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追加緩和のタイミング、なぜ見方が分かれる?:ベースマネー増加と物価上昇の相関性が極端に小さいことが確認できた2年間
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/300.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 4 月 12 日 15:05:59: Mo7ApAlflbQ6s
 


 日銀の異次元量的緩和政策は、金利低下と債券不足という状況を金融市場にもたらしたが、物価(CPI)の上昇については影響を与えることはなかった。
 そう言い切ってしまうのも語弊があるので厳密に言えば、国際相対的な金利低下は円安傾向を支える一因なので、輸入物価の上昇に若干の影響を与えることでCPI上昇にごくわずか寄与したと言える程度である。

 あくまでもそのレベルの話であって、昨年秋の追加緩和を含めこの2年間の「異次元量的金融緩和政策」は、マネタリズム理論のいびつな援用で物価が上がるという説明が“幻想”(誤謬)でしかなかったことを実証するものである。

 もともと、「信用創造」=貸し出し増加によるマネーストック(マネーサプライ)増大は物価上昇をもたらす論理を有するが、中央銀行の当座預金が積み上がることでも増大するベースマネーは、将来のインフレを危惧させるものではあっても、現実のインフレを昂進させるとは考えられないものである。

 この2年間の物価上昇は、円安に伴う輸入物価上昇と消費税税率アップで増加した税負担(利益減)の転嫁によって起きたものと説明できる。
 円安も、13年4月の黒田日銀の異次元金融緩和政策が始まる前の12年10月(欧州中央銀行の国債無制限買い取り表明によるユーロ危機の終息)から進行している事象であり、金融緩和策で円安に転じたわけではない。金融緩和策は、せいぜい、円安が続くだろうという“期待”を支えるものでしかなかった。

 そして、昨年及び今年度のGDP実質成長率がマイナスということでわかるように、本来経済成長を軌道に乗せるための“手段”として考えられていた物価上昇(デフレ脱却)がその役割を果たせていないこともはっきりしている。

 日銀の異次元金融緩和政策は、国債管理サイクルを支えることで、赤字財政のスムーズなファイナンスと金利抑制を実現したことをもって“成功”と判断すべきものである。

 これくらいのことは財務省も黒田日銀も理解しているので、愚かにも追加緩和策を実施するとしても、物価上昇目標の達成や円安傾向の昂進ではなく、人々の“インフレ期待”を刺激するものとして行われるだけである。

 現レベルの金融緩和策でも、日本円資金を運用する重要なネタである国債が不足したり金利低下により逆に社債などが発行できないなどの弊害が明瞭になっており、これ以上の追加緩和策は百害あって一利なしである。

 企業経営者アンケートでも、望む経済政策として「金融緩和策」をあげる人はゼロである。

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追加緩和のタイミング、なぜ見方が分かれる?
THE PAGE 4月12日(日)7時0分配信

 日銀の黒田総裁が就任してから3年目を迎えています。日銀が掲げた物価目標の達成が難しくなりつつあり、市場では追加緩和を期待する声が高まっています。一方では、年内の緩和はないと判断する専門家もいます。追加緩和は実施されるのでしょうか。

 追加緩和を期待する声が大きくなっているのは、物価の上昇率が実質的にゼロになってしまったからです。量的緩和策がスタートした当初は、比較的順調に物価が上がっていました。2013年4月時点における消費者物価指数(代表的な指標である「生鮮食品を除く総合」)は前年同月比マイナス0.4%でしたが、量的緩和策がスタートすると物価は上昇を開始し、消費税を増税した2014年4月にはプラス1.5%(消費税の影響除く)に達しています。ところが、その後、物価上昇率はじわじわと低下し、2015年1月にはプラス0.2%に、2月にはとうとうゼロ%になってしまいました。

 物価上昇率の鈍化は原油安の影響といわれていますが、それだけが原因ではありません。これまで物価上昇の原動力だった円安の影響が薄れてきていることが大きく関係していると考えられます。

 日銀の黒田総裁は3月の記者会見において「2%の物価目標を2年程度で実現する」という従来の方針を堅持する姿勢を強調しました。4月8日の金融政策決定会合においても、物価に対する見通しを維持し、従来の政策に変更がないことを確認しています。

 日銀が示す物価目標は「2年程度」という緩やかなものであり、具体的には2015年度中と解釈されています。したがって、今、物価上昇率がゼロになったからといって、ただちに目標未達ということにはならないかもしれません。しかしながら、現実に量的緩和策は3年目に入ろうとしており、目標とのズレが大きくなっていることは確実です。黒田総裁が追加緩和の条件として掲げているのは「物価目標のシナリオが大きく狂う」場合ですが、そのまま解釈すれば、2015年度中に目標に達しないと判断された時点で追加緩和に踏み切るということになります。

 しかし、これ以上の緩和はできるだけ避けたいというのが日銀のホンネでしょう。黒田総裁は、過度な量的緩和が財政ファイナンスと認識されることを警戒しており、政府に対して財政再建に積極的に取り組むよう要請しています。しかし政府はまだ財政再建についてのメドを立てられない状況が続いています。また追加緩和を実施すれば、円安がさらに進行する可能性が高いですが、産業界には、これ以上の円安を望まない声もあります。

 一方、安倍首相は、物価目標の達成がうまくいかなかった場合には、日銀は説明責任を負うと述べており、あくまで量的緩和策によって物価目標を実現することを強く望んでいるようです。

 このような状況ですから、専門家の間でも、追加緩和の有無や時期については見解が分かれています。しばらくの間、物価や株価の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4月12日(日)7時0分


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150409-00000009-wordleaf-bus_all

 

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コメント
 
01. 2015年4月13日 06:34:15 : bfiJIUelwU
数年先に消費増税が控えている。税負担はデフレを加速する。日銀の国債購入により、すべての日本国債を現金化しても、デフレは進行する。長期金利はゼロに限りなく定着する。借金財政の行き着くところはゼロ金利とデフレだ。

このような現象は貨幣経済の当然の帰結なのだ。なぜなら、民間の不良債権は増えていて、その不良債権を国債が肩代わりしていたからだ。いずれにしても国債は揮発する。

不良債権処理こそデフレの真因である。日銀と政府がどうあがこうと不良最近処理にともなうデフレは必ず起こる。これからは経済学も現実の経済の流れ沿って全く新しいものに変質するはずだ。経済学が進歩する時が来たのだ。


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