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「安心な老後」には、いくら貯金が必要なのか 新入社員の時から毎月4万貯めてもアウト?
http://toyokeizai.net/articles/-/65657
2015年04月08日 井戸 美枝 :CFP®、社会保険労務士 東洋経済
私は、仕事柄、新入社員や若手の社会人とそれなりに話す機会があります。最近は、若い人でも、あることを強烈に意識していらっしゃる方が多くなってきました。それは何かというと、老後のおカネです。
■定年はあっという間にやってくる
この4月で社会人になった新入社員は、20日あたりをすぎれば、初任給が出る頃でしょう。学生時代のアルバイト代よりも安いかも知れない初任給の使い道といえば、ご両親に贈り物をする、同期と吞みに行く、仕事用のスーツを買うといったところでしょうか。いずれにしても、ほとんど手元には残らないはずです。
まあ、初任給はそれでも仕方がない。でも、よく考えて下さい。社会人になり、初任給をもらったところから、自分自身の老後の準備がスタートするということを。
22歳で社会人になり、定年が65歳だとしたら、老後の生活は43年も先の話になります。そんなに遠い未来のことまで意識し、然るべき行動が取れる人は、極めて稀でしょう。
それでもやはり自分が老後を迎える43年後を、ほんのちょっとで良いので、想像して欲しいと思います。日々の仕事、家庭、子育て、さまざまなお付き合い、各種ライフイベントなどを経ていくうちに、20年、30年という月日は、あっという間に過ぎ去ってしまいます。
50歳になった時、老後資金が全く準備できていなかったとしたら、定年までの短い時間で、老後の生活に必要なおカネを作らなければなりません。
いったい、老後資金はいくら必要なのでしょうか。
よく言われるのが3000万円ですが、これだと結構ギリギリです。65歳で定年を迎え、90歳で寿命を迎えたとすると、25年間生きるわけですから、月々の取り崩し額は10万円になります。運用によって利回りを上げることは可能ですが、目論見どおりにおカネが殖えるかどうかは、投資である以上、何ともいえません。
■夫婦なら、なんと1億円必要!?
株式会社マネーフォワードが3月14日〜19日にかけて行ったアンケート調査を見てみましょう。このアンケートは10〜60代の、これから定年・退職後の生活を迎える男女3938人に聞いたものです。それによると、「定年・退職後に必要なおカネはいくらくらいだと思いますか」という問いに対し、男性は5210.6万円、女性は4237.9万円で、全員の平均値は4978.2万円になりました。
これ、なかなか鋭いところを突いています。私の計算では、定年を迎えるまでに最低でも5000万円は作っておきたいところです。それも1人あたりです。ということは、夫婦だと1億円になります。
「そんなに必要なの?」という声も聞こえてきそうですが、必要です。よく考えてみて下さい。歳を取ると行動範囲が狭くなるし、食べる量も減るから、おカネはあまり使わないのではないかと考えてしまいがちですが、そんなことはありません。
たとえば持ち家の人だと、定年になったところでリフォームを行うケースが多く見られます。築30年くらいになれば、いろいろな箇所にガタが来ますから、終の棲家になることを想定して、壊れたところを修繕しておきたいと考えるのでしょう。
また、最近は晩婚化が進んでいますから、自分が定年になった時、子供が結婚していないことも考えられます。子供の結婚にかかる費用を、親が負担するケースは少なくありません。
自分が60歳前後の時、親が90歳前後で要介護だったら、その費用負担も発生しますし、自分自身も決して若くはないわけですから、医療費の負担がかさんでくるでしょう。
このように、定年を迎えてからも、いろいろとおカネは必要なのです。しかも、いずれも金額的にはかなりまとまった額になるはずです。それらの負担を考慮に入れたら、3000万円程度の貯蓄だと、あっという間に食い潰してしまいます。
さて、どうやって5000万円を作れば良いのでしょうか。
再び同社のアンケートに戻ってみましょう。ちょっと気になる箇所があります。それは「定年・退職後に必要なおカネはいくら貯めるつもりですか?」という設問です。
男性は4216.8万円。女性が2928.2万円。全員で3912.4万円です。定年・退職後に必要なおカネの額に対して、1000万円ほど少なくなっています。
■退職金をアテにする発想は捨てよ
これ、恐らく退職金をアテにしているんでしょうね。「定年まで勤めたら、1000万円くらい退職金が出るはず」などと期待しているとしたら、それは単なる思い込みに過ぎませんから、早くその考えを捨てることです。
終身雇用制度がなくなったこの時代、定年まで同じ会社に勤め続ける人の方が稀だし、転職を繰り返していたら、1000万円の退職金など、まず出ないでしょう。なので、もし5000万円を作るなら、退職金は外して資産運用の計画を立てる必要があります。
5000万円。気が遠くなる額ですが、だからこそ早いうちから資産運用をする必要があります。社会人になってから定年までの時間が40年で、運用利回りを年平均4%と仮定すると、定年時に5000万円を作るには、毎月4万2000円程度を積み立てていく計算になります。年平均4%という利回りは、もちろん預貯金では実現不可能ですから、投資信託などの投資商品を活用します。
社会人になると、即座に保険の勧誘が来て、ワケもわからないまま加入させられるケースがありますが、これは全くもって無意味です。保険に入るくらいなら、長期間保有できる投資信託を探して積立投資した方が、老後の資産形成という点でははるかに有意義です。
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