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コラム:米国のドル高「許容」レベルはどこか=鈴木健吾氏
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/521.html
投稿者 rei 日時 2015 年 4 月 20 日 20:31:16: tW6yLih8JvEfw
 

コラム:米国のドル高「許容」レベルはどこか=鈴木健吾氏
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NB0EH20150420
2015年 04月 20日 18:03 JST
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト

[東京 20日] - 4月以降、ほぼ全通貨に対してドルの上昇が続くなか、「米当局はどこまでドル高を容認するのか」という点に市場の関心が集まっている。結論から言えば、米国側はドル高に対する「警戒」を強める段階に入ったものの、これが「けん制」を経て「阻止」を目指すまでにはまだ相当の時間があるのではないだろうか。

米ドルの総合的な価値を示す連邦準備理事会(FRB)発表のドル指数(実質ブロード)は、2011年半ばを底に上昇局面に入ったが、特にFRBがテーパリング(量的緩和の縮小)開始を宣言した2013年12月以降に勢いを増し、1年半弱で10%超上昇している。

このようなドルの上昇を受け、さまざまな悪影響もクローズアップされ始めている。米上場企業の1―3月期の決算発表が4月半ばからスタートしているが、インテル(INTC.O)など大企業の利益見通しが相次いで下方修正されており、そこにはたいていドル高の影響という理由が添えられている。

また、4月15日に発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)でも、ドル高が原油価格の下落や寒波と並び製造業の重しになったと指摘された。

しかし一方で、各メディアが報道したFRBや米財務省のコメントや対応を個別にみると、ドル高に対して差し迫った危機感を前面に出しているわけではない。

サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は3月24日の講演後の質疑応答で、ドル高は成長の足かせ要因との見方を示しつつも、「米経済はそれに対応できるほど強い」と述べている。セントルイス地区連銀のブラード総裁も同じ日に記者団に対してドル高が米経済に与える影響は「わずか」と、似たような発言を行っている。

一方で、「ドル高は米経済の一部では課題」(シカゴ地区連銀のエバンズ総裁、3月25日の講演)「ドル高は米国の輸出と輸入に影響し、FRBの責務である完全雇用と2%の物価目標達成を遅らせる可能性がある」(ボストン地区連銀のローゼングレン総裁、4月16日の講演)といった否定的な発言もあるが、逆に「ドル高は米経済の力強さを裏付けるもの」(クリーブランド地区連銀のメスター総裁、3月23日の米テレビインタビュー)との前向きな発言もある。

イエレンFRB議長は3月の連邦公開市場委員会 (FOMC)後の記者会見で、ドル高は輸出の伸びを抑制している一因である可能性はあるが、米経済の力強さを一部反映していると中立的な発言を行っている。

総じてイエレン議長の発言にある通り、経済にとって悪影響があるのは確かだが、それは経済の強さや利上げの可能性を反映した動きであって現状において特別に問題視する必要はなく、重要なのは経済の力強い動きが継続していくかどうかである、といったスタンスと言えるだろう。

4月8日に公表された3月のFOMC議事録でも、「何人か(several)の委員」がドル高の輸出抑制効果に言及した一方で、同じく「何人かの委員」が6月の利上げが正当化されると考えていることが明らかになるなど、ドル高の悪影響を現時点で深刻にとらえている様子はない。

<米為替報告書は事前予想より実は穏当>

米財務省も同様だ。ルー財務長官は決まり文句とも言える「強いドルは国益」との発言を繰り返している。また、4月9日に公表した為替報告書においては、事前に著名シンクタンクが年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨投資は事実上の為替操作だと批判したことなどから、同様の批判が盛り込まれる可能性を警戒していたが、実際にはそのような言及はなかった。

一方で、「昨年10月時点の円の実質実効レートがファンダメンタルズに見合った水準と国際通貨基金(IMF)は評価したが、その後そこから9%もの円安が進んだ」とチクリと批判も盛り込まれた。

