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日銀の異次元緩和の目的とその結果  久保田博幸
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/142.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 06 日 11:03:15: igsppGRN/E9PQ
 

日銀の異次元緩和の目的とその結果
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20150406-00044576/
2015年4月6日 9時54分 久保田博幸 | 金融アナリスト


2013年4月4日に日銀は量的・質的緩和政策を決定した。消費者物価指数の2%という物価目標に対して、2年程度の期間を念頭に置いて、早期に実現するため、マネタリーベース(現金通貨と日銀の当座預金残高)および長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍程度とし、長期国債の平均残存年数を現行の2倍以上にするなど、量・質ともに次元の違う金融緩和を行った。あれから約束の2年が経過した。

消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するという明確なコミットメントを行った上で、それを裏打ちする「量的・質的金融緩和」という、新しい金融緩和政策を行った。こうした日銀による強い意志と大胆な行動が、企業や家計の期待を抜本的に転換することになると考えていると、2013年5月の講演で中曽副総裁は述べていた。

さらに岩田副総裁も2013年10月の講演で、「2%の物価安定目標を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現すること」について、日銀は「明確に約束している」というコミットメントがひとつの柱となり、もうひとつの柱は第一の柱であるコミットメントを「具体的な行動で示す」ため、マネタリーベースを大量に供給し、2012年末の138兆円から2014年末の270兆円へと、2年間で2倍に拡大することを目指すとしている。

量的・質的緩和から約束の2年が経過した時点で、マネタリーベースは295兆円に膨れあがっており、2014年10月の量的・質的緩和の拡大もあり、当初の想定以上に「マネタリーベース」は拡大し目標は達成されている。岩田副総裁はこの量的・質的緩和が物価上昇にどのように働きかけるかについて以下のように説明していた。

・長期国債を中心とした各種資産の買入れにより、民間にお金を大量に供給することは、名目金利を引き下げる

・マネタリーベースの量を大幅に増やし続ければ、将来、銀行の貸出等が増え始め、その結果、世の中に多くの貨幣が出回るようになる、と市場参加者が予想する。将来、貨幣が増えれば、その貨幣の一部が物やサービスの購入に向けられるため、インフレ率は上昇するだろう、と予想

・名目金利の低下圧力と予想インフレ率の上昇圧力はいずれも、実体経済に重要な影響を及ぼす予想実質金利を引き下げる

・インフレを予想した市場参加者は、運用する資金を、現金や預金、あるいは国債などの債券から、インフレに強い株式(株式投資信託を含む)や土地・住宅(J-REITなどの不動産投資信託を含む)、あるいは円よりも金利の高い外貨建て資産に移そうとし、その結果、株価は上昇し、円安・外貨高になる。

・株高と外貨高により、株式や外貨建て資産を持っている家計の資産価値は増加し、外貨高の効果として輸出の増加も。

・家計の消費が増えれば、企業は消費の増加に応じて生産の増強を図る必要が出てくるため、設備投資に積極的になる。株高や外貨高によって、他社株や外貨を保有する企業(主として輸出企業)の純資産価値が増大し、企業が設備投資を増やす要因となる。これには成長戦略が採用されるのであれば有効ながら、成長戦略がなければ2%の物価安定目標を達成できない、ということを意味するものではない。日本銀行は2%の物価安定目標を達成するための強力な手段を持っている。
(2013年10月18日の岩田規久男日銀副総裁の講演要旨より一部引用)

日銀の2度に渡る異次元緩和により、マネタリーベースは当初の想定以上に拡大した。しかし、肝心の目標とする物価は2%どころかゼロ%からマイナスになろうとしている。

上記の岩田副総裁の異次元緩和の経路の説明のなかの円安・株高については結果としてそうなっている。これが日銀の異次元緩和の成果として良いかどうかは疑問の余地はあるが、そうであったとしても物価には働きかけきれていないことになる。

