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「2000万人の貧困」“学生の借金1兆円”が映すこの国の歪み 「大学にさえ行けばいいなんて、イリュージョン」「今の公教育
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/767.html
投稿者 rei 日時 2015 年 3 月 30 日 12:11:41: tW6yLih8JvEfw
 


「2000万人の貧困」

“学生の借金1兆円”が映すこの国の歪み(上)


奨学金理事長
「大学にさえ行けばいいなんて、イリュージョン」


2015年3月26日(木)  中川 雅之

 日本学生支援機構の奨学金を受ける大学生は、2.6人に1人に膨れ上がっている。年間の貸与額は1兆円を雄に超える。卒業後、返済できずに破産する人も現れ、家計の教育投資はいびつさを増している。是正するためには何が必要なのか。日本学生支援機構の遠藤勝裕理事長に話を聞いた。
事前に厳しめの質問をお送りしていたので、実は取材を受けていただけないのではと思っていました。

遠藤:いや、そんなことはしませんよ。広報担当に私はいつも口を酸っぱくして、マスコミの皆さんから理事長にインタビューしたいと申し込みがあったら、いつでも出ていくと言っているんです。


(写真:陶山勉、以下同)
 最近は特に奨学金の延滞額が増えたりしていることで、いろいろな報道がありますでしょう。この間も九州のほうで、奨学金が返せず自己破産を申請された方がいるようですね。そうしたことから「日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の貸与を受けたら人生の終わり」とでも言わんばかりの報道も、実際に目にします。

奨学金はもはや社会インフラ

 でもね。そういう報道が蔓延してしまうと、「家が貧しいが奨学金を受けて大学へ行きたい」というような人が奨学金を受けなくなり、結局は人材の芽を摘むことになる。我々はそうしたイメージに負けずに、「教育の機会均等」の価値を訴えていかなくてはいけない。意欲があって、能力があって、ただ親の経済力がない。そういう子供たちのための制度であることを、しっかりと伝えていかなくてはと思っています。

日本学生支援機構は、日本最大の奨学金貸与団体です。2014年度の事業費総額は、予算ベースで1兆1745億円。そのほとんどの財源は元をたどれば公的資金です。今、大学生の2.6人に1人がその奨学金を受けている。この現状をどう捉えていらっしゃいますか。

遠藤:具体的な人数でいきますと、毎年、専門学校から大学院まで約140万人が高等教育機関で教育を受けています。新規に毎年、毎年、奨学金の貸与を受ける子たちが45万人ぐらいです。そしてご指摘のとおり、およそ2.6人に1人が私どもの奨学金を受けています。

 これだけ多くの人が奨学金を受けていることを考えれば、これはもはや日本の社会の根底を支える重要なインフラとして位置づけられます。

 逆に言えばそれだけ責任も重くなっているし、社会的に大きな影響力を持ちます。先ほどのような問題は確かにあります。完璧でございますなんて、私はとても言えない。直すべきことはたくさんあります。

返還不要の「給付」が望ましい

課題とはどんなものですか。

遠藤:私はJASSOの理事長ですが、経済同友会にも参加しまして、そこでは一貫して教育関係の活動をしています。リーマンショック後にそこで提言した内容とも重なってしまうんですが、奨学金制度の中で最も変えなくてはならないのは、現在の貸与型から給付型への移行です。経済力の弱い親、その子供たちを救うという観点からすれば、奨学金は給付型こそあるべき姿です。返さなくていいのですから。

国としてかけるお金が少なすぎる

 そもそも日本は国として高等教育にかけるお金が少なすぎます。OECD加盟諸国の中で、GDP比で下から2番目です。一番下は韓国ですが、ブービーを競っているような場合ではない。

 GDP比で見ると、これはご想像のとおり上のほうは北欧諸国が占めます。彼らは授業料は原則ただ、高等教育機関へ進む人間も少ない、高い消費税率と、条件が大きく違うのですぐに日本がマネできるわけではありませんが、何とか高等教育費の家計負担を軽減しなければならない。そのためには、返還義務が生じる「貸与」では不十分です。

 この問題意識は文部科学省とも共有しているつもりです。しかしながら国の財政状況がこういう流れですから、一足飛びに給付型奨学金制度の創設には行かず、「所得連動返還型奨学金制度」を導入しました。一定の年収になるまでは返還しなくていいという制度ですね。これが一種の貧困対策になるのはお分かりいただけるでしょう。

 ただ、あくまでこれは給付型へ移行する途中過程の姿です。給付型を目指すべきというベースは変わりません。

選別するしかない

給付型にいけばいくほど返還金がなくなるわけですから、当然制度を回すのが難しくなります。対象人数か額を減らさない限り、財源を圧迫していきます。大学進学率が上昇する中でどう両立させるのですか。

遠藤:それこそ、非常に重要な論点です。今、専門学校を含めた高等教育進学率は55%を超え、60%近くまでになっています。その中で大学生の学力低下が問題となっています。

 ご質問にひらたくお答えしてしまえば、給付型では確かに今のように誰でも彼でも対象にするというわけにはいきません。高等教育で勉強する非常に優秀な能力がありながら、親の経済力により高等教育機関での教育を受ける機会がない子供たちを救済するといった目的を追求しなければなりません。要するに選別するんです。

 今の1種(利子なしの貸与)と2種(利子ありの貸与)にも成績基準がありますが、これは高校段階での成績を基にしています。でもこれは、例えば進学校の成績と進学校でない成績とかを区別していない。どの高校でも、その中で平均3以上とか、3.5以上とかにしているわけです。

 つまり平均的な高校生であれば、高等教育機関にいけばもう誰でも2種の奨学金は受けられる状況です。これでは、本当の意味で優秀な学生を選定するのは難しい。

 だから例えば、センター試験など同一基準で一定レベル以上、上位何%以上とか、そんな成績基準が当然なければいけないということです。予算レベルは落とすべきではありません。この何年かは1兆2000億前後で来ていますが、この規模は維持して、その財源が有効に使われるような仕組みにしていかないといけないということです。

