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三井不動産、ニューヨーク巨大ビル開発 秘められた世界規模の野望 三菱地所と競争激化(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/682.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 27 日 06:52:05: igsppGRN/E9PQ
 

三井不動産、ニューヨーク巨大ビル開発 秘められた世界規模の野望 三菱地所と競争激化
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150327-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 3月27日(金)6時1分配信


 世界屈指の商業地区、米ニューヨーク・マンハッタンで三井不動産が存在感を高めようとしている。再開発プロジェクトに参画し、51階建ての高層ビルを開発する。総事業費は1500億円。日本の不動産会社による海外ビル開発では過去最大規模となる。

 三井不動産は米不動産大手リレイテッドがニューヨークで進める、全体で11ヘクタールの大規模な再開発プロジェクト「ハドソンヤード」の一角を担う。共同事業者のリレイテッドなどと特別目的会社(SPC)を設立し、三井不動産が約9割を出資する。ビルは中心部の繁華街タイムズ・スクエアに近い場所で、商業施設の跡地に建てる。敷地面積は約4000平方メートルで、延べ床面積は米国でも最大級の約12万平方メートル。立地条件や使い勝手の良さを前面に打ち出し、賃料は1平方メートル当たり1万2000円と、周辺ビルよりも約1割高く設定する計画だ。コーチやロレアルアメリカ、SAP、タイムワーナーなどのグローバル企業がオフィスに入居する予定。2018年の完成を目指す。

「ハドソンヤード」は、約20棟の高層ビルやマンションなどを建設する計画。三井不動産は今後もプロジェクトへの参画を検討する。

 今回の米国プロジェクト参画は、三井不動産が掲げるグローバル事業「イノベーション2017」の一環。12年度から17年度までの5年間で5000億円を海外に投資する方針だ。昨年3000億円の公募増資を実施し、借入金を含め7000〜8000億円の投資余力がある。同社の海外資産(14年3月期)は3400億円と全体の7.5%にとどまり、実態は内需企業だ。「企業や人のボーダレス化が進むなか、海外投資の拡大は必然的な流れ」として、海外事業に5000億円を投資する計画で6割を欧米に振り向ける。

 ニューヨークでは13年、地元デベロッパーとの共同出資で318戸・42階建てのタワーマンションの建設に着手。「160 マディソン」と名付けた計画はマンハッタンの主要オフィス街、ミッドタウンへ地下鉄を使えば4分の好立地で15年秋に竣工する。

 さらに14年12月、英国の世界有数の金融街であるロンドン・シティの中心地で、24階建ての高層オフィスビル「1 エンジェルコート」の新築工事に着手した。竣工は16年9月の予定だ。ロンドンでは3つの物件がすでに竣工済み。スイスの大手銀行チューリッヒ、オランダの大手銀行アイエヌジーバンクなど、欧州を代表する金融機関と長期賃貸契約を結んだ。これらはロンドンで有数のデベロッパーとの共同事業だ。そして「イノベーション2017」の最大の案件が、ニューヨーク・マンハッタンでのビル開発である。

●「日本橋再生計画」のノウハウを活用

 三井不動産が大型投資に踏み切ったのは、「日本橋(東京)再生計画」が成功したからだ。三井グループの源流、越後屋発祥の地・日本橋は、かつては日本の文化、経済の中心地として栄えた。現在も老舗が軒を並べるが、賑わいは消えた。ITなどの新興企業は六本木や渋谷に集まり、日本橋は「黄昏の街」といわれた。

 そんな日本橋に活気を取り戻そうと立ち上がったのが、三井不動産だ。04年3月、閉店した東急日本橋店の跡地に、新しい商業施設「COREDO日本橋」を開発した。日本の中心(CORE)は江戸日本橋(EDO)だった、という思いを込めてネーミングした。これをきっかけに、官民地元が一体になって開発する日本橋再生計画が大きく動きだした。日本橋全体で街の活性化に取り組んだ結果、日本橋を新規に訪れる人が増えてきたという。

 計画は、単に新しいビルを建てることにとどまらない。大型施設をつくることは、そのまま地域開発に直結する。地域開発で習得したノウハウを国際競争力の強化につなげる。米国でのビジネスはビルの取得が中心だったが、競争相手が多いことから、自社開発物件に活路を見いだす。日本橋再生計画で培われたノウハウが生きることになる。

 三井不動産の15年3月期の売上高は前年同期比1.6%増の1兆5400億円、営業利益は6.0%増の1830億円と7年ぶりに過去最高を更新する見込みだ。三井不動産にとって、今回の米国プロジェクトへの参加は、海外で本格的に開発事業に携わる転換点となる。

●三菱地所は海外での不動産ファンド事業を本格化

 一方、三井不動産のライバルである三菱地所は、米国でのビジネスの軸足を不動産ファンドに置く。昨年末、米不動産ファンド運営会社TAリアルティを買収した。買収額は非公開だが、400億円程度とされる。TAは米国35都市にあるオフィスビルや物流施設など約400の物件を対象とするファンドを運用。投資家から資金を募って物件を購入し、賃料収入を投資家と分け合う。運用資産残高は1兆3000億円(14年6月末時点)で、運用規模は全米のファンド運用会社の中で10位前後。TAの買収で、三菱地所の運用資産残高は3兆3000億円に達した。

 三菱地所は10年から海外で不動産ファンド事業に乗り出している。英ヨーロッパキャピタルグループの発行済み株式の75%を10年に取得し、欧州市場に参入。13年には米子会社RGIが不動産ファンド事業を立ち上げた。TAの買収を機に、米国で不動産ファンド運用を本格化させる。三菱地所の15年3月期の売上高に当たる営業収益は前年同期比3%増の1兆1080億円だが、営業利益は7%減の1500億円の見込み。増収減益になり、三井不動産と差が広がった。不動産ファンド事業に力を入れ、安定した収益の確保を目指す。

 米国不動産市場を舞台に日本の不動産業界のリーディングカンパニー2社は、三井不動産が開発事業、三菱地所が不動産ファンド事業で対決する。

(文=編集部)

 

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