1jtH8A&bvm=bv.92189499,d.cGU ファニーメイとフレディマック、最大で約19兆円の資本不足も By JOE LIGHT 原文(英語) 2015 年 5 月 1 日 14:46 JST ワシントンの連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)本社(2014年) Reuters 米経済が大幅に落ち込んだ場合、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は財務省から最大1573億ドル(約18兆8000億円)の追加支援が必要になる。連邦住宅金融庁(FHFA)が4月30日に公表したストレステスト(健全性審査)の結果から明らかになった。 金融規制改革法(ドッド・フランク法)で求められるこのストレステストは、連邦準備制度理事会(FRB)が設計したもので、2016年半ばまでに失業率が10%に上昇し15年末までに実質国内総生産(GDP)が4.5%減少してから回復し始めるという、厳しいリセッション(景気後退)を想定している。FHFAは、この想定は「予想される結果」を意味するものではない、としている。 審査は大部分が学術的な分析となっている。ファニーメイとフレディマックは資本基盤がほんのわずかしかなく、政府の管理下にあるため資本調達ができない。この結果、景気が落ち込んだ場合に下支えとなる緩衝材がない。 今回の審査結果から、両社の自己資本増強を許可するよう求める声が新たに浮上する公算が大きい。過去数カ月にも、一部の国会議員から資本を再構築できるようにすべきとの意見が出た。一方、財務省高官は、ファニーメイとフレディマックには、必要に応じて使える救済資金が十分にあると指摘している。 ファニーメイとフレディマックは、08年に政府の管理下に置かれた。その後、両社 が再び利益を計上するようになるまでに、財務省から総額およそ1880億ドルの資金注入を必要とした。FHFAと財務省との合意に基づき、両社はさらに2580億ドル以上の資金を引き出すことができる。 この合意では、ファニーメイとフレディマックは利益のほぼ全額を配当として財務省に支払い、資本準備金を毎年6億ドルずつ減らして18年にはゼロにするよう求められている。15年時点で、両社はそれぞれ18億ドルの準備金がある。 審査結果によると、深刻な景気の落ち込みにあっても、両社には財務省から引き出す資金が残されている。特定の課税資産の扱いがどのように認められるか次第だが、審査によれば、引き出す必要のある金額は686億ドル?1573億ドルとなる可能性がある。 FHFAは昨年、「深刻な悪条件」のもとで、ファニーメイとフレディマックが財務省から必要とする救済資金は、資産の扱い方次第で、844億ドル?1900億ドルになると推計した。https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12312591300819944275804580613810221364650&ei=AkhDVd7DH4_ooATA2YDYBA&usg=AFQjCNEaiFgiGOb57jEBmMMPjVoxSvnP-A&bvm=bv.92189499,d.cGU ドイツ国債の謎、なぜ超低利回りか By ALEN MATTICH 2015 年 5 月 1 日 14:48 JST ドイツ経済は着実に成長している。失業率は東西ドイツ統一以来最低水準となり、賃金とインフレ率は上昇し始めている。ただ、10年物ドイツ国債の利回りは0.3%前後に張り付いている。 どちらかに動きがなければおかしいはずだ。成長が減速するか、それとも、ドイツ国債が一気に売りを浴びるか。 ドイツ経済は輸出主導(その多くは高級品)のため、同国は金融危機後の資産ブームによって大きく支えられた。10年前から進んでいる労働市場改革もドイツの競争力強化に貢献している。これまでのところ、賃金上昇圧力は、特にユーロ圏各地から流入する移民労働者によって抑制されている。 しかし、こうした状況にも変化が見え始めている。スペイン経済が回復に向かい、イタリアやフランスの景気も底入れしつつあると思われるほか、東欧経済もかなり好調だ。直近の賃金交渉では、ドイツ金属産業労組(IGメタル)がバーデンビュルテンベルク州の労働者について3.4%の賃上げを勝ち取った。3月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比0.3%だったことを考えると、悪くない結果だ。ただ、インフレ率も上昇し始めている。年初のインフレ率はマイナス0.4%だった。 現在でも、インフレ率が今後10年間現在の水準を維持すれば、投資家にとってドイツ国債の実質リターンはほとんどゼロとなってしまうだろう。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和策(QE)の開始以降、ユーロ圏のインフレ期待は急速に上昇している。 事実、QEはドイツ国債を保有する上で重要な要因の一つだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が自身の行ったQEについて行った分析によると、この効果によって10年物米国債利回りは約0.75%押し下げられたという。 