★阿修羅♪ > 経世済民94 > 852.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
中国提唱のアジアインフラ投資銀行 欧米勢参加した理由とは(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/852.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 02 日 07:31:15: igsppGRN/E9PQ
 

中国提唱のアジアインフラ投資銀行 欧米勢参加した理由とは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150402-00000002-pseven-bus_all
週刊ポスト2015年4月10日号


 中国が提唱したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の行方が注目を集めている。資金の受け手になるアジアの途上国が参加するのは当然としても、英独仏伊、スイス、ルクセンブルグといった欧州勢も参加を表明した。慎重な日米との間に亀裂が生じ、中国は「日米欧の団結にくさびを打ち込んだ」と祝杯をあげているに違いない。

 AIIB設立構想は、2013年10月の習近平国家主席による東南アジア諸国歴訪に合わせて打ち出された。各国から総額1000億ドルの資本金を集め、途上国の鉄道、道路、港湾、空港、上下水道、電力といったインフラ整備に投融資しようという目論見だ。

 中国にとって、AIIBは戦略的かつ経済的に大変なプラス効果がある。どの国に融資するかを実質的に決めるのは、事務局を握る中国だ。たとえば中国軍艦の係留を認める国に港湾を整備すれば、中国の存在感は飛躍的に高まる。

 工事を受注するのも当然、中国企業が中心になるだろう。シャドーバンキングの破綻によって国内で仕事がなくなった建設会社がアジアの途上国で荒稼ぎできるのだ。

 日米は「新機関のガバナンスが不透明だ」と批判している。これは建前上のきれいな台詞にすぎない。事の本質は「中国が札びらをかざして、アジアへの影響力を高めるのは容認できない」という戦略上の判断である。

 そうと分かっていながら、欧州勢が参加したのはなぜか。ずばり言えば「欧州にとって中国は脅威ではない」からだ。クリミアに侵攻したロシアは東欧やバルト3国を脅かす可能性がある。だが、中国が欧州に攻め入る可能性は地政学的にほとんどない。

 つまり欧州にとって脅威は国境を接したロシアであり、中国は共存共栄を目指すビジネスパートナーなのだ。

 インフラ整備の市場規模は約8兆ドルとされる。欧州勢は中国が脅威でないからこそ、米国と多少の緊張が生まれる犠牲を払っても、巨額の投資ビジネスに一口かめる環境にあった。

 日本と米国はどうか。米国は中国が南シナ海で暴れ回っているのを放置できない。南シナ海を奪われたら、東南アジア全体が中国の軍事的影響下に入ってしまう。日本はとっくに尖閣諸島が中国に脅かされている。

 日米にとって中国はビジネスパートナーである半面、政府や政治家はあからさまに公言しないが、本質的に安全保障上の脅威なのだ。

 AIIBがアジアにおける中国の縄張りを強める道具と分かっていて、日米は「はい、そうですか」と容認するわけにはいかない。欧州と日米を分かつ鍵は「中国を脅威とみるか否か」である。

 日本の経済界には「AIIBに参加しないとインフラ商戦で不利になる」という意見もある。日本が出資すればビジネス機会も平等に与えられるはずだ、という思惑だろう。

 これはまったく甘い。実質的に中国が決める案件で日本企業にビッグチャンスが生まれるわけがないではないか。中国がそんな国際常識や礼節をわきまえた国だったら、大量の漁船や公船が傍若無人に尖閣諸島や小笠原諸島に押し寄せてはいない。

 いっそ日本も米国も参加すれば「中国の独断専行を封じ込められるのではないか」という見方もある。これも甘い。自分の意見が通らなくなると分かっていて、構想をぶち上げるようなお人好しではない。初めから「本部は北京」と決めているのだ。

 AIIBは既存秩序に対する中国の挑戦である。日米は受けて立つ以外にない。

■文/長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年 新聞は生き残れるか』(講談社)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年4月02日 21:34:42 : EuqEX6GT1E
コラム:中国主導「AIIB」不参加は良策か失策か=熊野英生氏
2015年 04月 2日 20:15 JST
熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

[東京 2日] - 中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーになる申請期日が3月31日に到来した。結局、日本は申請をしなかった。台湾、韓国など約50カ国・地域が申請、または意向を示した。

