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物価目標達成は他力本願?  久保田博幸
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/343.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 14 日 10:42:05: igsppGRN/E9PQ
 

物価目標達成は他力本願?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20150414-00044803/
2015年4月14日 9時10分 久保田博幸 | 金融アナリスト


日銀は3月16、17日に開催した金融政策決定会合の議事要旨を公表した。この議事要旨のなかから、物価に関する委員の議論をピックアップしてみたい。

「物価面について、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて、+0%台前半となっており、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移する可能性が高いとの見方で一致した」

「複数の委員は、エネルギー価格などの動向によっては、小幅のマイナスになる可能性があると指摘した。」

この会合後の3月27日に公表された2月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみてゼロ%となっていた。

エネルギー価格に関して、WTIのチャートをみてみると、1月に40ドル台まで下落したあといったん反発したが、再び下落し3月に40ドル前半をつけたところでボトムアウトした。チャートからはダブルボトムをつけた格好ながら、現在は50ドル近辺での推移が続いている。

日銀が4月13日に発表した3月の企業物価指数速報によると、国内企業物価指数は前年比でプラス0.7%上昇となった。消費税率引き上げの影響を除くと前年比2.1%の下落と5か月連続のマイナスとなった。しかし、原油価格の反発や円安などから前月比では8カ月ぶりにプラスとなっていた。

原油価格の下落による物価へのマイナスの影響は、WTIのチャートをみても今後は次第に収まることも予想される。日銀は今回の議事要旨にもあるように「原油価格下落の影響が剥落するに伴って消費者物価は伸び率を高め、2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い」との見方をしているが、少なくとも原油価格下落の影響が剥落するとの見方は、希望的観測というわけではなさそうである。むろん、前年比なのでいずれその影響が剥落することも確かではあるが。

それでも2.0%の物価目標に到達させるのは並大抵のことではない。一部の委員からは「改定頻度が少ないサービス価格が4月に引き上げられるか注目している」との意見があったが、このあたりも消費者物価指数を見る上では大きなポイントになりうる。しかし、一人の委員からは次のような意見が出ていた。

「消費者物価前年比が0%程度で推移するとみられる中で、物価の基調的な動きを丁寧に対外説明していく必要があるが、その際には予想物価上昇率の動向が鍵になると述べた。」

別の委員が次のように発言している。

「ある委員は、ブレーク・イーブン・インフレ率などの市場指標は原油価格の影響を受けやすいため、各種のサーベイ調査、企業の価格設定行動など、幅広い情報を丁寧に点検していく必要があるとの認識を示した」

どうやら前者が黒田総裁、後者は2月の講演でBEIには「欠陥はある」と発言していた岩田副総裁ではないかと思われる。

「別のある委員は、企業の価格設定面では、デフレ的な意識から着実に脱してきており、先行き消費が持ち直していけば、値上げ予備軍からの値上げ圧力が再び顕現化してくる可能性が高い一方で、賃金面では、ベースアップに躊躇する企業がみられるなど、デフレ的な意識が根強いとの見方を示した。」

「もう一人の委員は、企業の価格設定スタンスについて、従来の低価格戦略から付加価値を高めて販売価格を引き上げる方向に変化する動きがみられていると指摘したうえで、賃金交渉でも物価動向に配慮する姿勢がみられており、こうした動きは予想物価上昇率が高まっている表れであるとの認識を示した。」

昨年10月31日の金融政策決定会合では5対4の僅差で追加緩和を決定した。執行部(総裁と二人の副総裁)と学者出身の2人の委員がこのとき賛成に回っており、今回の予想物価上昇率の発言はこのときの賛成派から出ているのではないかと思われる。総括としてはこの賛成派を中心に2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高いとの認識を共有したようだが、下記のような意見が出ていた。

「一方、ある委員は、消費者物価(除く食料・エネルギー)のプラス幅は拡大してきておらず、先行きの物価上昇率はなかなか高まらないとの見方を示した。」

どちらかといえばこの見方がむしろ素直であろうが、異次元緩和により物価は上がるとしている日銀にとっては建前上、目標達成は可能とせざるをえない。しかし、これについては他力本願となりつつあることも確かなようである。

 

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コメント
 
01. 2015年4月14日 12:45:52 : DCB6Hi4RSI
インタビュー:QQE「後戻りできない政策」にも=福田・東大院教授
2015年 04月 14日 10:52 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0N503V20150414&channelName=topNews#a=1
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[東京 14日 ロイター] - 日銀が2%の物価安定目標を掲げ、量的、質的金融緩和(QQE)にかじを切ってから3年目に突入した。今月30日には「展望リポート」を発表し、自らのシナリオを点検する。その前に専門家へインタビューし、この2年間でQQEはどのように機能したのか、今後、物価は果たして日銀の思惑通りに上昇するのか探る。

第1回は、福田慎一・東京大学大学院教授に聞いた。同氏は、日銀のQQEの現状は日銀法2条から逸脱した状態にあるとの認識を示す。

また、政府の目指すデフレ脱却とも齟齬(そご)が生じ、物価安定の再定義が必要と指摘。危うさをはらむ株高の進展で、QQEは「後戻りできない政策」となり、政府の財政再建シナリオでも、QQEの継続が前提となりかねないと警鐘を鳴らす。

