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日銀の追加緩和をめぐって、銀行と証券会社の意見が真っ二つに割れている。
銀行「猛反発」証券「大歓迎」 日銀・追加緩和めぐり金融界が分裂
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150429-00000500-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/4/29 18:29
日銀がもう一段の追加緩和に踏み切る−。金融市場でこんな観測が高まってきた。2月の生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比伸び率(消費税増税の影響を除く)が0%と低迷し、「平成27年度にも2%」という日銀の物価目標実現がほぼ不可能となったためだ。その追加緩和について、証券会社が歓迎しているのに対し、銀行は猛反発している。同じ金融界が真っ向から意見が対立しているのはなぜなのか。
■日経平均2万円に沸く証券業界
「個人投資家の資金が本格的に株式に向かう足音が聞こえてきた。中長期的には強烈な株価上昇があり得る」
日経平均株価が15年ぶりに一時2万円の大台を回復した4月10日。証券最大手、野村証券の明渡則和執行役員は、期待に満ちあふれたコメントを発表した。
この2年間、円安・株高を支えたのは、黒田東彦(はるひこ)総裁率いる日銀が導入した大規模金融緩和だ。
円安・株高をきっかけに、景気回復の足取りは地方にも波及しつつある。
日銀が13日に発表した地域経済報告(さくらリポート)では、全国9地域のうち東海、近畿、北陸の3地域で景気判断を引き上げた。判断を引き上げる地域が出たのは1年ぶりだ。
■追加緩和期待
しかし、金融政策の柱である肝心の物価は伸び悩んでいる。日本経済研究センターの「ESPフォーキャスト調査」(4月)で、日銀が数年以内に物価目標を「達成できない」と考えている民間エコノミストは41人中21人と過半に達し、前回の3月調査より6人も増えた。
また、年内の「追加緩和」を予想したのは23人に達した。緩和タイミングを分析すると、7月と10月がともに8人で最多。今後の物価見通しを公表する4月30日も4人いた。
野村証券は、10月に国債の年間買い入れ額10兆円増と上場投資信託(ETF)3兆円増を柱とする追加緩和を予想。SMBC日興証券も「物価目標未達はほぼ確実とみられ、追加緩和は不可避」として、7〜10月に踏み切ると予想した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二景気循環研究所長は「4月30日の金融政策決定会合で追加緩和すべきだ」と主張する。
英フィナンシャル・タイムズは3月下旬、日本の物価の伸びが横ばいになったことを受け、「日本、デフレの瀬戸際に」と報じた。
嶋中氏は「日銀が追加緩和を見送れば、海外投資家の失望売りも懸念される」と予想する。
裏を返せば、証券業界は“追加緩和大歓迎”というスタンスだ。
■ノー・サンキュー!!
「もう勘弁してくださいよ」
昨年10月末の追加金融緩和以降、日銀幹部は地方銀行関係者から「超低金利で利ざやが取れなくなった」と苦情を受ける機会が増えたという。
集めた預金を使って、貸し出しや国債などの運用でいくら稼いだかを示す「利ざや」(国内)は縮んでおり、既に、一部銀行では運用利回りで資金調達コストをまかなえない「逆ざや」に陥っている。
低金利で、住宅ローンの利用者は恩恵を受けるが、銀行収益は悪化している。
主力の「10年固定型」最優遇金利は今年2月、3メガバンクとも過去最低水準の年1.1%まで低下した。その後、国債金利が上昇したため、4月の最優遇金利は三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行は1.25%、みずほ銀行が1.20%まで上昇したが、それでも低水準だ。
金融庁は1月、一部の地銀に対して、住宅ローンの損失率や収益見通しなどを報告するよう求めた。
■追加緩和「絶対ない」
「追加緩和はもうない」
こう言い切るのは、大手銀行首脳だ。
日本は長くデフレの状態が続いた。このため、物価上昇率が日銀の目指す2%に達してしまうと、「勢いがつきすぎて、(1年で物価が2〜3倍にもなる)ハイパーインフレになってしまう恐れがある」と指摘。そうなれば、日銀は物価を制御できなくなるからだ。
さらに、「日銀は、来春にも国債購入縮小などを柱とする金融緩和の『出口』に向かう」と予想。こうした発言の裏には、金利がある程度上がらないと、「銀行はもうからない」という本音も見え隠れする。
証券を除く金融機関はおおむね銀行と同じ考えだ。
保険会社幹部は「金融緩和は、低金利によるマイナス効果だけでなく、円安・株高に伴う含み益増、景気浮揚というプラス効果ももたらした。しかし追加緩和となれば、国債市場の機能低下など副作用が大きくなる。慎重に考えるべきだ」と注文をつける。
現在のメガバンクは傘下に銀行、信託、証券を抱える総合金融会社化を強化している。このため、金融緩和をめぐって、同一グループ内で利害が対立する局面も出てきそうだ。
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