名目金利も確かに低下し、日本の長期金利は0.2%も一時割り込み、5年債利回りもマイナスとなった。これがすべて日銀の異次元緩和の効果であるとも言えず、欧州の国債利回りの低下にもかなり影響を受けていたが、日銀の大量の国債買入が背景にあることは否定できない。

それでは何を日銀は読み間違えたのか。岩田総裁の講演内容から、円安・株高・名目金利の低下の部分を排除するとその答えが出てくるのではなかろうか。そこに残されているのは肝心の「予想インフレ率の上昇」となる。

つまり日銀の異次元緩和で最も重視されていたはずのものが、ほとんど作用していなかったということになる。これについて消費増税や原油安が大きく影響したというのは岩田副総裁の説明からは矛盾することになる。日銀は2%の物価安定目標を達成するための強力な手段を持っているのではなかったのか。日銀は目標達成の期間を少し延長したようだが、いつまでも目標が達せられないとなれば、残るのは財政ファイナンスを連想されかねない国債主体の巨額の日銀のバランスシートと流動性を失いつつある世界有数の国債市場ということになる。

 

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コメント
 
01. 2015年4月06日 12:59:32 : nJF6kGWndY

>消費増税や原油安が大きく影響したというのは岩田副総裁の説明からは矛盾

別に矛盾はない

元々、中銀はウソをつく(期待を煽る)のが仕事だからな


>日銀は2%の物価安定目標を達成するための強力な手段を持っているのではなかったのか

中国バブル崩壊や欧州危機もあった

外的要因を全て打ち消せるほど万能ではなかったという当たり前の話で

そんなことは、多くの専門家は、とっくに予測していたし、輸出企業の想定レートも110円程度



02. 2015年4月06日 17:15:39 : e9xeV93vFQ

みずほ証の上野氏:日銀緩和、20年五輪まで続く−10月に追加
2015/04/06 16:27 JST

  (ブルームバーグ):みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、日銀の量的・質的緩和が2020年夏の東京五輪開催時まで続き、少なくとも今年10月に2%の物価目標の延期とセットで追加緩和に踏み切るとの見通しを示した。

上野氏は2日、ブルームバーグとのインタビューで、「安倍晋三首が長期政権を築く体制を着々とつくっている。消費税の再増税も予想通り17年4月に延期になった。今の政策の枠組みは変わらない」と述べた。10月には国債やETF(上場投資信託)を買い増し、マネタリーベースを10兆円上積むと予想した。

さらに「札割れが発生すれば国債の買い入れの調整をし、それでも頻発すれば買い入れ対象を公募地方債や政府保証債に広げ、最後には銀行保有のローン債権まで想定できる」と付け加えた。

生鮮食品を除いたコア消費者物価(CPI)は、4月にマイナス0.1%となった後、夏ごろまでには小幅マイナスが続き、秋以降は前年の原油価格下落分が剥落するため小幅プラスに転じるとみている。しかし、「人口減少や少子高齢化による需要の縮小と過剰供給構造の温存が組み合わさり、物が値下がりしやすいデフレ構造が解消されなければマイルドインフレの世界には戻らない」との見方を示した。

1ドル=125円が天井       

ドル・円相場については「1ドル=125円が天井だ」と発言。110円を大きく超えてくると、家計と中小企業がデメリットを受け、むしろ景況感は悪くなり政府がブレーキをかけることから、「円売りを加速させた昨年10月の追加緩和のようなサプライズはタブーだ。日銀は事前に織り込ませる」と想定した。
一方、米国の利上げのタイミングはドル高と原油安の影響で企業収益が悪化していることなどから今年12月までずれ込むと予想。無理して利上げをすればドル独歩高が進み、景気下押し圧力と物価の下落が続くと米国経済は行き詰まることから、「円安に行くとしても、125円が天井となるよう日米当局が動く」と話した。
6日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル =119円前後で推移した。前週末の海外市場では米雇用統計発表後に118円72銭と3月26日以来のドル安値を付けていた。
(更新前の記事は上野氏のコメントを訂正済みです)

