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デフレとの闘いで見落とされてきた重大事実
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/895.html
投稿者 rei 日時 2015 年 4 月 04 日 09:40:11: tW6yLih8JvEfw
 

 
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0MU08B20150403
デフレとの闘いで見落とされてきた重大事実
2015年 04月 3日 13:31 JST
James Saft

[2日 ロイター] - 多くの病気と同じように、デフレーションを1つの症状としてだけ見てしまうと、実際にそれが起きた場合に早合点して間違った治療を施してしまう可能性が大きい。

世界大恐慌時代には異例かつ自己増殖的なデフレ、つまり一般物価の下落が長期に定着する事態が発生した。その教訓におびえた中央銀行当局者は金融危機以降、持てる手段をすべて行使してデフレの兆しと格闘してきた。

だがこれはいくつかの真実を無視している。その一部は国際決済銀行(BIS)が最近公表した過去140年間にわたるデフレの調査研究でも論じられている。

財やサービスの価格下落は経済成長の中の「弱い輪」にすぎない。一方、不動産バブル崩壊といった資産価格の収縮はより打撃が大きい。

金融政策では、不動産バブル崩壊の後始末でなく、バブル形成に至るまでが鍵になる。掃除のモップを持つ中銀当局者には、すべてが水たまりに見える。

金融政策でデフレとの闘いに重点を置くのは、バブル崩壊後、財政支出で景気を刺激するのは政治的に非常に難しくなるからだ。シャベルを没収されたからハンマーで塹壕を掘らなければならない、という意味ではない。

BISのクラウディオ・ボリオ、マグダレーン・アーデム、アンドルー・フィラード、ボリス・ホフマンの各氏は「大恐慌をさも典型例であるかのように考えて、そこからデフレのコストに関する推論を導き出すのは誤っている」と指摘。

「生産減少という観点では大恐慌は例外的な事象。加えて、生産の落ち込み度合いと一般物価水準下落の程度との相関性は、資産価格急落やそれに絡む銀行の不良債権といった他の要素に比べて低い可能性がある」としている。

この研究は過去140年の主要国の事例を調べ、期間全体の18%がデフレに陥ったが第2次世界大戦後でみると5%でしかないことを発見した。またBISによると、債務水準の高さは重要な意味があるものの、一般物価の下げを加速させるのではなく、不動産価格の収縮を増幅させる。

にもかかわらず、ユーロ圏や米国、ある面では日本においても、まるで1930年代の状況が再燃する危険が続いているかのようにデフレの脅威と闘いながら、おしなべてエネルギーや一部生産財の価格下落がもたらす影響についてはあえて見過ごそうとしている。

<日本の状況から見えること>

ユーロ圏のコア物価上昇率は過去7カ月間、0.6─1.0%のレンジで推移し、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%弱を大幅に下回っている。だからといってそれ自体が量的緩和(QE)を完全に正当化することにはならない。

ADMインベスター・サービシズのエコノミスト、スティーブン・ルイス氏は顧客向けノートで「先進国の働き手が賃上げを要求できないといった金融危機後の状況下で、物価の低さは普通ということだろう」と述べ「そうした環境において、金融政策を通じて消費者物価を押し上げようとする、いかなる試みも成功は一時的なものにとどまる可能性がある。物価上昇は家計の実質所得を圧迫し、消費需要を失速させて、最終的に生産者の価格決定力を弱める」とみている。

日本の最近の歴史と現状を見てみよう。多くの人々は、現下の経済低迷の根源的な要因は根強いデフレだと主張するが、この分析は人口減少がもたらす影響を軽視している。

2000年から07年までに日本の実質国内総生産(GDP)は9%増加し、経済が堅調とみなされる米国は11%増えた。だが労働力人口でみた実質GDP成長率となると、日本は15%で米国は8%にすぎない。

