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もはや「利上げ期待でドルは上昇する」という発想は通用しない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42863
2015年04月12日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」
3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の発表による市場参加者の反応は、為替相場ではドル買い、債券市場では債券買い(金利低下)のきっかけとなった。その背景には、FRB(連邦準備理事会)の金利引き上げの期待がある。
一方、足元で、天候の影響もあり米国経済の回復ペースは幾分鈍化している。それに伴い、景気の先行きに対する慎重な見方が増えており、株式市場の動きはやや不安定になっている。景気の先行きに不透明感が高まると、利上げへの慎重論も高まりやすい。それは、為替市場ではドル弱含みの材料となるはずだ。
■米国景気の減速懸念
年初来の米国株式市場の動きをみると、主要企業から構成されるS&P500指数はほぼ横ばいで推移している。長期金利は一時、2.2%台にまで上昇したが、その後は低下している。これは、ドル高による企業収益圧迫など、景気回復に対する慎重な見方を映していると考えられる。
為替相場に大きな影響を与える、投機筋のドル買い・円売りポジションも縮小している。それは、ドルの上昇相場が一旦収束しつつある兆しといえるだろう。その背景には、ドル上昇を受けて利益を確定しようとする動きに加え、米国経済が更なるドル高で景気減速が鮮明化するとの懸念があるとも考えられる。
そうした状況を考えると、今後、利上げ期待があるからドルは上昇するという発想は通用しづらくなっている。過去のFOMC等で議論された内容を振り返れると、利上げのタイミングは後ずれしてきた。今後もそうした可能性は残っていると見られる。
■利上げのタイミングと金融市場動向
金利が安定して推移する中、株価が上昇することは不自然に映るかもしれない。しかし、FRB関係者の発言を考えると、金利上昇への懸念が抑えられ、回復期待を背景に株価が堅調に推移することが、金融政策の正常化を進めるための重要条件と認識していることが分かる。
その典型例はニューヨーク連銀のダドリー総裁だ。同総裁は6月及び年内の利上げの可能性を排除してはいない。同時に、利上げは慎重に検討されるべきと述べている。スムーズな政策運営を実現するためには、市場の期待を確認し、政策リスクを排除していく必要があるという認識を持っている。
そのため、株価の動向は、景気への期待や利上げに対する市場の耐性を評価する重要な尺度になり得る。それが今後のドルの上昇を支える材料になるとも考えられる。株式市場の安定した推移を支えるためには、カネ余りも重要な材料であり、金利水準の安定が望ましいことは言うまでもない。
足許、株価の変動率は低下しおり、やや狭いレンジの揉みあいの展開になっている。多くの投資家は、一段の株価上昇を期待しづらい状況と言えるだろう。物価の低迷、利上げへの慎重姿勢、上値の重い株式市場の動向を踏まえると、当面、ドル中心の主要通貨は一定のレンジ内での動きに終始することになりそうだ。
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