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net;東京 岩本正明 miwamoto4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 淡路毅, 上野英治郎
更新日時: 2015/04/06 16:27 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMD6506K50XT01.html

 


債券は上昇、米債高で長期金利は1週間ぶり低水準−超長期は売り圧力
2015/04/06 15:39 JST

  (ブルームバーグ):債券相場は上昇。長期金利は一時、約1週間ぶりの水準に低下した。予想を下回る米国雇用統計を受けて、前週末の米債相場が堅調に推移した流れを引き継いで買いが優勢だった。半面、超長期債は30年債入札を控えて売り圧力が強まった。

6日の長期国債先物市場で中心限月6月物 は、前週末比19銭高の147円84銭で取引を開始した。午後に入ると、一時29銭高の147円94銭と、日中取引ベースで3月26日以来の高値を付けた。取引終了にかけてやや伸び悩み、結局は18銭高の147円83銭で引けた。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の338回債利回りは、前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)低い0.335%で開始。午後は0.33%と、3月26日以来の水準に下げ、その後は0.34%で推移している。

20年物の152回債利回りは2.5bp低い1.095%に下げて開始した後、売りが優勢になって1.125%に上昇。入札を控えている30年物の46回債利回りは2.5bp低い1.34%で始まった後、1.375%まで水準を切り上げている。
メリルリンチ日本証券の大ア秀一債券ストラテジストは、予想を下回る米雇用統計を受けて米債利回りが低下した流れを引き継ぎ、円債利回りも低下したと説明。10年債利回りについて、「0.3%を割り込むには米国で弱い経済指標が続くことや、リスク回避的なムードが必要だが、0.4%を押し目買い水準として0.3%前半をめどとした相場が続きそうだ」と話した。日銀買い入れオペについては、「いずれの年限も応札倍率が前回よりも高くなったものの、落札自体はほぼ市場実勢通りということで、材料視しづらい結果だった」と説明した。

米金利低下

3日の米債相場は上昇。10年債利回りは前日比7bp低下の1.84%程度となった。3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比12万6000人の増加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値24万5000人増を大幅に下回った。利上げ見通しが後退し、債券買いが優勢となった。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「米雇用統計は特殊要因が影響した可能性もあるが、いったん悪い数字が出ると低水準が続く傾向がある。1−3月期の経済指標が市場予想を大幅に下回っており、来月以降の雇用統計にも注意が必要だ」と述べた。「前週には10年債利回り0.4%台で実需を確認しただけに、しばらく0.3%台での買い場を探る」との見方も示した。

日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間1年以下、10年超25年以下、25年超の応札倍率はいずれも前回から上昇した。一方、落札金利は3本とも、基準となる日本証券業協会の売買参考統計値との按分利回り較差がマイナスとなったほか、おおむね市場実勢の範囲内となった。

財務省はあす7日に流動性供給入札を実施する。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存期間15.5年超から39年未満。発行額は3000億円程度。9日には前回債より1000億円増額となる30年利付国債の価格競争入札が予定されている。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、超長期債について、「日銀オペが30年債入札前で最後となるため、ポジション調整も入りやすい」と説明。「30年債は欧州中央銀行(ECB)が国債買い入れを開始した3月9日を起点にフラット化が進展し、フェアバリューに対しても割高感が急速に強まっている」と指摘した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 崎浜秀磨
更新日時: 2015/04/06 15:39 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NM80TD6TTDS401.html


ゴルディロックスが帰ってきた今が最良の時か−UBS
2015/04/02 07:03 JST

  (ブルームバーグ):これ以上良くはならないのだろうか。これが、金融市場に関してUBSグループのチーフエコノミスト、ラリー・ハサウェー氏が質問する内容だ。「多分、良くならない」と同氏は自ら答える。

