03. 2015年4月17日 17:47:55
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ECB債券購入、継続の見通し―計画通り16年9月まで=専務理事 By BEN LEUBSDORF 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 10:53 JST 欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は16日、ECBの債券買い入れ措置について、従来の発表通り、少なくとも2016年9月まで続く公算が大きいとの認識を示した。
専務理事はワシントンでのパネル討議で、ECBは大規模な資産買い入れ措置とその具体的な実施期間を発表したが、「残念ながら、これこそが今後必要とされるものだと非常に強く確信している」と話した。また、現時点で債券買い入れの縮小や終了時期について議論はされていないという。 国債依存の財政出動、経済成長の解決策にならず=ドイツ財務相 By HARRIET TORRY 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 10:10 JST
ドイツのショイブレ財務相(ブリュッセル、2月20日) Agence France-Presse/Getty Images 【ワシントン】ドイツのショイブレ財務相は16日の講演で、緩和的な金融政策を強く批判し、先進国が低成長と危機に陥っている原因は、極端に低い金利と安易な与信にあるとの見方を示した。 ショイブレ財務相は「個人的には、緩和的な金融政策や国債を財源とする財政出動では(経済成長を達成する)解決策にはならないとみている」と述べた。 欧州や米国の中央銀行が導入したような金融緩和策では持続的な経済成長はもたらされないとし、「これ以上の金融緩和策」は安定を脅かし、過去数十年で見られた「信用バブルの発生と崩壊を果てしなく繰り返す」恐れがあると警告した。 ドイツ政府高官が金融政策について発言するのは異例。同国高官は総じて中央銀行の独立性を尊重すべきと主張している。ドイツのメルケル首相は今のところ量的緩和を公に批判することは控えており、渋々ながらこれに同意したものと広く受け止められている。 また、ギリシャなど財政難のユーロ圏加盟国について、モラルハザード(倫理観の欠如)の問題が意味するのはドイツが金融支援を提供するのは構造改革が実施された場合に限るということだとし、ドイツ政府の立場を擁護した。 「欧州連合(EU)の財政・経済政策について各加盟国が責任を持ち続けている限り、欧州に相互債務は存在し得ない」と述べた。 FRB利上げ、年央の確率は低下―弱い指標への懸念で JON HILSENRATH 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 12:21 JST エコノミック・サプライズ指数の推移 米連邦準備制度理事会(FRB)内部では、経済指標が弱くなってきたことから、金利引き上げの時期をめぐって不透明感が生まれており、年央の利上げの確率は低くなっている。 最近の経済指標をみると、3月の非農業部門就業者数の増加幅は鈍化し、小売り売上高の伸び率は低調だった。また、鉱工業生産は大幅減少に見舞われ、住宅着工件数の増加幅は予想を下回った。今年1-3月期の米経済は減速し、大きな弾みを欠いたまま4-3月期に入ったとの見方が強まっている。 FRB当局者は、利上げに踏み切る前に、雇用市場が改善を続け、インフレ率が2%に向け加速していることを確信したいと望んでいる。当局者のほとんどは、1-3月期の成長鈍化を一時的なものとみているが、景気回復が進んでいることを確認するには時間が必要だろう。 アトランタ連銀のロックハート総裁は16日、フロリダ州パームビーチでの講演で、「これまでに発表された1-3月期の経済指標は著しく弱い」とし、「米経済が軌道に乗っているかどうかについて、強い不透明感をもたらしている」と述べた。 FRB当局者にとっては、こうした事態の展開は、悪夢の再現のようなところがある。この6年間近くの景気拡大局面で、成長率は常に期待に届かなかった。これを受けた落胆のため、金融政策の調整を余儀なくされることばかりだった。 