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減速も加速もしない世界景気 商品市況の行方はドル相場次第
http://diamond.jp/articles/-/70459
2015年4月21日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員] ダイヤモンド・オンライン
国際商品市況全般で、相場の方向感がはっきりしない状況が続いている。1月までは、原油安に連動して他の国際商品にも売り圧力が及んだり、世界景気の減速観測によって国際商品全般が売られる相場であった。しかし、原油の急落には歯止めがかかり、世界景気の減速懸念も緩和する中で、相場の焦点を絞りにくくなっている。
原油の国際指標であるブレントの相場は、1月中旬を底に上昇に転じたものの、2月中旬以降は頭打ちとなっている。米国の石油掘削設備の稼働数は、一時ほど急減しなくなったものの、減少傾向が続いており、シェールオイルの増産に歯止めがかかるとの期待感を醸成している。しかし、米国の原油生産は高水準を続け、原油在庫も増加傾向が続いている。
一方、イラン核開発をめぐる協議では、4月2日の枠組み合意を受けて、イラン産原油の増産観測が高まった。しかし、その後のイラン首脳の言動から最終合意には至らない可能性も意識されている。9日に、イラン最高指導者ハメネイ師とロウハニ大統領が、全ての経済制裁が直ちに解除されない限り、最終合意には応じないとの姿勢を強調したと報道され、段階的な制裁解除を主張する米国との立場の違いが鮮明になったからだ。
銅の市況も、1月を底に持ち直した。3月後半には上昇基調を強める局面もあったが、その後はやや下落している。3月に上昇した直接のきっかけは、18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて利上げ観測が後退したことだったが、世界景気の減速懸念が徐々に後退する中で、景気に敏感な銅が買われやすくなったという側面もあった。また、インドネシアの大鉱山での労働者による道路封鎖や最大の産出国であるチリの北部での豪雨による生産減少への懸念も強まった。
金市況は、3月中旬にかけて下落が続いた後、FOMC後に反発していたが、このところは頭打ち。米国の金融政策やドル相場の動向に敏感な金相場は、FRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言や経済指標の発表を受けて変動する展開が続いている。
穀物市況は、昨年度の豊作を受けて昨秋にかけて大幅下落し、その反動から昨年末ごろにかけてやや反発したものの、今年に入ってからは高水準の在庫が維持される中、一進一退を続けている。
このような国際商品市況の動向は、世界景気の減速懸念は和らいだものの、景気が再加速する見込みが立たない状況を映している。世界景気の方向感がはっきりしない中で、ドル建てで取引される国際商品の市況は、ドル相場の変動に左右される傾向が強まっているのが現状だ。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
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