先ほどの未返納問題の本質というのは、高等教育がいわゆる本人の「稼ぐ力」に連動しにくくなってきていることにあると感じています。雇用の非正規化、精神的な問題など要因はさまざまだと思いますが、そうした現実には問題を感じていますか。

誰も彼も大学に行くのが人生ではない

遠藤:また同友会の話になって恐縮ですが、提言の中にこういう一節をつくっています。「誰でも彼でもが高等教育に進むのが人生の選択であろうか」とね。人にはそれぞれ持っている能力があり、それを生かした選択をすべきです。


 ところが、今はまず高等教育に行きたいというような話になってしまっています。お聞きになりたいのは、高等教育のレベルに達しない人も奨学金を借りて卒業していくから、ふさわしい職業につけない。だから返還もろもろの問題を生じさせているということですよね。否定しません。それは一面の真実だと思います。

 ただ私が理事長として常に頭においているのは、教育の機会均等です。これは憲法第26条、教育基本法の第4条に定められていて、日本学生支援機構法の第3条には「憲法と教育基本法の精神を業務目的として反映せよ」となっています。私にできるのは、JASSOの持つ奨学金貸与機能をいかに有効に使うか、ということなのです。

ここまで「広がってしまった」

 高等教育とその後の所得が必ずしも連動していないからといって、ここまで制度的に広がってしまっています。その中で「あなたたちは高等教育を受ける資格はないから奨学金の対象外」とすぐにはできません。

 そこから出てくるもろもろの問題というのは当然あります。要返還者の数が400万人にも達していますから、仮に延滞率を「不良債権比率」とみて、メガバンククラスの優良な金融機関と同じ3〜4%としてもそれだけで12万人になるわけです。そこに対してどういうセーフティーネットをつくっていくかということも私どもの課題になってきます。

奨学金頼みの大学経営

 もう1つね、「じゃあやめちまえ」とできない構造的な理由があります。そちらの視点は「貧困の連鎖」の防止ということだと思いますが、学校の経営問題もあります。奨学金は生徒の懐を経由して学費になるので、大学経営を間接的に支えているのです。

 私どもの奨学金規模は、国立学校が受け取る運営費交付金を上回ります。それ以上に大切なのが私立大で、例えば1年間に一番大きい私立に対して私どもは、200億円も貸与している格好になります。奨学金制度がなくなったら、一番はじめに学生が困りますが、ほぼ同時に学校経営が立ち行かなくなる。

 ここまで大きく育ててしまった制度は、冒頭申し上げたように社会的な重要なインフラとしてこの日本の社会に組み込まれてしまっている。これを今そっくり外してしまったら、大混乱が起きる。原理原則は、今の貸与の仕方はおかしくて給付型になっていくべきです。ですが、その混乱を少しでも小さくするような対応を我々はやっているわけなのです。

大学は多すぎる?

そもそも大学が多すぎるという批判は強くあります。大学設置の許認可も問題になりますが、ご意見はありますか。

遠藤:それは私の立場でお答えすることではありません。文科省ですよね。

分かりました。ではより直接的にお尋ねしてしまいますが、家計を圧迫するほどの支出をするほど、高等教育は本当にみんなに必要でしょうか。

遠藤:そのご質問には、本音では本当に答えにくいのです。ただ、こういうお答えではどうでしょう。

 多くの方が大きなイリュージョン(幻想)の中で生きているのだと思います。いい会社に入れば、子供は幸せである。そのためにはいい大学に入らないと。だから、みんながみんな大学に入ろうとする。もしくは親が入れようとする。

 親は誰でも子供の幸せを願います。しっかりした社会人に育っていって欲しい。だから教育する。それは当たり前です。でも、大学に行くことが本人のいい暮らし、幸せな生活に結びつくかといえば、現実は必ずしもそうではない。そうではないけれども、幻想の中から出て行くことができない。

 例えば手に職を持つとかITスキルを磨くであるとか、今だって現実に、高等教育を受けなくても収入を得ている人はたくさんいます。発想の豊かさなどで生きていくことだって、本当はできるんです。でもそうした現実ではなく、大学に行くことがいい収入を得る最善の道であるという幻想からぬけられない。その歪みが今起きている問題なのだと思います。

大学の教育機能、能力開発機能にも大きな問題があります。

遠藤:そうですね。我々も、奨学金の貸与を受けて高等教育を受けた以上は、そこに伴う学生としての義務というものもこれからは強調していかなければいけないと思っています。返還義務を果たすだけではなくて、きちんと奨学金の貸与を受けて成長するという責務です。

「4年間何をしていたのか」

 自分自身をレベルアップする。「大学を卒業したけれども職が無い」という人は増えていると思いますが、それは「社会が悪い」となりがちです。景気変動で揺れが大きい新卒一括採用に対する批判もあります。

 その面が無いとは言いませんが、じゃああなたはその4年間、あるいは大学院までの6年間で何をしていたのかと。自分で一生懸命レベルアップしたのかと。学校側もそれで学費を得ているのだから、奨学金を受けている生徒に十分なサポートをして欲しい。そうしたことをもっと求めていかなくてはいけません。

 大学の先生方に私はよく申し上げるのですが、進学率が55%ということは、残りの45%は社会人として働いているわけです。ざっくりとですけどね。奨学金の原資は税金です。国民の負担です。同じ世代の45%の仲間たちが汗水垂らして働いて収めた税金の上に、学生があぐらをかいていいのかと。そういうことをやはり奨学生は忘れてはならないと思います。

奨学金返還の延滞率を大学別に公表するという方針を出されています。

遠藤:2016年度からと話していますが、まだ現実問題としてそれがどういう意味を持つかというのを、各学校は経営として認識していないと思います。

衝撃的だと思いますが。

遠藤:していないと思うんですよ。というのは、これは大変なことだと認識していたら、もっともっと我々に協力して、延滞率低下のために学校として行動しなければいけないですよね。延滞率が高いということは、就職率が悪いということにつながってしまう。それは「この学校を出ても稼げない」という話になり、経営に関わる問題のはずです。でも動きは鈍い。

東大より医学部より延滞が少ない学校

遠藤:少し話が変わりますが、今我々のところで一番延滞率が低いところはどこだと思いますか。

どこでしょう。東京大学ですか、それとも医科系?

