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布野幸利氏
【日本の解き方】日銀審議委員交代人事、円安志向に期待 黒田体制の緩和路線を後押し
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150425/dms1504251000003-n1.htm
2015.04.25 夕刊フジ
政府は21日、日銀審議委員にトヨタ自動車相談役の布野幸利(ふの・ゆきとし)氏を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示した。この人事の意味合いは何か。金融政策決定会合の運営に変化は生じるのだろうか。
これまでの布野氏の金融政策に関する発言は知られていない。報道によれば、布野氏はトヨタ副社長だった2009年9月25日、1ドル=90円前後の為替水準について「実感としてちょっと日本経済にとっては苦しい」との認識を示した上で、「もうちょっと円安でもいいのではないか」と述べたようだ。
自動車業界出身なので、為替は円安方向を好むであろうことは容易に想像できる。6月で任期満了となる現審議委員の森本宜久氏は、東京電力出身者だ。就任の記者会見では、東電でも財務部門などの在籍はなく、金融政策と直接関係のない仕事をしてきたとみずから説明した。
同時に、デフレ脱却では、政府の需要創出や成長戦略が重要で、日銀は直接的に働きかけるわけにいかない、インフレ目標は詳細に承知していないと答えている。
森本氏は、円安が電力会社経営に悪影響なので、円安に懸念を持っていたと思われる。しかも、もともと金融政策の効果はそれほどないと思っていたはずで、追加緩和に否定的だった。実際、日銀は昨年10月31日の金融政策決定会合で追加緩和をしたが、その際、賛成5対反対4と日銀執行部にとっては薄氷を踏む思いだっただろう。そのとき、森本氏は反対に回った。
布野氏は、もし追加緩和があれば、賛成するだろう。これで、黒田東彦(はるひこ)総裁体制での金融政策決定会合の運営はかなり楽になったはずだ。3月にリフレ派の原田氏が、そして今回、おそらく円安志向で金融緩和に前向きと思われる布野氏が加わったので、金融緩和に消極的な審議委員は、石田浩二氏、佐藤健裕氏、木内登英氏の3人だけとなりそうだ。
今回は、いわゆる「産業枠」を堅持した人事を行い、黒田体制のサポートをしている。産業枠は業界代表だからやめるべきだという意見もあるが、産業枠を無理になくさずに、よい人選ができれば、それに越したことはない。今回の日銀人事は、なかなか老獪(ろうかい)である。
金融政策決定会合において、5対4になるのと6対3では、天と地ほどの差がある。おそらく黒田総裁も気持ちの余裕がまったく異なるはずだ。
今回の政府の提示では、一切事前の情報漏れはなかった。布野氏が、金融関係のマスコミに全くノーマークであった上に、前回の情報漏れを修正したのだろう。
次に任期が来るのは、2016年3月の白井さゆり氏である。それまで、6対3という体制で臨むわけであるが、はたして追加緩和の状況が来るかどうか。足元のインフレ率が伸び悩んでいるのは、消費増税の影響であるが、黒田総裁がそれを明言できないと、結局、年後半には追加緩和に追い込まれるかもしれない。消費増税分抜きでインフレ率がマイナスになったら、黒田総裁の説明は苦しくなるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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