今のところ、世界の株式相場の指標であるMSCIワールド指数 は過去最高付近で推移、債券利回りは歴史的な低水準にある。原油とドルは1バレル=60ドルと1ユーロ=1.08ドル前後の水準で安定したようにみえる。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)も今年の最高水準から低下した。

インフレなき適温経済を示す「『ゴルディロックス』はウォール街では言い古された言葉だが、現在の市場センチメントを表す適切な表現に思われる」とハサウェー氏は今週のリポートに記した。

世界経済を見渡せば、金融引き締めが必要なほど熱過ぎもせず、景気が落ち込むほど冷め切ってもいない。童話「3びきのくま」の主人公で程よい温度のスープと程よい硬さのベッドを見つけた女の子の名前を取ったゴルディロック状態だと同氏は考える。

「ちょうどいい状態」というセンチメントを補強するのは、政策金利の引き上げを急がず、利上げ開始後も慎重に行動することを示唆する連邦公開市場委員会(FOMC)だ。UBSは米経済が今年、2005年以降では最高の2.8%成長になると予想している。

「米経済が安心できる程度に強いが積極的な金融引き締めを必要とするほど強くはない状態に、市場は喜んでいる」と、ハサウェー氏は説明した。同氏のチームは15年末の米政策金利予想を0.625%と、従来予想の1.25%から下方修正した。

UBSはユーロ圏についても、15年成長率予想を1.6%、16年を2%に上方修正。日本については賃金上昇を予想している。

ここで油断してはいけない。米金融当局が雇用の伸びに反応し、市場の現在の想定よりも速いペースで利上げする可能性を投資家が見落としているリスクをハサウェー氏は警告する。この場合、ドルが急騰し新興市場は打撃を受ける。欧州にはウクライナ紛争やギリシャ債務問題に加え、英国の総選挙の結果が不透明といった脅威がある。

ハサウェー氏は今後これらのトラブルに備えることを投資家にアドバイスする。「相場が上昇すればするほど、リスクを忘れないよう顧客や投資家に強く促すことにしている」と言う同氏は、「ボラティリティは戻ってくる。米金融政策の正常化、世界の経済・政策の乖離(かいり)、政治的リスクのあれこれによって、今日の現実である『ゴルディロックス』が明日には簡単に幻想になり得る」と同氏は結んだ。

原題:Return of Goldilocks Has UBS Asking If It Gets Better Than This(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:パリ Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Fergal O’Brien
更新日時: 2015/04/02 07:03 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NM4IWD6K50Y301.html

 


「グリーンスパンの謎」再燃、FRBと債券市場の見解対立
2015/04/06 10:47 JST

  (ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを準備する中で、グリーンスパン議長時代に経験した債券市場の謎に再び直面している。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁ら政策担当者は、米経済が回復しているのに米国債利回りが上昇しないはどこかおかしいとの認識を示唆。一方トレーダーらは、長期国債利回りが低水準にとどまることができない、あるいは今後とどまらない理由はほとんどないとの見方を示す。
過去のデータはトレーダーの見解の正しさを裏付けている。10年国債利回りと翌日物フェデラルファンド(FF)金利の格差は過去の基準から見て適切な水準にある。さらに過去40年間を振り返ると、利上げ時に投資家が長めの国債保有でより多くの対価を求めることはまれだった。
米債券市場が発する最も重要なメッセージは恐らく、FRBが先月政策金利見通しを引き下げた後も、予想する利上げ幅がなお大き過ぎるということだ。市場が予測する2018年の政策金利は2%と、FRBの見通しの約半分にすぎない。
ダブルライン・キャピタルの創業者ジェフリー・ガンドラック氏は、FRBが「長年にわたり間違っていた」とした上で、「政策担当者が提供する将来の見通しには全く価値がない。市場の価格設定の方が現実に近いからだ」と指摘する。
このジレンマは、04年のいわゆる「グリーンスパン氏の謎」を想起させる。同氏が当時率いていた連邦準備制度が借り入れコストを計4ポイント強引き上げる中で、長期金利は低下し続けた。
3月の米雇用者数が12万6000人増と、13年12月以来の小幅な増加にとどまったことを受けて、米国の10年国債利回りは先週0.12ポイント低下し、1.84%となった。雇用の増加幅はブルームバーグが調査したエコノミスト予想の下限を下回り、利上げ見通しは後退した。
原題:In Greenspan Conundrum Redux, the Odds Are on Bond Traders’ Side(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net;ニューヨーク Alexandra Scaggs ascaggs@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net Michael Tsang
更新日時: 2015/04/06 10:47 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMD0C86JTSEA01.html