遠藤:いえ、高等専門学校です。高等専門学校の子供たちは5年間必死に勉強して、手に職をつけて、社会に巣立って引っ張りだこになります。ですから延滞しない。もちろんその中で会社が不幸にして業績不振になって失業するとか、そういうのはありえます。でもそうしたケースはセーフティーネットがありますからね。

雇用のミスマッチが深刻化した背景には、進学率上昇によるホワイトカラー志向と、あとは1億総中流の中で培ってきた親世代の影響が指摘されます。

遠藤:私は1945年生まれですが、自分のときの大学進学率は20%を切っていました。私は板橋第一中という区立の中学校ですけれども、40人ちょっとのクラスメイトのうち12人が中学で就職していました。

引け目が育てた「せめて大学に」

 そういう時代からその後、進学率が上がっていったと言っても、例えば東京オリンピックの1964年から第1次オイルショックまでの間の進学率というのはまだ30%前後ですよ。つまり、「1億総中流」を支えた企業戦士の人たちは、7〜8割は大卒ではないですよ。


 日本が戦後の復興から成長、発展していく過程の中で、大学進学するのは限られたエリートのような時代があったわけです。その世代では高等教育を受けられなかった引け目のようなものが、多くの人にある。自分の子供には高い教育をという流れで進むうちに、今のように「せめて大学だけは出てちょうだいよ」という価値観が一般的になったのだと思います。

 でもどうなんでしょうか。感覚的ですが今の子供らは、上の世代ほど大学に行くことに価値を見出していないように思います。そのせいか、親の過大な期待に子供が適応できなくて、家庭に問題が起きるケースがあるように思います。

何のために大学に?

 大学進学に実際は価値を感じていない、あるいは価値があるはずだと信じているだけの人たちによって、イリュージョンが作り上げられています。これをどうにかしなくてはいけない。何のために大学に行くのかという当たり前の問いが、なされていないのです。

 例えばアメリカでは大学生の4割が25歳以上の成人であり、大学生の3分の1が働きながら大学に通っています。さらに言えば、こうした人の中で若い時期にはそれほど勉強しなかった人も少なくない。一度社会に出て、勉強や学問、研究の必要性を実感した後からでも改めて大学に進学してもいい。高等教育を欲する動機がなければ、授業も無用の長物です。

特に大企業を中心に、学歴偏重の採用がされていると多くの人が思っていると思います。この功罪についてはいかがでしょうか。

遠藤:同友会のほうで一番力を入れているのは「どういう人材を求めているのか」を、家庭にもっともっと浸透させないといけないということです。私もいろんな企業トップに会いますがみんな「大学の名前で人材は採用していませんよ」と言います。表向きの発言に聞こえるかもしれませんが、実際に通年採用なんかは多くの企業で当たり前になっています。多くの社長さんが「いいやつがいればすぐ採る」と言いますしね。

「東大、何人取れた?」はやめよ

 問題は、その「いい奴」の中身を伝えられていないのです。だから「結局は学歴」という風に学生も保護者も思う。そうじゃなくて「うちはやる気とまじめさのほうが学歴より重要」とか「大学で何を学んだかが重要」とか、なんでもいいんですが「これが採用のときの一番見るポイントだよ」ということを伝えなきゃいけません。それが無いから、学生がそれに合う能力開発に懸命にならない。

 ああ、でも思い出しましたけど経営者も懲りてないな。企業経営者はさっき言ったような態度だけど、実際採用にあたる人事担当課長さんなんかに聞くと、経営者に「何だ君、東大は何人しか採れなかったのかね」とか言われるらしいですね。結局、それが評価軸なんでしょう。これはやめないとどうしようもない。

選抜の方法自体も、そのメッセージが伝わるように変わらないといけない気がします

日銀が「得意分野」について聞くわけ

遠藤:自分が居たから言うわけじゃないですけど、変な話、日銀はペーパーテストが一切ないのです。全て面接です。私なんかも最後の役員面接までに3回か4回か。それだけ。今もそのはずです。

 もちろん基礎的な学力については面接のときに確かめられますけれど、一番大事なことは4年間何をしてきたか。何を勉強してきたか、ということです。

 僕も何回も採用担当官やりました。人事から何を言われるかと言うと「相手の学生の一番得意分野について聞いてください」と。なぜか分かりますか? 落とす場合も、得意分野で答えられなければ言い訳のしようが無いからです。学生自信が納得する。実力が無かったんだと。何だかわからないけれども落ちた、というようなことだけはしないでくれとね。

なるほど。

遠藤:でも時々とんでもないのがいてね。日銀だってのに「得意は日本文学です」なんていうのが出てくると……。何を聞けばいいかこちらが分からない(笑)。でもあるときの新入行員で、東京工業大学の河川工学なんていうのがいました。しかも女の子なんです。この子は誰がどうやって採用試験をやったんだろうかと思いましたよ。河川工学の知見を確かめられる質問って何ですか(笑)。でも、非常に優秀だったですね。

「今の公教育は異常。異常を拡大するな」

“学生の借金1兆円”が映すこの国の歪み(下)

2015年3月30日(月)  中川 雅之

 学生の2.6人に1人が受けるようになり、いびつさが露わになった奨学金。それが示すのは公教育の機能不全と、拡大する金利リスクだ。日本学生支援機構の遠藤勝裕・理事長へのインタビュー後編。(前回記事はこちら)
国立大文系の授業料は1980年頃に約18万円。それが2013年には53万5800円とほぼ3倍、私立文系でも約30万円が約73万円と2.4倍になりました。多くの家計が奨学金を当てにしなければならないほどに、教育費は膨張しています。


(写真:陶山勉、以下同)
遠藤:親の世代と費用が大きく変わっています。それを予想して資金計画を立てていればいいですけど、さすがになかなかそうもいかない。今、年収が500万〜600万円、もしくは700万円と、平均水準を大きく上回っていても、どの家計も教育費でめちゃくちゃ苦しいですよね。

