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ホリエモン「中国で高まる起業ブーム」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150427-00000002-sasahi-bus_all
週刊朝日 2015年5月1日号
世界の工場から世界最大の市場へとなった中国。そんな発展する大国を横目に日本はどうなのか。堀江貴文氏は危機感を募らせる。
* * *
ジャック・マー率いるアリババ・グループが上場して巨額の資金調達をしたのは記憶に新しい。
2000年にソフトバンクからの増資を受け入れて以来、中国のインターネットの発展に従って、アリババ・グループは企業間のECからタオバオという消費者向けECに加えて、アリペイというPayPalのような決済サービスもリリースした。
中国のグレート・ファイアウォールという巨大な検閲装置の後押しがあって、アメリカ系企業が参入しにくい環境も手伝い、アリババは世界最大のECサービス企業へと成長した。ジャック・マーは元々、英語教師だったが、インターネットに出合って起業して十数年で世界有数の企業グループを作ったのだ。
経済発展を遂げる中国の若者の心を刺激したのは間違いない。10億人以上の人口を抱える中国にはそれだけの優秀な人材が存在している。起業ブームが高まることで、これまでよりも多くの人材がさまざまな事業を起こしていくことだろう。
世界最大の市場である中国は毛沢東時代の文化大革命の影響で経済発展が遅れてしまった。日中戦争が終わり、共産党と国民党との内戦が始まり、共産党が政権を握った。その後、毛沢東の愚策により長い間低迷を余儀なくされたが、とう(※)小平によって共産党一党独裁ながらも経済特区を作ったりして資本主義を導入。膨大な安い労働力を供給することによって「世界の工場」と呼ばれるまでになった。まずは製造業における格安の外注先として発展したわけだ。
その後、沿岸部から経済発展は加速し、日本を抜いて世界第2位のGDPを誇るまでになった。そこにスマートフォン革命がやってきた。格安のインターネット環境が整備され、Androidベースの格安スマートフォンが、シャオミーをはじめとする中国国産メーカーから供給されることになり、多くの国民がスマートフォンを手にすることになった。すでに世界の工場は世界最大の市場に変貌していたのだ。
そしてアリババ・グループは短期間に世界有数の時価総額を誇る巨大企業へと変貌した。こうした「チャイニーズ・ドリーム」が、今や世界に出ずとも可能になったわけである。当分は欧米や日本で流行りつつあるサービスをコピーして「タイムマシーン経営」をするだけでも簡単に成功することができる。以前は地域によって教育の格差はあったが、今やスマートフォンひとつで簡単に最先端の知識にありつくことが可能な時代である。
さらにモバイルブロードバンドのインフラは電話線も引かれていなかった田舎にだって簡単に導入できる。ネット系企業を中心に、今後しばらくはこのムーブメントが続くと思われる。
さて、日本の若者の起業に対するモチベーションはどうだろうか? すでに中国は発展途上国ではなくなっている。上昇志向という点ではすでに追い越されている状態かもしれない。のんびりしている場合ではないと思う。
※とう…環境依存文字のため、ひらがなで表記。元の字は1文字で「登」におおざと
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