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「アベノミクス反対者の正体を探る」(EJ第4002号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/416206719.html
2015年03月26日 Electronic Journal
アベノミクスには問題が多くありますが、推進派と反対派が主
張する論拠を調べ上げたうえで、その結論として、私はアベノミ
クスは一応評価できると考えています。ここにきて実体経済にも
少しずつ影響が及んでいるからです。
しかし、それでも反対する識者は大勢いるのです。反対派のひ
とりである元日銀審議委員のキャノングローバル戦略研究所特別
顧問、須田美矢子氏は、3月15日の日本経済新聞で、アベノミ
クスについて次のようにコメントしています。
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円安と株高が起きたことは認める。1年目は円安の効果で、コ
ストプッシュ型の物価上昇が起きた。だが次のステップである実
体経済への波及効果は疑問だ。(中略)
消費の弱さは増税も一因だが、円安で生活にかかわるモノの値
段が継続的に上がったことも、消費者心理を大きく悪化させたと
考えている。さらに消費だけでなく、輸出も設備投資も停滞して
いた。 ──須田美矢子氏「日曜に考える」
──2015年3月15日付、日本経済新聞
―――――――――――――――――――――――――――――
須田美矢子氏は、異次元緩和によって、円安と株高が起きたこ
とは認めていますが、それは実体経済に影響を与えていないと主
張しています。しかし、アベノミクスによって失業率は減り、雇
用が順調に伸びてきていることは事実なのです。
そして消費の弱さについては、消費税増税の影響というより、
円安で生活物資が値上がりし、それが消費を圧迫していることを
強調しています。円安のメリットについては触れず、マイナス面
だけを強調しています。このように考えている人は非常に多いの
です。消費税増税の経済に及ぼす影響を非常に小さく考えている
といえます。財務省を意識してそうなるのです。
須田氏はもともと金融緩和の反対者であり、金融緩和は効果が
ないし、長く続ければバブルになり、やがてハイパーインフレに
なるという主張を繰り返した人です。あるブログでは、須田氏の
ことを次のようにいっています。
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2010年8月の政策決定会合で須田美矢子日銀審議委員は、
「金融緩和したらハイパーインフレになる〜極端な場合には物々
交換をするような状態になることすらあり得ないことではありま
せん」と騒いで金融緩和に反対していた人物なのだが、数ヶ月後
には「包括的金融緩和でもデフレ脱却が難しい」などと態度を一
変させている。国民はハイパーインフレで物々交換を強いられる
のではなかったのだろうか?(笑)服用中の薬の副作用なのか、
いまだに80年代のバブルの妄想に浸っているのか、発言内容に
まるで一貫性がない。 http://bit.ly/1BbrMcU
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日本では20年以上にもわたってデフレが進行していますが、
政府や金融当局は、それから本気で脱却しようとはしていないよ
うにみえます。それは、なぜでしょうか。
それは、財務省やその周辺にいる人たち──金融機関関係者、
経済評論家、経済学者、高級官僚などにとっては、デフレの方が
メリットがあったからです。デフレの最大の悪は、雇用を奪うこ
とです。これによって大多数の国民は塗炭の苦しみを味わうこと
になりますが、その一方で利益を享受する人がいるのです。
デフレになると、債券(国債)の利回りが低下します。債券の
利回りが下がるということは、債券の価格が上がることを意味し
ています。この円高とデフレの進行が長期間続く状態では、債券
を買うと確実に利益が出るのです。つまり、ラクをして儲かると
いう状況が長く続いたのです。
ところが、2012年10月に安倍晋三氏が自民党総裁になっ
て、大胆な金融緩和を示唆する発言を行うと、潮目が変わり、円
安/株高がはじまったのです。海外投資家が殺到したからです。
そのとき、国内の投資家、とくに機関投資家の大半は、絶好の儲
けのチャンスをみすみす見逃してしまったのです。リチャード・
クー氏は、このときの日本の市場関係者の行動について、次のよ
うに証言しています。
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海外の投資家、特にニューヨークのヘッジファンドが、アベノ
ミクスの発表を受けて巨額な資金を日本に移してきた。彼らは円
を売って日本株を買うという大きな行動に出たが、その間、日本
経済のことをよく知っている国内の投資家、特に機関投資家の大
半はそれに乗らず、国内の債券市場にずっととどまっていた。日
本をよくわかっている投資家は債券市場にいて、海外の投資家は
円売り、株買いに向かったのである。 ──リチャード・クー著
『バランスシート不況下の世界経済』/徳間書店
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安倍晋三氏が登場する前は、債券の取引で生計を立てていたの
ですから、金融機関の債券市場に関連する部署の組織的な地位が
高まり、社内での出世などの利得に与った人も少なくなかったは
ずです。このときは、円高になればなるほど利益が出たので、ど
うしても円高賛成論者になってしまうのです。
債券市場での取引の大部分は国債取引ですが、国債は財務省が
発行しているのです。したがって、債券市場で働いている人たち
は、市場関係者のなかでも、とくに財務省とのつながりを重要視
します。彼らは「財務省の意向と反対のことをいうと、国債の入
札から外されるのじゃないか」という恐怖感があるのです。した
がって、そういう金融機関出身の評論家やコメンテーターは、財
務省の意向に反することを絶対にいわないのです。
しかし、アベノミクスでの儲けの絶好の機会に債券市場にとど
まって、海外投資家においしいところを全部持っていかれる──
まさに「トンビに油揚げをさらわれる」そのものです。現在でも
そのような傾向は根強く残っているのです。
── [検証!アベノミクス/84]
≪画像および関連情報≫
●「デフレを脱却できないのは日銀のせい」/真壁昭夫氏
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「デフレから脱却できないのは、日銀が政策を出し惜しみし
ているからだ」最近、そうした発言が目立つようになってお
り、日銀に対する政治的圧力の高まりが鮮明化している。わ
が国経済がデフレから抜け出せないのは、本当に、日銀の政
策運営に問題があるのだろうか。その点について、はっきり
した答えがあるわけではない。金融の専門家や経済学者の間
でも意見が分かれている。「デフレはお金に関する現象なの
だから、日銀の政策次第で解決できるはずだ」との見方があ
る一方で、「すでに日銀は潤沢な資金供給を行なっているに
もかかわらず、デフレが続いているのは多額のデフレギャッ
プがあるからだ」との意見もある。現在民主党の中には「日
銀の独立性を保証した日銀法を改正してでも、日銀にさらに
積極的な政策を打たせるべきだ」との思い切った意見が出て
いる。そうした政治的な圧力に関しては、大きなリスクが存
在する。政治家諸氏は、必ずしも経済・金融の専門的な知識
を持っているとは限らない。そうした人々が「デフレは日銀
のせいだ」と主張し、日銀が独立して意思決定できる現在の
体制を崩そうとしている。中央銀行が、政治の圧力によって
通貨を際限なく発行すると、中長期的には通貨の価値が下落
してインフレ圧力が高まるだろう。そのときに、都合の良い
ところでインフレ率を止めようとしても、それがうまくいく
保証はない。(2012年5月) http://bit.ly/1G8m01g
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