年収で生活の苦しさは語れない

 というよりも、年収水準では全く測れないわけです。例えば地方で年収400万円と東京で年収500万円なら、物価などが全然違うわけですから、一概には言えませんが500万円の方が恐らく暮らしぶりは貧しいですよね。でも、じゃあ地方に住むのがいいかと言えば、地方は疲弊しているし、そこの親の経済力では、東京の大学に行かせて子供の学費と仕送りを負担するのは大変です。すると、地方の子供から高等教育の機会が失われてしまう。

 高校無償化の議論があった時に、政治家が所得制限で910万円とか、900万円とか言っていましたが、正直言って「何を言っているのだろう」と思いましたよ。この人たちはサラリーマンをやっていないから、こんなことを言うのだと。東京でサラリーマンをやっていたら、900万円だろうが1000万円だろうが、子供を2人抱えていたら大変だと。子供の教育費のためにたばこをやめたなんていう仲間は、私の周りにもいっぱいいますよ。

義務教育や高校でも実際には家計負担が重く、親の所得格差がそのまま子供の学力格差になるということが指摘されています。

遠藤:そうですね。現在、公立小中学校の授業料はタダですね。所得制限がありますが高校も無償化でタダ。ですからそういう意味では、初等、中等教育段階では学校の先生の給料も含めて、かなり国のお金はかけられているのです。義務教育負担で文部科学省の予算は毎年何兆円とあります。

学力は高まっているのか

 ただ大きな問題は、そこでどれだけ子供の学力が高まっているかということです。高校の話になってしまいますが、経済同友会で提言を出した時に高校の教科書も全部チェックしました。久しぶりに読んでみたら、3年間でこれをきっちりと本当に勉強したら、社会にそのまま通用すると思いました。誰でもそう思うと思います。

 つまり学ぶ機会は今、相当程度保障されているんです。なのに、家計は教育にもっとお金を使おうとするわけですね。

 
塾代や受験料を助成する自治体

私も東京で子供を育てていますが、この「貧困」の取材を通じて初めて知って、大変驚いたことがあります。東京都には「受験生チャレンジ支援貸付事業」というものがありますね。一定水準以下の低所得世帯の中学3年生や高校3年生を対象に、学習塾代や受験料を貸し付け、見事合格、入学すれば返済を免除する仕組みです。現実問題として、これが必要なのは理解できます。あるべきだとも思います。でもこれは裏面から見ると「義務教育課程では十分ではない」と行政が自ら宣言しているようなものです。

遠藤:大変重要なご指摘だと思います。本当に大事なのは、教育にお金がかからなくなることではないですよ。それも大事なのですが、公で保障された期間にしっかりと学力を身に付けられることです。それができなければ何年学んでも意味がない。公立の小中学校のレベルアップ、ここからスタートしていく。もう一度「公教育とは何か」という原点に戻らなければなりません。

公教育の充実に投資を

 小中学校段階での公教育が充実されれば、無駄にお金をかけなくても済む人が増えるでしょう。日本の再生ということでいくと、その原点に戻るべきだと思いますね。今の状態が異常だという前提でいかないと、異常の拡大になってしまう。取材テーマは「貧困の連鎖」だと思いますが、それを防ぐためには小中学校段階の教育のレベルアップをもう一度、声を大にしてやらないといけないと思います。

 でも一方で、幸いなことに今、東京都も含めて公立学校への回帰というものはがんがんやっています。変な話ですけれども、経済的に苦しい親が増え、私立学校に小中学校段階から入れられなくなったために、公立学校に求められるものが高まってきたのかもしれません。逆説的ですけどね。

私立で進む人材同質化

開成高校など有名私立のトップ校も、入学者が同質化してきて苦悩していると聞きます。

遠藤:そういう話は耳にはします。もちろん全員がそうではないと思うので、誤解があってはいけないと思いますが、麻布だ、武蔵だ、開成だというところに行かせられる親というのは、みんな教育レベルも高くて、年収レベルも高くて、画一的な子供たちだけが集まってくると。

 親の笑顔が見たいから、という理由で勉強する子供も多くなっているように思います。それは本当の勉強なのかなと思うのです。

 私立の話でなくなってしまいますが、僕は去年、ある都立の中等教育学校の入学式で挨拶をしました。都立の中等学校をつくったというのは、私立の都立版をつくるのではなくて、公立学校の授業料で、中学段階からハイレベルの教育を受けられる場を提供するというのが趣旨です。だから、我々もそれはいいのではないですかということでサポートしているのですけれどもね。

 でもそしたら、そこで生徒が「ママ」なんて手を振るような感じでね。親もそれはうれしそうな笑顔ですよ。うまく言えないんですがハイレベルの中等教育が、小学校の延長線上かと。あれはショックでしたね。

これから教育費を負担していく身としては、少なくとも「地元の公立中学は荒れているから、別に教育熱心でもないが、私立に娘を行かせざるを得ない」とか、そういうのだけでも回避したいですね。

遠藤:絶対そこは直していかなければいけません。東京都の公立中学校の一番の間違いは、中学校の学校選択制だと思っています。これは大問題でして、公立の中学校でありながら公平不公平の問題が出てきてしまう。

 親は自分の子さえいいと思われるところに通わせればいいと思うかもしれませんが、行けない人はどうすればいいのか。中学校の段階までは地域と密着していなければいけないと思います。


話が変わりますが、奨学金には金融という側面があります。日本銀行ご出身の理事長から見て、金融的な観点から課題などはありますか。

遠藤:私は30年日本銀行に勤めていて、その後、兜町で証券会社の社長などをやっていたのですけれども、基本的に中央銀行の役割というのはインフレ抑制なのです。インフレにするのではなくて、インフレ抑制なのです(笑)。

(笑)。

最も心配なのは金利リスク

遠藤:経済的弱者をより弱者にしないための政策というのが、インフレ抑制です。そういう問題意識でずっと私は日本銀行で働いてきたんです。私を理事長にしたのは、簡単に言えば文科省の人なわけですが、日本銀行出身の私がなぜ引っ張られたかというと、そういう面があるのではないでしょうか。

 もちろん実務的な理由もあります。奨学金事業というのは、調達リスク、金利リスク、そうしたリスク想定ができなければいけません。法的な面での債権管理をどうするかというのもあります。少し考えれば当たり前ですが、金融的な枠組みでものを考えることができる人間でないと、なかなかマネジメントできません。これは4年間やってきてよく分かりました。