米国自身、積極的な量的緩和政策の導入とそれによるドル安をてこにリーマンショックからの回復を手にした経緯がある。それだけに物価などを目的とした緩和的金融政策の結果としての通貨安は容認せざるを得ない、という背景もあり、一定の警戒感は示しつつも、同様の経緯をたどる日本や欧州の通貨安は現状受け入れているようだ。当局としては、米景気の回復傾向、特に雇用情勢などの改善が続いている間はドル高を容認する公算が大きいとみられる。

冒頭にも書いた通り、順番としてはドル高への「警戒」を示し、次に「けん制」を行い、それでも止まらない時には「阻止」に動くと考えれば、現状はドル高という問題がテーブルに上がったところであり、全般的に「警戒」を示し始めたところだ。これが、「けん制」のステージに移れば口先介入的なもの、他国への強い批判、FRBによる利上げの先送り、などといった具体的な行動が少しずつ強まるだろう。実際には、「警戒」から「けん制」、「阻止」へと至るまでにはまだ時間がかかると考えている。

<10%程度のドル上昇余地あり>

先ほど急激な上昇をみせたと述べたFRBのドル指数(実質ブロード)にしても、実はその水準はまだ1973年からの長期的平均値にようやく近づいてきたところだ。過去の値動きと比較して、現状で特段、割高な水準にあるわけではない。

同ドル指数は過去に2度大きな上昇局面を経験している。1978年終盤から1985年序盤(約6年半、上昇率約53%)と、1995年前半から2002年序盤(約6年10カ月、同33%)だ。

翻って2011年半ばを底とした今回の上昇局面はこれまでのところ期間4年弱、上昇率17%程度。過去2回の動きに照らした場合、時間にして2年程度、上昇率にして10%程度のドル上昇余地は残されているとみられる。

このような時間軸のなかで、当局の姿勢も、徐々に警戒からけん制、阻止へと移っていくのではないだろうか。

*鈴木健吾氏は、みずほ証券・投資情報部のチーフFXストラテジスト。明治大学経営学修士。証券会社や銀行で為替関連業務を経験後、約10年におよぶプロップディーラー業務を経て、2012年より現職。
 

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コメント
 
01. 2015年4月21日 20:43:14 : e9xeV93vFQ

米金融当局:利上げペースは緩やかに−引き上げ時期より重要
2015/04/21 13:00 JST

  (ブルームバーグ):米国での事実上のゼロ金利政策は終わりに近づいている。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が伝えたいメッセージは、年内に予想される利上げ開始後も同国の金利は長期にわたって異例の低水準にとどまるという点だ。
イエレン議長ら米金融当局者は最近の一連の講演でこのように強調し、利上げ開始の時期よりも、利上げのペースの方が重要だと投資家や世間に語り掛けてきた。
連邦準備制度での勤務経験があるコーナーストーン・マクロのパートナー、ロバート・ペルリ氏は、フェデラルファンド(FF)金利が主要政策金利となった1982年以降、「今度の引き締めサイクルは最も緩やかなものになるだろう」との見通しを示した。
米金融当局者は今月28、29両日に開催される次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る可能性は排除している。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は20日の講演で、いったんゼロ金利政策を解除した後も、「極めて緩和的な金融政策からごくわずかにそうでない政策に移行するだけだ」と語った。
当局者らは6月の利上げの可能性を引き続き残しているものの、アトランタ連銀のロックハート総裁らは、1−3月(第1四半期)の景気減速の兆候が示される中で、引き締めについて辛抱強い態度で臨むのが望ましいとの考えを示唆している。
今年のFOMC投票権メンバーで、コンセンサスに近い考えの持ち主と受け止められているロックハート総裁は先週、フロリダ州で講演後に記者団に対し、利上げ開始をめぐる自身の姿勢に関し、「やや早めよりもやや遅めの方に傾く」と説明した。
ブルームバーグが今月3−9日にエコノミストを対象に実施した調査では、米金融当局が9月まで利上げ開始を待つとの予想が70%と、3月の32%から増えた。
原題:Fed Plays Down Liftoff Timing as It Emphasizes Gradual Rate Pace(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:アトランタ Steve Matthews smatthews@bloomberg.net;ワシントン Jeanna Smialek jsmialek1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christopher Wellisz cwellisz@bloomberg.net Alister Bull
更新日時: 2015/04/21 13:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NN4T026KLVR501.html


