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電気自動車の納車開始で昨年来日したイーロン・マスク(左)
アップルの優秀な社員を続々引き寄せる43歳CEOの壮大な挑戦
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150416-00000003-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 4月16日(木)7時6分配信
ロケットの打ち上げといえば、通常1段目(ブースター)は打ち上げ後に燃え尽きるか洋上に落下するかのどちらかだが、これを軟着陸させて再利用しようという画期的な実験がアメリカで行われている。
4月14日、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から発射されたロケット「ファルコン9」。NASA(米航空宇宙局)からの依頼を受け、ドラゴン宇宙船で国際宇宙ステーションに物資を輸送する使命を負っていた。
打ち上げの結果はというと、発射自体は成功して物資も無事に届けられそうだが、肝心の1段目は洋上プラットフォームには着陸できず、大西洋上に設置されたバージ(はしげ)に激突して大破した。今回で3度目の失敗である。
こんな前例のない挑戦を果敢に続けているのは、若きCEO(最高経営責任者)、イーロン・マスク(43)率いるスペースXなる宇宙ベンチャーである。マスクの名は日本でも聞き覚えのある人が増えたのではないだろうか。1台700万円以上する電気自動車(EV)「モデルS」を昨年9月から日本でも販売しているテスラ・モーターズの創業者でもあるからだ。
マスクの経歴については過去に当サイト(2013年11月10日)でも紹介したが、1995年にネット決済サービス、ペイパルを創業して財を築いた後、2002年に低コストのロケット開発を行うスペースXを設立。「2020年に人類を火星に送り込む」との壮大な夢を描いている天才起業家だ。
『史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い』(PHP研究所)などの著書がある経営コンサルタントの竹内一正氏(オフィス・ケイ代表)がマスクの手腕をこう評価する。
「シリコンバレースタイルで、とにかく失敗を恐れずに新しいことにチャレンジしてみるのがマスクの経営スタンス。ロケットの再利用にしても、安いコストにしなければ多くの人類を火星に送ることができないと本気で考えているので、大きな目的を達成するための手段に過ぎません。
だから、いくらロッキード・マーチンやボーイングといった伝統的なロケット企業が無謀だといってもお構いなし。基本技術に立ち返ってロケット開発をした結果、コストは従来企業の約10分の1に抑えることに成功しています。いまやスペースXとマスクはNASAからの信頼を得て、“宇宙の宅急便”事業で主導権を握るまでになっています」
大言壮語、荒唐無稽――。かつてこんな批判も受けてきたマスクだが、有言実行を重ねることによって、世界中のベンチャーキャピタリストやエンジェルたちから期待される存在になっている。
「マスクの特徴は、いつまでに何ができるという目標を必ず明言してエンジニアの尻を叩くこと。現実にできるかどうかはアプローチ次第の部分もありますが、会社の利益や株価を最優先して1を2にするだけのビジネスモデルしか示せない企業が多い中、マスクのビジョンに共感する人が多いのです」(前出・竹内氏)
それは、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズといった著名経営者との違いを説明するうえでも当てはまるという。
「ビル・ゲイツはマイクロソフトを儲けさせるために、たとえばネットスケープのようなライバル企業を法廷に引きずり出して叩き潰しました。アップルにしてもサムスンと特許抗争をしているように、自社の利益追求ばかり。でも、マスクがやろうとしているのは『地球や人類のため』なんです」(同前)
テスラが2.9億ドルの赤字(2014年)を出しながら、EVに関する基本特許を無償で開放したのも、CO2削減を地球規模で広げなければ人類の未来が危ないとの危機感からだ。
「太陽光発電の充電ステーションを動かしてEVにチャージするシステムが世界中に広がれば、CO2の排出量はガソリン車の100分の1になるというのがマスクの持論。でも、テスラがどんなに頑張ってEVを売っても世界のわずか1%のシェアです。
それならばIBMがパソコンのアーキテクチャーを公開して世界中に広まったように、テスラ仕様のEVをオープンスタイルで誰でも自由に作れる環境にすれば、ガソリン車の時代を終わらせることができる。マスクは『その結果、テスラが倒産しても構わない』とまで言っているのです」(同前)
いま、テスラには野心旺盛で優秀なエンジニアが世界中から集まってきている。特にアップルからの転職組が多いというから驚きだ。
「スティーブ・ジョブズは技術屋で現場のエンジニアたちと話ができたから、ときに大喧嘩をしながらでもiPhoneやiPadを生み出してきましたが、現CEOのティム・クックはオペレーション畑だから技術開発の議論なんてできない。優秀なエンジニアはアップルにいても魅力を感じていません。
テスラは電気自動車の開発といっても、いわば走るコンピューター。今後もコンピューティング技術のウエイトはますます高まってくるため、マスクに付いていきたいというアップルの技術者がどんどん流れているのです。
人材流出に不安を抱いたクックは、逆にテスラからエンジニアを引き抜こうとしたら、1人あたり2000万円の支度金を要求されたそうです。それだけ払わなければ転籍してくれないほどテスラの企業価値は高まっています」(同前)
さて、マスクの壮大なビジョンと実行力があれば、「人類火星移住計画」もSF映画のような夢物語ではなくなる気もするのだが……。竹内氏はこういう。
「実現するかどうかは神様も分からないかもしれません(笑い)。ただ、これまでもいくつもの夢を形にしてきたマスクだけに、一歩ずつ近づいていることは確かです」
(敬称略)
●撮影/堀田喬
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