 それでね、私が今心配しているのは金利リスクです。リスク管理はいろいろなシミュレーションをしなければなりません。で、それをこの機構でもやるわけですが、今の低金利情勢というのは異常です。しかしその異常な金利を前提にして、今の2種(利子あり貸与)の金利構造というのはでき上がっています。

 それが仮に1%上がったらどうするのか、2%になったらどうするのか。そういうことでやっています。でも、これは仮の話ですが、将来例えば貸与型の奨学金で、返済期間10年、20年で年利5%だとか、6%なんてなったら、貸与型の奨学金はできません。でもできないとなったら、お話ししたように(前回記事)学生も大学も大混乱する。そこまでいくと本当に破綻への道だなという感じですよね。

大げさに言えば国家的なリスク要因だということですか。

遠藤:金利リスクが現実になってしまった場合、何をするかといったら、国家財政で何千億円を投入して、例えば市場金利が6%の時に貸与金利は2%に抑えるとか、そういうふうにしないといけません。当機構にも民間調達がありますから、民間調達金利が6%、7%になったら、その金利差については財政投入すると。奨学金制度を維持するのであれば、そうせざるを得ない。でもそれは、国家財政を圧迫します。そうした問題提起も、私の役割なのです。

優秀層に原資の半分、困窮層に半分

もし仮に、今の事業規模である1兆円超を自由に、もちろん教育の目的でお使いになれるとしたら、どのように使いますか。

遠藤:半分の5000億円は、年収制限を無くした給付型奨学金ですね。成績の上位者に対して、明確なメリットを提供して、学習意欲をかき立てるのです。それを実現するためには統一テストの実現なども必要ですが、ともかく、優秀な人材に適切な教育を与えるために半分を使います。

 韓国の学生を見ていると、変な大学へ行くようだったら手に職を付ける専門学校へ行きたいと言うんですよね。あそこもものすごい学歴社会だというイメージがありますが、就職率がものすごく悪いですから、手に職を付けたいというニーズが強いわけです。

 日本もそういう意味では、これからの奨学金制度の充実ということで考えると、社会に出てから何を学んだかというのが明確に分かるようなところにもっと奨学金のウエートをかけていくことも必要かもしれません。奨学金は公的な資金が原資ですから、それを有効に生かすという観点からは、考えた方がいいと思います。

 で、残りの半分は弱者救済ですね。同じく給付型でやりますが、親の年収が400万円以下だとか、両親がいないだとかそんな子供を対象にします。で、こちらに対しても成績基準はより厳しく持っていきたいと思います。

公的資金を有効に

より投資効率を重視するということですか。

遠藤:現実には、申し上げたように社会インフラとしての役割があります(前回記事)。でも先ほどのご質問は「遠藤さんも(膨れ上がってしまった奨学金という現状から離れて)フェアな白紙状態でやりたいでしょう」という好意的な質問と理解しましたよ(笑)。

 本来は国の競争力の付加価値を高めるために、国の税金でやっているわけですから、どこかで効率を考えなければいけません。お金をどう使うのが有効なのかということは考えねばなりません。

その結果として、大学の数が減り大学生も減りますか?

遠藤:それは政治の世界から言ったら、絶対にタブーの世界に入ってしまうのですよ。現実には今55%の進学率で来てしまっている専門学校以上の、いわゆる今の高等教育をどう制度としてきっちりと運営していくかということになってくると思います。

 本当に白紙で、別の組織で仕事ができれば一番理想ですよね。しかしながら、現在の日本の奨学金制度を考えれば、この枠組みの中でしっかりマネジメントしないわけにはいきません。

日本では基本的に、教育は個々の家庭の問題と考える傾向があるように感じます。


遠藤:結局は、金をどういうふうに教育部門に投入するか、ということです。全額ではないでしょうが、奨学金が家計を経由して学費に使われることを考えれば、授業料を直接学校に入れるということもあります。それもあるし、僕が提言したいのは、企業のできることとして、返還金の給料天引きです。

 企業独自の給付型奨学金制度の充実、創設も有効です。それと同時に当機構に対する協力として、給与天引きができないかと。我々としては延滞がなくなるのがもちろんありがたい。人材は社会の資産であって、教育はそれを支える基礎的な仕組みです。技術的には簡単なはずですし。ここまで広がってしまった奨学金について、もっと家計以外も関わっていいのではないかと思います。

日本に格差はある

それにしても奨学金という1つの切り口から、日本の社会のいろいろな問題点が浮き彫りになる印象があります。

遠藤:今年の初め、年頭の職員向けあいさつで経済学者のトマ・ピケティ氏の話をしました。ピケティというフランスの経済学者がいると。格差の問題をずっと論じている。ピケティの理論がそのまま日本にすぐ当てはまるかどうかは分からないけれども、これから恐らくピケティは日本のマスコミでも相当騒がれるであろうと。

その通りでした(笑)。

遠藤:現実に格差は日本に存在する。存在すればするほど学生支援機構の役割は重要になるということを言いました。そこでもう1つ改めて日本学生支援機構の名前について話したんです。

奨学金は公的サービス

 略称の「Jasso」は「Japan Student Service Organization」の頭文字です。でも日本名を直訳すれば、支援機構ですから「サービス」ではなくて「サポート」ではないのかと思いませんか。わざわざ「サービス」にしたのには意味があるんです。名称は設立時に有識者に集まってもらって決めたんですが、有識者というのもすごいんですよ。座長はドナルド・キーンさんでした。

 「Student Service」というのには、我々はパブリックサーバント(公僕)であるという認識が込められています。親方日の丸ではなく、公的サービスを提供しているのだと。今日の取材を受けて私も改めて思ったのは、我々のサービスが何を提供しているのかと言えば、記者さんが言われた通り「貧困の連鎖の防止」でもあるわけです。だからこそ、様々な問題が分かるのではないでしょうか。

