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失速する中国経済:ソフトランディングなるか(英エコノミスト誌)
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/741.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 27 日 15:56:15: igsppGRN/E9PQ
 

中国各地で大規模開発が進められてきた(写真は中国東部・江蘇省蘇州)〔AFPBB News〕


失速する中国経済:ソフトランディングなるか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43634
2015.4.27 英エコノミスト誌 2015年4月18日号


中国の成長は降下しつつある。それはソフトランディングになるだろうか、それともハードランディングになるだろうか?

 米国のテレビニュース番組「60ミニッツ」が2013年に鄭州という主要都市の新しい地区を訪れた時、この街を中国の不動産バブルのシンボルにした。「我々は、ゴーストタウンと呼ばれる街を見つけました」。番組のアンカーを務めるレスリー・ストール氏はこう言った。「何マイルも何マイルも何マイルも何マイルも無人状態です」

 あれから2年経った今、ストール氏は同じことを言えない。彼女が立っていた人気のない道路は、絶えず車が行き来している。

 昼食時になれば、労働者たちがのんびりした足取りでオフィスから出てくる。分譲地の窓には、洗濯物がぶら下がっている。

 中国中部の人口900万人の都市、鄭州の東側にあるその新開発地区は、省と市の政府が事務所の多くをそこへ移転させた時に離陸した。その後、大学規模のキャンパスを持ついくつかの高校が生徒を受け入れ始め、この地域に家族を引き寄せた。

 昨年秋には世界最大級の小児病院が開業した。1100床のベッドを持つ、明るい色をしたピカピカの施設だ。

 この地域の初期の住人の1人、チェン・ジンボーさんは、2年ほど前の静けさが失われたことを嘆く。「今はラッシュアワーが悩みですよ」

■鄭州の開発の成功が意味すること

 鄭州の開発の成功は、中国の過剰投資に対するいくつかの大きな不安が誤りであることを示している。ゴーストタウンのように見えるものも、正しい呼び水と多少の時間があれば、実体を得ることができる。だが、鄭州の開発は中国経済の転換点を迎えたことも象徴している。

 鄭州は今なお野心的な計画を持っている。とりわけ空港周辺の巨大な物流拠点に関する計画はそうだ。

 だが、このように大きな都市圏がすでに建設されているため、巨大な建設プロジェクトが経済に与える影響は漸進的に小さくなっている。鄭州の域内総生産(GDP)の成長率は昨年9.3%に低下した(それまでの10年間の平均は13%強)。低下傾向は今後も続くだろう。

 中国で最も貧しい省の1つである河南省の省都として、鄭州は中国最後の大きな急成長フロンティアを支えてきた。鄭州の成熟は、中国経済の減速が循環的な落ち込みではなく、構造的な下降であることを示している。

 数年前に力強い沿海部の省の成長が鈍った時、貧しい内陸部がその代わりを務めた。内陸部はしばらくの間は不足を補えるだけの規模があった。

 河南省や、1人当たり所得が同様の水準にある他の内陸部の省には、中国全体の3分の1に近い4億3000万人の住人がいる。

 それらの省が独立国家だったとしたら、ブラジルよりもインドよりも大きい世界第7位の経済大国を形成している。

 極西部は中国最後の低開発地域だが、その重要性ははるかに小さい。人口が国全体の10分の1に満たないからだ。

 そのため、中国にとっての問題は、成長率が過去の2ケタの伸びのようなペースに戻るかどうかではない。むしろ、成長の減速が漸進的な下降になるか――時には多少ガタガタするが危機には陥らない――、それとも、突然の危険な急降下になるかどうかだ。

 4月15日に公表された統計は、さらに高度が失わたことを示していた。第1四半期のGDPは前年同期比7%増と、2009年初めの世界金融危機のどん底以来最も低くなっている。ストレスの兆候も表れている。資本が国外に流出しており、財政がさらに厳しさを増しており、不良債権が増加しているのだ。

 だが、そこで話が全部終わるわけではない。中国は優れた底力も持っており、最も有害な歪みを正す決意も新たにしている。「成長は低下し続けるだろう」と国営金融機関、中国農業銀行のチーフエコノミスト、向松祚氏は言う。「我々の主な願いは、低下がスムーズに進むことだ」

■暴風雨警報

 中国を覆う最も暗い雲は、不動産市場だ。鉄から家具に至るまで、それが及ぼす影響を計算に入れると、不動産市場は経済の2割近くの原動力となってきた。それが今度は、成長の減速要因になろうとしている。住宅価格は過去1年間で6%下落した。これは統計を取り始めてから最も大幅な落ち込みだ。

 不動産市場が脆弱に見えるのはこれが初めてではないが、これまでの落ち込みは、市場を冷ますための意図的な政策によるものだった。ここ数カ月は、それとは逆だ。需要が、住宅ローン金利の引き下げなど、一連の支援策に反応していないのだ。これが、来るべき暴落の予想を刺激している。

 問題は現実に存在しているが、このような災害警報は誤診に基づいている。中国は売れ残った住宅の山の上に座っているというよく聞く意見は誇張されている。

 こうした主張をする人たちは、不動産の販売と建設の乖離を指摘する。

 公式統計によると、昨年の住宅販売は2009年より20%多かったが、進行中のプロジェクトはその時から2倍以上増えている。

 それが本当なら、建設中の住宅の在庫を消化するのに5年かかることになり、世界金融危機以前の3年から増えていることになる。

 だが、こうした見通しの多くは、実際には地面に開いた穴に過ぎない。資金不足で停止されている案件もあれば、開発業者がもっと市況が強い時に売るのを待ちたいという事情で中断されている案件もある。このことを示す証拠は、不動産の竣工件数やセメント生産によって示される実際の建設活動だ(図1参照)。