03. 2015年4月06日 22:37:36 : jXbiWWJBCA

エコノミスト、日銀総裁を高評価―首相には辛口=WSJ調査
By ELEANOR WARNOCK
原文(英語)
2015 年 4 月 6 日 15:48 JST

エコノミスト、日銀の黒田総裁を高評価 Yuya Shino/Reuters
 日本銀行の黒田東彦総裁はインフレ率を押し上げる取り組みで成果を上げてきたが、安倍晋三首相の場合はもう少し努力しないと日本経済を再び成長軌道に乗せることはできないだろう。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が実施したエコノミスト調査ではおおむね、このような結果が示された。同調査は、黒田総裁が安倍政権の支持を背景として大胆な金融緩和政策を導入して2年が経過したことを受け、米国と日本のエコノミスト33人を対象に実施された。黒田総裁と安倍首相は、15年間にわたり物価や賃金、支出が持続的に落ち込むデフレからの脱却を目指している。

 調査は3月26日から4月1日の間、オンライン上で回答する形で行われた。

 回答者の4分の3近くが、インフレ率2%を達成するという目標に向けた黒田総裁の采配について「A」か「B」の評価を与えた。対照的に半数が、安倍首相に「C」を付けており、「A」と回答したのは1人だけだった。

 バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)のチーフ米国エコノミスト、ナサニエル・カープ氏は日銀の政策について、「大きな努力をしているが、これ以外の構造的措置が必要だ。しかし、こうした問題は日銀の担当外だ」と述べた。

 エコノミストらは日銀の努力を評価する一方、半数以上が日本は依然としてデフレから脱却していないとし、3分の2が日銀は2%のインフレ目標を達成できないとみている。2014年4月に実施した同様の調査では、デフレ脱却はまだと回答したのは全体の3分の1であり、今回は日本の状況についてより悪化したとの見方が示された。

 日本のインフレ率は昨年、原油安の影響もあって低下したが、これについてエコノミストらは予想外だったと回答した。総務省が3月27日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.0%上昇となり、消費税率引き上げの影響を除外すると横ばいとなった。

 今回の調査では、同指数の上昇率の予想中央値は2016年3月が0.7%、17年3月が1.1%だった。回答者の6割が日銀はインフレ達成まで緩和策を解消すべきでないとしている。

 市場予想会社ACTリサーチのサム・ケーハン、ジム・ミールの両氏は「米国の経験が教えるように、特定の期日に縛られるべきではない。経済指標が状況の好転を示すまで待つべきだ」と指摘する。

 4割近くが、日銀は今年7月から12月の間に追加緩和策を実施すべきだとする一方、45%が追加緩和は不要と回答した。

 安倍首相に対して、回答者は辛口だった。

 同志社大学大学院ビジネス研究科のマニーシュ・シャルマ准教授は「経済的問題に対処するという意向は重要だが、課題がほとんど明確にされていない。勢いは残念なほど失われている」と述べた。

