http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/894.html
Tweet |
「投資の神様」バフェットからこんな手紙が届いた (上) 大切なお客さまだけに
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42664
2015年04月04日(土) 週刊現代 :現代ビジネス
半世紀で資産を7000倍に増やした伝説の投資家W・バフェットが、自社の50周年という節目に株主に手紙を出した。ユーモアあふれる手紙には、他では決して読めない投資の神髄が綴られていた。
■投資家たちの「聖典」
この手紙は、ただの手紙ではない。投資の世界で最も影響力があると言ってもいい文書の一つだ。あるヘッジファンドマネジャーは語る。
「私は年に一度、送られてくるこの手紙を読んで、自分の投資に対するスタンスが間違っていないか、株や市場を見る目が曇っていないか確かめます。世界には、この手紙を聖典のように熟読する投資家がたくさんいますよ」
その手紙の送り主とは、ウォーレン・バフェット(84歳)。世界最大の投資持ち株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主、会長、CEOで、世界で五本の指に入る大富豪だ。そして手紙の宛先は、バフェットの投資スタンスに共感し、バークシャーの株を買っている株主たちである。
バフェットが住む米ネブラスカ州オマハは普段はひっそりとした田舎町だが、年に一度、お祭り騒ぎになる。バークシャー株に投資する世界中の金持ちが数万人も集結し、株主総会が開かれるのだ。そこで公開されるのが、この「株主への手紙」だ。
今年はバフェットがバークシャーを買収して50周年にあたり、手紙の内容に世界中の注目が集まった。A4にして40ページ以上になる手紙は、無味乾燥な資産報告書ではなく、バフェットの投資人生の神髄が語り尽くされている。その内容を読み解きながら、投資で成功するヒントを探ってみよう。
手紙の中でバフェットは、成長株を買うコツをこう述べている。
「零細企業の株を安値で買うことは短期投資としては魅力的かもしれません。割安株を買うのは、あと一ふかしだけできる煙草の吸い殻を拾うのに似ています。汚くて湿っているかもしれないけれど、一ふかしはタダです。
でもそれを土台にして大きなビジネスをすることはできない。デート相手の条件と結婚相手の条件は違うのです。長期的に投資する先(つまり結婚相手)を見つけるためには、まともな企業を素晴らしい安値で買おうとするよりも、素晴らしい企業をまともな価格で買うほうがいい」
バフェットは長期投資を好む。相場に一喜一憂することなく、会社の持っている本質的な価値を見出して、そのビジネスが長期的に発展するだろうと考えたときに初めて投資をするのだ。バフェット流長期投資を標榜するセゾン投信社長の中野晴啓氏は語る。
「バフェットの考え方では、投資とは『その企業が世の中のために頑張って行っているビジネスに投資すること』、おカネを通してその事業に参加することです。だから彼は自分が理解できるビジネス、尊敬できるビジネスを展開している会社にしか投資しません」
バフェットが'11年にIBM株を買うまで、長らくIT企業に投資しなかったことは有名な話である。それは彼自身がITのことをよく理解できていなかったからだ。どんなに急成長して、大きく儲けられそうな株であっても、自分が理解できないものには投資しないというのが、基本なのだ。また、バフェットはマネーゲームを嫌う。
「法外な価格で株式を発行し続けるビジネスは富を生み出しません。結局、魔法は解けて、すべてはシンデレラの馬車のようにカボチャとネズミに戻る。結末はいつも同じで、おカネが騙されやすい人から詐欺師へと移動するのです」(手紙より)
【バフェットからの手紙(下)】へ続く
◇
「投資の神様」バフェットからこんな手紙が届いた (下) 大切なお客さまだけに
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42750
2015年04月04日(土) 週刊現代 :現代ビジネス
■投資に見送り三振はない
バフェットに関する著書も多いジャーナリストの桑原晃弥氏は語る。