 
アングル:日銀委員候補の布野氏、円安となる追加緩和に「賛成」観測
2015年 04月 21日 18:17 JST
[東京 21日 ロイター] - 政府が21日に国会へ提示した日銀審議委員候補の布野幸利氏は、国内生産規模が大きく円安メリットを享受しやすいトヨタ自動車(7203.T)出身であることに、市場の注目が集まっている。

今後の投票行動は未知数だが、仮に一段の円安をもたらす公算の大きい追加緩和の提案があった場合、賛成票を投じる可能性があるとの見方が広がっている。

6月に任期が終了する日銀の森本宜久審議委員の後任人事に対し、市場の注目が高まったのは、日銀が追加緩和に踏み切った昨年10月の決定会合で、森本氏が追加緩和に反対票を投じたためだ。追加緩和は5対4の1票差という「薄氷の決定」だった。

現在の日銀は、国債の年間発行額に相当する年80兆円(残高ベース)の国債買い入れを続けている。

仮に追加緩和を決断した場合、日銀が買い取る国債の量が限界に達し、量的、質的金融緩和(QQE)政策を完璧に実行できなくなる事態が発生するのではないか、との疑念が市場の一部で出ている。

この懸念に関しては、生保などの機関投資家や地銀などから、保有国債を買い取ることができれば、QQEの制約要因にはならないとの声も市場から浮上している。

ただ、そうは言っても、過去2年のQQE実行に比べ、日銀の資産購入へのハードルが高まっているのは間違いないとの指摘が、複数の市場関係者から出ている。

また、追加緩和を決断すれば、円安が一段と進む公算が大きいが、さらなる円安に対しては、輸出関連産業と全く関連のない中小企業や地方などから、反発が出てくる可能性もある。

しかし、黒田東彦総裁は2%の物価目標達成のためには、さらなる追加緩和も辞さない方針。日銀の金融政策はアベノミクスの根幹でもあり、首相官邸としても黒田総裁の意図した政策運営に賛成する委員の確保が課題となっていた。

このため今年3月に退任した宮尾龍蔵・前委員の後任には、大胆な金融緩和による成長実現を提唱するリフレ派の重鎮である原田泰・元早大教授が選ばれた。

一方、森本委員の後任については、リフレ派の論客でなくとも「アベノミクスに理解のある人物」(関係筋)との条件で、人選が進んだもようだ。森本氏が東京電力 (9501.T)出身であったように、産業界の出身者を充てるべきか、欧米中銀に多くの例があるように学会・エコノミストから選ぶべきか、いくつかの選択肢が政府部内で検討されたとみられている。

別の関係筋は、安倍晋三首相とトヨタの豊田章男社長との親密な関係から、今回の人事の背景には、安倍首相の意向がかなり影響した可能性があるとみている。

また、市場関係者の一部には、布野氏は円安方向に傾きがちな追加緩和の提案が出た場合、賛成に回る公算が大きいとの観測が出ている。

7月以降の金融政策決定会合で、追加緩和の提案があった場合、5対4ではなく、6対3の可能性が高まったとの見方が、市場では広がりを見せている。

仮にそうした見方が、実際の決定会合での議論の構図を言い当てているとすれば、日銀にとって、追加緩和のハードルは6月までと比べ、7月以降は下がることになりそうだ。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

[東京 21日 ロイター] - 菅義偉官房長官は21日午後の記者会見で、日銀審議委員にトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)相談役(元副社長)の布野幸利氏(68)を充てる国会同意人事案が衆参両院に提示されたことを受け、「実業界において幅広い活躍をしており、国の内外の経済・金融情勢に精通した人物として高い評価を受けている方。日銀の審議委員にふさわしい」と述べた。