 回答の約半数にあたる52%が、首相の長期成長戦略、いわゆるアベノミクス第3の矢について、十分もしくはほぼ十分だと指摘した。だが、41%は、不十分だと述べた。

 大多数の回答者が、安倍首相の政策にとって労働市場改革が最も重要だとの見解を示した。

 三菱東京UFJ銀行のジャパンストラテジスト、関戸孝洋氏は、労働問題は「成長のボトルネック」だと指摘する。

 また、クレディ・スイス証券のチーフエコノミスト、白川浩道氏は「生産性向上に加え、外国人労働者の受け入れ拡大が必要だ」と述べた。

 さらに、安倍首相の計画には、高齢化と出生率低下に対する詳細な対応策が示されていないとの指摘も見られた。3人のエコノミストから、日本経済の再生には人口動態問題への対処が最も重要との見方を示されたほか、4人が今後数年間の日本経済にとって、人口動態問題は最大の下振れリスク要因だと回答した。

 JPモルガン証券のチーフエコノミスト、菅野雅明氏は「第3の矢に欠けているのは、(移民政策も含めた)人口減少問題への対応だ」とした上で、「現在の政策では、人口減少傾向が反転することはないとみられるが、政府は人口が50年間にわたり1億人で安定的に推移すると想定している」と語った。日本の人口は現在、約1億2700万人。

 ただ、足元では、一般の日本人にとって見通しは明るそうだ。エコノミストの77%が、15年の労働者の実質平均賃金は上昇すると予想している。厚生労働省によると、インフレ率と消費税率引き上げの影響を控除した14年の実質賃金は2.5%減少していた。

 コンビナトリクス・キャピタルのマネジングディレクター、ラム・バーガバチュラ氏は今年について、「一時的にデフレだったことで、名目賃金の上昇が強調されるだろう」と述べた。


04. 2015年4月06日 22:39:54 : jXbiWWJBCA

米国の賃金上昇率が低い理由とは
ERIC MORATH
2015 年 4 月 6 日 08:00 JST

ウォルマートは、来年までに米従業員の時給を最低10ドルに引き上げる方針 Bloomberg News
 マクドナルドやウォルマート・ストアーズ、スターバックスなどの有名企業が賃上げを声高に宣言しているにもかかわらず、米国労働者の賃金は低い伸びにとどまっている。
 米労働省が3日に発表した3月の雇用統計では、平均時給が前年同月比で2.1%上昇した。2月の2.0%からほんのわずか伸びたにすぎない。長期でみても、過去4年間の賃金上昇率は基本的に2%だ。
 賃上げ報道が相次ぎ、今年は12以上の州で最低賃金が引き上げられるが、どうしてこうなるのだろう。有名企業が発表した賃上げは今年の終盤まで実施されない。だが、賃上げをしても、根が深い課題には対応できないだろう。労働市場の中間層は賃上げ網にかかっていないのだ。
 低賃金労働者は賃金が伸びている。娯楽産業や接客業の従業員、特にレストラン従業員はこの1年で時給が3.6%上がった。最低賃金労働者層の半数近くが外食サービス業で働いている。

【3カ月移動平均の前年比変化率】(青)平均時給、(緑)消費者物価指数(CPI)
 これはまずまずの伸びだが、娯楽産業や接客業で働く人々の平均時給は14.23ドル(約1700円)しかない。ファストフード・レストランの非管理職の時給は10ドルにとどかない。つまり、レストラン従業員やその他の低賃金労働者の賃上げが全体の賃金指標に与える影響は限定的なのだ。
 高技能労働者の賃金も良く伸びている。公益(電気・ガス・水道)産業や情報産業の賃金は3%近い伸びを記録している。だが、こうした産業が雇用する労働者は比較的少ないので、やはり賃上げが及ぼす効果は限られている。
 多数を雇用するいくつもの産業が、賃上げから取り残されている。医療や教育の分野では、過去1年間の賃金上昇率は2%に満たない。製造業の時給は1.4%上昇した。サービス部門の多くでは全体の平均である2.1%に近い伸びとなっている。
 しかし、期待できる兆候もある。賃金上昇率は何年も横ばいだが、物価上昇率が低下している。消費者物価は、ガソリン価格の下落を反映し、前年比で基本的に横ばいだ。だから、給料明細にあまり変化がみられなくても、家計が消費(ないし貯蓄)に回すことができる現金は増えている。
原文(英語):Why Are Wages Growing Slowly Despite McDonald’s, Wal-Mart Raises?


