http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/925.html
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「AIIBへの「雪崩的参加」とアメリカの覇権の翳りについての記事を訳しておきました。:内田樹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17039.html
2015/4/5 晴耕雨読
https://twitter.com/levinassien
NewYorkTimesの一昨日の記事です。
AIIBへの「雪崩的参加」とアメリカの覇権の翳りについての記事を訳しておきました。
http://blog.tatsuru.com/ アメリカはすでに態度を軟化させ、世界銀行・アジア開発銀行とAIIBのコラボレーションの条件を詰めるという「おとしどころ」を探り始めています。
日本政府だけがぼんやり「蚊帳の外」に置かれてる。
安倍政権て、ほんとうに「使えない」政権ですね。
朝からNew York Timesの記事を読んで「どうして日本のメディアはこういう重要な問題について客観的で精密な報道と分析ができないんだろう」と頭を抱えてしまいました。
韓国や台湾やオーストラリアの政府部内で「アメリカの警告を蹴飛ばす」決定を下す際にどういう議論があったのか。
> 宋 文洲 AIIB対応について安倍総理が怒った: 「聞いていた話と違うじゃないか。君たちは、いったい何処から情報を取っていたんだ」 3月31日、首相官邸で官僚達に http://t.co/wnkfv5JEaD
> 平川克美 自衛隊「国際法上は軍隊」 答弁書を閣議決定 (日経新聞2015/4/3 18:40)。おい、まだ憲法改正されたわけじゃないですよ。ここまで、憲法をないがしろにする内閣は戦後初めてだな。この内閣は、法治主義をなめきって、人治主義でいこうということなんだな。
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http://blog.tatsuru.com/
2015.04.04
New York Times AIIBについての記事から
4月2日のNew York Times の記事を訳した。
AIIBの意味について、日本のメディアは取材も分析も足りないと思う。
AIIBへの不参加が客観的な情勢判断に基づいて「国益に資する」としてなされた決定であるなら、それがひとつの政治的見識であることは私も認める。
けれども、その決定の根拠が「アメリカによく思われること」であるというのなら、それは主権国家のふるまいとは言いがたい。
主権国家はまず自国の国益を配慮する。
韓国も台湾もオーストラリアもそうした。日本だけがしなかった。というかできなかった。
それはこれまで中国を敵視し、メディアを通じて中国のガバナンスは不安定であり、経済的にも後退局面に入っているという「主観的願望」を垂れ流してきたせいで、現実が見えなくなってきたからである。
中国がアジアにおける日本の最大のライバルであるというNYTの評価は客観的には適切なものだと思いたい。
けれども、これからも「ライバル」であり続けたいと思うなら、願望を語るより現実をみつめる方がいい。
中国の開発銀行への雪崩的参加に中国も驚愕
Jane Perlezapril
北京発
中国の新しいアジア開発銀行の月末での参加締め切りに突然のラッシュが起きた。中には中国政府の親しい友人とはとても思えない国の駆け込み参加申請まであって、中国人自身が驚いている。
北京の政府部内には台湾からの参加要請があると思っていた人はほとんどいなかった。台湾はいまだに中国から離脱した地域と見なされているからである。ノルウェーもそうだ。両国の関係は5年前に中国人作家にノーベル平和賞を授与したときから冷え切っている。
しかし、申請締め切り後、中国政府はAIIBには46国の参加があったとアナウンスすることになった。アジア隣邦の参加は想定していたが、最終的に参加国名簿にはG20のうち14カ国の先進国が含まれ、うちブラジル、フランス、ドイツなどはアジア以外からの参加であった。
「これほど広汎かつ好意的な支持は想定外だった」とJin Canrong(Renmin 大学国際関係論教授)は語っている。
