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採用される側も会社を選ぼう!採用方法でダメな会社を見分ける5つの注意点
http://diamond.jp/articles/-/70435
2015年4月21日 山口 博 ダイヤモンド・オンライン
採用担当者が一所懸命進めている中途採用のプロセスが、候補者からはあきれられている状況が、多くの会社で生じている。採用手法の巧拙は、企業の成長度を測るバロメーターだ。売り手市場の今日、採用活動は企業が候補者を選ぶ場のみにあらず、候補者がしっかりと会社の成長度合いを見極める場でもあるのだ。
■“3点セット”の提出を強要する会社はなぜ業績が伸びないのか?
先月、総務省が発表した、2015年2月の全国有効求人倍率は1.15倍で、実に1992年以来22年ぶりの高水準を示している。
あくまで全体で見れば、の話ではあるが、候補者が企業を選びやすくなっている。こうした状況の中で、採用面接において、候補者がしっかりと採用担当者を見極めたり、会社の成長度合いを判断したりするポイントをご紹介したい。
企業に選ばれることばかりに目を向けず、採用プロセスで企業を見抜く目を持とう Photo:taniho-Fotolia.com
今回、取り上げるポイントは5つ。最初のポイントは、応募書類だ。多くの企業では、候補者に、応募にあたって3点セットの提出を要求する。履歴書、職務経歴書、志望動機書の3点である。さすがに少数派になったが、未だに履歴書は手書きでなければならないとしている会社があることは驚きだ。
昨今は、履歴書と職務経歴書を一体にして記述する欧米型の紹介書も普及しているが、ある著名なグローバル流通企業の日本法人ですら、ファイルが3点でないと受け付けなかったり、履歴書はひな形どおりでないとプロセスを進めない。人材紹介会社は、半ばあきれながら、しかしお得意さまの言いなりになってそれらを候補者へ強要している。
こうした会社は、人材を採用するという目的よりも、採用の手順と形式をより重視しているのであろう。理由はさまざまあるかもしれないが、統一された書式やプロセスを逸脱することをよしとしない、いわば変化に対して柔軟ではない側面が見て取れる。業績伸展できない企業の典型例である。
2つ目のポイントは名刺交換の有無だ。候補者として面接の場に出向き、面接担当者の社員と名刺交換するケースはどのくらいあるだろうか。私は面接をする際には必ず名刺交換をしているが、実は名刺交換をしないケースが多く、名刺交換を勧めても抵抗感を持つ担当者が多い。理由を聞くと、「当社の取引先ではない」「見も知らぬ方と名刺交換して悪用されては困る」「面接で落として恨まれたらたいへんだ」というものが挙がった。
私が思うに、候補者は、ビジネスの取り引きがなかったとしても、当社においでいただいた、れっきとしたお客さまであることに違いない。お客さまとは名刺交換することが常識だ。
候補者は確かに初めて会う人かもしれないが、面接までの間に、人材紹介会社によるスクリーニングや書類のレビューが終わっているわけなので、それでも悪用されることを恐れるのであれば、むしろスクリーニングやレビューの精度を高めることを考えるべきだ。
「面接で落として恨まれたら困る」と心配するのではなく、恨まれるような面接をすること自体を問題視すべきだろう。面接で通過しない候補者には、なおさら、「これをご縁に当社のファンになっていただく」という気概でコミュニケーションをしていくべきなのだ。
面接に出向いて、面接担当者が名刺を出してこない会社は、リスクが少しでもあればアクションを躊躇する、事なかれ主義体質の会社と言わざるを得ない。
■1対多数の面接をする会社は顧客志向が低い
3つ目は面接の人数。面接に出向いて、候補者1人に対して、面接担当者が数人参加するケースに出くわした経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。こちらは1人なのに、3人以上もの面接者に囲まれるのは、気持ちの良いものではないだろう。
採用担当者側から見れば、何度も足を運んでもらうより、1度の面接で済ませた方が、候補者の労力も少なくて済むだろうし、会社としての効率もよいと考えてのことだろうが、候補者としっかりと向き合って、深く面談することが難しくなる。1対多数の面接をする会社は、候補者への思慮よりも、効率性を追求する会社であり、顧客志向に限界があると思われる。
ある製造業企業の人事・総務本部長のポジションの候補者として、「面接ではありませんが、人事課長が業務の説明をさせていただくミーティングにご参加ください」と人材紹介会社から言われて出向いたことがある。
いやな予感がしたが、案の定、人事課長だけでなく、人材開発課長、海外人事担当スタッフの3人に取り囲まれ、業務の説明もあったが、しっかりと面接のような質問もされ、挙げ句の果てには、海外人事担当から英語で質問をされ、応答するというシーンまであった。
その企業の最終候補者にならなかったから取り上げているわけでは決してないが、よく言えば民主的、しかし言い方を変えればリーダーシップを感じることができず、この会社で改革を伴うアクションをすることは難しいだろうという思いを強くした。
■年齢制限を設ける会社には長く勤めない方が良い
第4のポイントは、年齢制限だ。雇用対策法により、募集・採用における年齢制限の禁止が義務化されている。従って、募集要領には年齢不問としか書かれていないが、実態としては、想定する年齢層が設定され、人材紹介会社はそれに従って候補者のスクリーニングをしているケースが少なくない。
人材紹介会社に実質的な想定年齢の設定があるのかどうか、確認してみることをお勧めする。そうした設定があるようだったら、その会社は、人物本位、能力本位で採用や人事施策を実施していない可能性が高いとみるべきだ。そして、設定されている想定年齢までが、あなたに期待されている期間であると見做さざるを得ず、その後のキャリアプランを考えておかなければならない会社だと言える。
■転職回数を機械的に判断する企業は社員のキャリアプラン軽視の傾向が
最後に、転職回数に関する条件だ。募集要領に転職回数3回までなどとの記述を見かけることがよくある。「転職回数が多い候補者は、当社にも長く勤めてもらえないかもしれない」、また、「耐性がないかもしれない」と考えるからだろう。しかし、転職回数で機械的にスクリーニングすることは適切な方法だろうか。
転職回数が多くても、各々の会社でしっかりとした経験を積み、貢献をした人もいるはずだ。自身のあくなきキャリアアップのプランを、社外のポジションを得ることで実現してきた人もいるに違いない。不幸にも自身の努力ではどうにもならない理由で転職せざるを得なかった人もいるだろう。
それらの事情を斟酌した上で判断すべきであって、転職回数のみで判断している会社は、そもそもキャリアプランを描くこと自体に重きを置いていないと言わざるを得ない。
今回取り上げた5つのポイントは、いずれも、採用プロセスの善し悪しだけにとどまらず、その会社の成長度合いを大きく左右する要素である。これらの点を見極めて企業を選び、積極的なキャリアアップを実現いただければ幸いだ。
※社名や個人名は全て仮名です。本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。
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