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内紛「雪国まいたけ」TOBで創業家完敗 現経営陣を勝たせたメーンバンクの“秘策”とは
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150317-00000523-biz_san-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/3/18 10:45
東証二部上場で新潟県南魚沼市に本社を置くキノコ大手「雪国まいたけ」に対し、米投資ファンドのベインキャピタルが2月24日からTOB(株式公開買い付け)を開始した。雪国まいたけは現経営陣と、不適切な会計処理をめぐって引責辞任した大株主の創業家が、経営の主導権をめぐって内紛状態が続いている。今回のTOBは現経営陣、メーンバンク、米投資ファンドの三者が、創業家の経営関与の排除を狙って仕掛けた前例のないケースといっていい。ただ、創業家は64%の株式を保有し、通常ならTOBは成立しないはず。だが、この異例のTOBはメーンバンクの“秘策”によって成立する見通しだ。メーンバンクが用いた秘策とは何か。今後、他のケースでも活用できるのか、株式市場関係者も推移を注視している。
■大株主の創業家が経営に関与
雪国まいたけの創業者、大平喜信氏はアパートの6畳一間で起業。それまで難しいとされていた高級キノコ、マイタケの人工栽培に成功し、同社を東証二部上場企業に育て上げた“たたき上げ”だ。
平成10年代には、ライバルのキノコ大手「ホクト」(長野市)と販売合戦を繰り広げ、「信越キノコ戦争」と話題になった。歌手の郷ひろみさんをテレビCMのキャラクターに起用し、一気に全国区ブランドに育成するなど、大平氏の強烈なリーダーシップが会社の牽引(けんいん)力でもあった。
その一方で、ワンマンともいわれる大平氏の経営は、コンプライアンス(法令順守)でさまざま問題をともなったとされる。ある証券アナリストは「労働時間が長いなど、いろいろ芳しくない評判を聞いている。オーナー企業にありがちな事象とみていた」という。そして、平成25年に過去の不適切な会計処理が発覚。その責任をとって、大平氏は社長を辞任した。
ただ、取締役を退任し経営の一線を外れたものの、大株主として大平氏が経営に関与を深めていく。大平氏の後任社長にイオン出身の星名光男氏が就任したが、昨年6月の定時株主総会で、雪国まいたけの株式64%を占める創業家一族から、解任の緊急動議が出され、同社から追放された。
この総会で、大平氏らが招いたホンダ出身の鈴木克郎氏が会長兼社長に就き、現経営陣が就任した。ところが、わずか数カ月で、鈴木会長兼社長らの現経営陣と、創業家の間に経営方針に違いが生じ、溝が埋まらない状況となった。
創業家サイドは再び、過半数保有する株式を背景に、臨時株主総会開催を求めるなど圧力をかけ始めた。昨年11月から手続きを開始。今年3月に臨時株主総会を開き、創業家と考えを同じにする人物を取締役に送り込むことなどを画策していたとされる。
■上場廃止の危機も
こうした創業家の動きに、危機感を募らせたのが、鈴木氏らの現経営陣とメーンバンクだ。平成25年に不適切会計処理が発覚した際、雪国まいたけは東京証券取引所に対し、創業家の経営関与を薄める方針を報告していた。それが、昨年の株主総会に続き、3月の臨時株主総会で創業家関与が強まれば、「上場廃止もおかしくない」(証券会社幹部)状況に追い込まれる。
創業家の影響力を除外できないか。そこで現経営陣、メーンバンクが足並みをそろえてとった選択が、ベインによるTOBだった。
ベインはすかいらーく再生でも手腕を発揮し、雪国まいたけの経営正常化に向け、現経営陣、メーンバンクと同一歩調とされる。
問題は、創業家サイドがもつ64%の株式。これがある以上、通常ならば、TOBは絶対に成立しない。そこで第四銀行(新潟市中央区)などメーンバンクがとったのが秘策中の秘策、担保権の行使だ。
第四銀行などは、大平氏や大平氏の資産管理会社に対する融資に対し、雪国まいたけ株を担保に設定していた。その上で、この返済遅延を理由に、担保権を行使という異例の措置をとったのだ。
この結果、第四銀は、雪国まいたけの議決権ベースで39.23%を保有する筆頭株主になった。同様の措置を他のバンクも取り、合計で5割超の株式を確保。この全株をTOBを進めるベインに売却する方針だ。
TOBの買い付け期間は4月6日までで、ベインはTOB完了後に雪国まいたけの株式を非公開化する。
■「担保権行使」は諸刃の刃!?
この前代未聞かつ用意周到な対応に、創業家はまったく対応できなかったようだ。これら措置に対し創業家サイドが、裁判所に不服申し立てをする可能性は残っていたが、創業家サイドは3月に入って臨時株主総会の開催を取り下げており、このまま収束する可能性が高いとみられている。
市場関係者が注目しているのが、経営再建に向け、担保権の行使という異例の手法を使ってTOBを成立させることだ。担保権行使をTOBに用いるのは前例のない“ウルトラC”の荒技といっていい。今回は東証が創業家のコンプラを問題視していたという“お墨付き”もあり、このままTOBは成立する見通しだ。市場関係者によると、今後も同様の手法がTOBに採用される可能性を指摘する見方もあるが、ケースによっては経営再建を果たせないことも想定され、「諸刃の刃」として今後議論を呼びそうだ。
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