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世界56ヵ国でサービス中。利用者にとって評判は上々だが(UBER HPより)
「黒船ウーバー」の衝撃――時価総額5兆円の破壊力で次に何を仕掛けるのか。タクシー業界は戦々恐々
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42924
2015年04月16日(木) 伊藤 博敏「ニュースの深層」 現代ビジネス
■時価総額は早くもパナソニックや日立を凌駕
スマートフォンの専用アプリを駆使して配車サービスを世界規模で展開する米ウーバー・テクノロジーをご存知だろうか。
「いつでも、どこでも呼べる」という意味で、利用者に利便性を提供する革命児だが、タクシーとしての規制を受けない自家用車を使ったカーシェアリング(Uber Pop)といったサービスもあり、世界各国でウーバーを提訴する動きが広がっている。タクシー業界にとっては破壊者と映る。
ただ、市場はウーバーを歓迎、「買い」である。
2009年にIT実業家のトラビス・カラニック氏が創業したウーバーは、翌10年に米サンフランシスコでサービスを開始。スマホの普及が追い風となったほか、都市部以外にタクシーやバスなど、公共交通インフラが弱い地方都市などで人気を集め、海外でも徐々に浸透。
その時価総額は、今や400億ドル(4兆8000億円)を上回り、日本でいえば、パナソニック(3兆8000億円)や日立製作所(4兆4000億円)をしのぐ規模に成長している。
日本にも進出、ウーバージャパンを設立して2014年3月から運用を開始した。
だが、今年3月、ウーバーが福岡市などで一般ドライバーによる送迎事業「ライドシェア」を実験したところ、国土交通省から中止するよう行政指導が入った。道路運送法上の無許可でタクシー業を行う「白タク」行為の疑いがあると判断された。
■九州大との「実験」でドライバーに報酬
今回の実験はウーバーが九州大の関連法人「産学連携機構九州」と提携し、交通需要のデータ収集を目的として2月上旬に開始したもの。利用者が街中からスマホアプリでウーバーに登録している一般ドライバーを呼び、別の目的地まで無料で送迎する、という内容だったが、実際は違っていた。
「ウーバーからドライバーに報酬が支払われていることが判明し、国交省から“待った”がかかったのです。実際に支払われた金額も週当たり数万円に上るケースもあり、タクシードライバーと変わらない水準だった。国交省としても、実験のレベルを超えているとして見過ごすことはできなかったようです」(国交省担当記者)
「白タク」疑惑以外にも、ウーバーの実験には不可解な点があった。実験に参加したドライバーが交わした契約書には、ウーバーの日本法人ではなく、なぜか欧州法人の関連会社名が記載されていた。
さらに、実験に関する管轄裁判所も欧州の裁判所になっており、国交省担当者の疑念を強めた。海外とのトラブルに詳しい弁護士によると、今回のケースで万が一、人身事故などのトラブルが起きた場合、ドライバーや被害者は契約書に規定された裁判所に訴えることになるという。
ただ、今回の実験で「すごいサービス」「普段乗るタクシーより快適」といった利用者からの好意的な評価があるのも事実だ。
また、ウーバージャパンが最初に始めたのは、東京でのハイヤー会社と提携した配車サービスだが、「通常より割高(最低800円台)でも高級感がある」「タクシー乗り場で行列しなくても済む」といった声も出始め、東京で定着すれば、全国に広がるだろう。
課題は、既存業界との摩擦をどう解消するか。
ベルギーでもタクシードライバーたちの反ウーバーストライキが勃発 photo Getty Images
最大の問題は、前述の「白タク」疑惑だ。ウーバーは自社の位置づけを、利用者と登録した一般ドライバーをつなぐ「仲介業」であり、ドライバーからの仲介料でビジネスモデルを構築していると主張する。
タクシー業者とは一線を引くという論法だが、タクシー業界からみれば、それは屁理屈。一般ドライバーがお客を送迎して料金をとるのは、タクシーそのものである。
■日本法人の社長は30代前半でソニー出身
各国で提訴が広がっているだけでなく、昨年6月には、本来の乗客を奪われたとして、英仏で大規模なウーバー反対デモが起き、オランダやスペインでは、当局から営業停止処分が相次いで出された。
また、韓国では昨年12月、ついにカラニックCEOと現地提携企業が無許可で旅客輸送業を行ったとして、地元検察当局に起訴され、インドではドライバーが女性客をレイプする事件まで発生した。
こうした反発や包囲網に対し、ウーバーも負けてはいない。一般ドライバーが乗客を乗せるライドシェア事業の社会的メリットを強調し、当局や利用者の理解を得ようと躍起になっている。
例えば、失業率が高い国では、ウーバーに登録した一般ドライバーの収入を確保し、実質的な雇用創出の役割を担っていると強調。利用者とドライバーで乗用車を共有することで、エコ社会に貢献し地球温暖化対策にも資すると訴える。
黒船ウーバーの登場を、業界全体で拒否しているわけではない。配車アプリを導入し、利用者の利便性を高め、さらに「お得意様」を囲い込むタクシー会社が相次いでいる。
国交省幹部も「利用者の利便性の向上につながる新サービスを頭ごなしに否定するわけではない」としており、新アプリ導入などには理解を示す。
ウーバージャパンを牽引するのは、高橋正巳社長である。
米シカゴ大学を卒業後ソニーに入社。07年、パリに赴任してテレビ事業プロダクトマネージャーに就任。仏ビジネススクールのINSEADでMBAを取得後、サンフランシスコでベンチャー企業の買収、投資、売却などを手がけていた。14年7月、ウーバーに入社し、33歳の若さで日本法人の執行役員社長に就任した。
「会社の顔」として、メディアに露出していた高橋氏だが、今回、取材を申し入れたところ、「現在、第二フェーズに関しまして、プランを進めている途中でございます。きちんとアナウンスできる際に、せひまた、ご取材のご依頼をいただければ幸いです」(広報担当)とのこと。次は、どんな嵐を巻き起こすのだろうか。
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