 高等教育がそのまま付加価値への投資になった時代がありました。我々はそれをサポートしていた。しかし時代が移り、サービスの役割も変わってきたのでしょう。

 だから先ほどの「1兆円あったら、遠藤さん、どうする」という質問は良かったですね(笑)。日本の将来のために、本当に優秀な学生をより優秀にするインセンティブを与える。それから、親の貧しい人たちを救うためにも使う。パブリックサーバントとしての役割が鮮明になります。

このコラムについて
2000万人の貧困

日本を貧困が蝕んでいる。月に10.2万円未満で生活する人は日本に2000万人超と、後期高齢者よりも多い。これ以上見て見ぬふりを続ければ、国力の衰退を招き、ひいてはあなたの生活も脅かされる。

日経ビジネス3月23日号に掲載した特集には収められなかったエピソードやインタビューを通じて、複雑なこの問題を少しでも多面的に理解していただければ幸いだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150325/279151/?ST=print  

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コメント
 
01. 2015年3月30日 17:35:58 : 0Dv68fzSLU
公的機関が奨学金を支給すること自体が問題でしょう、不公平になる。
奨学金は廃止してすべて銀行融資、教育ローンにするべきではないか。
企業、官庁、病院は優秀な従業員、公務員、医者に奨学金を支給して、大学、大学院、研究所に行かせれば良いんだろう、これなら文句はない。
奨学金が返済できないで困る人、その親(連帯保証人)は自業自得だよね。真面目に返せよ、税金なんだから。
将来を展望すると奨学金制度は破綻する恐れが高い、何せ、労働者の給料は相対的に減少するから、奨学金を返せるほどの高い給与を受け取るものは同世代の1割にも満たないであろう。

02. 2015年3月30日 19:26:42 : 7l81kigTlo
奨学金を返せない人は自衛隊に入りなさい。by安倍自民党。

こういうことが検討されている。実質徴兵制。


03. 2015年3月31日 01:17:54 : OqVH4tJpXQ
気になったのでズケーと一言書き込み。
何か聞いている話と掲載されている内容とがずいぶんと違うような。
貧困家庭の可哀想な苦学生 というイメージだけを刷り込みたいようですね。
奨学金は本当に必要とされているような学生さんには渡らないのではありませんかね。

母子家庭では今でも多分駄目でしょう。
例えば親父がいて高給取りの場合はスカスカ貰える。
高級官僚や公務員や教職員や大企業のサラリーマンもどんどんいらっしゃいでいくらでも提供しますよ、、、という感じだと聞いています。
はたしてこの人たちの子供が本当に奨学金を必要とするのか大変疑問ですね。
それも高校生位からでもOK.
あちら方面の方も同じでスカスカ貰える。
専門学校でも同じらしい。
有名大学校に入学したら貰える金額も多くなるそうな。
従って自腹をきったことも無いような状態で卒業される学生さんもいるそうな。
定職に就けば返済する必要が発生しますが月々の返済金は3千円とか5千円でもいいそうな。
死ぬまで払い続ける必要があるらしい。
しかしお陀仏になれば一件落着で残金があってもチャラでお構いなし。
保証人がいても法定期間が過ぎれば保証人には責任は無い。
会社を辞めて無職になればこの状態を説明するだけで返済は一時停止されるそうな。
また働き始めたら返済すれば良い。
返済状態が認められたら不良債権にはならないらしい。
こんな状態でなぜ 地獄 になるのでしょうか。
何か別の隠れた意図があるんですか。
一度でも貰っている方は全てご存知のはず。

もっと凄いのが公費留学制度らしい。
どういう基準かしりませんが海外での学費やアパートメントの金まで貰えてしかも返済義務も無いらしい。

誰か知っている人がいたら本当の所を教えてほしい。
聞いた内容では現実と全く異なりますね。
皆様あるいは知っているのに演技しているんですか。
あるいは聞いた内容が可笑しいのでしょうか。
現在実際に行われている状態を知りたいし阿修羅でも多分希望する方も多いはずですね。
浮世から離れた建前の架空の話なら止めた方が罪が無くていいと思いますよ。
奨学金は貰わな損損という人も確かにおられるというようにも聞いていますよ。

投稿者 rei さん是非宜しくお願いいたします。

それと大学にさえ行けばいいなんて、イリュージョン、、、も同じで有力なコネクションがあれば三流大学出の馬鹿でも楽に就職出来るのも今や世間一般の常識でしょうね。
従って大学教育を教える側の教授連中の知的なレベルも現状ものすごく劣化しているというのも誰でも今では認識していると思いますよ。
これもついでにお願いいたします。


04. 2015年3月31日 16:40:28 : iM31gg2zto
官僚の天下り先の日本学生支援機構は廃止して無駄な経費を削減し、そのお金で
奨学生を数百人増やしたほうが「教育を受ける権利」の平等に近づく。

年間予算(税金)をあしなが育英会に委託したほうが有効に使える。

日本は官僚の食い扶持があまりに多すぎる。


05. 2015年3月31日 22:32:24 : fDG1cWsHyw
これが真実

鳥 @KabaD4545
フォローする

就職する学生の皆様、今日が最後の自由な1日です。これから約40年自由な時間などありません。休日でも電話が鳴れば出勤です。台風が来ても通勤です。休講などありません。毎日が仕事、仕事、仕事です。日本人に生まれた時点で人生の半分は仕事なのです。最後の1日、皆様どうぞお楽しみください。
2015年3月31日 00:13

https://twitter.com/KabaD4545/status/582561192616460288

つまりこれを避けたいが為にサヨクごっこで運動家活動家を気取ってるわけなのです


06. 2015年4月01日 00:39:26 : CS3gSRLWLw

だいたい大企業は、残業代ゼロ法案や非正規を増やしていったのだから、大企業に就職するのは辞めた方がいい。

5兆円近い軍事費を削れば、給付型の奨学金制度を導入できるでしょう。

お金の問題は、解決しました。

本当に貧困の意味を分かっているのかな?

今や公務員だって、返済義務のある奨学金を借りていたら子どもが持てない時代なのよ。

一人親世帯の子どもなんか悲惨ですよ。

食事は一日一食や二食で、ネットカフェに暮らしている親子もいます。

学力がどうとか、ふざけないでほしい。

子どもは、平等に教育を受ける権利があります。

暖かい布団で寝ている人たちには、分からない。
経済同友社?ああ、改憲賛成しているところだ。

で、子どもたちをそんなに戦争に行かせたい?