福田教授へのインタビューは10日に行った。

<政策の枠組み、日銀法にかかわる問題に>

福田氏は物価安定目標について「今の株高にとっては、昨年10月の追加緩和がきっかけになっている点で、いいか悪いかは別として、それなりに影響しているのは確かだ。一方で物価はかなり低迷しており、1つの原因は原油安だがそれを考慮しても2%の物価目標達成は厳しい」と語った。

こうした状況下では「2年で2%達成の枠組みを維持すべきかは大きな問題」との見方を示した。

「最近、政府サイドでもあまり議題になっていないが、これは日銀法2条にかかわる問題」とも、同氏は指摘した。

日銀法2条は「物価の安定を図ることを通じて、国民経済の健全な発展に資する」と規定している。福田教授は「黒田東彦総裁になって、この物価の安定の定義として、2%の物価上昇という概念を設定。これを達成できていないという状況は、日銀が目指すべき物価の安定が達成できていないということになり、日銀法2条の観点からすると、これはまずいということになる」と指摘する。

また、国民経済への波及経路も「物価の安定(上昇)」を通じて経済に寄与するという、当初描いていたものとは異なっている。「日銀はこのことを強調していないが、円安、株高を通じて景気に波及する経路となっている。この経路は、株高がバブルのリスクを常にはらんでいる点で、注意が必要な経路だ」とみている。

<デフレ脱却と物価の安定、日銀は概念整理を>

福田教授は「政府と日銀の間で、何を目指すのか齟齬(そご)が少し目立つようになっている」と話す。

「政府はデフレ脱却という目的からスタートしており、それは物価上昇というよりも景気を重視しているという感じだろう。むしろ物価を上げないで、賃金を上げることに力を入れるというように、変わってきている」と指摘した。

もっとも、賃金は本来、生産性を上げることが先にくるはずが、先に賃金を上げることには違和感がある、とみている。

「一方で日銀にとっては、あくまで金融政策の役割は物価であり、結果としての成長や景気回復を目指すとはいえ、物価を無視して目指すものではない、というのが日銀の概念整理だと思う」と述べた。

このため同教授は「日銀はここで一度、物価の安定の意味、デフレ脱却との関係、などの概念整理をする必要があるのではないか」という。

<株高に危うさ>

QQEの現状に日銀法違反の懸念があり、政府との齟齬も目立つとはいっても「この日銀の政策の枠組みを変えるのは、今となっては非常にリスクが大きい」と福田教授は指摘し、「今となっては後戻りできない」と表現する。

「当初、QQEは非常にシンプルな政策であり、黒田総裁の説明もわかりやすかった。しかし、今は大変複雑な状況になっている」として、同総裁の説明も歯切れが悪くなっているとみている。

「この政策をやめますといった途端に、株価が下がることになる。今の株高は期待先行の面があり、非常に危うさをはらんでいる。そこまで企業の業績がよくなっているとも思えないし、昨年からGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と、日銀の株購入もあり、官製相場になっている面がある。こうなると、市場の期待を裏切らないということが、現状では大事だ」と、同氏はみている。

為替に関しても「米国金融政策との関係は非常に大きいとはいえ、ユーロが量的緩和を渋っている際のことを思い出せばわかるが、QQEをやめれば円高になることは十分予想される。そのため出口が非常に難しくなっている」と予想する。

<財政再建は低金利持続なしに成り立たず>

QQEは財政再建にとっても、継続が前提となっていると福田教授は懸念する。「財政再建は金利が成長率より低いことを前提にしないと成り立たない」ためだ。

名目経済成長率よりも金利が低ければ、財政的には財政赤字であっても財政破たんは起こらず、プライマリーバランスの赤字対GDP比率は縮小していくシナリオが描ける。

しかし、通常はデフレから脱却して景気が回復すると、GDPの伸びより金利の方が大きくなっていく。

同教授は「経済学的には、デフレだからこそ、財政状況が保たれているということ。実はGDPが成長するからといって、財政がよくなるわけではない、財政破たんはかえって起こりやすいということになる」と説明。

その上で「内閣府のシナリオは、金利がどう決まるかを明示していない。金利が経済成長とともに、どう変化するかという経済モデルを使って出せば、金利も成長とともに上がるため、経済成長というのは財政再建には寄与しない推計結果になるのが一般的だ」と指摘。人口問題に非常に楽観的なシナリオにでもしない限り、財政再建はできないとみている。


(中川泉 編集:山口貴也)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N503V20150414?sp=true


02. 2015年4月14日 19:50:30 : e9xeV93vFQ

コラム:低インフレ後の「資産バブル」再来リスク=竹中正治氏
2015年 04月 14日 17:18 JST
竹中正治 龍谷大学経済学部教授

[東京 14日] - 非伝統的金融政策(量的緩和)からの出口に差しかかっている米国で、失業率や新規雇用者数で見る雇用情勢は着実に改善しているにもかかわらず、インフレ率が目標の2%未満の状態が続いている。

このことに米連邦準備理事会(FRB)が頭を悩ましている。これは日本にも共通する問題だ。米国で低インフレが続く原因とそのリスクを考えてみよう。

FRBが使命とする政策目標はインフレ率の安定と雇用の最大化だ。この2つの目標に対して政策手段は金融政策の1つだけである。独立した1つの政策目標を達成するためには、独立した1つの政策手段が原理的に必要とされる。にもかかわらず、一般にFRBの使命が矛盾しないのは、インフレ率と雇用の変化に安定した関係がある場合だ。

