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大・社外取締役時代到来で一大ビジネス?3千人・3百億円市場創出、早くも争奪戦
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150430-00010006-bjournal-bus_all
Business Journal 4月30日(木)6時1分配信
「社外取締役」が人材ビジネス化し、活況を呈している――。
金融庁(細溝清史長官)と東京証券取引所(清田瞭社長)がまとめた上場企業の行動指針(コーポレートガバナンス・コード)は、東証1部と2部の企業に、独立性の高い社外取締役を2人以上置くように求めた。東証は上場規則を改正し、6月から適用する。
東証1部と2部の上場企業のうち、独立社外取締役がゼロの会社は約1000社ある。1人の企業は940社。今後の新規上場を考えると、少なくとも3000人の社外取締役が必要になる。総報酬は年間で平均1000万円とすると、300億円の新しい人材市場となる。官僚OBや学者、証券アナリストなどが候補に挙がるとされ、公認会計士や弁護士の中には自ら「就活」を始めた人もいる。日本公認会計士協会(森公高会長)は社外取締役候補を企業へ紹介する制度を始め、早くも350〜360人が登録したという。
公的機関の審議会委員になった経験があるかどうかで、報酬が大きく変わる。大阪弁護士会(石田法子会長)も日本公認会計士協会と同じようなデータバンクづくりを開始。内閣府の「はばたく女性人材バンク」も動きだし、過去に審議会委員を務めた延べ2800人の女性に情報登録の意向を聞いている。
社外取締役の人探しは容易ではない。特に焦りを見せるのは地方の企業で、社外取締役になり手がないことを見越して、監査役だった弁護士を急遽、社外取締役に横滑りさせた企業もある。欧米企業の社外取締役の多くは、他企業の経営者でもある。日本も早晩、欧米型になっていくのは間違いない。
「現在一番ニーズがあるのは、元社長や会長、相談役、顧問。さまざまな局面で背水の陣で決断を求められる企業トップを実際に経験した人を招きたい。官僚は天下りと批判されるので選びにくい。使えるのは、税務署か厚生労働省の出身者ぐらいではないか」(大手企業人事担当役員)
●広がるビジネスチャンス
ビジネスチャンスも広がる。リクルートキャリアは3月から顧問紹介サービス事業を始めた。社外取締役・監査役の紹介を行う。意識の高い経営者のために一肌脱ぎたいという元経営者の登録を呼びかけている。
欧米型にシフトする動きも強まる。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は6月に委員会設置会社に移行して、社外取締役の権限を強化する。社外取締役が過半を占める指名、報酬、監査の三委員会を置き、取締役の選任や解任案などを決める。
三菱UFJ FGはこれまで社外取締役の人数を増やし、取締役会の下に任意の指名・報酬委員会やリスク委員会を設けてきた。ここ2年で社外取締役を2人から5人に増やし、15人の取締役の3分の1が社外取締役になった。社外取締役の比率は3分の1以上にすると明文化し、リスク委員会は今後も継続する。
メガバンク系では、みずほFG、りそなホールディングスがすでに委員会設置会社へ移行済みであり、三菱UFJ FGが3社目になる。三井住友FGと三井住友銀行は社外役員を6人(取締役3人、監査役3人)から2倍以上の14人(取締役8人、監査役6人)に増員。6月26日に予定している両社の定時株主総会で就任する。
三井住友FGの新任社外取締役候補は、米ニューヨーク州弁護士のアーサーMミッチェル氏、前駐イタリア特命全権大使の河野雅治氏、東レ・ダウコーニング会長兼CEOの桜井恵理子氏の3人。続投する2人を合わせて5人体制となる。一方、三井住友銀行の新任社外取締役候補は、東海旅客鉄道(JR東海)特別顧問(元社長)の松本正之氏、スリーエムジャパン常務執行役員の中平優子氏。すでに1人いるので合計3人になる。
東京電力は、経済同友会前代表幹事の長谷川閑史氏(武田薬品工業会長)を社外取締役に起用する。6月に開く株主総会を経て、正式に就任する。これまで社外取締役を務めていた小林喜光・三菱ケミカルホールディングス会長が3月末に辞任した。4月に経済同友会の代表幹事に就任したためだ。
富士通は、日本人女性初の宇宙飛行士、向井千秋氏が、6月22日付で社外取締役に就任する。日立製作所は、社外取締役にフィンランドの通信機器大手ノキアの法務責任者だったルイーズ・ペントランド氏を起用する。6月下旬に開く株主総会で正式に決める。ペントランド氏の起用により社外取締役は8人に増え、取締役12人のうち3分の2が社外となり、半数の4人を外国人が占めることになる。
12月決算会社の株主総会が3月27日にピークを迎え、全体の4割の140社が開催。ユニ・チャームが初めて社外取締役2人を選任した。
“父娘対決”で世間の注目を集めた大塚家具は、3月27日の株主総会で娘の大塚久美子社長が勝利し、新体制がスタートを切ったが、社外取締役を3人から6人に増やし、社外取締役の役割がより重要になったと印象付けた。
●社長人事へも影響
社外取締役の最大の効用は「経営環境の見える化」にある。有力な社外取締役がいる会社では、社内で一番わかりやすい資料が取締役会の資料になるという話もある。
社外取締役の義務化は、従来の社長人事の決定プロセスにも影響を及ぼすといわれている。今春の大企業社長人事で目立ったのは、取締役を経験せずに執行役員から“飛び級”でトップに就くケースだ。三井物産社長に就任した安永竜夫氏、デンソー次期社長の有馬浩二氏、富士通次期社長の田中達也氏、ホンダ次期社長の八郷隆弘氏は50歳代で、いずれも執行役員から取締役を飛び越して抜擢された。
トップへの昇格は執行役員から、取締役は外部から招聘するのが新しい潮流になるのだろうか。
(文=編集部)
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