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生涯年収「0円妻」、週3パートで「1620万円」逸失との試算
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150401-00014902-president-bus_all
プレジデント 4月1日(水)8時45分配信
■月5万円、妻のパート収入の絶大なる効果!
「私(妻)の収入は大したことありませんので……」
「妻の収入は小遣い程度ですから、あまり考えなくて結構です」
家計診断をしていると、妻のパート収入に対して、謙虚に話される方が少なくありません。
ところが、です。
妻のパート収入を侮ることなかれ。家計を強くするに十分なパワーを持っているのです。
断言しましょう。
月5万円のパート収入でも家計は見違えるほど変わります!
たかが5万円、されど5万円。
時給900円の仕事を週3日各5時間くらいやれば月5万円はゲットできますから、職種にもよりますが、労力としてはそれほどハードなものではないでしょう。
では、いくつか前提を置いて試算をしてみましょう。
(1)パート収入の合計
仮に33歳から60歳までの27年間、月5万円パートをコツコツと続けたとしましょう(子供が小さくても保育園などに預けられれば週にのべ15時間程度の勤務は可能という設定)。年間60万円(月5万円×12カ月)の給与収入であれば、現状の制度では税金も社会保険料もかからないので、まるまる手元に残ります(夫の扶養である前提)。
ということは、
60万円×27年=1620万円 家計に入る計算です。
1000万円単位で家計に影響するわけですから、この単純計算だけでも家計に大きく貢献することはお分かりいただけると思います。本当に、塵も積もれば山となるのです。これらを無駄遣いしては元も子もありませんが、後述するように有効利用すれば、家族全員の幸福度は確実アップするに違いありません。
■子供2人分の大卒までの教育費を払える
(2)住宅ローンの繰上返済
妻の月5万円のパート収入を、全額住宅ローンの繰上返済にあてるとしましょう。
「繰上返済」とは、毎回の決まった返済とは別に、元金を前倒しで返していくことをいいます。繰上返済した額に相応する利息の支払いがなくなることで、住宅ローンの総返済額を落とす効果があるのです。
住宅ローンの前提は、借入額2500万円、適用利率2%(全期間固定)、借入期間30年としましょう(月返済額9万2405円、総返済額3326万5753円、ボーナス返済なし)。
ここに年1回60万円の繰上返済を実行していきます。
仮に10年続けると(つまり、約600万円を繰上返済する)、支払わなくていい利息総額は約303万円にもなります。返済期間は8年ほど縮まる計算です。
さらに、続けて15年間繰上返済を続ければ(約900万円の繰上返済)、利息軽減効果は約350万円にもなります。このとき縮まった返済期間は約11年。当初、30年で組んだ住宅ローンは、20年もかからず返せるほどに短くなるのです。
変動金利で借りていればそこまで利息軽減効果はないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、繰上返済で元金を減らすことによって、将来の金利上昇リスクの影響を軽減する効果はあります。
また、いくら借入金利が低いとはいえ、大手銀行の普通預金金利が年0.02%の現状では運用して殖やそうと思ったら、相応にリスクを取らなければ実現できない水準です。
借入金利が低いほど繰上返済による利息軽減効果は限定的になるかもしれませんが、家計に恩恵があることには変わりありません。
他にもこんな考え方ができます。
(3)子供の教育費
人生の3大資金の1つである、教育資金(他は住宅資金、老後資金)。
家計運営で頭を悩ませる大きな支出です。これも妻のパート収入と照らし合わせて考えみましょう。
あくまで平均ですが、文部科学省の「平成24年度子供の学習費調査」等から幼稚園から大学までの教育費をみてみると、
幼稚園(私立)・小学校(公立)・中学校(公立)・高校(私立)・大学(4年制私立文系)
⇒約1151万円
これには「学校外教育費」といって、いわゆる塾や習い事等の費用は含まれています。
これであれば、(1)で計算した妻のパート収入(1620万円)で子供1人分の教育費は十分に捻出できる数値です。
仮に幼稚園から大学までオール公立とすると、教育費の合計は約742万円。2倍しても1484万円。パート収入で2人分の教育費カバーが見えてきます。
ちなみに、オール私立であれば約2076万円。さきほどの前提だとさすがにパート収入だけでは足りません。でも、65歳までパート期間をのばせば1920万円ですから、だいぶ近づけます。
■細く長く働けば、老後資金にも!
ただし、注意したい点があります。自分で計算しておいて何ですが、こうした計算はやはり“机上の空論”的要素があります。
注意したい点というのは、これらの計算の大前提にはパート収入が「純増」である必要があるのです。
現実問題、妻がパートに出たらどのようなことが考えられるでしょうか。
外出の頻度が増え、被服代、化粧品代、交際費、交通費などが増えるかもしれません。疲れて外食したり、出来合いのものを買ってきたりということも考えられます。
だとすれば、それらの支出も考慮して、家計にプラスになる収入が「月5万円」でないと、上記計算は成り立たない、ということです。
パート勤務に伴って新たな支出が発生することがいいとか悪いとかではなく、その点に注意しましょう、ということです。
とはいえ、パートに出れば家にいる時間が少なくなって光熱費が減る、買い物をする頻度が減ることで、かえってムダ使いが減る、というプラス面での効果もあるかもしれません。
いずれにしても、厳密に月いくら増えたかどうかを把握することが大事なのではなく、働いて得たお金をいかに有効に使えるか、です。
支出(お金の使い方)が健全であれば、お金はしっかり貯まります。理由は単純。収入は「使う」か「貯める」しかないからです。
▼50代から働いても効果は大きい
ここでは妻の年齢を30代として計算してみましたが、「私はもう40代だし(あるいは、50代だし)、そこまでの効果は期待できない」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
いえいえ、そんなことはありません。
もちろん30代に比べれば、その効果が小さくなってしまうのは否めません。しかし、45歳から65歳の20年間でも月5万円働くことができれば、合計1200万円です。50歳であっても、65歳までの15年で900万円になります。ちょっとした老後資金にもなりそうです。
月5万円のパート収入で家計がどれほど強くなるのか、お分かりいただけましたでしょうか。月々でみると決して大きな金額ではないかもしれません。でも、長く継続することで大きな力を持ちます。
ということは、妻の年収が200万〜300万円ともなれば、効果のほどはいわずもがなです。
「継続は力なり」
家計改善には、この言葉がピッタリな気がします。
ファイナンシャルプランナー 八ツ井慶子=文
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