例えば「フィリップス曲線」の名で知られているようにインフレ率と失業率の間にはトレードオフの(負の相関)関係がある。FRBが短期・中期的なショックに対応しながら金融政策のかじ取りを行い、インフレ率を一定の水準で安定化させれば、長期的には需給ギャップはゼロとなり、長期的な均衡状態における自然失業率を達成できると考えられている。

しかし、インフレ率と失業の関係性が壊れてしまう時もある。その代表例が1970年代のスタグフレーションの時代で、インフレの高進と失業率の上昇が同時進行した。こうなると金融政策として双方の同時追求ができない。

結局、この時は1979年に就任したポール・ボルカーFRB議長の「新金融調節方式」の下で厳しい金融引き締めが実施され、根強いインフレ期待を抑え込むことを優先した。ただし、その代償として1980年代前半は2度のリセッションに見舞われ、失業率はピーク時に10%台まで上昇した。

<低インフレの何が問題か>

今、FRBが直面している問題は、1970年代とは反対の「低インフレ持続」リスクだ。この問題はローレンス・サマーズ元米財務長官が指摘してきた「長期停滞(secular stagnation)仮説」、つまり自然利子率がマイナスに落ち込んでしまうリスクとも関連して議論されている。

もしデフレと紙一重のような低インフレが慢性化すれば、FRBはこれまでの量的緩和で膨張したバランスシートの正常化(縮小)もできず、目立った金利の引き上げもできないことになる。そうした状態のままだと、将来再び経済に何かのショックが発生して景気が後退した場合に、金利の引き下げ余地は極めて小さくなる。つまり、FRBが金融政策として取れる手段は極めて限られるという厄介な事態となるわけだ。そういう意味で低インフレは低金利と表裏の関係にある。

足元の個人消費支出(PCE)価格指数の変化は、全品目ベースで0.3%(今年2月の対前年同月比)であり、FRBが重視している「食料とエネルギーを除くベース」で同1.4%と目標の2.0%に届いていない。

もちろん、全品目ベースで0.3%まで低下したのは、昨年第4四半期から顕著になった原油を中心とする資源価格の下落の影響だ。それは資源価格の調整・下落が止まれば終わるので一過性のものであり、問題はない。むしろ米国のマクロの交易条件が改善するので実質所得が増加する。ところが「食料とエネルギーを除くベース」でも目標の2%に届かない状態が2012年5月以降続いている。これが懸念されているわけだ。

<現下の日本経済にも類似した特徴>

それでは何が低インフレ・低金利の原因となっているのだろうか。原因候補の第1は設備投資需要の低迷である。設備投資の減少は長期的には供給面の制約をもたらすが、短期では資金需要と投資需要の減少として低金利、低成長、低インフレの要因となる。サマーズ氏はこうした見方に立っているようであり、「インフラ整備(公的資本形成)などのために財政支出を拡大する」ことを提唱している。

しかし、民間設備投資が名目国内総生産(GDP)に占める比率は、2009―2014年の平均が11.9%、1950―2008年の平均値は12.0%であり、安定している。GDP成長率と民間設備投資伸び率の間には高い正の相関関係があるが、その関係性が2009年以降に変化しているようにも見えない。つまり、設備投資が細っている兆候は見られない。

第2の原因候補として貯蓄率の上昇(消費性向の低下)はどうだろうか。家計の貯蓄率(対可処分所得)は、リーマンショック後の不況下で家計のバランスシート調整が起こった局面では上昇したが、2013年4.9%、2014年4.8%と落ち着いている。これは1990―2008年までの平均5.5%より低い。つまり、家計部門で貯蓄増加(消費減少)が生じているわけでもない。

民間企業部門ではどうだろうか。民間事業部門の「未分配企業利益(undistributed corporate profit)」の国民総所得(GDI)に対する比率を見ると、1990―2008年までの平均値が2.3%であるのに対し、2009―2014年の平均は5.0%と上がっている。つまり、2009年以降、企業利益が回復する一方、内部に留保される利益の比率が高まっている。また、GDIに占める労働分配率は、1980―2008年の期間は平均56%を中心に安定的に上下動をしていたが、2009―2014年の平均値は53%と下方シフトの傾向が見られる。

以上で何が起こっているか察しがつく。つまり、リーマンショック以降、企業収益は順調に回復し、企業は手元流動性を積み上げ、雇用も回復しているにもかかわらず、それが賃金上昇にあまりつながっていないのだ。興味深いことに、これは現下の日本経済でも類似した特徴だ。

<失業率と名目賃金伸び率の関係に異変>

そこで掲載図をご覧いただきたい。横軸は失業率、縦軸は名目賃金指数の変化(前年同月比)だ。いわゆるフィリップス曲線である。同曲線を論文で最初に提示したウィリアム・フィリップスは失業率と名目賃金の変化として描いた。その後ポール・サミュエルソンが失業率とインフレ率の関係性として定式化してから、それが一般的になったが、ここでは名目賃金指数の変化として示した。