画像を拡大する アトランタ連銀のロックハート総裁(写真)は、6月利上げに慎重な見方を示す Reuters 多くの当局者は今年を迎えるに当たって、米経済が2014年に数カ月間にわたり堅調だったことから、ようやく力強い成長軌道に乗り、さらには金融危機に伴う逆風も弱まったようだとの見方をしていた。このため、年央には利上げに踏み切れる、との期待を抱き始めた。 FRBは3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、6月のFOMCでの利上げ検討に道を開いた。ただ、この時点では軟調な経済指標が出ていたわけでなかったにもかかわらず、6月までの利上げが妥当かについては見解が分かれた。 ロックハート総裁は、FRB内で政策上の問題で対立が生じた時には中道の立場をとることが多いことから、同総裁の発言は注目に値する。2月の時点で同総裁は、6月に利上げする可能性を考慮したいと語っていた。16日の講演では、6月のFOMCについては言及しなかったが、目先については、インフレ率がFRBの目標である2%に向かっている「確証」が得られそうもない、との見方を示した。 ボストン連銀のローゼングレン総裁も同日、ロンドンでの講演で、ロックハート氏と同様に6月の利上げに慎重な姿勢を見せた。ローゼングレン氏は「利上げ開始には経済指標の改善が必要だ」との見解を表明した。 6月利上げ支持に傾いていたとみられる当局者の中にも、弁解の余地を残しておこうとする動きが見られる。クリーブランド連銀のメスター総裁は2月、ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、年央の利上げは「実行可能なオプション」だと話した。16日の講演では、楽観的経済見通しを堅持しながら、利上げを決定する上での条件として、成長に「弾みがついている」兆しが見られることを挙げた。 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は4月初め、経済データが軟調なため年央利上げのハードルは高くなっているとの認識を示した。 金利先物市場では、6月利上げの確率が極めて低いとされており、9月利上げの確率もまた低下している。 FRB当局者にとって重要な不確定要因は消費者の動向だ。雇用統計は、3月を除き堅調だ。ガソリン価格の下落が消費者の懐を暖かくしている一方、株価と住宅価格の上昇で、一部の家計資産が拡大し、債務負担は軽減されている。 だが、小売売上高は昨年12月以降停滞している。3月の小売売上高は、ガソリン価格を除くと前年同月比4.4%増にとどまり、昨年12月の6.7%増を大きく下回った。 ロックハート総裁は「1-3月期の消費は予想ほど強くなかった」とし、「ガソリン価格下落が消費支出に及ぼす効果は、期待ほどではなかった」と語った。 景気見通しにとって、消費は特に重要だ。なぜなら、その他の経済のエンジンが力強さを欠いているためだ。中でもドル高は、米国の輸出を減少させる可能性があり、原油価格の低下はエネルギー部門の投資を抑制している。一方で、住宅建設は低金利にもかかわらず、低調となっている。 メスター総裁は「全ての部門が同様に経済成長に対し影響するわけではない」とし、「貿易部門の不調が経済成長に及ぼすマイナス効果が、想定より大きいか小さいかは、見通しへのリスクの一つとなっている」と話す。 米賃金、上昇の兆候見られる=フィッシャーFRB副議長 By BEN LEUBSDORF 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 10:30 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長 Bloomberg News 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は16日、米賃金が上向き始めている兆候があることから、政策担当者らは低迷しているインフレにも弾みが付くとの自信を深めるかもしれないと述べた。 当地でのパネル討議に参加した副議長は、FRBではインフレ率が目標の年率2%を回復するとみているのかとの質問に対し、「あちこちで賃金が上昇し始めている兆候が見られる」と語った。 生産性の伸びが鈍化すれば賃金上昇率の問題は複雑化するが、「基本的には、労働力の需要が拡大し、供給が完全雇用へと接近する(ことで物価が押し上げられる)のを頼りにしている」という。 副議長はさらに、「インフレ率はまずまずの水準だった。