アベノミクスの下、日本は2%の物価上昇率達成を目指してまい進し、円相場を押し下げるとともに大規模な金融緩和を実施している。主な「成果」は、少なくとも今のところは、物価上昇に賃上げが追い付かないことで生じた生活水準の低下だ。

今の時代と、通貨供給量が中銀によって調整されるのではなく金本位制によって制限されていた時代のデフレには大きな違いがあるのは間違いない。この柔軟さこそ、不換紙幣制度に正当性を与える原則の1つといえる。

手段を持つこと良いが、それを適切な任務のために使えば、なお良い。


 

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コメント
 
01. 2015年4月04日 09:47:24 : nJF6kGWndY

デフレスパイラルは金融と再分配システムの崩壊で生じ、ハイパーインフレは資源制約=生産力(産業)の崩壊で生じる

本質がわかっていれば、愚かな政策による自滅だけは避けることができるが

愚民国家では、なかなか難しい


02. 2015年4月04日 10:56:46 : xPxTPEij1M
政府が自分の私欲を満たすために、ネット工作とマスコミ対策に
力を入れる愚かな国家の未来は暗いだろうな。

03. 2015年4月04日 11:22:57 : ZHp3B8RErk

日銀・木内委員「バズーカ」解除へ孤高の戦い
TAKASHI NAKAMICHI
原文(英語)
2015 年 4 月 3 日 15:00 JST

日本銀行本店前。黒田総裁の金融バズーカ発射から4日で丸2年を迎える thomas peter/Reuters
 【東京】日本では株式市場が15年ぶりの高値付近で推移し、政府の資金調達にはコストがほぼかからず、不動産市場は25年ぶりの復活を遂げている。
• 日銀の政策、問題はインフレ減速傾向
 これは朗報だろうか。日本銀行の積極的な金融緩和姿勢に反対する木内登英・審議委員にとっては必ずしもそうではない。昨年末以降の金融政策決定会合では毎回、政策方針の継続が賛成8・反対1で決定されたが、反対票を投じたのは全て木内委員だった。
 かつて野村証券金融経済研究所で経済調査部長を務めた木内氏は、日銀が大きな役割を担っている債券市場が危険なボラティリティー(変動)を招く可能性について懸念している。また、過剰な金融緩和はバブル形成につながるとみている。
 日銀の黒田東彦総裁が金融緩和の「バズーカ砲」を放ってから、4日で丸2年を迎える。バズーカ砲の発射以来、日本では物価をうまく上昇させるために大胆な措置が試されるようになった。黒田総裁は2%の「物価安定の目標」について、時期は多少前後するかもしれないが達成に向かっていると主張している。
 だが、木内氏は追加金融緩和に反対しており、3月5日の講演ではその理由として「先般の(緩和)拡大についても効果はコストや副作用に見合わない」と述べた。
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木内登英・日銀審議委員
 木内氏によると、債券市場の最大の買い手という日銀の大きな存在が、低金利の主な要因かもしれない。同氏は株式や不動産市場が過熱する可能性とは別に、緩和策や国債市場の健全性に対する信頼が突然崩れれば、金利は急騰する恐れがあると懸念している。
 木内氏の反対意見は、日銀の歴史に対する見方に根差している。25年前のバブル期には、日銀が低金利を長期間継続したため、バブルが突然崩壊したと批判された。新日銀法(1998年施行)に基づく現在のシステムは、日銀官僚が政策を定めるのではなく、多様なバックグラウンドを持つ審議委員で構成した政策委員会により強力な役割を与えることにより、そうした過ちを防ぐ目的もある。
 10年物の日本国債利回りは差し当たり0.4%を下回っている。木内氏は3月の講演で、日銀による国債買い入れの結果として流動性が低下すれば、「ショックへの耐性が低下し、ボラティリティーが高まるなど市場が不安定化しやすくなる」と指摘した。