それでも、金融危機以前なら現在のようなファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の場合、ドイツ国債利回りはこれよりもずっと高かったはずだ。インフレ期待が上昇傾向にあるならなおさらである。 だが、利回りを抑制している要因は他にもある。当局による規制強化に対応するため、銀行がこの低リスク資産であるドイツ国債をこれまで以上に大量保有しているのだ。 また、ユーロ圏には信頼感に関して問題がある。短期的には、ギリシャがデフォルト(債務不履行)を起こした場合、ユーロ圏から離脱するのではないかとの懸念がある。長期的な要因では、欧州全体の連邦政府がない中、ユーロは通貨として生き残れるのかという不安がまだ残っている。ECBは、この先5年間ならユーロ圏をまとめることができるだろうが、10年先までは分からない。 つまり、ユーロ圏が崩壊した場合でも、投資家は高格付けのドイツ資産ならユーロ圏周縁国の資産よりずっと有利になれるというわけだ。 ただし、わずかなリスクに対する一種の長期的保険として投資家が支払う金額にはある程度限界がある。また、ドイツ国債が今週、売りを浴びたのは、価格がこの限界に達しつつあることを示唆している。ユーロ圏経済への信頼感が回復した場合、ドイツ国債はさらに大きく売られることだろう。 https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12312591300819944275804580613812524863820&ei=30dDVbzpNM7ZoASK54GwBw&usg=AFQjCNHDV3bg9JHjitVc41JRqlvSkd8DYQ&bvm=bv.92189499,d.cGU 欧州債の価値、19兆円吹き飛ぶ-週間ベースで記録的落ち込みも 2015/05/01 16:29 JST (ブルームバーグ):マイナス金利に対する投資家の不満を背景に、欧州の国債の価値は今週これまでに1420億ユーロ(約19兆1000億円)相当失われた。このままいけば少なくとも1993年10月以来の大幅な落ち込みで週を終えることになる。 ビル・グロース氏やダブルライン・キャピタル共同創業者のジェフリー・ガンドラック氏らは、今がドイツ国債を売却するタイミングだと主張している。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれば、欧州債の価値は4月30日に5兆7500億ユーロ相当と、3月4日以来の低水準となった。 独10年債利回り は4月30日までの2営業日で、2011年11月以来となる大幅上昇を記録した。ユーロ圏の4月の消費者物価指数の伸びが前年同月比で横ばいとなったことを受け、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策で独国債相場が押し上げられるとの観測が後退した。 原題:Europe’s Debt Erases $160 Billion on Path to Record Weekly Loss(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:トロント Cecile Gutscher cgutscher@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net Naoto Hosoda 更新日時: 2015/05/01 16:29 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNNSTU6S972G01.html
欧州の投資銀行、台本と違う変貌ぶり トレーディング回復は想定外 By PAUL J. DAVIES 原文(英語) 2015 年 5 月 1 日 18:09 JST 欧州の投資銀行業界は変わりつつあるが、その新しい姿は必ずしもシナリオ通りではないようだ。 これまでに発表された1-3月期(第1四半期)決算によると、英銀各行は約束した事業撤退を順調に進めている。一方、仏BNPパリバの業績は、フランスの投資銀行がトレーディング分野で次の有力な挑戦者になる可能性をうかがわせる。 今年に入り、米国の投資銀行は業績が回復しており、この流れは欧州でも続いている。それでもBNPの1-3月期の総トレーディング収入が前年同期比で29%増加したことは驚きだった。しかも、その要因は債券トレーディング収入が32%増えたことだった。 BNPは、総トレーディング収入と債券トレーディング収入の伸びの半分は、ドルに対するユーロ急落という為替効果によるものだと説明した。それを差し引いても高い伸びだ。 欧州の投資銀行業界でトップの座を維持しようとしているドイツ銀行も同様の為替効果があっただろうが、総トレーディング収入は前年同期比14.3%増にとどまった。うち債券トレーディング収入は9%増だった。 その他の銀行では、トレーディングの回復は戦略シナリオに全く含まれていない。クレディ・スイスは債券トレーディング部門を縮小しようとしているが、同部門のおかげでトレーディング収入がスイスフラン建てで13%増えた。ドル建てならもっと高い伸びになっただろう。 