■不動産市場、成長の原動力から足かせに

 こうしたデータは、販売の実勢とぴったり合致している。

 不動産コンサルティング会社Eハウスによると、現在の販売ペースで中国の新築住宅の在庫をさばくためには16カ月かかり、市場が今より良い状態だった時の10カ月から増えている。

 これは悪化を示しているが、とても悪夢とは言えない。

 中国の不動産市場が供給過剰の重圧で崩壊する段階ではないというのは良いことだ。悪い知らせは、その成長が鈍っていることだ。住宅部門は、政府が私有財産の所有権を認めた後、今世紀初めに離陸し始めた。

 都市への大量の人口流入が需要を増大させた。中国の都市化率は、1990年の26%から現在の55%まで2倍以上に上昇している。これらの要因はどちらも弱まりつつある。多くの中国人は、元々住んでいた国が支給する箱型の建物よりおしゃれな住宅にすでにグレードアップしている。そして、都市化のペースは鈍っている。

 多くのアナリストは今、年間約1000万戸に達している住宅販売が間もなく減少に転じると見ている。建設される住宅はまだたくさんあるが、年を追うごとに少なくなる。

 住宅ブームの寿命について過度に楽観的だった人たちは、代償を払っている。

 中国の鉄鋼メーカーは、年間12億トンの生産能力を作り出していた。昨年生産された8億2000万トンが恐らくピークになるだろう。

 そのため、不動産は中国経済にとって原動力から足かせに変わりつつある。大手銀行UBSのワン・タオ氏は、建設の伸びが10ポイント低くなるごとに、GDPが約3%下振れすると試算している。タオ氏は、今年、そのペースの半分程度の減速を予想している。

 より控えめな現実が実感されつつある。河南省の南部では、固始県が現在人口50万人の中心都市を120万人都市に拡大したいと考えていた。建設工事は熱狂的に進められている。ハンマーがカンカン鳴る音や掘削機が唸るような音が市内各地の通りに響き渡っている。

 だが、住宅販売が期待に届かないことから、固始県は目標を下げ、今では80万人都市を目指している。開発区に指定された郊外のぬかるんだ野原は、手つかずのままになる運命のようだ。

■債務に足を引っ張られる経済

 中国が不動産市場を甦らせる1つの方法は、世界金融危機が起きた2008年にやったように、国内銀行を使って現金を経済に流し込むことだ。だが、そうすれば、ひどい過ちを犯すことになる。

 当局者はすでに、前回の融資ブームが残した問題に対処するのに手いっぱいだ。債務残高は急増し、2008年にGDP比150%程度だった残高が現在は同250%を超えた(図2参照)。

 1990年代の日本と過去10年間の西側諸国の大部分では、それより小規模な債務増加が金融不安の前触れとなった。

 債務が経済の歯車を詰まらせているため、中国の融資は効果が弱くなった。

 金融危機以前の6年間には、1元の新規融資が約5元の経済生産をもたらした。危機以降の6年間には、1元の融資が3元の経済生産しか生んでいない。

 銀行各行は、資産の1.25%しか不良債権化していないと報告しているが、投資家は、本当の数字が10%に近いかのように銀行株を値付けしている。銀行自体の内部にも不信感がある。ある大手金融機関の信用調査担当者は「本社は地方を信用していない」と言う。

 最近まで、中国は成長することによって債務問題から抜け出すことができた。その選択肢はもうない。

 デフレが到来し、経済が弱くなっていることから、名目成長率は数年前の3分の1程度になっている。

 2015年第1四半期までの1年間で名目GDPはたった5.8%しか拡大していない。

■1990年代後半との違い

 また、中国が前回、不良債権の増加に見舞われた1990年代後半と比べると、金融システムがはるかに複雑になっている。当時は国営銀行がほぼすべての融資を担っていた。金融危機以降は、その割合が3分の2未満に落ち込んだ。規制の緩い「シャード―バンク(影の銀行)」が残りの大部分を占めている。

 だが、債務の大幅な増加が必ず危機をもたらすという鉄則はない。多くのことは、債務がいかに管理されるかにかかっている。

 中国には、いくつかの利点がある。債務の大部分は国内で保有されている。多くの場合、債務者と債権者の双方が政府という同じ君主の支配下にある。国有銀行はすぐに国有造船会社から債権を回収したりしない。これが、造船会社が問題を片付ける時間を稼いでくれる。

 また債務は一部に集中している。家計はあまり借り入れを行っていない。中央政府も同様だ。主な債務者は地方政府と比較的狭い範囲の企業だ。すなわち、国有企業、不動産デベロッパー、建設会社だ。

 今、不動産セクターで初の大規模なデフォルト(債務不履行)が生じる可能性によって中国の防衛策が試されている。汚職事件に巻き込まれたデベロッパー、佳兆業集団は債券保有者と債務再編について協議している。

 今のところ、金融業界に伝染する動きはない。投資家は格付け機関のムーディーズと同じ結論に達した。佳兆業は孤立した事例であり、システミックリスクの兆候ではない、ということだ。