この構想への参加が、まるで環太平洋連携協定(TPP)参加と同じような感覚で「船に乗り遅れる」と議論されることに違和感を覚える。TPPは貿易連携に関する共通のルールづくりをしようとしているので、船に乗り遅れるのは大きなマイナスだ。TPP加盟国の中での輸出入の拡大にはメリットが大きい。

一方、AIIBへの参加は、まず、透明性の高いルールづくりの中に参画できるかどうかが不透明だ。日本が参加した場合には、他の参加表明国に比べると、そのプレゼンスの大きさから考えて、出資金額は膨らむだろう。当然、欧州諸国などよりも利害関係は大きくなる。だからこそ、透明性が担保されていないと、日本が享受できるメリットは甚だしく読みにくく、費用対効果が低くなる可能性もある。

アジアの投資案件に対する融資に関しても、創設メンバーとして活動した方がメリットが大きいのか、今後、アジア開発銀行(ADB)の融資との協調を模索することができるのか、という点を検討することが重要だ。

筆者は、今後のAIIBにおける運営が不透明な中で、拙速な判断をしなかったことは妥当だと考える。実際にAIIBのスキームが固まってきてから、ADBなどを通じた協調を推進しても遅くない。

<欧州と新興国がAIIBに関心を持つ理由>

今回、AIIBへの参加が話題になったことで振り返ってみたいのは、従来の国際金融の枠組みが良かったかどうかである。日本や日本企業が果たして多くのメリットを享受できてきたかという点の再検証である。

かつて1997年のアジア通貨危機後に、宮沢蔵相(当時)がアジア通貨基金構想を提示したが、米国、中国、そして国際通貨基金(IMF)が反対して、その構想が頓挫した経験を思い出す。このときは、既存の通貨体制、すなわちブレトンウッズ体制に挑戦するような芽は、やはり摘まれてしまうのかと残念に感じた。

あれから時代は移り変わって、2008年には20カ国・地域(G20)金融サミットが開催されるようになり、リーマンショック後の体制を議論する場が設けられた。欧州からは、以前よりブレトンウッズ体制に替わる仕組みづくりを推進する意見が出されていたので、AIIBに欧州諸国が参画する動きをみせたことも、後から考えるとうなずける。

本質的なことは、日本にとって、米国が中心のドル体制が本当に使い勝手の良いものであるかどうかという点である。円の国際化という最近話題にならなくなったテーマを再検討することだろう。新興国にとっても、G20などを含めて米国中心のドル体制の中での発言力は以前から相対的に小さかったわけで、AIIBに惹かれる動機はあったと考えられる。

<大切なのは為替レートの安定化>

日本では、黒田日銀総裁の強烈な量的・質的金融緩和が実施されて、超円高から円安局面へと軌道修正が行われた。為替に関する議論は、もっぱら円高ではなく円安が良いのか、あるいは円安が進むと輸入物価の上昇で痛みがある、といった点に傾きやすかった。

しかし、本筋は、円の取引量が増えることで、為替の過度な変動が起こりにくくなることである。為替レートは不安定でなく、安定していることが理想だ。そのためには、海外向けに円建ての融資を増やすと同時に、非居住者による円建ての直接・証券投資も増えることが都合が良い。

一方、現状のような日銀の超低金利がずっと継続していると、先行き円キャリートレードが活発化して、一時的に大幅な円安が進み、その後、ポジションが解消されて逆転円高が起こるという懸念も根強くある。投機マネーによるかく乱は、為替レートが安定化する理想像とは正反対の状態である。

中国には、AIIBを主導してドル偏重の外貨準備の運用先を多様化したいという思惑がある。この課題は、日本と共通する。アジアのインフラ投資向けに資金を振り向けて、為替変動リスクにさらされにくい運用をしたいという気持ちもあるだろう。中国との間で、共通する利害はまだ多く存在するはずだ。

国際金融の未来図を考えるとき、日本政府は、中国などアジア諸国との間で、共通利益を追求する構想を提示していくことが課題だろう。

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MT0UJ20150402


02. 2015年4月03日 07:46:01 : yNfK8kcyuQ
日米は受けて立つ以外ない。

ほう、それなら戦争だな。味方はどこにもおらん。アメリカも中国を敵とはしない。
もはや昭和20年の日本と同じ考え方。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民94掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民94掲示板  
次へ