失業率と名目賃金の変化の関係性を示す近似線の傾きが、2009年までとそれ以降で変わっているのがわかるだろう。つまり、2010年以降、景気の回復で失業率が低下しても名目賃金がそれ以前ほど伸びていないのだ。インフレ率と名目賃金の変化にも正の相関関係がある。したがって「賃金伸び率の低下が低インフレ率を招く」という構図に経済がはまっていると筆者は考えている。

では、失業率で見た雇用の回復にもかかわらず、なぜ賃金伸び率は低いままなのだろうか。「完全失業率=失業者数/(就業者数+求職活動をしている失業者)」で算出される。戦後最大の景気後退を経て米国の労働力の供給には失業率が示す以上のスラック(余裕)が生じている可能性がある。実際、米国の労働参加率は過去数年で3%ポイントも低下しており、これはベビーブーマー世代の引退という人口動態要因を勘案しても大きな低下だ。相当数の「求職あきらめ組」を含んでいると考えられている。

そうした「求職あきらめ組」も景気の回復に伴ってじわじわと求職活動に復帰している。その結果、右上がりの労働供給曲線(縦軸に賃金、横軸に労働供給・需要量)の左部分がフラットに近い状態になっていると考えると説明がつく。この状態では景気の回復で労働需要曲線が右にシフトしても、労働供給曲線がフラットに近いので名目賃金はなかなか上がらない。

今後、景気の回復、雇用需要の増加が続けば、近い将来に労働需要曲線はさらに右にシフトして労働供給曲線の右肩上がりの部分と交差するようになるだろう。つまり、賃金が上がり始めるということだ。イエレンFRB議長の直近3月27日の講演(Normalizing Monetary Policy:Prospects and Perspectives)を読む限り、これはFRBの基本認識(メインシナリオ)でもある。筆者も大方はそのシナリオで正しいのだと思う。

ただし、名目賃金の伸び率と失業率の関係は既述の通り決して安定的ではなく、様々な要因で変化する。技術革新の進展で、製造業でもサービス業でも、定型的な労働を中心に機械による代替がますます進んでいる。現下のドル高も輸入物価の低下を通じて、海外と国内の労働者との賃金面での競合を強めている。こうしたことも賃金伸び率の低下要因になっている可能性がある。

<将来のリスクはインフレより資産バブルか>

それでも上記のメインシナリオに基づいてFRBは低インフレ見通しが変わるまで、金利の引き上げには慎重で、緩和的な金融政策を継続するだろう。この点において前掲講演でのイエレン議長の説明は実に微妙で、インフレ率が目標水準に達するまで金利の引き上げや金融政策の正常化を待つことは適切ではなく、目標水準の達成が予見できるようになったらアクションを取るのだと説明をしている。

そして注目すべきは、「長過ぎる期間、金利を低過ぎる水準に維持すれば、投資家による不適切なリスクテイクを助長しかねず、金融市場の安定性を損なう可能性がある」と述べている。つまり、資産バブルのリスクに言及しているのだ。

イエレン議長はそれ以上踏み込んでいないが、この点は今日の金融政策をめぐる厄介な問題に絡んでいる。というのは、インフレ率の安定と雇用の最大化を実現する金利水準と、資産バブルを抑制・回避するのに適正な金利水準が一致する保証はないということだ。

むしろ「雇用・インフレに望ましい金利水準が資産バブル抑制・回避に望ましい金利水準より低くなる」という乖(かい)離が生じる可能性が高い。これこそ過去四半世紀の様々な資産バブルの教訓ではないだろうか。

さらに言えば、米国の景気循環自体が、総需要と総供給のバランスを軸にした実体経済の循環的な変動(business cycle)から、信用の膨張と収縮を伴う資産価格の変動(credit cycle, market cycle)に性質を変えている可能性がある。

ドル高を伴った低インフレが長引く結果、金利の引き上げが延び延びになり、信用の膨張が再び株式か不動産などの資産価格のバブル的高騰を招く危険が、まだ将来のことではあるが、じわりと高まっていると思う。

振り返ると、ITバブル崩壊による景気後退後、当時のグリーンスパンFRB議長は、2003年に景気後退が終わっているにもかかわらず、インフレ率がじりじりと下がり、日本のようなデフレに陥るリスクを真剣に懸念した。結局当時はデフレにはならず景気回復が持続し、2004年6月から金利引き上げに転じたのだが、そのテンポは非常に慎重なものだった。FRBは公式には認めていないが、デフレに陥るかもしれないという2003年の恐怖経験が、住宅高騰下での金融引き締めをスローなものにした可能性があると筆者は思っている。

代々FRBはグリーンスパン議長もバーナンキ議長も、「バブルは破裂してからでないとバブルとは判断できない」という立場であり、資産価格の高騰もそれが実体経済の景気の過熱、インフレ率の過度な上昇として顕現化する場合にのみ金融引き締めで対応すべきであるという方針を取ってきた。

そうした方針の背後には、雇用・インフレに望ましい金利水準と資産バブル抑制・回避に望ましい金利水準のかい離を想定すると、「1つの金融政策で複数の異なる政策目標を追求する」という政策論の原理的な矛盾を認めることになるので、それを回避したい意識があるのだろう。しかし、資産バブルは必ず金融緩和下の信用膨張をベースに起こる。そのリスクを過小評価するコストはあまりに大きかったことが2000年代のバブル崩壊と金融危機の教訓だ。