 その点において、中国の債務問題は不動産の低迷と似ている。急性の危機が生じる可能性は低いが、予後の診断はまだ厳しいのだ。信用の伸びは前年比で15%未満に落ち込み、過去10年間の平均値の4分の3以下に下がった。

 だが、名目成長率はそれ以上に低いことから、中国の対GDP債務比率は上昇し続ける。このため融資はさらに減速しなければならない。これが地平線上のもう1つの暗雲だ。

■バックアップ電源

 中国経済に関する報道は時として、これがあたかも信用を燃料とした1つの巨大な不動産バブルであるかのような印象を与える。

 それが事実だったとすれば、建設と融資の二重の減速はそれだけで、成長率を1ケタ台前半に引き下げ、場合によっては景気後退をもたらすだろう。これは何年も最も弱気なアナリストが喧伝してきたシナリオだ。

 中国の景気下降はまだ続く余地があるが、そのような悲観論は一貫して的外れだった。あまり評価されていないかもしれないが、単純な理由は中国が大陸規模の経済であり、1つ、2つの産業よりずっと多くの強みがあることだ。

 また、中国が中所得国の地位を得た今、爆発的なキャッチアップ成長の時代が終わったとはいえ、より緩やかなキャッチアップの余地はまだある。購買力平価ベースで見た中国の1人当たりGDPは1万2000ドルで、トルコのそれの3分の2に届かず、辛うじて韓国の3分の1に達した程度だ。

 中国が切に必要としている消費主導型成長への移行は始まったばかりだ。投資は経済生産の50%を占め、日本や韓国が最も著しい成長段階で記録した水準をも大きく上回っている。経済のリバランスがなければ、産業の過剰生産能力は増える一方で、資本利益率を一段と損ねることになる。

 ようやく、かすかな希望の光が見えてきた。

 投資の伸びは近年、半分に低下したが、消費の伸びは安定を保った。将来、中国の成長が鈍るにつれ、成長に対する消費の貢献度は高まっていくはずだ(図3参照)。

 これは部分的には、社会的セーフティーネット(安全網)を築く政府の取り組みの進展の証しだ。

 まだ進行中の作業だが、健康保険、老齢年金、無料の学校教育は中国人の驚くほどの貯蓄性向を抑制する助けになったようだ。家計貯蓄率は所得の40%で近年上昇が止まっている。

 それ以上に重要なのは、経済構造の変化だ。サービス業は2年前に工業に取って代わって中国経済の最大セクターになり、その差は拡大している。昨年はサービス業がGDPの48.2%を占める一方、工業のシェアは42.6%に低下した。

 サービス業の方がより労働集約的で、このことが2つの利点をもたらす。

 まず、中国は今、以前より低いレベルの経済成長でより多くの雇用を生み出すことができる。

 中国の成長率は昨年、過去20年以上なかった低水準に落ち込んだが、1320万人分の都市部の新規雇用を生み出し、過去最大を記録した。

 第2に、堅調な労働市場のおかげで、賃金が安定的に上昇し続けた。これは人々が消費を増やすための必要条件だ。

 正式に貧困地域に分類されている固始県でさえ、住民が衣料品店や美容院、街に1つしかない外資系レストラン(ケンタッキー・フライド・チキン)に押し寄せている。

 ここに住む多くの人と同様、チャン・ユーリンさん(43歳)は成人期の大半をよそで過ごし、仕事があるところへ働きに行った。北京で建設作業員、上海で配達人として働き、鄭州市でアイスクリームの卸売業を営んだ後、妻子と暮らすために固始に戻った。

 この夏には、家族を休暇で北京に連れて行くために6000元(970ドル)の予算を立てている。「以前はすべて貯金した。最近では、稼ぎの一部を使うだけの自信がある」と彼は言う。

■方向転換

 リバランスするだけで中国が問題から逃れられると考えるのは慢心だろう。急増する債務と不動産への過剰投資は、中国経済の基盤の欠陥から生じている。

 中国の規制は投資の選択肢を狭め、不動産が数少ない有望資産の1つになっている。これが住宅価格を高騰させている。地方政府は徴税の権限が限られているため、土地の売却に依存している。これが、さらなる不動産開発を招く。

 また、中央政府が必ず都市を支えてくれるという考えから、銀行は信用力をほとんど考慮せずに融資する。これが経済に大量の不良債権を積み上げることになる。

 経済成長がどんどん伸びていた時には、相互に関連するこれらの問題は容易に無視することができた。政府は今、もうこれらの問題を避けることができなくなった。そこで3種類の改革を試みている。

 1つ目は金融自由化だ。中国の金融政策は今、中央銀行がすべての主要金利を統制していた5年前とはまるで別物のように見える。経済全体の資金調達コストは、市場に基づくものになっている。

 銀行はさまざまな投資商品を提供して、預金獲得を争っている。家計は銀行口座に代わるものに貯蓄の30%を預けている(2009年は5%)。

 公式な預金金利はまだ固定されているが、規制当局は銀行に柔軟性を与えており(現在は2.5〜3.25%の範囲内)、向こう1年内に完全に自由化することをほのめかしている。

 政府は資本規制も緩和した。企業は以前、1億ドルを超す海外投資については政府の承認を得る必要があった。昨年後半、その基準が10億ドルに引き上げられた。

 ここ数カ月、資本流出が急増している。一部には、中国人が自国への信頼を失っているためだと見る人もいるが、規制当局はもっと楽観的で、これはより均衡の取れた経済の兆候だと指摘する。

