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中国経済を読み解く 成長率の減速は速すぎるか?
人民網日本語版 2015年04月21日09:14
今年第1四半期の中国の経済成長率が7%に留まり、心理的に大きな境目となる6%台が見えてきたことから、一部の人は懸念を深めている。中国経済の減速のペースは速すぎるのではないか?7%前後という今年の成長率目標は達成できるのだろうか?人民日報が伝えた。
中国経済が失速することはない 今年の目標は達成可能
国家統計局の盛来運報道官は、「中国経済は今も下方圧力に直面しているが、強靭性、潜在力、融通の余地を備えており、成長の原動力のファンダメンタルズは根本的に変化していない。まず、『新たな四化(工業化、都市化、農業近代化、情報化)』が、新たな投資と消費のニーズをもたらす。次に、改革の全面的な深化によって、経済成長の原動力と活力が注入される。さらに、政府は複雑な局面に対応する経験を持ち合わせており、マクロコントロールのアプローチと手段を絶えず刷新していくだろう。そのため、中国経済は中高速成長を続ける潜在力と条件を有しており、失速することはない」と語った。
国家発展改革委員会(発改委)の王一鳴副秘書長は「中国は今年、7%前後という所定の成長率目標を実現できる見通しだ。現在の経済状況に悲観的になる必要はない」と断言する。
まず輸出を見ると、中国国内の労働集約型産業の輸出は、確かにコスト高騰の影響でやや減少しているが、技術の進歩に伴い、工業製品の輸出が徐々に増加し、下方圧力を相殺している。また、自由貿易試験区と「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)構想実施の加速も、輸出入の安定成長推進に有利に働くだろう。世界に目を向けると、欧州中央銀行(ECB)は今年、新たな量的緩和(QE)策の実施を決定し、米連邦準備理事会(FRB)も年内に利上げに踏み切る公算が大きい。大口商品価格も安定化の兆しを見せている。これらの要素により、世界経済の不確定性が短期的にやや収まり、外部環境は昨年よりもやや好転すると予想される。
次に消費を見ると、近年、電子商取引(EC)、情報経済などの急発展に伴い、中国の民間消費は安定的に上昇し、消費は今や経済成長をけん引する最も重要な力となった。中国国務院発展研究センターマクロ経済研究部の余斌部長は、「比較的高い貯蓄率、物価の下落、情報関連消費など新たな消費形態の急速な伸びといったプラスの要素を考慮すると、2015年の消費財小売総額は11%前後の伸び率となり、昨年とほぼ同じ水準を保つと見られる」と指摘する。
最後に投資を見ると、重工業などの分野では過剰な生産能力の淘汰が今も進んでいるが、企業のモデルチェンジ・アップグレードが加速するに伴い、製造業企業の投資も安定的に回復している。
このほか、中国の都市化率は現時点でまだ55%であり、基本的な都市化実現の目標値である70%にはまだ大きな隔たりがある。また、都市・農村部の世帯収入が向上するに従い、改善型住宅のニーズが絶えず生まれると見られる。中国が不動産政策を講じる余地も比較的大きい。これらの要素はいずれも不動産市場の安定的かつ健全な発展に有利となる。3月、分譲住宅の販売面積は1.6%減少し、1−2月と比べて14.7ポイント減となった。分譲住宅の販売総額も2%減少し、同13.8ポイント減となった。
中国経済、速度ばかりを追い求めてはいけない
経済失速の懸念が生じている背景には、人々の「速度を求めるがゆえの焦り」がある。しかし、新常態(ニューノーマル)に入った中国経済にとって、そのような高度成長は「達成できない」、「耐えられない」ものであり、「必要がない」ものなのだ。
「達成できない」というのは、潜在的成長率の鈍化は必然的なすう勢だからだ。潜在的成長率は労働・資本・全要素生産性の3つの指標に基づき決定される。まず労働を見ると、2012年、中国の15−59歳の人口は初めて前年を下回った。これは、社会全体の労働投入量が今後、徐々に減少することを意味する。次に資本を見ると、被扶養人口の増加、扶養支出の増加、貯蓄率の減少により、投資に回せる資本の増加率は減速すると見られる。最後に、効率性を示す指標である全要素生産性も、短期間内に大幅な向上を実現するのは難しい。
また、経済の基数が大きくなったことも「達成できない」原因のひとつに挙げられる。国務院発展研究センターの劉世錦センター長は、「世の中には数字の幻覚というものが存在する。今年の7%前後という目標は、過去と比べて数ポイント下がっただけのように思えるが、実際の経済の増加量を見ると相当な増加になる。例えば2000年の時点で、中国のGDPが1%増加することは1千億元(1元は約19.2円)の増加を意味していた。しかし今年の場合、1%の増加は6千億元以上の増加を意味する。今年の2−3%の上昇は、2000年に置き換えると10%の上昇に等しい。つまり、経済の総量の増大に伴い、中国経済の1%の上昇が年々難しくなっているということ」と指摘する。
「耐えられない」というのは、資源・環境への圧力が強まるためだ。かつてクリーンだった都市が煙霧に襲われ、ゴミの山に埋もれてしまった。美しかった村も、山ははげ、水は汚染されてしまった。
「必要がない」というのは、発展目標を達成する上で、速すぎるスピードは要求されていないためだ。発改委の推算によれば、もし今年、7%前後の経済成長が実現できれば、第13次五カ年計画(2016-2020年)期の年間成長率が6.5%にまで落ち込んでも、2020年までにGDPと一人あたり所得を2010年比で倍増するという目標を達成できるという。
これらの事実を理解すれば、我々は平常心でもって成長率のギアチェンジに向き合うことができる。ましてや、7%前後の成長率ならば、経済社会発展のニーズを十分に満たすことができるのだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年4月21日
http://j.people.com.cn/n/2015/0421/c94476-8881291.html
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