筆者は米国経済については長期的に強気の見方をしているが、それはリスクの不在を意味しない。イエレン議長がこの厄介な問題にどう対処するか、それが問われる局面が数年以内に到来する気がしてならない。

*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職、経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)


コラム:デフレ肯定論の落とし穴=嶋津洋樹氏
2015年 04月 14日 12:46 JST
嶋津洋樹 SMBC日興証券 シニア債券エコノミスト

[東京 14日] - 日銀が今月2日に公表した「生活意識に関するアンケート調査」(第61回)によると、「物価に対する実感」は足元を中心に従来並みか、わずかに上昇。原油価格の下落などにもかかわらず、人々の予想物価上昇率が安定していることが示された。

しかし、「物価上昇・下落についての感想」を見ると、物価下落を「どちらかと言えば、困ったことだ」と受け止めているという回答が39.3%と2四半期連続で減少。現行調査で最も高かった第59回(2014年9月)調査時の回答(57.5%)の3分の2にとどまった。

この間、「どちらかと言えば、好ましいことだ」との回答は33.9%と前回の20.8%から急増。一方、物価上昇に関する回答には、さほど大きな変化はなく、原油安を背景に足元で消費者物価の軟化が続く中、デフレ脱却を目指すことに否定的な意見が増え始めた可能性がある。

物価上昇に対するこうした否定的な見方の原因は、3月の景気ウォッチャー調査で紹介された「4月以降の用紙価格の上昇が決定し、値上げ交渉をしているが難航している。大半が転嫁できない(南関東=出版・印刷・同関連産業)」などの声に見つけることができるだろう。

そして、それと呼応するように「日銀の2%物価目標は誤り」「出口戦略が必要」といった論調が再び息を吹き返している。

むろん、筆者も消費者物価そのものが下がることに対し、常に悪いと考えているわけではない。特に「労働の対価」でもある賃金が増加しているのであれば、消費者物価の下落は実質所得の改善をもたらす良いことだと言えるだろう。

しかし、そのような環境を日本全体で整えるのは、最近のように原油価格が下落でもしない限り難しい。というのも、消費者物価の下落は企業が生産性を引き上げたり、コストを削減したりと、誰かがその分のコストを払っていることを意味するからだ。

常識的に考えて、企業の生産性が上昇し続けるというのは「革命」と称されるほどの変化が起きない限り、難しいだろう。つまり、消費者物価の低下は売上高の減少などを通じて、従業員の賃金に跳ね返ってくる可能性が高いということである。

最悪の場合、人員整理によって収入すらも失いかねない。消費者物価の低下は賃金の上昇が続くという稀有な環境では経済を活性化させる可能性があるものの、通常は「パイの縮小」を招くだけで、決して活性化にはつながらない。やはり、デフレは「だめ」である。

こうした主張をすると、上述したコスト転嫁の困難さや、それによる企業経営の行き詰まり、家計のやりくりの苦労を軽視しているとのお叱りを受けるかもしれない。しかし、デフレ下では上述した通り、コストは低下するが、売上高や収入も減少し、倒産と失業のリスクが高まる。個々の事情を見れば、どちらも同じぐらいに酷い状態と言えるが、再チャレンジの可能性という意味では明らかに今の方に軍配が上がるだろう。

パイが縮小している世界では、企業の再建も再就職もままならない。個々の生活に関して言えば、物価の下落が好ましく、物価の上昇は困ったことに違いないが、それをマクロ経済にそのまま当てはめるとかえって悪い結果を招いてしまう。

<物価は夏場以降再び上昇へ>

そもそも、消費者の立場からしても、物価下落が好ましいとは限らない側面もある。建物の構造計算書の偽造、食品の産地や賞味期限の偽装はすべての事例ではないにしても、そのうちの少なくない部分は過度とも言える価格競争によって引き起こされた可能性があると筆者は見ている。

もちろん、企業のなかには革命的な発明や小さな努力を積み上げることで、コスト競争力を磨いているところも少なくない。しかし、一般的に考えて、どんな商品、サービスにも適正な価格が存在するはずである。今の時代、「安かろう、悪かろう」が通用するとは考えにくいが、それを前提にしても、価格の安さのみが注目されるトレンドはそろそろ終わりに近づいているのではないだろうか。

中国で労働者などの権利に対する意識が高まっていることも大きな変化だ。米大手デジタル家電・ソフトウェア企業が中国の下請け工場で劣悪な労働環境を放置したとして批判されたことは記憶に新しい。米国でも、待遇改善を訴えた港湾労働者の争議が長期化、またファーストフード大手や小売大手が相次いで従業員の給与を引き上げると発表している。

翻って日本でも、報道によれば、繊維・化学・食品・流通などの労働組合が加盟する「UAゼンセン」が8日まとめた2015年春季労使交渉の中間結果で、パート組合員の時給が2014年の倍以上の上昇幅になると伝えられている。その背景には経済の正常化という基本的な流れがある可能性が高い。加えて、上述した商品やサービスと同様、労働に対する対価の適正さが問われていると考えることもできるだろう。

