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安倍首相の春
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52689050.html
2015年03月31日 在野のアナリスト
安倍首相が桜をみて一句詠みました。「賃上げの 花が舞い散る 春の風」これを聞いてすぐに散ったらダメだろう…と思いましたが、周りにいる記者は愛想笑いするだけです。個人的に添削すれば「賃上げの 花咲き乱れ 春うらら」なら、満点です。しかし現実との乖離から、それはどこ吹く風、というなら「賃上げの 記事は多いが 蜃気楼」なのかもしれません。
一方で、鳩山邦夫氏の主宰するメンバーと桜をみたときは「世の中は 桜の花に なりにけり」と述べたとつたわります。桜はぱっと咲き、ぱっと散る。バブルを意識してこの良寛の句を択んだなら、良識はあるのかもしれません。ただ安倍ノミクスは自然に咲いた花ではなく、人工的に咲かせた花です。栄養剤を打ちつづけ、満開になった後はムリが祟って枯れてしまう手法です。「世の中が 桜のように 散りにけり」となるかどうか、それは今年にかかっています。
中国の主導するアジアインフラ開発銀(AIIB)の参加締切日となりました。日米は静観ですが、英国から雪崩を打って各国も参加を表明した。極めて規模は大きくなりそうです。ただ北朝鮮の参加は拒否、と伝わりますし、経済的に不安定な国もあるなど、内容には問題もありそです。ただ日米は不参加、要するに中身をつくり上げる過程にはタッチできません。
そんな中、中国がユーラシア大陸を内陸、沿岸とで東西をつなぐ新シルクロード経済圏、一帯一路の構想をぶち上げました。インフラをつくれば産業が活性化する、という中国の奇妙な思想が色濃く滲みますが、治安が不安定な国を通過する際どうするか? さらに通関をどうするのか? 例えば自国の知らないうちに、国内を爆弾、もしくは化学兵器などの危険物質が通過する可能性もあり、そのため検閲を厳しくすれば利便性は頗る低下します。一帯一路は、夢想の段階ではすばらしくとも、現実的ではありません。それこそ中国は人民元を共通通貨とし、中国型の制度、経済政策を共通とする、TPPに対抗する新たな経済圏をつくりたいのであって、そこにAIIBの資金を効果的につかう計画なのでしょう。問題はインフラ整備が各国でも重い負担となったとき、中国に支える力があるか? という点です。住宅ローン規制の緩和など、中国から相次いで減速への対策が打ち出されていますが、落ちはじめた市場への処方箋となるかは不透明です。
日本の株式市場は年度を通じて、約3割ほどの上昇となりました。しかし今年に入ってからは値嵩株だけが上がり、先物で指数のみ吊り上がる状況となっており、決して健全な上昇局面とは言えない状況となっています。先物やオプションでは、日々異なる戦略に振り回され、値動きも粗くなっています。現物株も、材料がでると飛びついてストップ高、しかしその材料が、極めて不純なものも多く、単に「上げるから買う」という需給要因に大きく比重がかかり過ぎの印象です。
今年はまず4、5月に需給要因が崩れます。さらに夏ごろには、GPIFなどの準公的資金も、続々と需給を乱す要因となってきます。日本の企業の稼ぐ力が、本当についているのかはそのとき、大きく市場を左右するのでしょう。安倍氏は『我が世の春』を謳歌しているようですが、この『我が』はmyです。しかもこの春は、いずれ花散らしの嵐がくると、すぐ吹き飛んでしまうような脆さを秘めたままでもあります。それが中国から吹き荒れる黄砂なのか、それとも中東から吹きつけるアラブの春の風なのか。日本までつながっていたはずのシルクロードは、新シルクロードには入らないと決めた。どこから吹いてくる風かは分かりませんが、背伸びしている経済に、強い横風を浴びたときにどうなるのか? 安倍の春に花をつけるような植物は、ほとんど育っていない今、生き物も住みにくい場所に日本はなりつつある、といえるのかもしれませんね。
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