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AIIB創設を急ぐ中国の習近平国家主席(前列中央)だが、自国経済は大きく揺らいでいる(共同)
AIIBは中国経済救済の「集金マシン」 透明性、中立性に疑問符
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150417/frn1504171140001-n1.htm
2015.04.17 夕刊フジ
1〜3月期国内総生産(GDP)が前期比7・0%増と景気減速が止まらない中国。特に地方経済は壊滅状態で、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を急ぐ背景にも、自国の景気対策に利用しようという魂胆が透けて見える。57カ国が創設メンバーとなり、日米主導のアジア開発投資銀行(ADB)に匹敵するというが、実態は中国経済救済のための集金マシンの色合いが強く、米国も中国の利益優先に懸念を表明した。「国際金融機関というより“独裁融資機構”だ」との声もあがる。
供給過剰と需要低迷、これが中国経済の現状を示すキーワードだ。不動産市況では、バブルの反動で住宅が供給過剰になり、建設投資にブレーキがかかった。1〜3月期の住宅の新規着工面積は前年同期比で20・9%も減った。建設ラッシュだった高層マンションはゴーストタウン化し、建設が中断された大規模プロジェクトは、今や地方都市に付き物の風景だ。
工業生産の伸びも6・4%と、14年通年の8・3%から鈍化したが、設備稼働率も低下しており、過去の過大投資のツケである過剰設備は解消されていない。「世界の工場」「世界最大の消費大国」は色あせた。
エコノミストの間では、習近平政権が今年から引き下げた年7%の成長目標の達成も困難視されている。そもそも中国の統計数字が当てにならないため、実態はより深刻と考えられる。
このタイミングで中国がAIIB創設を急ピッチで進めているのは決して偶然ではない。習政権が欧州など各国にAIIB参加を募る際のアメとしてぶち上げたのが「一帯一路」というかつてのシルクロード沿いの経済開発だ。中国メディアによると、一帯一路に関する中国国内での建設中または建設予定のインフラ投資規模は1兆400億人民元(約20兆円)、中国以外では約524億ドル(約6兆2000億円)と試算している。AIIBの融資の相当額が中国に流れ込むことも容易に想像できる。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「AIIBを中国の国内景気下支えに利用しようという狙いははっきりしている。国際的に出資を募って、中国の国内景気下支えに利用しようという実にムシのいい話だ」と指摘する。
「山西省や黒竜江省、遼寧省など重工業を中心とする地方の経済成長が大きく落ち込んでおり、セメントをたくさん使うインフラ工事を増やす必要がある」(国内大手シンクタンク)という中国の思惑にもAIIB設立はぴたりと合致する。
AIIBが融資する海外のインフラ案件についても、「中国企業が安値で受注したり、中国で余剰となった資機材などを大量輸出する算段だろう」と勝又氏は指摘する。
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の開幕を16日に控え、米財務省高官は15日、AIIBについて、融資や組織運営の面で「国際基準を採用すると考えている」とクギを刺し、自国だけを利するような行動をしないよう中国に要請した。
日本でも、菅義偉官房長官が15日の記者会見で、AIIBの創設メンバーが57カ国で確定したことに関して「想定の範囲だ」とし、「公正なガバナンスや債務の持続可能性といった点を含めて慎重な見極めが必要だという立場に全く変わりはない」と述べた。
AIIBでは早くも中国の暴走が目立つ。参加意向を表明していた香港と台湾は、中国の独断で創設メンバーからの除外が決まり、国際金融機関としての中立性や透明性に疑問符がついた。
最大出資国となる中国が意思決定でも有利に立つのは間違いない。ADBでは出資比率が高い国が圧倒的有利にならないように議決権を調整する仕組みがあるが、AIIBがそうした措置をとるかは不明だ。
前出の勝又氏は「中国による中国のための独裁的な融資機構でしかない金融機関を新たに創立する意義があるのか、根本的な疑問にぶつかる」と疑問を呈している。
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