(梅川崇)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NC0SY20150421


日銀審議委員にトヨタ相談役の布野幸利氏、森本委員の後任
2015/04/21 11:40 JST
  (ブルームバーグ):政府は衆参両院の議院運営委員会理事会で、6月30日に任期が満了する日本銀行の森本宜久審議委員の後任にトヨタ自動車相談役の布野幸利氏を起用する人事案を提示した。衆参両院の議院運営委員会の配布資料で21日明らかになった。任期は5年間で、国会の同意を経て任命される。
東京電力の元副社長だった森本氏の後任に産業界出身者が選ばれることになる。浜田宏一内閣参与は1月のインタビューで、審議委員には「経済学、金融論の高度な知見」が必要で、「業界の利益代表のような選び方は好ましくない」と述べた。
日銀最高意思決定機関である政策委員会の定員は、正副総裁3人と審議委員6人の計9人。3月に退任した宮尾龍蔵前審議委員の後任としてリフレ派エコノミストの原田泰・元早稲田大学教授が日銀入りした。

布野氏はトヨタ副社長だった2009年9月25日、1ドル=90円前後の為替水準について「実感としてちょっと日本経済にとっては苦しい」との認識を示した上で、「もうちょっと円安でもいいのではないか」と述べた。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは人事案の発表を受けて、「経済界出身は2名というバランスを維持した形だ。為替相場や海外経済に高い関心がある自動車業界出身であるだけに、為替が大きく円高に動いた場面などで投票行動に注目が集まる」と指摘。仮に黒田総裁が年内に追加緩和を提案した場合は、布野氏は賛成に回ると予想している。
日銀は昨年10月31日の金融政策決定会合で、「短期的とはいえ現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある」として、5対4の僅差で追加緩和に踏み切った。森本委員は石田浩二委員、佐藤健裕委員、木内登英委員とともに反対に回った。

同意されれば7月会合から

昨年10月の追加緩和に賛成した宮尾元委員の後任である原田委員は、マネーを大量に供給すれば物価が上がると主張するリフレ派エコノミスト。ブルームバーグ・ニュースが3月31日から3日にかけて行った調査では、黒田総裁が年内に追加緩和を提案した場合、回答した31人全員が原田委員は賛成すると答えた。
新審議委員として提示された布野氏の人事が衆参両院で同意されれば、7月14、15日の金融政策決定会合から議論・採決に加わる。
日銀は2013年4月、消費者物価の前年比2%の物価安定の目標を2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するため、量的・質的金融緩和を導入した。日銀は消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI )が2015年度を中心とする時期に2%に達するとの見通しを維持しているが、足元では増税の影響を除くとゼロ%に鈍化している。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 上野英治郎
更新日時: 2015/04/21 11:40 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMXDY76K50XZ01.html

 
自民、歳出改革へ独自試算 医療・介護で4兆円の負担増
2015年 04月 21日 19:58 JST
[東京 21日 ロイター] - 自民党の行政改革推進本部が独自に検証した2015年度から20年度までの財政試算の全容が21日、わかった。政府が公表していない医療や介護など向こう5年間の個別の伸びを初めて試算したものだ。負担増は医療2.5兆円、介護1.5兆円などと具体的な見積もりを示し、抜本的な歳出改革を促す。

試算は、1)年金・医療・介護、2)その他社会保障、3)社会保障以外の歳出、4)特別会計・独立行政法人等──を柱に、それぞれ2015年度から20年度に、どの程度の伸びが見込まれるかを示した。

そのうち医療分野は、消費税引き上げに伴う充実分を除くと2.5兆円となった。内訳は、高齢化分が約1.2兆円、その他要因で1.3兆円と見込んだ。介護分野では、高齢化要因が約1.1兆円、その他要因は約0.4兆円の計1.5兆円としている。

内閣府は、将来の財政状況を見通した「中長期試算」で、名目成長率が3%超で推移した場合、国と地方の社会保障費は10.6兆円増えると見込んでいるが、個別にどう増えるかは公表していない。具体的な独自試算を示し、歳出抑制の具体策とりまとめに反映させる狙いがあるとみられる。

今回の試算では、債務残高の対国内総生産(GDP)比が23年度に182.6%まで低下した後は反転し、30年度に194.1%となる姿も提示。金利が成長率を下回る「恩恵」に甘んじることなく、改革に取り組む必要があると強調する。

(梅川崇 編集:山口貴也)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NC13S20150421


アングル:世界の中銀、外貨準備のユーロ資産売却か
2015年 04月 21日 11:18 JST
[ロンドン 20日 ロイター] - ユーロ圏の国債利回りがマイナス圏に沈み、ユーロ相場も急落しているのを嫌い、世界の中央銀行は外貨準備として保有しているユーロ資産を数千億ドル単位で売却する可能性がある。