われわれのほとんどは、(インフレ率が)かなり早い時期に、おそらく来年までに2%に到達すると考えていたと思う」が、ガソリン安やドル高によって押し下げられたと指摘した。 ガソリン安とドル高はどちらも一時的な影響のはずであり、「数年以内にインフレ率は持ち直して2%に向かうだろう」と続けた。 OPECも米原油生産ブームの終わりを予想 By SUMMER SAID 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 13:43 JST ノースダコタ州の原油採掘施設(1月) Associated Press 石油輸出国機構(OPEC)は16日公表した月間市場報告で、米国の原油生産ブームが2015年に終わるとの見方を示した。今週は主要エネルギー機関が米産油量の減少は近いとの見通しを示しており、OPECも足並みをそろえた格好だ。 OPECは、米国の原油生産量は今年4-6月期に日量約1365万バレルへと増加するが、その後は横ばいにとどまり、今年後半に減少し始めると予想した。この数値には原油と、超軽質油(コンデンセート)などの天然ガソリンが含まれる。 OPECの報告に先立ち、米エネルギー情報局(EIA)は14日、米主要7鉱区の5月の原油生産量が前月比で日量5万7000バレル減少するとの見通しを示した。15日には国際エネルギー機関(IEA)が、米国で新たな油井が稼働して急速な生産減少を相殺しなければ、米国の産油量は「いずれ頭打ちになり減少する」と述べた。 米国の産油量は2008年以降、ほぼ倍増した。これは、水圧破砕技術の普及によるもので、地下深くのシェール(頁岩)にあるシェールオイル(原油やその他石油製品)を抽出することが可能になったためだ。ブームは原油の供給過剰を招き、原油価格が昨年夏以降暴落する一因となった。最近は底堅いものの、国際石油取引の指標油種であるブレント原油先物は1月までに2014年半ばの水準から50%以上下げていた。16日はブレント原油先物6月限が前日比0.66ドル(1%)高の63.98ドルと、昨年12月10日以来の高値で引けた。 米国の生産は石油供給国としてのOPECの優位性を脅かし、その結果OPECは、価格下落時に供給を削減するという従来の役割を昨年封印せざるを得なかった。当時OPECは減産どころか生産量を維持し、相場が一段安となる原因になった。 OPECは今回の月報で、米産油量の見通し引き下げを再び余儀なくされた。OPECのバドリ事務局長は先月、OPECの生産量維持が米国のシェールオイル産業に打撃を与えていると述べ、世界的に原油部門への投資が減少すれば供給不足につながり、原油価格は再び上向くと語っていた。 OPECは月報で、原油安が米国の生産業者に打撃をもたらし始めていると述べた。OPECはベーカー・ヒューズの統計を引用し、米国の石油掘削リグ稼働数は2月に335基減少したあと、3月の4週間でさらに238基減少して1110基にとどまったとしている。 さらに、米国での掘削許可件数が減少しており、エクソン・モービルやBPといった大手石油会社が設備投資予算を圧縮する動きに出ていると指摘した。 1日当たり生産量(前期比増減率、薄色は予想)【青:米国、赤:非OPEC諸国】 OPECはこうした予測について、原油安を理由に、高い「リスクや不確実性」があると警告した。米産油量の伸びが鈍化しても、OPECの生産量が高いため、世界の原油需給を一致させる上では必ずしも十分ではないだろうという。
OPECは産油国以外の情報源、例えば海運業者、アナリスト、業界関係者を引用して、3月のOPEC産油量が日量3079万バレルに達し、2月を80万バレル以上上回ったと述べた。これはサウジアラビアの増産、イラクの生産急増、リビアの一部生産回復が主因という。リビアでは紛争で石油部門の活動が抑制されていた。 世界の原油の約3分の1を生産しているOPECは、今年のOPEC産原油に対する需要は日量約2930万バレルとやや増加するだろうと予想している。これは先月の生産実績を約150万バレル下回る水準だ。 OPEC加盟国が現在のペースで生産し続けると、市場は今年上半期に日量278万バレルの供給過剰になる。 ペトロマトリックスのマネジングディレクター兼エディターのオリビエ・ジェイコブ氏は「最近はOPECの戦略について話すのが難しい。サウジの戦略がある一方で、それ以外の戦略もある。原油安を受けて非OPEC産油国の生産が減少したが、それはサウジの生産急増で相殺された」と述べた。 