 それ以外の道筋――人為的に低い金利で資金を中国国内にとどめ、無駄な投資を促すこと――の方がはるかに破壊的だったという。

 改革の第2の分野は財政だ。これは始まったばかりの取り組みだ。問題は、地方自治体は歳出の責任が多過ぎ、歳入が不十分なことだ。中央政府は今後、地方政府への資金供給を増やし、新たな徴税権を与える。

 修正された財政法では、中央の承認を得ることが条件になるとはいえ、すべての省が初めて債券の発行を許される。中国財務省も同省の債務を処理し始め、1兆元の債務を再編する計画だ。

 3つ目の焦点が官僚機構の改革だ。ここでは進展はまちまちだ。

 地方出身者が大都市に越して定住できるようにする戸籍制度(戸口)の改正は、途切れている。より健全な労働市場を生み出すためには、それ以上の改革が必要だ。

 また、中国は動きの鈍い国有企業の大改革を望んでいた人たちを失望させたが、小さな変化は助けになる。非上場の国営親会社から上場子会社へ資産を注入すれば、中国中信集団(CITIC)のような企業は市場から厳しく監視されることになる。

 同時に、中国政府はほかの重要なレバーの掌握も緩めている。新規企業を登記する手続きを簡素化した。例えば起業家は今、現金以外の資産を自己資本として使うことができる。そうした起業家は昨年、約360万社の企業を興し、その数は2013年から50%近く増加した。

 改革自体が新たなリスクを生み出している。過去6カ月間の株式市場の強気相場は、国が金融自由化に乗り出した時によく起きる資産バブルの様相を呈し始めている。

 だが、従来の経済システムをそのまま残した方が危険だ。

 従来のシステムを維持した方が短期的には高い成長率を実現できるが、債務が一方的に膨らみ、やがて訪れるバブル崩壊のリスクを大きくするという代償を伴う。

 総合すると、政策転換は、以前よりスピードは遅いが、より耐久性のある経済成長への移行を円滑にするはずだ。

 この移行には時間がかかる。今のところ、投資はまだ経済の半分を占めている。鄭州市では、建設現場の埃が町の南半分を覆っている。労働者は巨大な新空港ターミナルを建設しながら、新しい地下鉄5路線のトンネル工事を進めている。トラックが高架道路の柱を運ぶ中で、夜には何時間も交通渋滞が起きる。

 この混雑に見舞われている住民にとっては、差し迫った懸念は経済崩壊ではなく、たとえ昨年より弱いとはいえ、継続的な成長の頭痛なのだ。

© 2015 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


 

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コメント
 
01. 2015年4月27日 17:19:22 : nJF6kGWndY

楽観はできないが、右翼系が言うほど悪くは無い

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0NI02Z20150427
コラム:中国の「ゴーストシティー」という神話
2015年 04月 27日 11:24 JST
Wade Shepard

[22日 ロイター] - ゴーストタウンも、かつては隆盛を極めた新興都市だった。そして現在の中国には、他のどの国よりも多くの新興都市が存在する。これほど経済が急成長を遂げ、雨後のたけのこの勢いで建設が進む国はほかにない。

こうした急成長が、至るところにゴーストシティーが生まれるという中国特有の副作用をもたらしている。

とはいえ、ここで言うゴーストタウンとは専門用語として語弊があるかもしれない。ゴーストタウンとは本来、経済的に機能を停止した都市を意味する。要するに、死んでいるということだ。だが、中国のゴーストタウンはそれとは反対の意味を持つ。つまり、まだ産声を上げてはいないということだ。

中国共産党が中華人民共和国の建国を宣言した1949年当時と比べ、同国の都市数は現在、600都市ほど多い。1980年代初めに始まった大規模な都市化で農村部は再区分され、都市へと生まれ変わった。都市化は未来へ向けた中国の発展計画の中心となった。

2000年代初めにはこうした動きが加速。すでに存在する都市の郊外から狭間にある未開発の地に至るまで、中国全土で新たな都市開発が始まった。比較的短い期間に、多くの都市の規模が2─3倍に拡大。上海はわずか15年で7倍となり、人口は661万人から2300万人超へと大幅に増加した。

こうした広範囲な都市開発は野放しに行われているわけではなく、包括的な枠組みのなかで規則に従って建設が進められている。中国の戦略的に重要な場所では、新たに10の「メガリージョン(巨大地域)」を造る構想が提案されている。メガリージョンは基本的に、人口2200万─1億人以上の都市の集合体で、各都市はインフラを共有し、経済的にも政治的にもつながる可能性を秘めている。

中国の財政政策は地方自治体に対し、こうした大規模な都市計画に従うよう求めている。世界銀行によると、同国の地方自治体は国の税収の40%しか受け取っておらず、自治体予算の80%を自分たちで賄わなければならない。その大きな助けとなるのが土地売買だ。農地を安く買い占め、税金の高い宅地として売りに出して利ざやを稼ぐのだ。財政省によれば、2012年だけで地方政府は4380億ドル(約52兆3600億円)を土地売買から得たという。

