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笑いの止まらない投資家はゴロゴロいる…（Ｃ）日刊ゲンダイ
官製相場で荒稼ぎの男を脱税告発 「イナゴ投資家」の魑魅魍魎
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/158414
2015年3月27日 日刊ゲンダイ
官製相場で大儲けしたネットトレーダーに脱税の疑いだ。大阪地検が大阪府門真市に住む水野新氏（４３）を所得税法違反で告発した。この男は、１５年ほど前から個人で株売買を始め、２０１２〜１３年にかけて約３０億円の利益を上げたが、２億１６００万円を脱税したとされる。
「過激な上昇相場だとはいえ、２年間で３０億円の稼ぎとはビックリです」（市場関係者）
これが普通の感覚だろうが、兜町のディープな世界では、水野氏は「相撲でいえば前頭ぐらい」だという。
「１日に何度も売買を繰り返すデイトレーダーはツワモノ揃い。株価操縦と紙一重ですが、数人のグループを組んで稼ぎまくっている人はいっぱいいます。関西を拠点にして活動する投資家が多いようです」（株式評論家の杉村富生氏）
大阪には、１０人程度で構成する投資グループが少なくとも３０は存在しているといわれる。グループ内の頂点に立つ投資家には、運用資産が１００億円を超える“大富豪”もいて、「株価が２割アップすれば２０億円の稼ぎ」（証券関係者）。「２年間で３０億円」はカワイイものなのだ。
「超短期で売買を繰り返す個人投資家のことをイナゴ投資家と呼びます。稲穂に群がるイナゴに例えた表現ですが、狙われた銘柄は爆騰後に急落します。最近、急騰している製薬のエーザイもイナゴが襲来しているのかもしれません。脱税で告発されたデイトレーダーも、イナゴだった可能性が高い」（株式アナリストのリチャード・コーストン氏）
■ルールを守らない投資家たちへの見せしめ？
現在、個人投資家の横綱は東京の「３人組」。運用資産は１人５００億円といわれ、「それぞれ個々に活動しているらしい」（兜町関係者）が、５００億円あればコンビニのミニストップや、コンドームのオカモトなど会社を丸ごと買える（２６日時点の時価総額）。サラリーマン生涯年収（２．８億円）の１７８倍と途方もない。
安倍政権が発足した１２年１２月に比べ、日経平均は一時９３％上昇した（１万２３０円→１万９７７８円）。笑いの止まらないイナゴはゴロゴロいるのだ。
「今月に入り、新日本理化の株価を急騰させたとされる仕手集団に対し、証券取引等監視委員会は強制捜査に踏み切っています。個人投資家も脱税で告発された。ルールを守らない投資家への見せしめでしょう」（リチャード・コーストン氏）
あるネット証券は、「１日の売買代金の６〜７割は個人数人で占められる。大口投資家の情報を、証券取引等監視委員会に報告するケースもある」という。
次はオレか？ イナゴたちは怯えている。
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