世界の中銀が保有する外貨準備は11兆6000億ドル。このうちユーロの比率は最新の統計で22.2%と2002年以来の最低水準にあるが、中銀の運用姿勢が変わるのに伴い、いずれ20%を割り込むと複数のアナリストは予想している。

比率の縮小はドルに対するユーロ相場の下落が最も大きく影響する見通しだが、中銀による売却額も数千億ドルに達し、さらなるユーロ安を招く大きな要因となりそうだ。ゴールドマン・サックスは売却額が年間で最大1040億ドルに上ると推計している。

国際通貨基金(IMF)の最新の統計では、世界の外貨準備は昨年下期に3.1%、額にして3830億ドル減少して11兆6000億ドルとなった。JPモルガン・チェースによると、減少分の3分の2はこの間にユーロが11.7%下落したことによるものだ。

ロンドンのヘッジファンド、SLJマクロのマネジャー、スティーブン・ジェン氏は、外貨準備に占めるユーロの比率は最新の22.2%から、今後数四半期中にさらに2─4%ポイント低下し、金額では2400億─4800億ドル程度の減少になると予想している。

減少分の約半分はユーロ相場下落による目減り、残り半分は積極的な売却によるものとなりそうだ。つまり中銀は最大2400億ドル相当のユーロを市場に売却する可能性がある。

ジェン氏は「中銀の外貨準備管理者はマイナス金利を嫌う」とし、「外貨準備からユーロが放出されれば強大な影響をもたらすだろう」と予想した。

<中銀はECBに売却か>

世界の外貨準備が減少するのは珍しい。

JPモルガンによると、昨年下半期の減少分は世界金融危機後で最大で、過去50年間ほどでは6番目の規模だった。

過去20年間は、大半の時期において新興国市場や産油国から先進国への輸出が急増し、巨額のドルがこれらの国々に流入して外貨準備に蓄積された。

ここ数年、この流れが転換している原因としては(1)石油価格の急落(2)ユーロ相場の急落(3)新興国の景気減速(4)ドル高が進む中、新興国による自国通貨下支えのための外貨準備取り崩し──などが挙げられる。

通常ならこれら諸国の中銀は、減価しつつあるユーロ資産の買い手を見つけるのに苦労するかもしれない。しかし現在は欧州中央銀行(ECB)が大規模な国債買い入れに着手して1カ月とあって、「通常」の時期とは異なる。

ECBはこれまでに617億ユーロの国債を購入した。中銀がこの間、ECBにユーロ圏国債を売却していたとしても、第3者を通じて売却するため、その額は定かでない。

中銀が保有するのは通常、期間が短く、かつトリプルA格など低リスクの国債だが、現在はそのうち約2兆ユーロ分で利回りがマイナスに陥っている。

これらの国債も名目の表面利率はなおプラスであるため、保有が必ずしも損失をもたらすとは限らない。しかし利息はスズメの涙ほどなので、中銀がしびれを切らしても不思議ではない。

トリニティー・カレッジ(ダブリン)の政治経済学教授、フィリップ・レーン氏は「こんな利回りの国債を保有しているところに、民間以外の大きな買い手が現れたのなら売り時だ」とした上で「問題は売却で得た資金を何に再投資するかだ」と語った。

(Jamie McGeever記者)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NC06B20150421


 
ギリシャ株下落、ECBが銀行向け融資厳格化を検討との報道
2015年 04月 21日 18:33 JST
[ロンドン 21日 ロイター] - 21日のギリシャ市場で、銀行株が下落する一方、ギリシャ国債の利回りが上昇している。欧州中央銀行(ECB)のスタッフがギリシャの銀行向けの緊急融資の条件厳格化を検討しているとの報道などが背景。

ギリシャの銀行株指数.FTATBNKは5.5%下げ、ギリシャ・アテネ株式市場のATG指数.ATGの重しになっている。

ギリシャの10年債利回りGR10YT=TWEBは24ベーシスポイント(bp)上昇し、一時13.60%となった。2年物国債利回りは30%近くまで上げている。

ブルームバーグは21日、関係筋の話として、ECBのスタッフが、ギリシャの銀行が差し出す緊急流動性支援(ELA)の担保に対するヘアカット率(担保価値削減率)引き上げを提案する準備を進めていると報じた。