不動産デベロッパーがこうした土地を購入する場合、土地をそのままにしておくことは法律で禁止されており、何かしら建てなくてはいけないことになっている。早い段階で新しい開発エリアに参入することは大きな利益を得る鍵だと一般的に考えられているが、こうしたエリアは概して、すでに機能する都市部からはとても離れた場所にある。つまりそれは、十分な人口基盤のないところに大規模な集合住宅や巨大モールなどを建設することを意味する。

一から新たに都市を築くというのは長期に及ぶ構想であり、中国は実現までに約17年から23年かかると見込んでいる。2020年までには、内モンゴル自治区鄂尓多斯(オルドス)市の康巴什(カンバシ)新区には30万人が、上海・浦東新区に建設中の南匯新城には80万人が、河南省の鄭東新区には500万人が移住する予定だという。

予定通り建設が進んでいる都市開発計画はほとんどないに等しい。大半がいまだに建設中であり、故に現時点でゴーストタウンと呼ぶには時期尚早かもしれない。都市中心部の建設は急速に進められているものの、居住化には長期的な努力が必要だ。

医療や教育などの公共サービスも必要となるため、新たな都市に人を居住させるには多額の費用がかかる。また、都市が完成してから実際に人口を維持できるだけの準備が整うまでには長い時間を要する。この間の期間を「ゴーストシティー」期と呼んでもいいだろう。

中国の大規模な都市開発の多くは最終的にこの段階を経て、都市として活性化するようになる。基礎的なインフラ設備が整い、ショッピングモールができ、雇用も生まれる。新たな大都市の多くには大学のキャンパスや市庁舎が造られ、銀行や国有企業の支店もできる。そして、補助金などにより多くの企業が誘致される。そうなれば、さらに多くの人が集まり、都市は活性化していく。

スタンダード・チャータードのリポートによると、中国で最も悪名高いゴーストシティーのいくつかは、ここ数年で驚異的な人口増加を経験している。2012─14年のわずか2年間で、鄭東新区の居住率は2倍に、江蘇省鎮江市の丹徒区は同4倍、同省常州市の武進区は20%から50%に上昇した。依然としてかなりの空き室が残されており、集合住宅が集まる都市部では半分しか埋まっていない状況だが、それでも多くの人がそこで暮らしており、社会的にも経済的にも都市として十分に機能している。

通常、新たに開発された中国の都市が機能し始めるには少なくとも10年はかかる。しかし、いったん動き出せば、都市は成長を続け、最終的にはより大きな都市景観と調和するようになる。そして、そのときにはすでにゴーストシティーのレッテルは消え去っているだろう。

*筆者は中国の都市化を2年半にわたり調査し「Ghost Cities of China」を上梓。現在、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの寄稿者などを務める。 


02. 佐助 2015年4月27日 19:34:33 : YZ1JBFFO77mpI : wgqur15vNg
第二のリーマンショックは中国,香港の可能性がまだある。しかも二番底・三番底は日本発のアベノミクス。

2015 年になっても、まだ世界信用縮小恐慌の渦中にあることを認識できない政治家や経済学者やエコノミストや国民には多い。しかも2011年12月に、ついに
ブラジル・中国・インドの住宅土地バルブが弾け、同時に、欧州各国の債券バブルが弾けています。

中国のバブルは、クルミの殼一個が百万に高騰、住宅土地バブル中心に、日本と米国と同じように破裂した。そして、一党独裁支配制を採用したため、社会主義国家ソ連と同じ様に中国は、革命から80 年目に自壊する。

ではナゼ中ソ社会主義国家は80 年目に自壊するのか? それは、三世代目になると、革命を直接経験しない世代が多数派となるためだ。彼らは、低生活水準での平等より、自由を求めるため自壊する。

石油輸出国も、40 年目に政治的自由の要求に譲歩し、政治体制を維持するが、戦後80 年目の節目には、民衆蜂起によって指導者層は分裂し、自壊することを避けるのは難しい。

資本主義国家でも社会主義国家でも、国家と企業と個人は、それぞれ利己的な自衛思考と行動をするために、短所や矛盾の発生は避けられない。ライバルの社会主義国家が自壊すると改革を停滞させてしまうのです。日本も、40 年ごとに改革され80 年ごとに革新されたが、最後は停滞し自己崩壊する。ただし80 年ごとに政治と経済を大革新すると問題は発生しない。

第三の基軸通貨国の見える通貨の本命の元は中国解体とバブル作裂と、シーラカンス銀行のデフォルトの三つの危機に直面している。しかも中国が農奴的専制政治から開放されて80 年目には、農奴的専制政治から開放された記憶をもった人間はゼロとなる。さらにソ連邦は80 年目に自由主義革命で解体したが、中国も政治的自由を求めて解体されることは避けられない。

そして私立銀行が通貨発行し、企業を直接支配するシステムは、第一次世界恐慌で資本主義の恥部として、倒産され一掃されたが英国銀行と香港民間銀行と中国官製銀行が、香港ドルを印刷発行。中国の元は外国の投機に振り回されないように国家管理しているが、香港銀行発行の元建ての債券は外資に売っている。そして「元」が基軸通貨の仲間に入っても,もしも「世界的商品の優位性」の日本が基軸通貨から外れると,世界恐慌は収束しません。


03. 2015年4月28日 02:02:27 : YxpFguEt7k
「5.8%しか拡大していない。」

実質成長率はマイナス1.0%の日本からすれば、うらやましいかぎりの数字だけどねぇ…
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86186870X20C15A4I00000/