OPEC月報は、15年の世界原油需要の予想増加量を日量117万バレルで据え置いた。また非OPEC産原油に対する需要は日量68万バレルで、従来予想から約16万5000バレル引き下げた。 インド中銀総裁、米利上げ問題ないとの見方 By MICHAEL S. DERBY 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 12:59 JST 更新 【ワシントン】インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁は16日、米連邦準備制度理事会(FRB)がいずれ利上げに転じても問題ないとの考えを示した。かつてはFRBの政策について、国際金融市場への悪影響などの懸念を表明する場面も何度かあった。 総裁は国際通貨基金(IMF)春季会合でのパネル討議で、「FRBがいつまでも現行政策を維持することはないだろう」としたうえ、「どこかの時点でFRBはいまが妥当な時期だと判断して動き始める必要がある。われわれはこれに合わせなければならない」と述べた。 世界経済については、「われわれは窮地に陥っている。ここから這い上がる時に若干の影響が生じる」ため、中銀関係者はこのことに留意する必要があると指摘した。 一方、世界の大半の国で経済活動が鈍化する中、インドをはじめとする国々の経済成長モデルは大きな難題に直面しているとし、輸出に頼って高い経済成長率を確保する経済モデルは永続的には機能しないと疑問を投げ掛けた。 インド企業、モディ首相就任1年もまだ伸び悩む By SHEFALI ANAND AND DEBIPRASAD NAYAK 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 15:50 JST インドの情報技術サービス大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(チェンナイ、2013年) Bloomberg News 【ムンバイ】ナレンドラ・モディ氏が首相に就任してから1年近くたつが、インド企業はいわゆる「モディ・マジック」で利益が押し上げられるのを今もなお待っている。 インドは16日に決算発表シーズンに入った。インドの情報技術(IT)サービス大手タタ・コンサルタンシー・サービシズは、この日発表した1-3月期(第4四半期)決算で27%減益となった。アナリストは、インド企業の2015年3月期の増益率は過去5年で最低の水準だったとみている。 モディ氏が「最も企業に優しい」首相になるとの期待から首相に選出されて以来、S&P・BSEセンセックス指数は17%上昇した。その一方で、利益の伸び率は意外にも停滞している。インド経済の将来について楽観的な見方が広がっているにもかかわらず、インドの需要の伸びとインフラ支出は多くのアナリストや投資家が期待したほど堅調ではない。 インドの証券会社コタック・インスティテューショナル・エクイティーズは、センセックス指数を構成する30社の15年3月期の増益率は3%未満と予想している。この予想が正しければ、10年3月期以来最悪の年となる。 アナリストによると、最も厳しい状況にあるのはセメント、製造、建設業界の企業で、これらの企業の多くは1-3月期の純損益が赤字になったとみられる。 モディ首相の最大の支援者の一部である外国人投資家は、インドの税法が明確になるのを待っているうちにインド市場への熱意がこれまでより薄れるかもしれないと、アナリストは指摘している。インド政府は外国人投資家への課税方法を前触れもなく変えているもようで、外国ポートフォリオ投資家(FPI)は最近、追徴課税された。 税当局は最近になってFPIに対し、最低代替税(MAT)と呼ばれる税金の支払い開始を求めている。FPIはMATは適用されないと考えていたが、現在税当局はこれを過去にさかのぼって適用する計画だ。ジャイトリー財務相は今週、インドのテレビニュースチャンネルのインタビューで、この計画の実施で4000億ルピー(約7600億円)前後の税収を見込んでいると述べた。 ミサイル防衛網導入すれば、ロシア軍の標的に―欧州に警告 By PAUL SONNE 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 13:37 JST