ヘアカット率を引き上げれば、実質的に担保の価値が低下しギリシャの銀行がELAで得られる資金の額が減少する。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NC0V920150421


FRBが「規制のとりこ」防止策検討、天下り規制強化-関係者
2015/04/21 12:52 JST

  (ブルームバーグ):米連邦準備制度はウォール街との関係が親密すぎるとの議会からの批判を受け、銀行審査担当者による監督対象行への就職を制限する措置の強化を検討している。
現行制度では、銀行審査を担当する最上級職2人を対象に、退職後1年間は審査対象行への就職を禁止している。当局はこれら2人以外に対象を拡大することを協議していると、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
規制見直しとなれば、ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレーなどウォール街の大手金融機関を監督するニューヨーク連銀が最大の影響を受ける。ニューヨーク連銀は審査対象行に派遣した職員を同連銀のマンハッタンのオフィスに戻すプログラムを続けている。ダドリー総裁は「担当職員が銀行で過ごす時間を減らし、職員同士で話し合う時間を増やす」ものだと説明。審査担当者が同じ銀行を極めて長期間にわたり監督して銀行側となれ合いにならないよう持ち回りにしていると語った。
ニューヨーク連銀には銀行持ち株会社のリスクやコンプライアンス(法令順守)を審査する450人余りの職員がいるが、そのうち約200人は主に監督対象行に駐在している。
連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は先月、規制機関が規制される企業側にコントロールされてしまう「規制のとりこ」と呼ばれる状況に陥るリスクを「FRBは極めて真剣に受け止め、防止に向けて懸命に取り組んでいる」と説明。「連邦準備制度のスタッフは誰であれ、金融業界寄りではないかと懸念を抱いた場合は、安心してそれを指摘できるようにし、こうした懸念に対処することも大切だ」と述べていた。
原題:Fed Said to Weigh Measures to Prevent ‘Regulatory Capture’(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Ian Katz ikatz2@bloomberg.net;ニューヨーク Matthew Boesler mboesler1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christopher Wellisz cwellisz@bloomberg.net Alister Bull
更新日時: 2015/04/21 12:52 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NN4XOD6KLVRI01.html

企業向け資金需要DI、1年ぶりに低下=日銀銀行貸出アンケート
2015年 04月 21日 09:44 JST
[東京 21日 ロイター] - 日銀が21日公表した「主要銀行貸出動向アンケート調査」(四半期ごと公表)の4月調査では、企業向けの資金需要が「増加」したとの回答から「減少」を指し引いた指数(DI)が1となり、1月調査から5ポイント低下した。

前四半期比で低下したのは2014年4月以来1年ぶり。水準としては2013年7月のマイナス2以来の低さだ。

50行の回答は「増加」が2行、「横ばい」が47行、「減少」1行だった。企業規模別の内訳は大企業向けが0で1月から4ポイント低下、中堅企業向けが1で2ポイント低下、中小企業向けが1で4ポイント低下した。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NC01F20150421


 

ロイター4月企業調査:AIIB不参加でも8割「デメリットなし」
2015年 04月 21日 07:31 JST
[東京 21日 ロイター] - 4月ロイター企業調査によると、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本が不参加でもデメリットは特に感じないとする企業が8割にのぼることがわかった。

現在、アジアでインフラ関係の事業に携わっていないなど直接の影響がないとの理由が目立ち、将来のビジネスチャンス喪失への不安に言及している企業は少ない。参加の前提として、透明性などの条件が満たされるべきと考えている企業が7割を占めたほか、参加する必要なしと回答した企業が4分の1を占めた。

今年度の製品・サービスの値上げ見通しについては、値上げ実施企業が4割弱と1月調査に比べて増加した。値上げの理由として7割が原材料コスト上昇を挙げたが、その割合は1月よりやや低下し、むしろ人件費上昇を理由に挙げる企業が増えた。