「話題になっているからといって、自分がよく知らない業界の株を買う 人も多いですが、それは実は極めて投機に近い投資です。サラリーマンなら自分の勤めている会社に関係する業種、主婦なら小売りや食品など、それぞれ自分が 詳しい分野があるはずです。その業界をきちんと見て、情報を集めればプロのアナリストに勝るとも劣らない目が養われる」
バフェットは大富豪であるにもかかわらず、オマハという片田舎の町に住み、好物はハンバーガーとコーラ、アイスキャンデーという質素な暮らしを続けてきた。
「特権階級のような生活をせず、庶民と同じ生活をしているからこそ、世の中のためにどんな産業が貢献しているのか、どんなビジネスが人々を幸せにするのか、肌感覚で理解できるんでしょう」(前出・中野氏)
GINZAXグローバル経済・投資研究会代表の大原浩氏も銘柄選びに時間をかけることの大切さを強調する。
「バフェットはよく投資を結婚に喩えます。『結婚相手を探すときは、両目でじっくり観察しなさい。でも、結婚してからは片目をつぶっているくらいがちょうどいい』というんです。日々の株価の値動きに一喜一憂していると長期投資はうまくいきませんからね」
投資に値するビジネスモデルを持っている企業を見つけたら、あとはそれを適切な価格で買えばいい。明らかに株価が高騰しているときは急いで買う必要はない。バフェットの言葉を借りれば、「野球と違って、投資に見送り三振はない」からだ。バフェットの手紙にはこうある。
「金融市場はときどき現実からかけ離れてしまう傾向があります。なか には2+2が5や6になるという経営者も出てきて、マスコミや国民にもてはやされる。でも、2+2は必ず4であることを忘れてはいけません。そんな算数は 時代遅れだと言われたら、財布を締めて旅行にでも出かけ、数年後に戻ってきてから、安値で株を買えばいい」
現在は世界的な株高傾向にあるが、規模の差はあるにせよ、いずれ必ずリーマンショックのような調整がある。その時に有望株を買うために、現金を用意しておくのもバフェット流の投資戦略だ。
「キャッシュは酸素のようなものです。充分あるときは考えもおよばないけれど、不足するとそのことしか考えられなくなる」(手紙より)
では次に、より具体的な銘柄を見て行こう。
残念ながらバフェットは日本株には投資していない。よく知らないものには投資しない主義だからだ。彼が好んで買うのは、米国株、とりわけ50年後も必ず存在するだろうと思われるブランド力のある企業の株だ。前出の大原氏が語る。
「バフェットが好むのは、その業界でシェアトップのブランド力を持つ企業が多い。例えばコカ・コーラは買ってもペプシは買わない。トップブランドを追い越すことは難しいと知っているからです」
■神様の考えを読み取れ!
現在では日本の証券会社でも米国株を扱っているので、バフェットが大量に保有しているコカ・コーラやP&G、IBM、アメックス、ウェルズ・ファーゴ(米国の銀行)などの株を買い集めれば投資の神様に近いポートフォリオを組むことができる。
他にはバークシャー・ハサウェイの株自体を買うという方法もあるが、価格が20万ドル(約2400万円)以上するので、よほどの資産家でなければ難しいだろう。
では、もしバフェットが日本経済に詳しく、日本株を買うとしたらどんな銘柄だろうか?
前出の桑原氏は、部品系のメーカーを挙げる。
「デンソーやオムロン、村田製作所など、BBで部品を提供している会社は、コンシューマビジネスと違って、安かろう悪かろうというのが通用しません。本物の技術力が求められ、価格が下落しにくいため、バフェット好みだといえます」
S&Sインベストメントの岡村聡氏は、バフェットが好むシェアトップ企業に注目する。
「バフェットは『橋の通行料を取れるような企業が好きだ』と言っています。川を渡るためには絶対にその橋を通るしかないなら、通行料はいくらでも高くできるからです。
例えば、炭素繊維でボーイングからの大型受注に成功した東レや、半導体製造で必要なフォトマスク(ガラス乾板)を作っているHOYAなどは魅力的です」
このようにバフェット流の視点でじっくり銘柄を探せば、自分にふさわしい株が見つかるだろう。だが、どんな株を買うにせよ、市場はいつも不確実だということを忘れてはならない。
「明日が何をもたらすか予測できないのなら、何が起きても万全なように準備しておくべきです」(手紙より)
相場の上げ下げに心乱されることなく、会社の本質を見抜く目を養えれば、豊かな実りが約束されるに違いない。
「週刊現代」2015年4月4日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。