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日銀の金融政策決定会合について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52701624.html
2015年04月30日 在野のアナリスト
安倍首相による米上下両院合同会議にて行った演説、中韓の自画自賛や反省がない、といった批判は的外れです。これは米国がやっていることは正しい。日本は米国についていく。高らかに『米国礼賛、媚米主義』を宣言したものであり、極めて遜ったものだからです。だから米議員も評価した。これだけ米国をもち上げ、米国に従う、と述べているのですから批判もできません。第1次政権のとき、戦後レジームからの脱却を掲げましたが、実は安倍氏がもっとも負け犬根性のもち主だった、というのがはっきりする演説です。中身を分析しようと思いましたが、あまりにスカスカのため、割愛します。少なくとも、米国留学から説き起こすなら、もう少し英語が上達していないと、何のための留学だったの? というところから疑問も湧くところです。
今日もう一つのイベント、日銀の金融政策決定会合は期待を煽った一部の思惑を裏切り、現状維持だったことで、日経平均は大きく売られました。その前に、米1-3月期GDPの悪化もありましたが、主因は欧州です。欧州全体では経済指標が悪化し始める中、独国の物価が上昇し、デフレ懸念が後退。独国債が売られて利回りが上昇し、欧州株価が大きく調整しています。
それを受けた米株は、FOMC声明をうけても利上げ見通しは曖昧、1-3月期GDPの悪化も「一時的」との見方で、消化難に陥って小幅下落。しかしGDP悪化は、設備投資の減少が影響しており、かつそれは原油安に伴うものであり、WTIが1バレル70$に届かなければこの状態は改善されない、ともいえます。FRBは知っていて嘘をついているのか? 判断に悩むところでもあります。
日本ではすぐ先物主導、という文言が並びますが、今日の下落は全体的にアンワインド、現物株の大きな取引ほどに先物が扱われた形跡はありません。欧州系が一社、大きな売買を行っており、ほぼ一手買いの状態でしたが、他は買いに傾きすぎたポジションを落としただけ、に過ぎません。つまりイベント前に積み上げたポジションを吐き出した。それが欧米の見通し悪化で、より大きな形になって現れたのが実相です。理由もなく先物が暴れたわけではありません。
黒田日銀総裁の会見も、強気の見通しを継続しますが、15年度の物価見通しを0.8%と、1月より0.2pt落とすなど、シナリオの狂いが指摘されます。物価だけをみれば、原油安効果が剥落する頃、物価は急上昇するという見立てをしますが、同時に円安がすすんだタイミングであり、輸入物価との兼ね合いからも楽観的すぎる見立てです。追加緩和せざるを得ない、との指摘もありますが、それにはリスク資産に手をだすしか方法がないのであって、その手法をシミュレートすると、ますます出口を難しくするばかりか、市場の歪みを大きくしてしまう可能性も高まります。
またここまで発表された、企業による今年度の業績見通しも、市場期待に届かないケースが多い。期初は慎重な見通しが多い、ということ以上に、今年の経済が年後半から加速する、という見立てを企業がもっていないことも、影響します。何より安倍氏が米議会で約束した安保法制を夏までに…となれば、国会はそれ一色となり、景気対策も年明けぐらいに後ズレすることになります。
安倍ノミクスが期待に働きかける政策なら、期待を裏切るとしっぺ返しも大きくなる、ということを市場の大幅下落が示してみせたのでしょう。FRBも、日銀も、実体経済から目を背け、ひたすら自分たちを正当化するためだけに、論を講じているように見えます。それは政治家も同じ、世界が虚構に溢れていると誰もが気づいたとき、裏切りへのしっぺ返しがどのようになるか? 日銀もそのシミュレートに恐れ戦いている、そんな状況になっているのかもしれませんね。
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