また自社の株価について、自社の価値と比べて割安になっているとの回答が4割強を占めた。適正な株価を目指すための方策としては「ROE(自己資本利益率)の向上」を挙げる企業が半数を占めた。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業が対象。4月1日─15日に400社を対象に行い、回答社数は250社程度。

<AIIB不参加でも影響なし、参加不要4分の1>

日本がAIIBに不参加となった場合にデメリットを「大いに感じる」との回答は全業種にわたりゼロだった。「やや感じる」が16%。一方「あまり感じない」が51%、「全く感じない」も33%だった。製造業の方がややデメリットを感じる企業の割合が多かった。

デメリットとして、製造業からは「AIIBが手掛ける事業で日本企業の参加が制限される恐れがある」(機械)、「参加しないと需要をどこまで取り込めるか不安」(輸送用機器)など、ビジネスチャンスを逃しかねないとの意見が聞かれた。非製造業にも「日本企業の海外進出や投資が、巡り巡って国内景気に影響する」(食品)、「顧客企業のアジア進出にマイナスになりかねない」(卸売)といった懸念がある。

他方、デメリットを感じないとする企業の理由としては「よくわからないから」との回答が目立った。また、「直接的な影響を受けるとは考えにくい」(輸送用機器)、「アジアでのインフラ投資とは関係ない」(化学)、「海外展開はしていない」(鉄道)などと、現状の事業展開からみて影響なしとする回答が多かった。

日本の参加の是非については「透明性など条件が満たされれば参加すべき」との回答が72%を占め、「参加しなくてよい」も24%と、現状では参加に消極的な意見がほとんどのようだ。「無条件で参加すべき」は4%だった。

「内容がよくわからない」との回答が目立つほか、 「中国の影響が強く出る可能性があり、本来の目的どおり投資されるのか心配」(建設)、「どのように運営されるのか不透明」(多くの企業)などといった懸念が大きい。

<値上げ予定企業が増加、人件費高騰で>

物価動向を占う上で注目される企業の価格設定について尋ねたところ、今年度、自社の製品・サービスの値上げを実施・検討している企業は、1月調査の32%から今回は38%に増加した。値上げの理由で最も多かったのは原材料コストの上昇で69%を占めたが、1月調査の73%からは減少。代わって、人件費上昇が29%と、1月の21%から増えた。需要好調を理由にした値上げも12%と、1月の8%から増えた。

ただ、値上げ率は1月調査よりも小幅になっている。1─5%未満の値上げ率が60%で最も多く、1月調査と同じだったが、5─10%と10%以上の値上げ率は1月より減少。代わりに1%未満の値上げ率が6%と、1月の2%から増えた。

<自社の株価は「割安」が4割>

現在の自社の株価を、会社価値に照らしてどう評価しているか尋ねたところ、「適正」との回答が51%を占めた。「割安」との回答も43%にのぼり、特に素材業種では半数以上の企業が割安感を感じていることがわかった。

適正な株価とするために「ROEの向上」を挙げた企業が54%を占めた。「収益性を客観的に表す指標として重視しており、目標は10%以上。増配と自社株買いも実施」(建設業)といった声もある。一方で「ROEは業績の一面的な見方でしかなく、ROE至上主義に誘導するのは危険」(化学)との意見もある。

次いで、「経営の透明性向上」が23%、「株主への増配」が14%を占めた。

「社外取締役導入などガバナンス強化」は7%にとどまった。「外からの目線でガバナンスを効かせ、資本効率を上げるべき」(化学)といった声もあるが、「これで収益力が上がるとは思えない。事業を知らない社外取締役は不要」(サービス)といった指摘もある。

過去1年間に海外M&A(合併・買収)を検討もしくは実施した企業は、23%を占めた。中でも輸送用機器では、5割弱の企業が実施・検討と回答。次いで、化学や鉄鋼も4割弱となった。

