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佐藤優氏が池上彰氏との共著で“ピケティ現象”を解読〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150407-00000013-sasahi-bus_all
dot. 4月7日(火)16時4分配信
700ページ超という大部の経済専門書でありながら、14万部という異例のベストセラーになった『21世紀の資本』(みすず書房)。フランスの経済学者である著者、トマ・ピケティ氏は、富の集中と経済的不平等の拡大のメカニズムを論じ、資本主義経済では、土地や株式といった資産を運用して得られる利益率(資本収益率)が賃金など所得の伸び(経済成長率)を上回るため、格差は拡大すると指摘した。ピケティ氏の来日シンポジウムは満員、解説書の売れ行きも好調で、関心の高さが伺われる。
そんな日本のピケティ・ブームについて、佐藤優氏は二つ理由があると考えている。ひとつはこの本が最初「21世紀の資本」ではなく、「21世紀の資本論」と紹介されたことによって『資本論』世代の郷愁を呼び起こしたこと。二つ目は、格差を扱っているということで、安倍政権に対して非常に不満を持っている人たちが、ピケティ氏に仮託して、安倍政権批判を語りたいという思いがあったことだという。それゆえに佐藤氏は、このピケティ・ブームは、直接ピケティ氏の理論とは関係がないところもあるという。
ところで、ピケティ・ブームで改めて注目を集めることになったマルクスの『資本論』。19世紀に刊行されたこの著書が、ピケティ・ブームをきっかけにして再び注目を集めていると言う。『希望の資本論』(朝日新聞出版)は、ともに『資本論』についての入門的な著書のある佐藤優氏と池上彰氏が、『資本論』について縦横無尽に論じた一冊。上記の佐藤氏のピケティ・ブームへの考察のほか、「イスラム国」(IS)や“女性活用”などの時事的な話題にも、『資本論』の観点から切り込んでいる。「(池上氏と)以前から『資本論』に関する仕事をしたいと思っていました」という佐藤氏の念願がかなった一冊だ。
ところでなぜ今『資本論』なのか。本書によれば「ソ連が崩壊し資本主義が勝利したとなって、もう革命がおこる心配がなくなった。そこで資本主義のやり方でいいんだと言っているうちに、社会主義革命が起こる前の、恐慌がひっきりなしに起こり、悲惨な労働状況が蔓延していた、まるでマルクスが『資本論』で書いていた当時のような状態に戻ってしまった。そこであらためて資本主義はどうなっていくんだろうという危機感が出てきて、『資本論』をもう一度読んでみようという人が出てきたのではないでしょうか」(池上氏、同書、11ページ)
「あの本(注:佐藤優著『いま生きる「資本論」』新潮社)のもとになった講座の受講生は意外に若く、30代、40代が多かった。職業的にはシステムエンジニアと金融関係です。いまの資本主義の矛盾が一番そこに集まっているということです。/システムエンジニアはアプリが当たれば年収2千万円超えという話も聞きます。でも当たるか当たらないかの境はよくわからない。金融でトレーダーをやっている人は、それがいかに水ものなのかは自分たち自身が一番わかっている。とすると、こんなことを一生やるのか、こんな不安定な世界で大丈夫か、自分のいる場所を知りたいという欲求が出てくるんだと思います」(佐藤氏、同書、12ページ)
わかりやすい解説で定評のある池上彰氏と、深読みが持ち味の佐藤優氏。現代日本の知の水先案内人である最強タッグの二人による徹底討論で導かれる『資本論』の奥深い世界。現代の資本主義社会を生き抜く最強の武器=『資本論』を、この機会にあらためて学んでみてはいかがだろうか。
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