07. 2015年4月01日 00:55:36 : CS3gSRLWLw

それと、大学出ても就職出来ないとか本当世間知らずなんだから困るわね〜

あのね、貧困家庭で育った子どもは、例えば親が生活保護を受けて育ったこどもは、教育水準が低いから大人になっても生活保護を受けるのよ。

貧困の連鎖は止まらない。

今や非正規が38%よ。

これから残業代ゼロ法案などを通したら、ますます貧困が増えて、学力がどうのなんて言っていられないわよ。

まったく、世間知らずで困るわ。


08. 2015年4月01日 01:26:35 : CS3gSRLWLw

日本経済をそんなに良くしたいのだったら、大企業を潰して、300兆円の内部留保を中小零細企業にばらまいて、99%の国民にお金を遣ってもらえれば日本経済なんてあっと言う間に良くなるわよ〜

えっ?そんな事も分からない?

もう、黒田総裁といい、円安にすれば日本経済よくなると思って、世間知らずなんだから〜


大企業潰したら技術力が低下するって?

大丈夫、大丈夫、日本の中小零細企業は、大阪は「 宇宙探査機のはやぶさ 」を飛ばすし、東京の下町は「 海底探査機 」造れたし、大企業なんていらない、いらない。

これで就職率もアップするし、日本経済はよくなるし、一石二鳥だわ。

給付型の奨学金を内部留保から遣えば、一石三鳥だね。


09. 2015年4月01日 14:01:56 : rrhrFN6JLd
日本学生支援機構(シロアリ)=サラ金。

10. 2015年4月01日 21:49:37 : IwEO3Q5rQQ

慈善の名を借りた偽善、あしなが育英会。
2005年07月03日 12時40分50秒 | あしなが(この記事に注目する人が多いので
※重要な補足
コメントを書く前に、この記事の日付を確認してください。
この記事は最新の内容ではなく、昔に書いたもののため、現在のあしながの状況とは異なっているのかもしれません。現在のあしながはこれらの記事で挙げた批判のいくつかが改善されている可能性もあります。そのため、あしながについて支援の是非を考えるときは、必ず現在のあしながをご自身の目で確認してください。
ただし、この記事は当時の私が寄付者の立場で理解した範囲での事実であり、そのときに感じた気持ちや考え方を表現しています。また、これを書いた当時、この記事を発表することは公益のためにもなると思っていました。
震災後、この記事のアクセス数が非常に増え、それに伴いたくさんのコメントが寄せられるようになりました。
そのせいか、時おり、あしなが関係者と思われる人から削除要請のコメントが来ることがあります。
しかし、これは筆者の思想表現に対する明らかな干渉であるうえ、当時彼らが行っていたことを隠ぺいしようとしている行動であると感じています。そのため、削除要請は一切受け付けません。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

まず初めに断っておくが、孤児に対する育英基金そのものは賛成である。
許せないのは育英基金を名乗りながら、集めた寄付金を無駄なことばかりに費やすあしなが育英会の体質そのものなのだ。

少し前にある手紙が届いた。あしなが育英会からだ。
あしなが育英会には数年前にわずかばかりの寄付をしたことがあるが、幹部の高額報酬問題(これについては交通遺児育英会との混同ではないかとの指摘がありましたので、ご留意ください)や寄付金の無駄遣い発覚に憤りを感じ、それ以降一切寄付をしていない。それにも関わらずいまだに定期的に手紙が届くのだ(詳細は依然書いた記事1、2を参照して下さい)。その手紙を読んで驚いた。

何と、あしなが育英会は寄付金を使ってまた新たなハコモノを作ろうとしているのだ!

寄付金を無駄遣いばかりする呆れた体質はいまだにまったく変わっていない。
その名は「あしなが心塾」。
東京都日野市、電車でいうなら京王線百草園駅に朝夕食事つきで1万円の学生寮(200名)を建てるというのだ。完成にかかる費用は不明だが、募金目標額は9億円、非常に不確実な寄付金集めなのに3.2億円不足しているというのだから見切り発車も甚だしい。というより、月額1万円で朝夕食事つきは毎年赤字を垂れ流すことになるのは目に見えているし、例え遺児であってもあまりにも待遇が良すぎる。神戸レインボーハウスに次ぐ無駄金使い。寄付金は当然入るものと仮定して採算を考えずに無責任な出費を重ねる姿は現在の役人達と大して変わりはしないだろう。むしろ遺児の名を借りて寄付金を募る彼らの方がタチが悪い。すでにこのハコモノをつくるためにあしなが育英会は百草園に3214坪の土地を取得している。

なぜ大規模なハコモノを作るのか?なぜ百草園なのか?大いに疑問がある。

9億円の募金目標を立て3214坪の土地を既に取得しているが、たった200人の遺児を助けるためにそんなに広大な土地と資金が必要になるのか。募金金額だけを単純に200等分しても一人あたり450万円。年間維持費を入れれば500万は当然に越える。一人あたりの支援額が若手社員の年収をはるかに越えているというのに、それを達成できる当然の募金目標として、育英会幹部は末端の遺児達を街頭に立たせているのだ。

集めた募金を一箇所に集約することの意味は?遺児たちは全国にいるのに一箇所に大規模な施設を作ってしまったら近隣地域の遺児しか利用できないではないか。建築費用と年間維持費が異常にかかり費用対効果が最悪のハコモノ「神戸レインボーハウス」の建設を最高の業績のように語っている会長は、きっと全国にこのような建物を作るつもりなのだろう。勘違いも甚だしい。