その理由として「海外市場への進出」を挙げた回答が全体の半数を占めた。特に、卸売や情報サービス、一般サービスでは、その多くが海外進出にM&Aを利用している。

次いで「マーケットシェアの拡大」が32%となった。電機や運輸では、それぞれ半数の企業がシェア拡大を目的としている。

(中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NB2IV20150420

ECBがギリシャの銀行への支援縮小を検討−関係者
2015/04/21 16:48 JST 

  (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)はギリシャの銀行向けの緊急流動性支援(ELA)の縮小を検討していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ギリシャの銀行にこれ以上の支援を提供することへの抵抗が政策委員会の中で強まっているためだという。
関係者が匿名を条件に述べたところによると、ECBスタッフは市中銀行がギリシャ銀行(中銀)から借り入れる際に差し出す担保のヘアカットを拡大することを提案した。政策委員会はまだこの措置について正式に協議していないが、ギリシャの指導者らが経済改革は可能だとユーロ圏財務相らを早急に納得させ支援を確保できなければ検討される公算だと関係者の1人が述べた。
ギリシャの銀行はECBの通常のリファイナンスオペからほぼ締め出されており、現在はギリシャ中銀が提供するELAに頼っている状況だ。ELAの上限は徐々に引き上げられ、約740億ユーロ(約9兆4400億円)となっている。ELA上限は今週、見直しが行われる。
関係者の1人によれば、ECBスタッフはギリシャの銀行が一定の担保に対して借り入れられる金額を減らす3つの選択肢を示した。ELAでのヘアカット率は公表されていない。ECBの報道官はコメントを控えた。
ギリシャ国民が銀行から預金を引き揚げる中で、中銀がELAで預金流出の穴を埋めている状態だ。ELAの上限は必要資金に対して30億ユーロ程度の余裕がある水準だと当局者の1人が述べている。
原題:ECB Said to Study Curbs on Greek Bank Support as Unease Grows(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net;アテネ Nikos Chrysoloras nchrysoloras@bloomberg.net;ワシントン Stefan Riecher sriecher@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net Paul Gordon
更新日時: 2015/04/21 16:48 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NN5B4Y6JTSEW01.html

 
債券は一時上昇、流動性供給入札の結果を好感−ギリシャ問題も支え
2015/04/21 15:35 JST

  (ブルームバーグ):債券相場は一時上昇に転じた。財務省が発表した流動性供給入札の結果を受けて、午後に入って買いが優勢となった。救済融資交渉が行き詰まっているギリシャ問題も相場の下支え要因となったとの見方も出ていた。
21日の長期国債先物市場で中心限月6月物 は、前日の米国債相場が反落した流れを引き継いで売りが先行。午前は前日比4銭安の147円89銭で取引を開始した後も売りが優勢の展開が続いた。午後は流動性供給入札の結果を受けて上昇し、一時9銭高の148円02銭を付けた。取引終了にかけて伸び悩み、結局は変わらずの147円93銭で引けた。
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、この日の相場について、「流動性供給入札が無難な結果となったことから、先物中心に堅調だった。また、不透明感が高まっているギリシャ問題も債券相場の下値を支えている」と話した。
現物債市場も午前は売り優勢で始まり、長期金利 の指標となる新発10年物国債の338回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値に比べ1ベーシスポイント(bp)高い0.315%を付けた。午後からは先物に連動する形で買われ、0.305%に水準を下げた。
応札倍率上昇
財務省が実施した流動性供給入札(発行額5000億円)の結果によると、募入最大利回り較差が0.006%、募入平均利回り較差は0.004%となった。今回は残存期間5年超から15.5年以下の国債が対象銘柄。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.88倍となり、同年限を対象とした前回の3.11倍から上昇した。
SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、流動性供給入札について、「応札倍率が4倍近くと高かった。落札利回りの水準も、残存5−6年が対象とみられるが、市場実勢のオファーサイドに近くしっかりだった」と話した。
20日の米国債相場は反落。中国の預金準備率引き下げに反応し、株式と原油が値上がりしたことを手掛かりに米国債への逃避需要が後退した。10年債利回りは前週末比2bp上昇の1.89%だった。
同日の欧州債市場ではギリシャ国債相場が下落し、3年債利回りは2012年以来の高水準に達した。同国への救済融資をめぐる交渉が行き詰まったままで、デフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が強まった。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net;東京 Daisuke Sakai dsakai2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 青木 勝
更新日時: 2015/04/21 15:35 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NN3G8A6TTDSF01.html


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