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地方沈没? 大都市との格差鮮明 食品スーパーの地域別業績の大きな格差から読み解く(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/574.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 22 日 07:55:15: igsppGRN/E9PQ
 

地方沈没? 大都市との格差鮮明 食品スーパーの地域別業績の大きな格差から読み解く
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150422-00010007-bjournal-bus_all
Business Journal 4月22日(水)6時2分配信


 4月14日、小売業の2015年2月期決算がほぼ出揃った。決算期の始まりの14年3月こそ消費増税前の駆け込み需要で盛り上がったが、4月以降はその反動減が長く続き、業績は概して振るわなかった。

 業態別に見ると、百貨店は高島屋が前期比ベースで営業利益10.0%増、セブン&アイ・ホールディングス傘下の西武・そごうは営業利益7.1%増、三越伊勢丹ホールディングスは営業利益1.0%増(3月期見通し)、阪急・阪神百貨店のH2Oリテイリングが営業利益21.3%増(3月期見通し)など、東京、大阪など大都市圏に店舗を持つところは訪日外国人観光客の「インバウンド消費」の追い風も受けて利益を上げたが、地方の百貨店はその恩恵にあずかれないところが多かった。

 大手流通チェーンも、イオンは主力の総合スーパー(GMS)のイオンリテールや子会社化したダイエーの業績低迷が長引き、連結営業利益は17.5%減で3期連続減益。5期連続営業最高益のセブン&アイ・ホールディングスも、14年2月期と比べた前期比伸び率は営業収益(売上高に相当)が12.8%から7.5%に、営業利益は14.9%から0.1%にペースダウン。中でもイトーヨーカ堂などのGMSは、営業収益は同0.1%増で辛うじて増収だったが、営業利益は34.8%減で、前期の16.4%増と比べて採算が大幅に悪化した。

 コンビニエンスストアも、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)がまとめた2月度の「JFAコンビニエンスストア統計調査月報」によると、全店の売上高から開店後12カ月未満の新店分を除いた既存店売上高は、消費増税が実施された14年4月度から11カ月連続で前年同月比マイナスの低迷が続いている。それを旺盛な新規出店による増加分でカバーして、24カ月連続の増収になるという構図。

 営業利益は、セブン-イレブン単独では前期比7.8%増で前期の同16.1%増からペースダウン、ローソンは会社予想を下回る同3.5%増、セブン-イレブンに対して同数の大量新規出店「ガチンコ勝負」を挑んで裏目に出たファミリーマートは同6.7%減で、ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合で出直す。

●食品スーパーは好調?

 このように消費増税後、地方の百貨店もGMSもコンビニ既存店も苦戦を余儀なくされる中、善戦しているのが中型、小型店舗の食品スーパーである。

 日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会加盟285社を集計した「スーパーマーケット販売統計調査」によると、消費増税後、既存店総売上高が前年同月比でマイナスだったのは増税直後の14年4月の3.5%減だけで、5月以降今年2月まで10カ月連続でプラスを維持し続けている。その間、既存店売上高がずっとマイナスだったコンビニとは対照的である。

 では、何が売れたのか。商品別で最も強かったのが青果、水産、畜産の生鮮食品3部門で、そのトータルでは全体の売り上げが落ち込んだ14年4月もプラスで、消費増税の前から前年同月比プラスを維持し続けている。特に畜産は8月に2ケタの伸びを記録するなど、好調が続く。それに次ぐのが惣菜で、コンスタントに3%以上伸びている。

 昔から「食は不況に強い」とよく言われてきたが、食料品が商品ラインナップの主力を占める食品スーパーも消費の低迷に強い業態なのだろうか。

●好調な首都圏と中京圏、広がる地方との格差

 しかし、全国データだけを見て、「食品スーパーは消費の落ち込みに強い業種」と単純に考えてはいけない。地域間格差、企業間格差が見られるからだ。

「スーパーマーケット販売統計調査」では、全国を6つのブロックに分けてエリア別の既存店売上高も集計している。14年4月は反動減で全国すべてのエリアが等しくマイナスだった。だが、5月以降は好調なエリアと不振のエリアの明暗が分かれたまま、現在に至っている。

 好調エリアの筆頭は大消費地の首都圏を抱える関東地方で、5月以降、一度もマイナスになっていない。中部地方も同様だが8月の前年同月比+3.3%が最高であとは+1%台以下にとどまっており、+3%台が2回、+4%台も1回あった関東が突出して良い。逆に最も悪かったのが近畿地方で、消費増税後、4月から今年2月まで一度もプラスになっていない。それに次ぐ悪さだったのが北海道・東北地方で、4月以降でマイナスの月は9回あり、横ばいが1回でプラスは1回のみ。中国・四国地方のマイナスの月は7回。九州・沖縄地方はプラスが8回もあり横ばいは1回、マイナスは2回だけと健闘していた。

