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株価急上昇に上海は湧いているが・・・ photo Getty Images
中国の「AIIB」株式急騰はバブルか!?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42976
2015年04月21日(火) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
足元で、中国の上海株式市場が急上昇している。3月上旬から4月第3週までの上昇率は30%を超えた。すでに株価は、景気対策が相場を上昇させた2009年の水準を更新している。一部では、中国の株式バブルを懸念する声が出ている。
今回の急上昇相場は、中国の追加緩和策や景気対策への期待を反映している。また、中国が設立を提唱し各国に参加を呼び掛けたAIIB(アジアインフラ投資銀行)をめぐる動向も、相場の動きに大きく影響していると見られる。多くの投資家は、AIIBはアジアのインフラ投資を支え中国の経済成長につながると見ているからだ。
■中国がAIIBを通して新しい“基軸”になる可能性
3月12日、中国が設立を提唱したAIIBをめぐる議論に大きな転機が訪れた。G7参加国で初めて英国がAIIBへの参加を表明したからだ。これを受けて、先進各国はこぞってAIIB参加を表明している。他方、参加を表明していない米国やわが国は孤立感を強めている。
英国がAIIBに参加するのは、インフラ開発などアジア経済のダイナミズムを取り入れ、経済を成長させたいからだ。先進国が需要低迷に直面し、極度の低金利、通貨安政策をとっている事態を見れば、英国の判断には相応の合理性はあるだろう。
英国には、中国がAIIBの設立を通してアジア経済のリーダー、米国と並ぶ世界経済の基軸国の一つになるという期待があるのだろう。フィリピンなど中国と一部で対立する国がAIIBの創設メンバーに入っている点を考えると、中国を中心にアジア経済圏の連携が強化されるという考えは否定できない。
AIIBの創設は、中国、参加国の成長期待を中長期的に押し上げる可能性がある。それは、米国以外が低迷する世界経済に、新しい成長材料を提供する。その結果、景気支援期待と併せて、AIIBへの期待が上海株式市場を押し上げている可能性は否定できない。
■AIIBへの期待過多はバブル温床に
英国とは対照的に、米国やわが国はAIIBに対して傍観姿勢を維持している。しかし、参加国の増加ペースを見ると、中国の発言力は大きくなるはずだ。参加国の増加はAIIBへの期待を高め、中国経済がアジアのインフラ需要を取り込んで成長するという期待をも高めるだろう。
バブルの発生には、リスクテイクを支えるカネ余り、リスクテイクを正当化する明確な根拠が必要だ。足許の低金利環境はカネ余りの温床だ。そして、中国が輸出、投資に次いで、インフラ需要という新しい成長材料を手にすることは、先行きへの楽観を支える根拠になりやすい。
アジアのインフラ需要が堅調だというストーリーは単純明快だ。中国はAIIBを通して、インフラ開発のイニシアティブをとろうとしている。それは、中国の株式市場でバブルが発生する可能性を高める。
一方、主要先進国は単純明快な成長ストーリーを市場に提供できていない。そうした状況を考えると、中国のガバナンス体制が甘いと批判することは必ずしも適切ではない。英国がAIIB参加を表明して以降の相場を見ると、その中長期的な期待、経済的インパクトの大きさは軽視すべきではない。
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