パトリオット防空ミサイルシステムと米兵(3月、ポーランド・ソハチェフ) Agence France-Presse/Getty Images 【モスクワ】ロシア連邦軍参謀本部のワレリー・ゲラシモフ参謀総長は16日、米国が主導するミサイル防衛網の導入を予定している欧州の国に対し、ロシア軍が標的にせざるを得なくなると警告した。 ゲラシモフ氏は当地の防衛会合でポーランドとルーマニアに言及し、「ミサイル防衛網が導入されつつある非核国は、優先的対応の対象になっている」と述べた。 ロシアの高官らはこの会合で、米国と北大西洋条約機構(NATO)がロシアに脅威をもたらしているとして、繰り返し警鐘を鳴らした。ウクライナでの紛争を受けてロシア政府と米政府の関係が冷戦時代以降の最悪となるなか、米国を激しく非難する形となった。 西側の指導者たちはこれまで、欧州でのミサイル防衛網構築プロジェクトについて、ロシアではなくイランからの攻撃を抑止することが狙いだと話しており、16日もこの見解をあらためて示した。 ロシアのショイグ国防相は、そうした主張は虚偽だと批判。「米国と同盟国が作り上げたテヘラン発のミサイルの脅威はたわ言だ」と述べた。 ワシントンでは、米軍のマーティン・デンプシー統合参謀本部議長が、この計画に対する米国とロシアの見解は長らく食い違っていたとして、ロシア側の「発言は意外ではない」と述べた。
習主席、パキスタンで「一帯一路」の旗艦事業発表へ SAEED SHAH IN ISLAMABAD AND JEREMY PAGE IN BEIJING 原文(英語) 2015 年 4 月 17 日 13:28 JST 中国は15年間掛けてグワダルから中国北西部まで約3200キロにわたる経済回廊を設置し、鉄道やパイプラインを敷設する。同国の一帯一路構想の旗艦プロジェクトだ Xinhua/Zuma Press 中国の習近平国家主席は20日にパキスタンを訪れ、総額460億ドル(約5兆5000億円)に上る対パキスタン・インフラ開発プロジェクトである「中国・パキスタン経済回廊」計画を発表する見通しだ。 同計画は、アジアを横断し欧州に至る新たな貿易・輸送ルートを開拓し、アジア地域の超大国として米国に対抗するという中国の壮大な構想の中核となる。中国の拡張的な外交政策を推進するとともに、中国国内の経済上の問題や安全保障上の懸念に対処するためのものだ。 パキスタンのアッサン・イクバル計画相は、計画が実現すればパキスタンが中国を中央アジア・南アジアと結び付けることになるとし、「パキスタンに大変革をもたらすだろう」と強い期待を表明する。 中国の主要な懸念は、米軍のアフガニスタンからの撤退により、隣国のパキスタンやアフガンの治安が悪化し、イスラム教徒人口の多い中国北西部の新疆ウイグル地区にその不安が広がることである。中国はまた、米国が治安の回復に失敗してきた中央アジアで、インフラを整備して中国と中央アジア・南アジアとの貿易ルートを確立し、同地域の地勢図を塗り替える歴史的な機会を得たと思っている。 プロジェクトの要になるのは、パキスタンのグワダル港の開発で、中国が中東への足掛かりとして同港の運営に当たることになっている。プロジェクトが実現すれば、中国が外国で行う経済開発計画としては過去最大規模のものになる。 計画では、15年間を掛けてグワダルから中国北西部まで約3200キロにわたる経済回廊を設置し、鉄道や道路を建設してパイプラインを敷設する。中国政府当局者はこのプロジェクトを中国と欧州を結ぶ「一帯一路」構想の旗艦プロジェクトと位置付けている。 しかし、テロが頻発するパキスタンでのプロジェクトは、中国にとって危険な賭けでもある。このためパキスタン政府当局者によれば、同国は習氏の訪問中に、プロジェクトに従事するためパキスタンに流入する中国人労働者を保護する、数千人規模の特別治安部隊の創設を発表するとみられている。 中国北西部は中国の沿岸部から遠いため、この地方の物資はパキスタンを通じて輸送した方が、沿岸部からよりも速くかつ安くなる。 中央アジア問題の専門家でジョンズ・ホプキンス大学のフレデリック・スター教授は、中国・パキスタン経済回廊は、中央アジアやカフカス地方を通じて欧州と中国を結び付け、さらにはパキスタンとインドを経由して南東アジアに達する可能性があると指摘し、「30年後には現在の中国と西側を結ぶルートよりも重要になるのではないか」と予想する。
[32削除理由]:削除人:関連が薄い長文
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