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コラム:ドローン落下が暴露、日本産業界の「鈍重さ」
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投稿者 rei 日時 2015 年 4 月 24 日 19:01:06: tW6yLih8JvEfw
 

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0NF0BU20150424
コラム:ドローン落下が暴露、日本産業界の「鈍重さ」
2015年 04月 24日 15:20 JST
田巻 一彦

[東京 24日 ロイター] - 小型の無人飛行機(ドローン)が22日、日本の権力の中枢である首相官邸の屋上に墜落していることが発覚した。政府の対応が後手に回っているのは明白だが、ドローンをめぐる世界のビジネス面での急速な変化に追いついて行けない日本の産業界の「鈍重さ」も暴露した。

身の回りの様々な製品をネットで接続する「インターネット・オブ・シングス(IoT)」やビッグデータでも米欧と差がついているのは、新技術に対する経営者の「感応度の低さ」が原因であると指摘したい。

<想定外だったドローンの官邸上空飛行>

官邸屋上でのドローン発見という「事件」は、ドローンに対する規制が、国内ではほとんどないことを国民の眼前に暴露したと言っていいだろう。

現行の法規制では、航空法があるだけ。同法の規制では、航空機の空路にあたるところでは地上150メートル、それ以外では250メートル以下の高度であれば、自由にドローンを飛行させることができる。

今回の「事件」も、官邸屋上に落下しなければ、政府は飛行させた者を処罰できない法体系となっている。

国内の報道機関は、政府がドローンの購入を登録制にし、首相官邸や皇居などの重要施設周辺に飛行制限を設定する法規制の検討に入ったと報道している。テロの可能性も含め、事態の深刻さに政府が気付いた証拠と思われるが、ドローンの飛行で政府の権力が危険にさらされるという事態について、「想定外」であったことが図らずも明らかになったと言える。

<ドローンのビジネス化で先行する米独企業>

ただ、今回の事態で政府ばかりを責めるのは、やや酷な面もあると思う。米国発でドローンが急速に発達し、ビジネスチャンスが大幅に拡大しそうだと言われながら、日本企業の対応はあまりにも鈍く、弱々しかった。

経済面で大きな変化が生じなければ、政府を動かすことは難しい。今回のドローン落下事件は、日本の産業界の守旧性を端的に示していると指摘したい。

首相官邸の屋上に落下したドローンに関し、国内メディアは「ファントム」であると報道している。このドローンは、中国・深センに本社を置くDJI製。DJIに関しては、2014年に売上高が前年比3倍の25億元にのぼり、ホビー向けドローンの世界シェアの7割を占めているとの報道もある。

ドローンはもともと、米国で軍事用に開発され、その技術が民間に転用された。最近では、アマゾン(AMZN.O)が2013年12月に配送センターから半径10マイルの地域を対象に30分以内に商品を運ぶシステムを発表。グーグル(GOOGL.O)も同様な搬送システムの導入を2014年8月に公表した。

さらにドイツのDHLは、実験飛行の結果が良かったことを踏まえ、2014年9月に世界で初めて商業サービスを開始した。

こうした米独のチャレンジングな対応に比べ、日本企業の歩みはかなり緩慢だ。綜合警備保障(2331.T)が2014年9月、ドローンを使ってメガソーラー施設の点検などをするサービスの開始を発表したが、日本を代表する製造業などが、ドローン製造やサービスを開始したというニュースは見当たらない。

<IoTやビッグデータでも周回遅れ>

実は、日本企業が後れを取っているのは、ドローンだけではない。これからの生産性向上に必須とみられているIoTの導入でも、先行する米国やドイツから大きく水を空けられている。

また、今後のビジネスシーンを大幅に変革するとみられているビッグデータの活用でも、日本企業の取り組みは、先行する米国企業の後塵を拝したままで、キャッチアップへの対応は極めて鈍い。

このような状況を生み出している背景に、直近の企業経営者の新しい技術に対する「感応度」が落ちている可能性があるのではないかと考える。ドローンやIoT、ビッグデータのいずれも、それだけを見れば、直ちに新しいビジネスが思い描けるわけではない。

しかし、かつての英国での産業革命をみても、「蒸気機関」が自動織機の発明につながって、繊維産業の勃興に向ったケースを思い出してほしい。

新しい技術が全く新しいビジネスを生み出す構造の中心には、新しい技術やメカニズムに対する「みずみずしい」好奇心があると考える。

<政府は成長戦略に新技術開発を盛り込むべき>

敢えて厳しい表現を使えば、最近の日本企業の経営者には、みずみずしい好奇心が失われつつあるのではないか。野球に例えれば、守備の良い外野手は、つま先に重心をかけて打者のバッティングに備えているという。かかとに重心を置いていると、「カーン」という打球音に反応して、迅速に打球の落下地点に移動することはできない。

「かかと重心」の経営者が、日本企業において急速に増えている可能性があると指摘したい。

政府主導で経済構造が大きく変化する可能性は低いと考えているが、こういう状況の下では、政府が今年打ち出す成長戦略の中に「IoTの積極的な推進」や「ドローン活用と規制の枠組み」などを重要なピースとして打ち出す必要があると考える。

新しい取り組みにチャレンジする精神が衰退した時、国家や社会は活力を失って、重苦しい時代に直面することになるだろう。そうならないために、チャレンジする個人や企業に手を差し伸べる仕組みを、政府や社会の中に組み込むことが極めて重要であると主張したい。  

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コメント
 
01. 2015年4月25日 19:15:01 : j29Mk5FnMQ
 日本産業界の「鈍重さ」とは言いすぎでその書いた人は技術分野に対して無知を曝け出しているこの馬鹿者めが。
日本でも半導体分野ではアメリカなど軍需使用から民需へと繋がった。(比喩すると電卓とインターネットと電子メールなどが一番良い例だ。)

ただ、日本国内の組織機関で純国産の大規模なシステムを構築と運用が両立可能のは二法人(民間)しかないのです。一つは富士通株式会社様と日本電気株式会社様で、もしこの会社(全体)の一つないし両方ともが会社が何らかの喫緊的と危篤的な状況になるとかなり大変なことになります。
かなリ乱暴で申し訳ないのですが、上記の一つ若しくは両方とも倒産すると、大げさかもしれませんが日本社会生活基盤が狂い、金融機関(特に都市銀行)と報道機関(特に放送局)などが救済します。

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