3月の米雇用統計、過剰な懸念は不要
By KATHLEEN MADIGAN CONNECT
2015 年 4 月 6 日 09:01 JST

米中西部では3月下旬も約40センチの積雪 Dave Kettering/Associated Press
 米経済は問題に陥っているのだろうか。低調な3月の雇用統計はそうした見方もできる。だが、いっときの不振が続くとみる理由はほとんどない。

 米労働省が3日発表した3月の非農業部門就業者数は前月比12万6000人増と、予想の約半分の伸びにとどまった。1月と2月の就業者数は合計で6万9000人下方修正された。1-3月期の伸びは月平均19万7000人となり、2014年10-12月期の32万4000人から大きく鈍化した。

3月の米雇用統計、エコノミストはこうみる
 だが、昨年末の雇用急増こそ、3月の雇用統計とそれが景気見通しについて示唆するものに動揺すべきでない理由の一つだ。14年10-12月期の雇用の伸びは過去最高を記録した。15年序盤でシフトダウンしても、全面的な衝撃にはなっていないはずだ。

 原油安が経済全般に差し引きプラスの影響を与える一方で、引き続き一部の部門の打撃となっているため、なおさらそうだと言える。採掘活動を支援する産業や土木工事現場、石油製品メーカーでは3月に雇用の減少が報告されても驚くに当たらない。

 天候も小さいながら3月の低調の要因だった可能性が高い。労働省によると、3月は悪天候のために就業できなかった労働者が18万2000人に上った。これは過去10年間の3月の平均を約3万人上回る。


3月は悪天候のために就業できなかった労働者が18万2000人に上った J. Scott Applewhite/Associated Press
 週平均労働時間が前月から6分縮小した理由は恐らく、このように就業できなかった人の数が多かったことで説明がつく。

 非農業部門就業者数が示す以上に、3月の労働需要が堅調だったことを示す兆候の一つは、平均時給が前月比0.3%増加したことだ。伸びは市場予想の0.2%を上回った。

 確かに、3月は前年同月比の伸びが2.1%と緩やかだった。しかし、1月の求人数は数年ぶりの高水準で、小売り大手ウォルマート・ストアーズやファストフード大手マクドナルドなどの企業はすでに、賃金水準の低い従業員の引き留め策として時給の引き上げを発表している。賃金が毎月0.3%伸びれば、年間の伸び率はいずれ2%というマンネリを脱する可能性がある。所得の伸びの加速は、景気見通しにとって大きなプラス材料になるだろう。

 雇用の伸びの減速は、1-3月期に報告された他の低調な経済指標と一致している。エコノミストらは1-3月期の米国内総生産(GDP)成長率予想を下方修正している。商務省は4月29日に1-3月期GDP速報値を発表する。成長率が1%を下回っていても衝撃にはならないだろうが、3月の雇用統計が失望的だったからといって、1%の成長率が4-6月期も続いていることを示唆しているわけではない。それどころか、春には冬場に失速した活動の巻き返しが図られるはずだ。

原文(英語):Don’t Angst Too Much Over One Weak Jobs Report

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米国の賃金上昇率が低い理由とは
3月の非農業部門就業者数は12.6万人増、予想下回る


05. 2015年4月07日 00:35:06 : e4V9eJubLo
金は市場に出回ってないそうじゃないか

株を買い支えているのは政府、GPIFだし
官製相場であることが最初から分かっているので、外資は安心してマネーゲームに勤しめる

結局、インフレターゲットとか最初から目的にはなかったのじゃないかな


06. 2015年4月07日 05:21:40 : DB3eFcOPHY
アチラさんには最初からインフレ達成は無し。

日銀だけがそのつもりで頑張ってお金を取られ捲くったんだよ。、


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