 関東と中部は非常に好調で、九州・沖縄も良く、中国・四国、北海道・東北は悪く、近畿は最悪。そのように、食品スーパーの既存店売上高はエリアによって明暗がくっきりと分かれていた。

 その傾向は食品スーパー各社の業績にも表れている。関東地方が地盤の食品スーパーには15年2月期の業績、特に営業利益を大きく伸ばしたところが複数ある。3月1日付で経営統合してユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスになったマルエツは68.9%増で、カスミは22.9%増。東武ストアは10.7%増、本社は関西だが首都圏の店舗も多いライフコーポレーションは42.4%増とそれぞれ2ケタの営業増益で、いなげや(3月期決算)も12.1%の営業増益の見通し。埼玉県中心のベルクは11.1%と2ケタ増収で販売好調。関東に次ぐ好調エリアの中部、愛知県に店舗網を持つアオキスーパーは、営業利益が前期比2.8倍という好決算だった。

 一方、北海道が地盤のアークスは2期連続の営業減益で、山形県のヤマザワも営業減益決算。中国地方が地盤の天満屋ストアは営業収益5.1%減の減収で、四国のフジはわずか0.1%の増収にとどまっている。広島が本拠のマックスバリュ西日本は営業収益1.7%増、営業利益3.0%増。比較的好調だった九州・沖縄エリアでも、マックスバリュ九州は営業利益が35.6%減と大幅減益だった。和歌山県、奈良県、三重県を中心に店舗網を持つオークワは、営業収益が6.3%減、営業利益が31.9%減で、不振の近畿地方を代表するような業績になっている。

 このように、食品スーパーは小売業の中でも好調な業態といわれ、その一部は兜町でももてはやされて株価が上がったが、首都圏と中京圏のスーパーの好調さが全体を引き上げているのが実情。関東と中部が良すぎるともいえるが、それ以外の地方の食品スーパーは、それほど景気がいいわけではない。

●食品スーパーは「地方創生」のリトマス試験紙?

 不況下でも食品は購入するが、収入が増えなければ財布のヒモは固くなる。魚なら高級魚から大衆魚、1匹買いから切り身にシフトし、肉ならブランドからノーブランド、牛肉から豚肉や鶏肉にシフトする。アベノミクスの恩恵が地方まで十分に行きわたっておらず、むしろ地方経済の厳しさが増しているのなら、それは個人消費に反映し、食品スーパーの月次の販売実績や業績に影響を及ぼす。

 地方経済の厳しさを確かめる手がかりになりそうな政府発表の経済指標が、「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)の現金給与総額である。これは集計が遅れるが、都道府県別のデータがある。「労働力調査」(総務省)のそのエリアの有効求人倍率が伸びず、失業率が高止まりすれば、現金給与総額も伸び悩む傾向がある。それは小売業にとっては売り上げ減につながり、歓迎できない現象だ。

 規模30人以上の事業所の現金給与総額を、12年3月と14年3月のデータで比較してみる。2年間で全国平均では0.07%上昇し、東京都は0.8%、大阪府は1.5%それぞれ上昇しているが、その間に青森県が0.6%減、福島県が1.3%減、長野県が1.2%減、滋賀県が0.5%減、徳島県が0.8%減、高知県が2.9%減、鹿児島県が4.0%減など、減少した県が15もあった。アベノミクスについては「物価の上昇に賃金の上昇が追いついていない」とよく言われてきたが、概していえば、大都市圏から地方に行くほど収入がなかなか上がらず、逆に減る傾向すら見られる。これがアベノミクスの急所「地方経済の出遅れ」「地域格差」である。

 勤労者の収入の増減はアベノミクスの影響だけとは限らないが、結果として大都市圏と地方の収入に差がつき、それが個人消費の活発さの差になり、地域産業の活気の差につながっていく。食品スーパーは地域の農漁業の出荷先としても、商業や物流の核としても、パートなど雇用の受け皿としてもけっこう大きな存在なので、地域経済に与える影響は決して小さくない。その業績は、地元の経済情勢を推し測る“リトマス試験紙”のようなものだと言っても、決して過言ではないだろう。

 地域格差は、昨年12月の衆議院議員総選挙で選挙区の有権者の生の声に接した安倍内閣も十分認識しており、その是正は第三次安倍内閣の経済政策の最も重要なテーマになっている。「地方創生(ローカル・アベノミクス)」は、アベノミクス第2弾の大きな柱に位置づけられ、4月9日に成立した15年度本予算では約1兆円の予算がついた。4月の統一地方選挙を経た後、各地方自治体では政府の「地方創生交付金」を利用した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の具体的な政策がどんどん出てきそうだが、その構想の中には地域限定のプレミアム付き商品券のように、消費を刺激して地域の小売業を盛り立てようとするものもある。商品券はその効果について賛否両論があるが、ないよりはましだろう。