 木内氏は当面唯一の反対派となるかもしれないが、その見解には、黒田総裁がしてきたことへの違和感の高まりが表れている。多くのエコノミストの予想通り、黒田総裁が年内に追加緩和を余儀なくされた場合、総裁と木内委員の間で対立が生じ、それが幅広い議論に発展することもあり得る。
 こうした対立の根底には、日本の現状に対する受け止め方の違いがある。物価は十数年に及ぶデフレを経て、足元では安定しているようだが、上昇はしていない。木内委員は、金融緩和をやりすぎるとさまざまな歪み(ゆがみ)が生じ、構造改革から目を背けさせる可能性があると考えている。
 安倍晋三首相が支持する黒田総裁は、2%の物価上昇率をしっかり定着させない限り、日本の本当の復活はないとの立場だ。黒田総裁は先月、「デフレから脱却すること自体が、日本経済の成長力の強化に資する」とし、「リスクを取った積極的な投資が行われるようになり、各種のイノベーションも生じやすくなる」と述べた。
 黒田総裁は、大胆な措置を打ち出し、その政策効果を大々的に強調することで、サプライズ的な要素を追求してきた。日銀の政策判断に木内委員が毎月反対していることで、こうしたメッセージの効果は薄れがちだ。
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日銀の国債買い入れは急増している【赤:国債発行残高、青:日銀の保有額、単位:兆円】
 木内委員は2012年7月に日銀審議委員に就任した。野村証券時代の同僚らは、クラシック音楽に造詣が深く、若手職員にも敬語を使い、フロア内に響く下品な冗談には眉をひそめる真面目な人物と評している。
 木内委員の選任を支えた大塚耕平参議院議員は「セールス・トークをしない人だなと思った」と話している。
 木内委員は就任当初、積極緩和派とみられていた。実際、2年前の黒田バズーカ第1弾には賛成している。ただ、木内委員は当初から緩和策を控えめに支持し、その副作用を懸念していた。同委員は2013年、金融緩和とそれに伴う円安で日本の輸出が急増するとは限らないと指摘。今のところ、ほぼこの予想通りの展開となっている。
 インフレ率は当初こそ上昇していたが、この数カ月は低下しており、2月にはゼロとなった。これは原油価格の下落が一因だが、消費者需要が弱いことも影響している。
 黒田総裁にとっては、これが追加緩和に踏み切る理由の一つとなった。日銀は10月31日、国債買い入れ規模を30兆円増額し、年間約80兆円とした。当時は木内委員の他、3人の委員が増額に反対した。その後の金融政策決定会合では、3委員は黒田総裁を当面支持する考えを示して賛成に回り、反対は木内委員1人となった。
 木内委員の懸念に対し、黒田陣営は日銀が積極的に国債を買い入れている限り、国債利回りは制御不能にはなりにくいと応じている。日銀の中曽副総裁は先月の記者会見で、国債先物市場や現物ディーラー間の出来高など、さまざまな「指標をみる限りは、政策遂行に支障を来たすような特段の問題や事情が生じてはいないと判断している」と述べた。
 だが、木内委員の考えに詳しい関係者は、追加緩和を阻止する「ストッパー」役を演じる必要があると同委員は感じていると述べた。木内委員は訪問者らに対し、「言いたいことは言う」と語ったという。
http://jp.wsj.com/articles/SB12451244521881693796604580557501293524676


04. 2015年4月05日 09:19:09 : RQpv2rjbfs
小手先の金融政策で何とか出来ると本気で思い込んでいる度し難い人々だ。

需要がなければ商品は売れない、商品が売れなければ値段は上げられない、これをデフレと定義して金融緩和をしても対策にならないのは自明のことだ。

どうしても必要な物の値段は着実に2%どころではなく上がっている、生活に余裕がなければどうして子供を生んだり、家や自動車を買うことができるだろう。

一円でも安いものしか買えなくなっちゃうんだ。かくして貧乏の連鎖が始まるんだ、税制が間違っている、景気を良くしたいなら大多数の国民生活を良くする以外の方法はない、消費税を上げたりして真逆をやっている。不景気を不思議がるほうがどうかしている。


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