こうした視点で最近の日本経済を見ると、日用品を中心に安さを追求するトレンドは変わらないものの、「プチ贅沢」や「自分へのご褒美」などに対する需要も根強い。最近の格安航空機に絡む事故が業界の抱える構造問題を象徴するのか、不幸な偶然が重なって発生したのかを評価することは難しいが、食品偽装事件の多発した直後と同様、消費者の購買行動に少なからず影響を与える可能性は高い。

ただ、それが前述した生活意識に関するアンケート調査などに示されたようなセンチメントに勝るのかどうか。筆者は、消費者物価(CPI)について、目先は低迷するものの、夏以降は原油安の効果が一巡することなどから、意外と速いペースで上昇する可能性が高いと見ている。果たしてそのとき、消費者はデフレ脱却に対して、どういう反応を示すのか。

モノの価格が賃金以上に上昇するのは困ったことである。しかし、だからと言って、モノの価格が賃金とともに下落する世界に将来があるわけでは決してない。デフレ肯定論はともすると聞こえが良いが、それはあくまで、賃金が他のモノほど下がらず、失業するリスクもない世界の話である。現実はそうはいかない。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0N412R20150414



シンガポール金融管理局、予想に反し金融政策を据え置き
2015年 04月 14日 11:44 JST
[シンガポール 14日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は14日、金融政策の据え置きを発表した。成長鈍化やインフレの落ち着きを踏まえた市場の緩和予想と反する結果となり、外為市場では、シンガポールドルが上昇している。

MASは金融政策の運営手段としているシンガポールドル(Sドル)の名目為替実効レート(NEER)のバンド(変動幅)の傾斜、幅、中央値を据え置いた。

2015年のコアインフレ率については、1月時点の予測である0.5─1.5%を維持した。

MASは政策声明で「国内総生産(GDP)が2015年に2─4%のペースで増加する軌道に乗っており、消費者物価指数(CPI)の総合およびコアインフレ率の予測に変更ない」とした。労働市場が引き続き逼迫(ひっぱく)した状態にあることを踏まえると、潜在的なコストや物価圧力が上向く可能性があると指摘。「したがって、SドルNEER政策バンドの穏やかで緩やかな上昇という政策を維持する。政策バンドの傾斜、幅、中央値に変更はない」と表明した。

前週にロイターが実施したエコノミスト調査では、緩和予想が大勢だった。

金融政策の据え置きは、1月に実施された予想外の金融緩和以降の消費者物価の動きにMASが満足していることを示しているとみられる。

今回据え置きを予想していたバークレイズのエコノミスト、Leong Wai Ho氏は、「(2015年の)国内総生産(GDP)の増加ペースが公式発表見通しの2─4%を下回る可能性はないと(MASが)みていることを、市場に再確認させた」と述べた。

予想外の金融政策据え置き発表後にシンガポールドルSGD=D3は上昇。1米ドル=1.3617シンガポールドルと、1日としては約0.7%上げている。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0N500X20150414

焦点:「購買力平価説」が円安抑制、日米金融政策の思惑と綱引き
2015年 04月 14日 18:24 JST
[東京 14日 ロイター] - ドル/円JPY=EBSの上値が重くなってきた。内閣官房参与の浜田宏一・米エール大学名誉教授が購買力平価からみた水準として105円に言及。足元の119円─120円からみてかなり円高な水準であるため、安倍晋三政権の円安けん制姿勢を映したのではないかとの思惑も浮上した。

ただ、日米金融政策の方向性に着目した円安観測は根強く、当面は2つの見方の力比べの展開になりそうだ。

<長期的な「物差し」>

浜田教授は、13日のBSフジのプライムニュースで、購買力平価からすると「120円はかなり円安、105円ぐらい」との見方を示した。市場は当初、同発言に反応薄だったが、同発言が英文で伝わると、海外投機筋を中心にドル売りに拍車がかかり、ドル/円はそれまでの120円後半から119円台後半まで下落した。

購買力平価は、2国間の同一商品の価格を比べることで、算出される為替(交換)レート。ある商品が日本では200円、米国では2ドルで買えるとすると、1ドル100円が購買力平価になる。実際の為替レートが1ドル150円とすれば、購買力平価に対し円安方向にかい離していると判断される。

あくまで長期的な為替レートのめどを示すものであり、短期的には様々な要因で実勢レートは変動し、購買力平価から大きくかい離することはまれではない。長期的な「物差し」といっても、為替レートの絶対的な均衡水準を指し示しているわけではなく、比べる対象によって、その数値はかなりバラツキがある。

前日の海外市場で、浜田教授の発言はタイミング的にドル売りの材料としてうまく使われた形だ。発言の直前に、ドルは120.84円付近まで上昇しており、市場で「ちょうど121円を試そうという機運が盛り上がっていた時に、同発言が伝わり、投機筋のドル買いに冷や水をあびせられた格好」(邦銀)だという。

<「ビッグマック指数」では34%円安かい離>

とはいえ、現在の1ドル120円付近の為替レートは、購買力平価からは円安方向にかい離しているという見方は少なくない。

国際通貨研究所が試算する2月時点のデータでは、購買力平価を算出するベースによって異なり、消費者物価では129.82円、企業物価では101.01円、輸出物価では77.48円となっている。