04. 2015年4月28日 06:49:03 : jXbiWWJBCA

TPPの意義:高水準の貿易か、中国包囲網か

2015年4月28日(火)  The Economist


 ワシントンから好ましいニュースが出てくることなど滅多にない。だが先般、米議会の超党派の有力議員が「貿易促進権限(TPA)」法案を提出した。TPAは「ファストトラック権限」とも呼ばれ、大統領に通商交渉権限を一任するものだ。同法案が可決されれば、大統領は久方ぶりに通商交渉におけるTPAを手に入れることになる。

 法案が成立すれば、日本を含む環太平洋11カ国(中国は除く)と米国を結ぶ環太平洋経済連携協定(TPP)に対する強力な追い風になるだろう。そして今、タイミングを見計らったかのように、TPPに関して歓迎すべきシグナルが発信された。日本の安倍晋三首相が長らく懸案だった訪米に臨んで――上下両院合同会議での演説も予定されている――日米2国間貿易協定は成立間近だと述べたのだ。TPPの成否はこの日米2国間貿易協定にかかっている。

 しかし、ここで留意すべき点が2つある。1つは、TPA案は、議会の承認を得られないかもしれないこと。もう1つは、農家を保護するため、日本が関税の大幅な引き下げに踏み込まない可能性があることだ。こうした懸念が現実となる可能性は高い。なぜなら、日米両政府が同じ間違いを犯してきたからだ。両国はともに、あまりにも早い段階でTPPを中国包囲網の切り札として使う間違いを犯した。

 TPPがまとまれば、日本と米国を含め、世界のGDP(国内総生産)の40%を占める国々が参加することになる。これにより2025年までの間、世界の生産が年間2200億ドル(約26兆円)押し上げられる可能性がある。TPPを契機に、知的財産権や国営企業、環境、労働基準といった難しい分野の改革も進むとみられている。そしてTPPにはベトナムからオーストラリアまで様々な発展段階にある国が参加する。

中国封じ込め策ならば為替条項を飲む必要も

 だが、TPA法案が成立しない限り、TPPの実現はおぼつかない。TPA下で議会は、大統領が外国と妥結した通商協定について賛否だけを判断できる。このため、議会の修正によってTPPが骨抜きにされたり、審議に膨大な時間がかかるリスクが回避できる。

 このファストトラック法案を成立させるためには、民主党内の不協和音に対処しなければならない。一部の議員はTPAに強硬に反対している。不公正な貿易相手国と闘うために、米国はより強力な武器を備える必要があるとみる向きもある。そうした議員の代表格が、ニューヨーク州選出の有力上院議員、チャールズ・シューマー氏だ 。シューマー上院議員は、中国は人為的に人民元を押し下げ、米国の雇用を破壊していると決めつけ、通商協定を結ぶ際には為替操作に対して経済制裁を発動する規定を盛り込むようTPAに定めるべきだと言明している。

 通商交渉に為替操作条項を付加することは賢明な考えとは言い難い。為替操作の有無を判断するのが難しいうえ、そうした条項を織り込めば、通商交渉が妥結する公算は小さくなる。だがオバマ政権はTPPを、強腰の中国を封じ込めるための手段と見なしてきたため、シューマー氏の要求を無視することは困難だ。

どっちが大事? 日本市場の開放と中国抜きの貿易秩序

 同様の間違ったロジックが、日本でも問題を引き起こそうとしている。安倍首相は中国を牽制するという戦略的見地から、TPPへの参加を推進してきた。自由貿易の根っからの信奉者だからではない。交渉に入った際、安倍首相の支持者の中には中国カードを切ることによって、日本は大幅な譲歩を免れると考える者がいた。つまり米国にとって、コメなど日本の最も手厚く保護された市場をこじ開けることよりも、中国抜きの通商交渉を結ぶことの方が重要だと考えた。

 この期に及んでも、日本は高い関税を維持したいと考えているようだ。日本が提供する最大の妥協は、米国などTPP交渉に参加する国にコメの無関税輸入枠を割り当てることにとどまる。

 TPPを中国を牽制するための手段と見なす限り、最小限の合意しか引き出せず、TPPがもたらす経済的な利益は微々たるものになってしまうだろう。TPPの真価は世界貿易に高い基準を課し、参加諸国に大胆な合意を求めることにある。長期的には、中国が参加してこそ世界は大きな利益が上げられる。通商交渉はある種の競争のようなもの。現実には「負けるが勝ち」の戦いなのだ。

c2015 The Economist Newspaper Limited.
Apr 25th 2015 | From the print edition 2015 All rights reserved.

英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。

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The Economist

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日本に来て失望、中国よりも社会主義の国だった 行き過ぎた「平等」は社会の活力を失わせる
2015.4.28(火) 柯 隆
 日本人は不平等なことに対して相当神経質のようだ。日本では多くの人が、社会は平等でなければならないと思い込んでいる。私は27年前に留学のために来日した当初から、そのことを強く実感している。

 中国は社会主義だから平等でなければならないが、日本が平等でなければならない理由はよく分からない。日本では大勢の人が平等であることを追い求めた結果、日本社会は中国よりも社会主義的になってしまった。

 このことは筆者が日本社会についてもっとも失望した点だと言える。27年前、筆者はさまざまな苦労を乗り越えてようやく社会主義中国を脱出した。それなのに、たどり着いた日本はなんと中国以上に社会主義の国だった。その落胆がどれほどのものだったか、みなさんに分かっていただけるだろうか。