最終局面での雪崩的な参加表明は、アジア地域における影響力を中国と競合しているアメリカに対する中国の圧勝と見なされている。経済的な現実が認知されたということである。中国は深いポケットを持っている。そして、アメリカが後押ししている制度ではアジアにおける道路、交通、パイプラインなどに対する急増する需要にはもう応えることができない。
アメリカの当局者は新制度をアメリカと日本が支配している国際的な金融制度である世界銀行とアジア開発銀行を切り崩すための企てであると見なしている。オバマ政権筋は新しい銀行の貸与条件が中国のリーダーシップの下で緩和されたために、例えば、開発ラッシュのために地域の貧しい住民が追い出されたりすることを懸念していた。
中国のアジア地域における主要なライバルである日本はオバマ政権の側に残った最後の同盟国となった。一方で韓国、オーストラリアといった通常はアメリカの忠実な同盟国である諸国が当初の決定を覆して参加表明をした。
締め切り直前になっての諸国の雪崩的な参加表明はまず英国によって開始された。アメリカの最も信頼されている友邦である英国は最終的に中国がこれほど巨大な輸出先、投資先である以上、その政府の重要政策のひとつに対して傍観者の立場を貫くことはできないと結論したのである。
ヨーロッパ、アジアにおけるアメリカの同盟国がAIIBに参加しないようにというアメリカの呼びかけを踏みにじったという事実に、中国の当局者や学者たちは、中国はアメリカの指示を受けることなしに世界規模の制度を構築しうる力量があることを証明したとして勝利感を味わっている。
「この事実は中国がアメリカとは独立したかたちで、アジア地域諸国とさらにはアジア以外の諸国とともに活動することができるということを示した。」とWu Xinbo(上海Fudan大学アメリカ研究センター所長)は語っている。
「諸国民が、それが自分たちの利益になり、公共の福利に資すると判断することであるなら、人々はもうアメリカの承認を必要としなくなったのだ。」
「ワシントンは世界銀行とIMFにおける中国の発言権を抑制したことで結果的に墓穴を掘ることになった」とDavid Daokui Li (前中国人民銀行アドヴァイザー、ハーヴァード大学経済学博士)は言う。
「アメリカはナーバスになって、同盟国にこう告げた。『おまえたち、中国に加担するな。あいつらは信用できん』。しかし、結果的にアメリカの忠実な同盟国たちはAIIBに参加してしまった。これにいちばん驚いているのはアメリカ人ではなく、中国人だ」とLi は言う。
「ワシントンは同盟国にAIIBには参加しないように警告を発していた。オバマ大統領は中国がアジア地域で勢力を拡大することに対抗して強硬路線を取ると今年の一般教書で明らかにしていたからだ」とBonnie Glaser(ワシントンの戦略国際研究センターアジア担当アドバイザー)は言う。「オバマは中国にはルールを書き換える能力はないと述べた。ルールを決めるのはアメリカである、と」
だが、アメリカはこの戦いに敗れた。一夜明けて態度を軟化させたアメリカは世界銀行とアジア開発銀行に対して、いくつかの基準をクリアーするなら、AIIBと協力関係を結ぶように促している。
財務長官Jacob J.Lewは今週北京に飛び、李克強首相に親書を手渡した。だが、いささか遅きに失した。もうアメリカはこのプロジェクトで建設的な立場にシフトすることはむずかしいだろう。ワシントンのハンドリングが拙劣であったと多くの人々がみなしているが、その影響はすでに出て来ている。先週中国南部でのBoaoアジアフォーラムで、習近平主席は彼のアジアについての展望を1000人の出席者たちの前で語ったが、参加者の多くは中国以外の国から人たちであった。
「中国に対する賞賛が他国からこれほど寄せられたことに、そしてアメリカの存在感が失われたことに私は驚いている」とGlaser は言う。
これから中国の担当者たちには、AIIBを透明性、貸与条件、環境への影響などについての基準をクリアーし、多様なアジェンダを持つ多様なメンバーたちの要求に応えることのできる制度たらしめるという重責が課せられた。
AIIBの暫定トップであるJin Liquiは世界銀行とアジア開発銀行での勤務経験がある。「経験豊富だし、仕事がわかっている男だ」とNicholas R. Lardy(ワシントン、ピーターソン国際経済研究所シニアフェロー)は評する。「彼は40名の有能なスタッフを採用した。半分は中国財務省から、半数は中国以外からだ。手に入れる限りベストの陣容で臨むと彼は言っている。」
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