現在の1ドル120円付近の為替水準は、消費者物価ベースではまだ円高となるが、実勢レートが消費者物価ベースを超える円安になったのは、プラザ合意前の2回しかない。このため、購買力平価を算出する際は企業物価や輸出物価を基準にすることが多く、両基準に対しては大きく円安方向にかい離している。

英エコノミスト誌が算出する「ビッグマック指数」も現在のドル/円レートが円安方向にかい離していることを示している。日米のマクドナルドが販売するハンバーガー「ビッグマック」の価格を比べると、今年1月時点のデータで、日本が370円、米国が4.79ドル。当時のドル円が117.77円だったので、日本の370円をドル換算すると3.14ドル。実際の米価格4.79ドルに対し、現在のドル/円レートは34.4%円安に振れているということになる。

みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏の試算では、輸出デフレーターや日本の企業物価指数(米国は生産者物価指数)による月ベースのドル/円購買力平価は、円安方向のかい離率が過去最大水準に拡大している。上野氏は、購買力平価はあくまで長期的なものさしとしながらも「一定のレンジを超えると、現在の為替レートは行き過ぎと言う認識が市場に広がりやすい」と話す。

<ドル/円は上下ともに動きにくい>

悩ましいのは、実勢レートはいずれ購買力平価に回帰するとはいえ、それが「いつ」なのかはわからないことだ。

国際通貨研究所のデータでみると、購買力指数は1980年代後半から2000年までは、輸出物価とほぼ同水準で連動して推移していた。しかし、2000年以降、輸出物価と企業物価の間のレベルで推移することが多くなり、輸出物価からは約15年以上、上方にかい離したままだ。

2012年11月からは、いわゆる「アベノミクス相場」が始まり、13年5月には企業物価による購買力平価とほぼ同水準まで円安が進行。14年10月31日の日銀追加緩和以降は、さらに企業物価から大きく円安方向にかい離してきたが、それは現在まで約半年続いている。

現在の為替市場の方向性を決めている大きな要因は、各国の金融政策だ。利上げが視界に入る米国と、追加緩和期待も大きい日本では、金融政策の方向性が異なっていることが、足元のドル高/円安の背景となっている。購買力平価からは、円高方向に修正が入ってもおかしくないが、実際に米国が利上げに踏み切れば、一段の円安が進むとの見方も多い。

ドル/円は浜田発言で売られた後は、119円後半で下げ渋っている。購買力平価や日米金融政策の思惑など材料が混在するなかで、上値も堅いが下値も堅いという動きにくい展開がしばらく続きそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N50P920150414


ユーロ圏銀行、量的緩和で融資需要の拡大見込む=ECB調査
2015年 04月 14日 18:55 JST
[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が13日公表した四半期ごとの「銀行貸出調査」によると、ユーロ圏の銀行はECBの量的緩和(QE)プログラムが奏功し、企業や住宅購入者からの融資需要が拡大すると見込んでいる。ユーロ圏の上位銀行140行以上を対象に調査を実施した。

融資基準は徐々に緩和されつつあるが、イタリアなど1、2の例外を除いて、改善ペースは引き続き鈍い見通しだ。

ECBは「1年前に比べて銀行の与信基準は大幅に改善されている」と指摘した。

第1・四半期に貸出条件を緩和した銀行は差し引き9%、第2・四半期に緩和する見通しの銀行は同1%だった。

需要見通しについては、第2・四半期に差し引き39%の銀行が企業からの融資需要が増えるとみており、同29%が住宅ローン需要が増えると見込んでいる。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N50TZ20150414

ECB:QEプログラムはユーロ圏の銀行融資を促進−調査
2015/04/14 17:55 JST 

  (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の資産購入プログラムは流動性を高めるとともに市場金利を押し下げることで、ユーロ圏での銀行融資促進につながっていると同中銀が指摘した。
ECBはユーロ圏のインフレ回復を目指し、資産購入を昨年開始。今年3月には国債と機関債を購入対象に加え、プログラムを拡大し量的緩和(QE)を始めた。1−3月(第1四半期)の銀行調査結果は、これらの戦略の効果を示したとECBが14日発表した。
ECBは報告で「域内銀行は資産購入プログラムに関連した過去6カ月の資産売却で得られた追加の流動性を、特に融資実行に利用したことを示唆した」と説明。「資産購入プログラムはユーロ圏経済への与信を支える上で効果的だとみられる」と結論付けた。
原題:ECB Says Euro-Area Banks Tapping QE Program to Fund New Loans(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Paul Gordon pgordon6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net Jana Randow, Jeff Black
更新日時: 2015/04/14 17:55 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMSFEM6JIJUO01.html

 
中国:3月末の外貨準備高減少−ファイナンス規模は予想以下
2015/04/14 19:15 JST 
  (ブルームバーグ):中国の外貨準備高が3四半期連続で減少し、1−3月(第1四半期)は過去最大の落ち込みとなった。ユーロ下落の影響に加え、中国人民銀行(中央銀行)が人民元を支えるために外貨準備の一部を売却したとの観測もある。
人民銀が14日発表した3月末時点の外貨準備高は3兆7300億ドル(約446兆円)。同時に発表された3月の経済全体のファイナンス規模 は1兆1800億元(約22兆7300億円)。エコノミスト予想の中央値は1兆5000億元だった。
人民銀は外貨準備の構成を開示していないが、1−3月期にユーロが大きく下げたことでドル換算でのユーロ保有額が目減りした可能性がある。
3月のマネーサプライ(通貨供給量)統計では、M2が前年同月比11.6%増えた。
原題:China Foreign-Exchange Assets Decline for Third Straight Quarter(抜粋) Offshore Yuan Rises as Newspaper Says QFII, RQFII Quotas May End (抜粋)
記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:北京 Xiaoqing Pi xpi1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net Christopher Anstey
更新日時: 2015/04/14 19:15 JST

