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<経済インサイド>「中国リスク」に新たな商機 「撤退」「代行」ビジネス続々、マッチングサイトも登場(ZAKZAK)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/773.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 30 日 14:35:05: igsppGRN/E9PQ
 

 消費が拡大する中国だが、進出に二の足を踏んだり、市場撤退を模索する日本企業も目立つ=中国・上海市


【経済インサイド】「中国リスク」に新たな商機 「撤退」「代行」ビジネス続々、マッチングサイトも登場
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150330/frn1503300830002-n1.htm
2015.03.30 夕刊フジ


 日本企業の中国離れが止まらない。商習慣の違い、模造品の氾濫、反日感情、人件費高騰…と、いっこうに解消されない「中国リスク」に嫌気がさし、進出を取りやめたり、市場から撤退してしまう例も目立つ。そうした中、中国リスクを逆手に取ったビジネスが相次ぎ登場している。

■商品販売を代行

 「日本の中小企業は中国に出たくても金もノウハウもない。そこで当社が代わりにリスクをとる」

 フォーエバー(東京都千代田区)の田中英一社長は自社の役割をそう話す。

 同社は1年前から、日本の中小企業の商品販売を肩代わりするサービスを展開している。中国で商品を販売するには、販売パートナー確保や商談、貿易手続きが欠かせないが、同社はそれらのすべてを代行。しかも、商品をいったん同社が買い取ってから売る形を取るため、顧客は事実上、同社に商品を卸すだけで済むという。

 顧客企業の商品は、中国・広州市で毎年春と秋に開催される「中国輸出入商品交易会(広州交易会)」にも出品。展示会に訪れたバイヤーとの商談を代行している。

 広州交易会は、世界210カ国・地域から20万人のバイヤーが参加する中国最大級の国際展示会だ。このため、「中国以外の国に売り込みたい場合も手助けできる」という。

 同社はもともと、中国人実業家の葉錦明氏が経営。田中社長は日本法人社長として、日本企業の顧客開拓を任されている。福建省に兄弟会社があり、現地のバイヤーをネットワーク化しているため、「中小企業が自ら販売しようとして失敗するケースでも、当社が販売すればうまくいく場合がある」と田中社長。買い取った商品の一部は、フォーエバーブランドのPB(プライベートブランド)商品として販売。すでに空間除菌商品と化粧品の販売に乗り出している。

■顧客はノウハウ乏しい中小企業

 今年夏には、日中企業のビジネスマッチングサイトも開設する。中国で商品を売りたい日本企業と、魅力的な商品を仕入れたい中国企業が、それぞれの言語で希望の条件などを入力。それを同社が翻訳し、ビジネスの仲介を行う内容だ。単に両者を自動的に結びつけるのではなく、ここでも同社が商談を代行し、交渉のスムーズな成立を促したいという。

 国内景気の低迷にあえぐ日本の中小企業にとって、世界の工場から世界の市場へと変貌しつつある中国が魅力的な市場なのは間違いない。とはいえ、2014年の実質国内総生産(GDP)成長率が24年ぶりの低水準となる7.4%にとどまるなど、ここにきて景気の減速傾向も目立つ。

 「日本企業の中国事業はバラ色どころか年々苦しくなっている。事業を売りたいとの相談も増えている」。そう話すのは、M&A(企業の合併・買収)の仲介を行う日本M&Aセンターの渡邊大晃・統括事業本部海外支援室副部長だ。

 同社では、以前から中国絡みのM&Aを仲介してきた。もっとも、それは後継者不足に悩む日本の中小企業が中国事業込みで会社を買い取ってもらう場合がほとんど。売却先も日本企業に限られていた。

 だが最近は中国市場からの撤退を視野に入れたM&Aが増加。一方で日本企業の中国における事業拡大意欲が衰え、買い手を見つけづらくなっている。渡邊副部長は「中国事業を切り出し、中国や台湾の企業に引き継いでもらう道も探り始めている」という。

■中国事業の切り売りを支援

 コンサルタント会社のケイエス(同中央区)は、市場撤退に伴い不要になった製造設備の処分を支援するビジネスを展開。販売先の紹介を行っているほか、一部は自ら買い取っている。同社もフォーエバーと同じく香港企業と連携し、販売先のルートを確保しているという。

 不要になった設備を日本へ持ち帰ることも不可能ではないが、輸送費などを考え合わせれば現地で処分するのが望ましい。しかし、たとえ買い手が見つかったとしても「中国元で支払われれば持ち出し規制がカベになる」と赤井嘉晴社長。廃棄するだけでも多額の費用がかかるため、従来は現地企業に泣く泣くプレゼントする例もあったという。

 中国商務省によると、日本から中国への2014年の直接投資額は前年比38.8%減の43億3000万ドル(約5050億円)と2年連続で前年を割り込んだ。日中関係悪化のほか、人件費高騰の影響も大きく、東南アジアなどに経営資源を振り向ける動きが目立つ。

 中国市場から撤退する際には、補助金の返還を求められたり、手続きに数年の時間がかかることも珍しくなく、進出時以上の労力が必要とされる。シチズンホールディングスが2月上旬に広州の時計部品工場を突然閉鎖、従業員の反発を招いたことは記憶に新しい。

 赤井社長は「撤退する企業に(製造設備の)売り先を見つける余裕はない。ここにきてどんどん相談が舞い込んでいる。今の中国の人件費では事業は成り立たず、撤退は自然な流れ。この傾向はしばらく続くだろう」と話す。


 

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