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インフレ目標の達成度 黒田日銀総裁の説明に疑問 消費増税の影響は?
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150401/dms1504010830006-n1.htm
2015.04.01 「日本」の解き方 夕刊フジ
日銀が大規模な量的緩和を実施してからまもなく2年が経過しようとしている。「2年程度での2%のインフレ率」という目標からは遠ざかっているが、現状の緩和ペースで多少後ずれしても2%が達成できるのか。それとも早期に追加緩和第3弾を実施して2%を達成すべきなのだろうか。
そもそもインフレ目標は「ガチガチ」のルールではない。かといって「ユルユル」の裁量的なものでもない。バーナンキ前FRB(米連邦準備制度理事会)議長の言を借りれば、ルールと裁量の双方の性格をもつ「制約された裁量」である。
ガチガチのルールではないが、それが達成できない場合には、説明責任を果たさなければいけない。また、彼は「市場とのコミュニケーションツール」とも述べている。
インフレ目標ではプラスマイナス1%が許容範囲といわれている。先進国のこれまでの実績では、その許容範囲に7割程度収まっており、これを外した場合には説明責任が発生するという程度の「ルール」である。
マスコミの人は、2年で2%のインフレ目標というのを、「2015年4月時点で消費者物価総合指数対前年同月比2%」と思い込んでいるが、実際には「15年4月〜16年3月の1年間で消費者物価総合指数対前年同月比1〜3%」という程度である。
この意味では、現状のインフレ目標の達成度については、ひどい外れではなく、その理由を説明すればいい程度である。
この点、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁の説明には疑問がある。黒田総裁は、物価上昇の基調は変わりないものの、原油価格下落で当面のインフレ率が伸び悩むと説明しており、消費増税の影響を説明していない。
消費者物価指数総合の対前年同月比をみると、消費増税前までは順調に上昇していた。量的緩和がスタートした13年4月にマイナス0・7%だったが、14年5月にはプラス1・6%まで上昇した。ところが、消費増税の影響で消費が減退し、15年2月にはプラス0・1%まで低下している(消費増税による見かけ上の影響が2・1%として計算)。
このように、明らかに消費増税の影響があるにもかかわらず、黒田総裁はそれを言わないので、市場から追加緩和第3弾を催促されてしまう。
インフレ率について、まったく目標に達していないというのではないが、今の状況の説明責任をしっかり果たせば自ずと対応策も出てくる。だが、説明責任が全うされていないために、政府と日銀が行うべきことがクリアになっていないのが問題なのだ。
もし消費増税の影響とはっきり言えば、消費増税の影響を相殺するためには、金融政策ではなく財政政策という話も出てくるはずだ。
もっとも、今のままでも、年後半になれば、政治の動きとして補正予算が出てくるはずだ。そうなれば、結果として追加金融緩和はあまり必要でなくなってくる。その場合、多少後ズレするものの、何とか2%程度のインフレ率は15年度中には達成できるかもしれない。確たる根拠はないが、筆者としては、どうもそうなる予感がする。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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