次に、あしなが育英会会長の手紙の一部を抜粋する。

「阪神・淡路大震災10年目に国遺連活動大躍進」
本来、遺児を最小限に減らすよう社会に疑問を投げかけて、育英資金を必要としなくなる社会を作るべきであり、こういう慈善団体は不必要になっていくのが理想だ。それなのに躍進を誇らしげに語るのは明らかに方向を間違っている。これは高速道路の費用や郵貯の存在理由と似てはいないだろうか。どちらも当初の目標からかけ離れ、存続・拡張に必死になっている。
国遺連活動とは、インド洋大津波の遺児達を山中湖に招待して日本の遺児と「癒しのつどい」を行ったことを言っているのだろうが、インド洋津波の遺児達が欲しているのは遺児体験を話し合って一緒に絵を描いたりすることではなく現実的な物資だろう。親を失った悲しみは共通するだろうが、生活様式や水準の観点でいえば、あの津波で残された遺児達は日本の遺児達とは大きく異なるのだ。日本の遺児体験を話したところで、親を亡くす前の環境が今の日本の遺児以下の子ども達はたくさんいるのだ。
「進学できないのではないかと思った」
そういうことを話すのだろうが、そういったことはインド洋津波の起きた国々では遺児でなくても珍しい事ではない。外国への差別でも何でもなく、これが日本と他国との現実的な差異だ。それを理解せずに遺児体験を話し合えるのか。山中湖に呼んで話し合う事は日本側の自己満足に過ぎないのではないか。現地の感覚で支援すべきなのに山中湖で絵を描くことが支援になるとでも思っているのか。それ以前になぜ山中湖なのだ?インド洋津波の遺児達を何とかしたい気持ちは分かるが、行っている行為は方向性を間違っており無駄そのものだ。こういう無駄なことを行う理由は、遺児達を指導する幹部の識見がなさ過ぎるからだろう。勉強不足で明確なビジョンも金銭感覚も持っていない幹部が多すぎる。営利団体でも非営利団体でも明確なビジョンと金銭感覚を持つことは必要不可欠だ。

「遺児の進学就職環境は最悪記録を更新」
「遺児奨学金学生年々採用増、しかし募金は減少傾向」
ならば、なぜ初期投資と年間維持費の異常にかかるハコモノを作りたがるのだ?
なぜ、寄付者の実情把握をせずに、はるか昔に寄付を打ち切った者にまで毎年何回もハガキや新聞を送り続けてくるのだ。無駄な事務費用の垂れ流しだろう。おそらくこういった無駄遣いはあちこちに見られるだろうから、節約すれば経費の大幅削減も可能と思える。
こうやって削減した分の費用を奨学金にまわせば、今よりも寄付金が減ったとしても、今よりも多くの遺児達の学資支援に応えられるのではないか。
また就職環境に関しては遺児だけに限ったことではない。社会の問題点を何でも「遺児」と結びつけるのはやめて欲しい。あしなが育英会は「遺児」という言葉を拡大しすぎている。

「遺児の学資支援」
「心のケア」

これらは決して否定するものではないが、これらの言葉は使い方によっては不正行為の隠れ蓑、免罪符になりかねない。社会的に認知されている慈善目的の団体に抗議するのは心理的な抵抗があるからだ。
しかし、数年前に寄付を行っただけの者に対してまで、いまだに無駄金を使っている現状を年に数度もアピールする愚考を続けているのだから、この慈善団体には「批判」という手法を最大限に活用して、バブル期と時代錯誤している運営方針を変えさせるべきだろう。マスコミもこの無駄遣いの現状を取り上げるべきだ。

遺児に対して純粋に学資費用を出すだけなら決して反対はしない。むしろ大賛成だ。
しかし、育英基金と称して募金を募り、それで無駄なハコモノを作り続けること、ハガキや手紙を延々と送り続け無駄な費用を垂れ流していることは非常に許しがたい。以前も書いたがここでもあえて書く。

お前らボランティアの名の下で何ふざけた事やってんだ!!!!!

当初の目的に還り、真摯に遺児たちの学資支援に努めて欲しい。
そして、多くの遺児たちを社会に送り出して欲しい。
http://blog.goo.ne.jp/shihourounin/e/e046e7f1088f92f6778127e7deff8323


11. 2015年4月01日 21:51:19 : IwEO3Q5rQQ

あしなが育英会(あしながいくえいかい)は、東京都千代田区平河町に本部を置き、さまざまな国内外の遺児を支援している非政府組織(NGO)。交通遺児の”恩返し”活動によって発足した団体であるが、公益財団法人交通遺児育英会とは別の組織である。
同会は公益法人財団ではなく、あくまでも個人による任意団体である。そのため、法律上、収支の公開は義務付けられておらず、また、同会への寄付は所得税法上の寄附金控除の対象とはなっていない。

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8C%E8%82%B2%E8%8B%B1%E4%BC%9A%E8%A9%95%E5%88%A4&oq=%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8C%E8%82%B2%E8%8B%B1%E4%BC%9A&aqs=chrome.1.69i57j0l5.4847j0j7&sourceid=chrome&es_sm=0&ie=UTF-8

あしなが育英会からの藤村修官房長官への献金について | 不正 ...
k-10.jugem.jp/?eid=1676
2012/05/02 - 悪徳・不正疑惑(評判・噂)を徹底調査し糾弾しています。 ... さて、藤村は政治家になる前は「交通遺児育英会」を勤め、CMで有名な交通遺児の子供達を支援する「あしなが育英会」の顧問・評議員・副会長となり、現在は「非常勤理事」となって ...
全国規模の募金詐欺〜あしなが育英会 | 荒んでいく世界
nippon-end.jugem.jp/?eid=457
2010/05/06 - 就学困難な子どもを救うと謳(うた)って「あしなが育英会」 への寄付を呼びかけながら、日教組は全国で募金活動を行いました。ところが、交通遺児などを救う目的で集められたはずの1億7600万円のうち、1億円を日教組が加盟する日本労働 .


12. 2015年4月02日 20:49:28 : kFUL3rcfFY
アメリカで金融緩和QEの失敗で経済が破壊され学費ローンが量産され
その責任転嫁/ 回避にペクテイの資本主義の終わりや大学無用論が用意された。
それ程に出口無き問題を抱えた金融緩和である、

日本もこうなるとの前提での大学無用論の用意である。
全ては金融緩和の失敗を告げている。


13. 2015年6月09日 14:04:25 : vwf93QNEOI
Fランク大学なんて、文部官僚の天下りと文教族の金儲けのために造られたようなもの。
そんな大学を出たって、就職先がないのは、当たり前。

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