http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/229.html
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英国をはじめとするG7メンバーが参加を表明し、日本が創設メンバーとしてAIIBに参加するかどうかが問題として大きく浮上したあたりから、参加賛成派や参加反対派のなかに参加是非を経済的損得から論じる向きもある。
むろん、あまりにさもしいインフラ事業受注という直接的利益はともかく、経済的利益にも大きく関わってくる問題ではあるが、公的国際金融という性格から第一義的に考えなければならないのは“政治”である。
自国の財政と借り入れに外国民間企業の協力を合わせても資金が足りず踏み出せないインフラプロジェクトが、公的国際金融によって“出発進行”できるようになることに大きな意義がある。
それが、国家間の関係を良好かつ強固なものにし、貿易から金融まで幅広い範囲での経済的関係の拡大につながるのである。
64年に東京大阪間が開通した新幹線も、米国が牛耳っている世界銀行の融資を受けることでスムーズに建設できた。
米国と日本が牛耳るアジア開発銀行(ADB)の融資案件で日本企業が受注したのは2%ほどと言われているが、ADBが敗戦国日本とアジア諸国の関係性改善に果たした役割は大きく貿易や企業進出などの拡大につながっていった。
(融資案件で外国企業が受注しても、その企業が日本製の鉄鋼や建機などを購入することで経済的利益を得ることもある)
日本政府が創設メンバーとして参加することを断念したのも、対米関係という“政治”を考慮したからである。
日本は、遠からず非創設メンバーとして(米国は創設メンバー待遇で参加する可能性も)AIIBに参加するだろうが、ADBを牛耳る国の一つとして、AIIBとうまく協調してアジアの経済的発展に寄与すればいい。
※ 関連投稿
「AIIB外交戦から見える「日中分離」政策とアジア経済牽引二頭立て馬車方式:日本はイソップの狐意識から脱却を」
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/359.html
「中国 AIIBで日米と意思疎通続けたい:福田元首相が見せた鳩山元首相的役回り:46ヶ国が参加表明」
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/389.html
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AIIB不参加の日本はインフラ輸出が不利に? 日本国内でも懸念
人民網日本語版 2015年04月09日08:24
中国が設立を呼びかけたアジアインフラ投資銀行(AIIB)が、日本でも広く注目を集めている。一部の日本企業は、日本がAIIBに参加しなければ、今後のアジアへのインフラ輸出で不利な立場に立たされるのではと懸念している。北京日報が伝えた。
▽今後のインフラ輸出に懸念
金融危機と福島原発事故の発生以来、日本経済は低迷を続けている。経済回復はここ数年間、日本政府にとって最大の任務となっている。第2次安倍内閣は発足後、経済の再生を内閣の最優先課題と位置づけ、一連の急進的な財政政策と金融政策を通じて民間投資と消費を刺激してきた。
うち、公共インフラ支出増加の面では、日本国内のインフラが長年の開発の末、ほぼ飽和状態であるため、関連企業はインフラがまだ未整備のアジアの他地域に目を向けざるを得なくなっている。日本メディアによると、日本政府はインフラ輸出を経済成長戦略の中核に位置づけ、海外受注額を2010年の約10兆円から、2020年には30兆円に引き上げる目標を掲げている。
しかし、この目標を達成するのはそう簡単ではない。コスト面で優位に立つ中国企業の登場により、日本企業がアジアでインフラプロジェクトを受注するのはますます難しくなった。AIIBというアジアのインフラ市場で今後重要な影響力を持つであろう新体制に日本が参加しなければ、日本企業が今後大きなプレッシャーに直面することは予想できる。こうした懸念から、経済同友会の長谷川閑史代表幹事はこのほど行われた記者会見で、日本政府がAIIBへの参加表明を見送ったことについて「(日本企業の)インフラビジネスが、不利になるようなことだけはないようにしてほしい」と発言した。
▽AIIB 組織運営や融資審査基準のバランスが必要
日本がAIIBへの参加を見送った理由として、麻生太郎財務相は「AIIBの組織運営や融資審査基準が不透明であるため」としている。
みずほ総合研究所の伊藤信悟・中国室長は取材に対し、「いわゆる組織運営とは、実際にはAIIB内部における発言権の問題を指す。発表されている情報によれば、アジア以外の国の議決権の合計は約25−30%、アジア諸国の議決権の合計は70−75%を占める。中国が巨額のGDPを背景に、主導的地位を占めることは間違いない。中国の議決権が大きくなればなるほど、AIIBで主導的な役割を果たすことになる。一方で、その他の国は発言権が小さくなり、AIIBへの関与の積極性も下がる。ゆえに、議決権をいかに合理的に振り分けるかが、AIIB創設に際して解決すべき第一の問題となる」と述べた。
次に、融資の審査基準の問題がある。アジア開発銀行(ADB)の推計によると、今後アジアが潜在的成長力を発揮するためには、2010年から2020年の11年間に、域内インフラ整備のために約8兆ドルが必要とされているが、ADBは毎年100億ドル程度の貸付しか行っていない。貸付額が制限される主な要素としては、資金不足のほかに、ADBの融資審査基準が厳しすぎることも挙げられる。AIIBはよりフレキシブルな融資審査制度を採用すると見られているが、それでもしかるべき基準は確保するべきだ。もし投資先国の戦乱やその他の原因で投資が回収できなくなれば、AIIBおよび関連国に損失が及ぶ。リスクと効率の間でいかにバランスをとるか、AIIB創設メンバーの知恵が試されるところだ。
▽AIIBは「アジアの夢」を後押し
伊藤氏はまた、「中国経済は今や新常態に入った。今後、中国のインフラ産業の国内市場における収益の余地は、昔ほどではなくなってくる。一方、アジアのその他の地域には大きなインフラニーズがあることから、中国のインフラ企業は海外進出の歩みを加速するだろう。AIIBは、生まれるべくして生まれたと言える」と指摘、さらに「習近平国家主席は昨年、アジアで長期的平和、 共同発展という『アジアの夢』を実現することを提起した。『1ベルト、1ロード(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)』戦略とAIIBはまさに、このアジアの夢を実現するための具体的な一歩だ。ゆえに、中国のAIIBにかける意気込みは相当なものであり、経済計画、インフラ建設、投融資などの方面からアジアの地域経済に活力を注入することになるだろう」と続けた。
AIIBとADBの業務内容が一部重複することから、受注競争が招かれるのではないかとの声が上がっていることに対して、伊藤氏は「2つの金融機構にはそれぞれ特色があり、多くの分野で協力が期待できる。また、中日両国は東南アジア地域でそれぞれインフラプロジェクトを持っており、競争と同時に協力も存在している。もし日本の技術面のメリットと中国のコスト面のメリットが組み合わされば、相互補完が可能になり、アジアのインフラ市場を共に開発し、共にアジアに繁栄をもたらすことができる」との見方を示した。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年4月9日
http://j.people.com.cn/n/2015/0409/c94476-8875537.html
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