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新生銀行本店(「Wikipedia」より)
税金投入の大手銀行で唯一返済できない新生 巨額赤字でめどすら立たず、社長は引責辞任か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150426-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 4月26日(日)6時0分配信
大手銀行の公的資金完済が相次ぐ予定だ。りそなホールディングス(HD)、あおぞら銀行は6月に一括返済するが、新生銀行は返済のメドが立っておらず、大手では唯一、公的資金が注入されたままになる。
金融機関が抱える巨額の不良債権は、長期の景気低迷を意味する「失われた25年」の象徴でもあった。1990年代前半のバブル崩壊で、融資する際の担保になっていた土地の価格が大幅に下がり、金融機関の不良債権は増大した。
90年代後半に日本長期信用銀行(現・新生銀行)と日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)が経営破綻に追い込まれ、いずれも一時国有化された後、売却された。りそなHDは、傘下のりそな銀行が2003年、当時の竹中平蔵金融担当大臣が主導した「金融再生プログラム」によって、健全経営に必要な自己資本が不足し、実質的に国有化された。その後、りそなHDも実質国有化されている。
不良債権を処理するために公的資金を受け入れた大手行のうち、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクは、06年に返済を終えた。一方、りそなHD、あおぞら、新生の3行はデフレ経済下で貸し出しに伴う収益が伸び悩み、公的資金の返済が進まなかった。
●りそなHD、あおぞらは前倒し返済へ
公的資金の前倒し返済の口火を切ったのが、りそなHDだ。段階的に公的資金を返済してきたりそなHDは2月27日、従来の返済計画を3年前倒しし、残る1280億円を6月の株主総会後に完済すると発表した。
りそなHDに注入された公的資金は国内金融機関で最大の3兆円以上だが、景気回復によって収益が伸び、完済する運びとなった。実質的な国有化から12年で、ようやく独り立ちにこぎ着けたわけだ。
あおぞらは3月27日に公的資金1639億円を前倒し返済する方針を発表、前述の通り6月に一括返済する。当初は22年までに分割で返済する計画だったが、財務の健全性の確保と、現在の株価水準が続くことを前提に、完済の条件が整ったと判断したようだ。
同行の公的資金は、預金保険機構や整理回収機構が保有する株式を売却するかたちで回収される。同行株の3月27日の終値は437円で、一括返済が可能になる基準価格は353円だ。優先株の価値が公的資金の返済残高を上回っていることから、早期の一括返済のメドが立った。
あおぞらは、日本債券信用銀行の時代に公的資金3200億円を受け入れた。金利の上乗せ分を含めた返済総額は3550億円で、350億円が国の利益となる。
●巨額の赤字を抱える新生は返済見送り
公的資金の返済が残る大手銀行は、新生のみとなった。新生は、日本長期信用銀行時代に注入された2169億円の公的資金完済が経営課題となっている。6月末の株主総会後、当麻茂樹社長が相談役に退き、工藤英之常務執行役員が社長に昇格する。この交代は、当麻氏の体調不良が理由とされたが、額面通り受け取る銀行関係者は少ない。「公的資金を返済できなかったため、詰め腹を切らされた」との見方で一致しているようだ。
りそなHD、あおぞらの公的資金完済プランが見えてきた昨秋、金融庁は新生への圧力を強めた。返済の道筋を示せない同行に厳しい姿勢で検査に入り、抜本的な経営改革を促したのだ。
公的資金は優先株を普通株に転換して回収するが、新生の場合は株価745円以上が条件となる。しかし、3月25日の終値は248円で、とても返済できる状況ではない。追い詰められた当麻社長は、辞めざるを得なかったというわけだ。
新生が取り残された原因は、当麻氏が社長に就任する10年以前の業績不振にある。「プロ経営者」といわれた八城政基氏や、その後を継いだティエリー・ポルテ氏が社長だった時代、消費者金融などを相次いで買収したが、08年のリーマン・ショック後の金融危機で消費者金融の業績が軒並み悪化した。積極的なM&Aが裏目に出たかたちだ。
新生は09年3月期の連結決算が1438億円、10年同期は1401億円の最終赤字に転落した。2年間で発生した2839億円の赤字は、公的資金の残高2169億円を優に上回っており、返済は難しい。工藤新社長にとっては、頭の痛い問題となるだろう。
●地銀再編の受け皿に期待される、りそなHDとあおぞら
公的資金を完済後、りそなHDとあおぞらは、どのような成長戦略を描くのだろうか。りそなHDは中期経営計画で、個人や中小・中堅企業向け取引を重視し、大企業取引や海外向け融資を拡大している3メガバンクとは一線を画す姿勢を見せた。
あおぞらは、シニア層を中心とした個人や中小・中堅企業を主な顧客と位置づけ、不動産事業を柱とする考えだ。その上で、地域金融機関との連携を探る。
金融庁が両行に期待しているのは、地方銀行再編の受け皿になることだ。あおぞらは10年以上にわたり、地域金融機関との連携強化に取り組んできた実績があり、今回も地銀との提携に意欲的だ。
同行の馬場信輔社長は、「公的資金を全額返済しても、自己資本比率は10%以上ある。規模にもよるが、M&Aの余力は十分にある」と語る。
りそなHDは「独自のビジネスモデルの構築」を標榜し、地銀再編の受け皿論議には一定の距離を置いてきた。地域金融機関との提携について、東和浩社長は「(業務面での協力が)どんどん進むということであれば、(資本提携を)まったく否定するものでない」と語るにとどめている。
地銀の再編は待ったなしだ。公的資金の完済を終えるりそなHD、あおぞらはその台風の目となるだろう。
文=編集部
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