 2期目の安倍政権について筆者が個人的にもっとも良かったと思う点の1つは、安倍総理が就任初期に「報われる社会作り」を提唱したことだった。だがその後、どういうわけか、報われる社会作りは言われなくなった。

 「報われる社会」は必ずしも平等な社会にはならないが、公平・公正な社会にはなる。日本の失われた20年をずっと見てきた筆者は、日本社会の病根はまさに不公平、不公正さにあると考えている。例えば大企業の場合、同期入社のサラリーマンの待遇は誰も大差はなく、実に平等である。だが、そのおかげで会社の活力が削がれている。怠け者を優遇しすぎている半面、きちんと結果を出している社員の所得を抑え、しかも多額の税金を徴収しているからである。

 今や中国では「格差」が拡大して社会主義の国ではなくなったのに対して、日本はますます社会主義的になっている。

果たして「格差」は悪いのか

 トマ・ピケティの本『21世紀の資本』がベストセラーになっているが、彼の主張にはどれほどの合理性があるのだろうか。資産運用のキャピタルゲインが経済成長率を上回ったことを理由に、国家権力を以てキャピタルゲイン課税をむやみに強化していいのだろうか。

 個人の所得と資産運用のキャピタルゲインは、その人の努力によって得られたものであれば、法的に守られるべきである。許してはならないのは、働いていないのに多額の報酬を得ることであろう。所得や報酬を得る合理性を問わず、一方的に課税を強化するのは許されるべきではない。

 中国では毛沢東時代、毛沢東元国家主席を含む一握りの高級幹部を除けば、一般国民は絶対的に平等だった。働いても働かなくても給料はまったく同じである。そのため、労働者も農民も働く意欲が湧いてこない。怠け者が得をする社会では経済は発展しない。その結果、人々の生活はますます困窮してしまった。

 「改革・解放」以降の30余年の中国を振り返れば、最高実力者だったケ小平は一部の者が先に豊かになることを奨励した。格差を恐れず、成長さえすればそれでいいという理念である。だからこそ人々の働く意欲が湧き、経済も発展したのである。

 もちろん、問題もあった。経済成長の富を公平に分配するメカニズムが用意されなかったという点だ。しかも、権力を握る共産党幹部が人民よりも先に豊かになり、政治改革は先送りされた。このように合理性を説明できない所得格差は、当然のことながら社会不安の原因になっている。

完全に平等な社会は発展しない

 社会の富をいかにして分配すればいいのかは、簡単に答えを出せる問題ではない。「ジニ係数」は所得格差の程度を表す指標である。値が1の場合、すべての富は王様1人に集中していることになる。それに対して、その値が0の場合、富はすべての社会構成員の間で平等に分配されている。ジニ係数が1の場合は、暴動が起き、王様は打倒されてしまうだろう。しかし、0の場合は経済が発展しない。なぜならば、完全に平等な社会では経済発展の原動力が生まれないからである。

 中国は毛沢東の時代、経済も社会も人々の生活も文化もすべてが停滞し、発展しなかった。「改革・開放」路線を進めて経済的に余裕が出てきたことで、さまざまなインフラ施設や文化施設が建造されるようになった。

 かつて、イタリアのメディチ家は巨額の富を個人の欲望を満たすために使うのではなく、後世に輝かしい文化を残すために使った。今の日本は世界3番目の経済だが、何百年後も残るような文化施設をつくる余力はない。それは建築技術の問題ではなく、富が万遍なく平等に分配されているからである。

 社会の安定を図る観点から、富の分配はまず人々の基礎的な生活を保障することを優先して行わなければならない。そして余剰の富は、働く者が報われるという観点からエリートに集中していく。

 ただし、個人の欲望を満たすための消費には、高い税率で消費税や付加価値税を課税すべきである。代わりに、文化施設や社会インフラに投資するならば、税制面において優遇する。日本では、文化財のような立派な家でも相続税を払えないがために取り壊され、公園にされているケースがある。これは文化を粗末にする暴挙と言わざるを得ない。

 一方、中国の所得分配には決定的な問題がある。それは働く者が報われず、権力者だけが報われる構造になっているという点だ。

 中国の権力者はどれだけ富を手に入れても、文化施設や社会インフラに投資しない。その原因の1つは、権力者がその富の正統性を説明できないことにある。彼らはあの手この手で個人財産を海外のタックスヘイブンへ移そうとする。詳細な統計はないが、中国の汚職撲滅キャンペーンが長期化すれば、タックスヘイブンの経済にも深刻な影響を及ぼすことになるだろう。

後世に豊かな文化を残すための富の分配を

 結論を言えば、格差そのものは問題ではない。富を得る正当性を説明できるかどうかである。正当な富であれば、その所有権は法的に保障されるべきである。働く者が公正に報われる社会では、働くインセンティヴが働く。働かない者、怠け者が過剰に保護される社会は停滞の途をたどることになる。

 社会の発展とは、富を蓄積することではなく、文化と文明を蓄積することである。富を小粒に分けて平等に分配していては、それは実現できない。後世に豊かな文化を残すために、蓄積された富を健全に分配すべきである。

 今年は終戦から70周年にあたり、冷戦終結からも25年以上が経過した。それにもかかわらず、先進国も新興国も、限られた富を軍事予算に充てている。ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が提唱した「ソフトパワー」という言葉は世界的に広く使われている。富の分配はまさにソフトパワーの強化を軸にして行われなければならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43619


