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大塚家具、不協和音は続く 信頼関係の欠如と傲慢、失敗する企業の典型例
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150407-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 4月7日(火)6時1分配信
「成功している会社はなぜ成功しているのか。成功するようにやっているからだ。失敗している会社はなぜ失敗しているのか。失敗するようにやっているからだ」
パナソニック創業者、故松下幸之助氏の言葉である。いわゆる勝ち組と負け組には共通的な特徴があるということだ。50年にも及ぶ筆者の経営経験に基づいた見立てでは、成功組、失敗組にはそれぞれ「ABC」があるようだ。
ダメな会社のABCは、Arrogance(経営者の傲慢)、Bureaucracy(お役所主義)、Complacency(安易な現状是認・危機意識の欠如)の3つ。一方、勝ち残る会社のABCは、Action(行動力)、Belief(企業の理念や信条・社員間の信頼)、Change(変化に対する対応力)の3点セットである。
Arroganceとは、経営者が成功を収めた時に生じがちである。「この考え方とやり方で今までやってきた。会社は伸びている、うまくいっている」という自信が生まれる。自信はとかく慢心になる。慢心が高じると傲慢になり、人の意見に耳を貸さなくなる。結果として会社を滅ぼす。
Bureaucracyの特徴は、前例主義であり、ことなかれ主義である。実質よりも形式が重んじられ、無謬症候群が蔓延する。
Complacencyとは、「まあええやんか」という、いわれのない自己満足である。「外部環境が良くなれば、そのうち我が社の業績も良くなるだろう」という甘えであり、ひとりよがりである。危機意識の欠如が会社をダメにする。
●成功する企業のABC
一方、成功する企業のAction とは、文字通り物事を実行に移すことができる行動力のことである。「Analysis Paralysis(分析ばかりで麻痺状態)」という言葉がある。どんなに優れた計画があったとしても、行動に移さなければ何ひとつ変わらない。望ましい結果には結びつかない。
Beliefには2つの意味がある。ひとつは企業理念や信条があるということ。もう一つは、経営陣をはじめとする社員の間に信頼関係がある、ということである。企業理念は判断や決断をする際の求心力としての効果を発揮する。
Changeとは、変化に対する迅速な対応力である。「生き残るのは最も強い者でも、最も賢い者でもない。変化に最も迅速に対応する者である」とは生物学者チャールス・ダーウィンの言葉である。経営環境が変わる中では、自社も変わらなければ生き残ることはできない。
●大塚家具、内紛の原因
ここでひとつの各論を考えてみよう。
3月27日に大塚家具の株主総会が開かれ、ここ数カ月間世間を騒がせていた父娘対決は娘・大塚久美子社長側の勝利に終わった。久美子氏ら10人を取締役とする会社提案が議決権株式で61%の賛成を得て、父・勝久会長の株主提案への賛成は36%にとどまった。
大塚家具を、このABCを使ってみてみよう。
立派な企業理念(Belief)はある。「お客様に喜んでいただき、社員に喜んでもらい、結果として会社が繁栄する。すべての社員がこの理念の実現に向けて日々取り組んでいます」。Belief(企業理念)が成文化されているという面では合格点を付けられる。
では、醜い内紛の原因はなんなのか。問題は以下の3つある。
(1)企業理念という信念(Belief)はあっても、社員、特に経営者間に信頼関係というBeliefがない。
(2)父娘それぞれが自説に固執して一方的に言い募るだけで、相手の意見に耳を貸すという謙虚な気持ちがない。つまり傲慢(Arrogance)である。
(3)顧客戦略をどう変えるか、という変化(Change)の内容に対する考えが根本的にすれ違っている。
そこで冒頭の松下氏の言葉に戻る。「失敗している会社はなぜ失敗しているのか。失敗するようにやっているからだ」。経営者間の信頼関係の欠如、傲慢、変化に対する考え方の不一致。このABCにメスを入れない限りは、大塚家具の不協和音は続くことだろう。
(文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長)
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