インドネシア中銀、2カ月連続で利下げ見送り−インフレ圧力
2015/04/14 18:27 JST 
  (ブルームバーグ):インドネシア中央銀行は14日、主要政策金利の据え置きを発表した。インフレ圧力が再び高まったことから、2カ月連続で追加緩和を見送った。
中銀の声明によれば、マルトワルドヨ総裁率いる理事会は政策金利であるレファレンス金利を7.5%に維持。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査で21人中20人が予想した通りとなった。1人は利下げを見込んでいた。
市中銀行が中銀に預ける翌日物預金に支払う預金ファシリティー金利(FASBIレート)も5.5%に据え置いた。貸出ファシリティー金利も8%に維持した。
経常赤字がルピア相場に悪影響を与えるほか、インフレ率が3月に上昇。イスラム教の断食月であるラマダンの開始を6月半ばに控え、インフレ加速の可能性があることから、利下げ余地は限られている。
関連ニュースと情報:インドネシア中銀:予想外の利下げ、政策金利7.50%に−景気てこ入れトップストーリー:TOP JK海外トップニュースの日本語画面:TOP JI 
原題:Indonesia Holds Interest Rate as Inflation Pressures Re-Emerge(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ジャカルタ Rieka Rahadiana rrahadiana@bloomberg.net;ジャカルタ Herdaru Purnomo hpurnomo1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Stephanie Phang sphang@bloomberg.net Neil Chatterjee
更新日時: 2015/04/14 18:27 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMSHBM6K50Y901.html


コラム:米メガバンク、GEの「規制逃れ」真似できず
2015年 04月 14日 10:05 JST
Antony Currie

[ニューヨーク 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)のイメルト最高経営責任者(CEO)は、金融部門GEキャピタルが厄介な規制を逃れるために一計を案じた。GEキャピタルの資産の大半を売却し、当局に「システム上重要な金融機関(SIFI)」の認定を撤回してもらおうというのだ。

米メガバンクも後に続いて自由の身を手に入れたいと夢見るかもしれないが、銀行の場合は身動きが取りにくいだろう。

GEキャピタルは2014年末時点の資産3600億ドルのうち、約4分の3を売却する計画。実行すれば預金はゼロ、証券化商品の在庫は僅かないしはゼロになり、国際事業と債務は大幅に圧縮される。債務の中には2008年の金融危機時に多大な苦難を引き起こしたコマーシャルペーパー(CP)が含まれている。

規模がぐっと小さくなり、短期の資金調達への依存度が低下し、国内外において金融システムとの結び付きが緩くなれば、米当局は難なくSIFI認定を取り消すことができるだろう。SIFIに認定された金融機関には追加的な規制が課される。

JPモルガン・チェース(JPM.N)、シティグループ(C.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)といった大手銀は、SIFI認定によって大規模で安全というオーラをまとえる利点はあるにせよ、規制負担については多かれ少なかれ苛立ちを感じている。ただ、これらの銀行にはGEのような選択肢は閉ざされている。そもそも、高いリターンをもたらしてくれる頼れる非金融事業を持たない。GEの場合には産業部門がその役割を果たしている。

とはいえ、メガバンクの一部は事業分割が可能だ。例えばゴールドマン・サックス(GS.N)のアナリスト陣は今年、JPモルガンを分割すれば企業価値が高まる可能性があると分析した。ただ、ジェイミー・ダイモンCEO率いる経営陣は、事業分割に伴うコストと事業喪失の方が、分割で得られるものより大きいと主張している。

メガバンクの場合は仮に事業を分割したとしても、残りの事業だけでSIFIの認定基準に適合する可能性がある。JPモルガンの資産規模は8600億ドル。これはゴールドマンと似た規模で、金融システムと複雑に結びついている点も共通する。また、JPモルガンのリテール銀行部門のバランスシート規模は4550億ドル程度で、単体で見ても巨大だ。

米大手銀がSIFI認定を外してもらうには、例えば資産440億ドルの投資銀行ジェフリーズ並みの規模に近付く必要があるだろう。GEの改革は画期的だが、メガバンクの規模をここまで縮小することはそれより遥かに劇的な変化を伴う。GEの後に続くのは容易ではない。

●背景となるニュース

*GEは10日、GEキャピタルの資産の大半を2年間で売却すると発表した。

*計画では、2018年までに利益の90%超を産業部門が稼ぐようになる。昨年の比率は58%。

*GEはGEキャピタルのSIFI認定撤回を求め、当局に働きかけていくと表明した。

*GE取締役会は最大500億ドルの自社株買いを承認した。また、GEキャピタルからの配当収入を約350億ドル見込む。

*GEの発表は以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

bit.ly/1aQNEnZ
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0N500N20150414


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