05. 2015年4月28日 07:01:59 : jXbiWWJBCA

2015年4月28日 週刊ダイヤモンド編集部
上海株が急騰!中国経済は減速しているのにナゼ?
大坪稚子) 中国・上海株が急騰している。上海総合指数は4月22日に4300を超え、ここ1年足らずの間で2倍以上に伸びた。中国経済が減速している中、なぜ株価は上がっているのか。バブルの前兆ではないのか。上海株急騰を後押ししている意外な“真犯人”を明らかにする。(「週刊ダイヤモンド」編集部
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中国の代表的な株価指数である上海総合指数が昨年秋以降、急ピッチで上昇している。下のグラフのように、昨年初の2000近傍から4月22日には4300を超えた。4月に入ってからも22日までで約13%伸びており、上海株の時価総額が日本株を抜いて世界2位になったとみられている。ちなみに3月末の時価総額は、上海株の4兆7831億ドルに対して、日本株は4兆8103億ドルだった(世界取引所連盟調べ)。 
株価急伸の理由は三つある。一つ目の、最も大きな理由は、皮肉にも、中国経済の減速である。それが金融緩和期待を呼び、株価を押し上げてきたのだ。 
ターニングポイントになったのが2014年11月。2年4カ月ぶりに銀行の貸出基準金利と預金基準金利を引き下げた。それでも景気の減速に歯止めがかからず、今年3月の全国人民代表大会(全人代)前に、追加利下げを実施した。これが、「景気が悪くなればまた利下げするはずだ」との観測を呼び、景気減速がむしろ株価上昇につながっている。 
二つ目は、政府の経済政策だ。3月12日に1兆元の地方政府債務の借り換えを認める方針を出し、地方政府の財政不安を和らげる一方、李克強首相が全人代の後の会見で景気刺激策を示唆した。 
三つ目は、中国が提唱するアジアインフラ投資銀行に、英国などの先進国も参加したこと。中国への信認が高まるとともに、中国のインフラ関連企業への恩恵が期待できることも株価を後押しした。 
わずか1年足らずの間に2倍に急騰した上海株だが、政府はバブルとは受け止めていないようだ。3月には、「人民日報」(海外版)に「上海総合指数は年内に4000を突破する」という記事が掲載されている。 
また、中国の中央銀行である中国人民銀行の周小川総裁は、「株式市場への資金流入が実体経済も支えている」と3月に発言。あるアナリストは「株式バブルを抑制するための措置は考えていないというメッセージ」とみている。 
ニッセイ基礎研究所の三尾幸吉郎上席研究員は、「上海総合指数で4000というのは、株価収益率(PER)が20倍程度の水準。国際的に見て高過ぎるわけではない。むしろこれまでが低過ぎたため、株価上昇の余地が大きかった」と指摘する。 
上海総合指数が4300を超え、今後の株価動向は、景気や企業収益などのファンダメンタルズ次第ということになる。 
他方、中国の投資環境や投資家のマインドには注意が必要だ。中国では家計部門の投資が不動産や株などに限られるが、不動産価格が下落しているだけに投資資金が株に向かいやすい。 
また、中国の株式市場の参加者の大半が国内の個人投資家で、株価が上昇しているときには買いが買いを呼び、上昇を加速させてしまう。逆もまたしかりで、そのため株価が乱高下しやすくなる。 
最近の株価急騰に、中国の国内投資家の投資意欲が高まっている。今年に入ってから証券口座の開設数も急増しており、ブームがブームを呼ぶ流れだ
Photo:REUTERS/アフロ
輸出が苦戦し
中国経済が減速
雇用情勢も悪化
好調な株価とは対照的に、「中国経済は見た目以上に悪い」(西濱徹・第一生命経済研究所主席エコノミスト)。 
15年1〜3月期の実質GDP成長率は前年同期比で7%と、14年10〜12月期の7.3%を下回った。1〜3月の鉱工業生産の伸び率も前年同期の8.7%から6.4%に減速している。特に輸出は苦戦しており、3月は前年同月比15%の減少となった。中国の経済指標の中でも信頼度が高いといわれる電力消費量や鉄道貨物輸送量も低迷している。 
さらに、深刻なのが雇用だ。政府系シンクタンクの中国人的資源市場情報観測センターの調査では、今年1〜3月期の求人数が前年同期比15.7%も減少している。SMBC日興証券の肖敏捷シニアエコノミストは、「李克強首相は、雇用を確保するためにも、構造改革より景気刺激を優先することになる」とみる。 
4月19日には預金準備率が一気に1%も引き下げられた。リーマンショック以来の大きさだ。中小企業への融資を増やし、「穏成長」(安定成長)につなげるのが狙いだが、リーマンショック後の過剰な公共投資が不動産バブルや地方政府の巨額債務を生んだことを考えると、果たして金融緩和が健全な成長につながるのかは不透明だ。 
原油安を背景に物価上昇率が低迷する中、不動産市況低迷による資産デフレが長引けば、本格的なデフレに突入する可能性すらある。 
今後の株価については、追加緩和期待からさらに上値を試す可能性がある一方、景気減速と企業収益の悪化から失望売りを誘う可能性もある。上海株の動向は世界の株式市場にも波及するだけに、注意が必要だ。 
http://diamond.jp/articles/-/70784 

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