 地域の消費生活に密着した食品スーパーの月次の販売動向や業績は、注目すべきポイントだ。

【スーパーマーケット販売統計調査】
(日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会加盟店)

「エリア別の既存店売上高(前年同月比)」

・13年4月〜14年3月(306社/速報値)
北海道・東北 +0.6%
首都圏 +1.0%
北信越 +0.9%
東海 −0.9%
関西 −0.3%
中国・四国 +0.5%
九州・沖縄 +1.4%

(以下、285社/確報値)

・14年3月
北海道・東北 +7.2%
首都圏 +7.7%
北信越 +5.8%
東海 +2.9%
関西 +5.7%
中国・四国 +7.5%
九州・沖縄 +10.2%

・14年4月
北海道・東北 −5.6%
関東 −2.4%
中部 −3.0%
近畿 −3.5%
中国・四国 −4.3%
九州・沖縄 −4.8%

・14年5月
北海道・東北 −0.6%
関東 +3.3%
中部 +0.2%
近畿 −2.1%
中国・四国 +0.1%
九州・沖縄 −0.2%

・14年6月
北海道・東北 −1.2%
関東 +2.6%
中部 +0.2%
近畿 −0.9%
中国・四国 −2.7%
九州・沖縄 ±0.0%

・14年7月
北海道・東北 −0.6%
関東 +1.9%
中部 +1.3%
近畿 −1.8%
中国・四国 −2.3%
九州・沖縄 +1.5%

・14年8月
北海道・東北 +0.2%
関東 +4.2%
中部 +3.3%
近畿 −1.5%
中国・四国 −0.7%
九州・沖縄 +0.3%

・14年9月
北海道・東北 −1.2%
関東 +1.4%
中部 +1.4%
近畿 −1.1%
中国・四国 −1.3%
九州・沖縄 +0.3%

・14年10月
北海道・東北 −1.5%
関東 +2.6%
中部 +1.4%
近畿 −0.5%
中国・四国 −0.5%
九州・沖縄 +0.1%

・14年11月
北海道・東北 ±0.0%
関東 +2.4%
中部 +1.7%
近畿 −1.8%
中国・四国 −0.1%
九州・沖縄 +0.5%

・14年12月
北海道・東北 −1.5%
関東 +2.2%
中部 +0.8%
近畿 −0.5%
中国・四国 +1.1%
九州・沖縄 +0.4%

15年1月
北海道・東北 −0.6%
関東 +3.7%
中部 +1.8%
近畿 −0.1%
中国・四国 +1.3%
九州・沖縄 +0.4%

・15年2月(速報値)
北海道・東北 −2.1%
関東 +0.3%
中部 +1.3%
近畿 −0.2%
中国・四国 +0.4%
九州・沖縄 +0.8%


●食品スーパーの業績
(15年2月期/対前年度比増減)

<関東、中部、近畿の食品スーパー>
※以下、店名 営業収益(売上高) 営業利益

いなげや +4.2% +106.1%(3月期会社予想)
ヤオコー +9.4% +6.7%(3月期会社予想)
マルエツ +6.6% +68.9%
カスミ +7.2% +22.9%(以上2社は3月からユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)
ベルク +11.1% +5.7%
東武ストア +2.2% +10.7%
ライフ +9.4% +42.4%
アオキスーパー +6.3% +283.6%
平和堂 +3.6% +6.1%
オークワ −6.3% −31.9%

<北海道・東北地区の食品スーパー>
※以下、店名 営業収益(売上高) 営業利益

アークス +3.5% −5.4%
マックスバリュ北海道 +6.9% +15.2%
ヤマザワ +8.3% −3.3%

<中四国・九州地区の食品スーパー>
※以下、店名 営業収益(売上高) 営業利益

天満屋ストア −5.1% +25.6%
ハローズ +5.6% +13.1%
イズミ +4.1% +4.2%
フジ +0.1% +12.3%
マックスバリュ西日本 +1.7% +3.0%
マックスバリュ九州 +3.7% −35.6%

寺尾淳/ジャーナリスト


 

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コメント
 
01. 2015年4月22日 22:34:15 : EwcIwbRfkd
それは、節約志向が高まるほど、地方になれば食材は流通ルートに乗らないで、知人親族、隣近所で融通し合ったり、自家菜園で作ったり、或はもっと苦しくなった場合は本当にその気になれば、ザリガニだってあるし、タンポポだってあるから、それなりに料理次第で美味しくできて、別に食材が貧相になったと言うわけではないのでは?

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