かつて業界首位だった英国のバークレイズとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は約束通りの変貌を遂げているようだ。バークレイズの債券トレーディング収入は横ばい、総トレーディング収入はわずか2%増だった。証券化・クレジットトレーディング事業から撤退したが、通貨取引の出来高急増がカバーした。 RBSは1-3月期のトレーディング収入の内訳を明らかにしなかったが、投資銀行部門が総収入に占める割合はここ2年低下し続けており、1-3月期もこの傾向は変わらなかった。 RBSを除く4行はいずれも、中核事業の収入に占める投資銀行部門の割合は2013年から14年にかけて低下したが、今年1-3月期は上昇した。うちBNPとクレディ・スイスでは、2年前と比べ大幅に上昇した。 投資銀行・トレーディング業務を戦略シナリオの柱に据えているのはドイツ銀行だけだが、その恩恵を受けていない。 ソシエテ・ジェネラルは昨年、欧州最大級のトレーディングルームを設けており、来週発表する1-3月期決算は好業績が見込まれている。一方、クレディ・スイスとUBSはともに、戦略シナリオで想定されるほど投資銀行部門の縮小が進んでいない。 一部の銀行はシナリオを整理することが必要だ。 https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12312591300819944275804580614092800525322&ei=wUdDVdT2E9DFogTI2IDQAg&usg=AFQjCNFfm3_oC1-iM-1tSDlz1MdfRO-Hcg&bvm=bv.92189499,d.cGU 安心感なくなったFOMC−世界中で中銀政策の予想困難に 2015/05/01 14:53 JST (ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)、それに世界の多くの中央銀行の政策決定会合の行方について、もはや安心して予想を立てることはできなくなってしまった。 コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長とその同僚が4月28、29日両日のFOMCで利上げを「議論の対象とし、データに正面から集中する」ことにしたと指摘し、「テクニカル的には最後の『安全』なFOMCだった」と述べた。 つまり今やFOMCの結果は予想し難く、金融当局によるフォワードガイダンスは終わったというのだ。ペルリ氏や他の大半のエコノミストは9月のFOMCでの利上げを想定しているものの、今後どのFOMCで利上げがあってもおかしくない。予想が難しくなったのはFOMCだけではない。今週、政策決定会合を開いた多くの中銀が出したメッセージはメッセージがないというものだった。 例えば日本銀行。4月30日の金融政策決定会合では政策を据え置いたが、黒田東彦総裁はこれまでこだわってきた2年程度での物価目標の達成を事実上断念。これにより日銀が年内に資産買い入れを強化する必要が生じるとの観測が高まった。 成長鈍化に直面する中国人民銀行にも緊張感がある。すでに利下げを実施し、預金準備率も引き下げた人民銀が、地方政府債の需要を支えるため貸し出しプログラムの1つを拡大することを検討していると今週報じられた。 ニュージーランド準備銀行は30日、政策金利を据え置いたが、ウィーラー総裁は需要と物価が弱まれば利下げする意向を示した。その前日、スウェーデン中銀は主要政策金利をマイナス0.25%に据え置く予想外の決定を下した一方で、国債購入の拡大方針を表明。インフレ目標達成のため追加措置を講じる「用意」があるとしている。タイ中銀は2会合連続での予想外の利下げに踏み切り民間エコノミストを惑わした。インフレと輸出をめぐる懸念から一段の利下げも近い可能性がある。 ロシア中銀は30日、市場の予想よりも大幅に政策金利を引き下げた。リセッション(景気後退)回避に向けた1.5ポイントの利下げで、政策金利は12.5%となった。インフレリスクがさらに弱まれば追加利下げの用意があるという。 ある程度明解だったのがブラジル中銀だ。市場の予想通り主要政策金利を0.5ポイント引き上げ13.25%とし、6月に追加利上げする可能性を示唆した。だが世界の大半の中銀について言えば、今は政策決定を安心して待つことはできなくなった。 関連ニュースと情報:日銀、2年での達成を事実上断念、追加緩和見送りで後手に回る公算 トップストーリー:TOP JK海外トップニュースの日本語画面:TOP JI 原題:Central Banks ‘Safe’ No Longer as Yellen & Co. Keep Options Open(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Zoe Schneeweiss, Andrew Atkinson 更新日時: 2015/05/01 14:53 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNNIKG6TTDSA01.html
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