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今入るべき保険は所得補償保険と介護保険である 愚かな保険選び、間違った検討方法
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150326-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 3月26日(木)6時1分配信
保険の加入や見直しを検討する場合、まず考えたいのが、「今の生活や将来の生活プランを根底から覆す可能性のある事態」についてだ。看過できないほどの損害を生じさせる潜在的リスクが顕在化する万一の場合に備え、生命保険や損害保険が存在している。保険金や給付金をもらえる確率の高さや、払込保険料と受取給付額の費用対効果で選ぶべきではない。その本質を脇に置いて、保険の必要性や保障額の多寡、ひいては各商品の優劣云々を検証することは本末転倒といえる。
●働き盛り世代に必要な保険は、今の“所得”の“補償”
では、どのようなリスクを考えるべきなのか。
まず、働いている世代なら、「収入の減少、あるいは収入の途絶」への保障が筆頭に挙がる。当然のことながら、収入があればこそ足元のみならず将来の生活設計も成り立つ。その大前提の崩壊に備えるための保険はマストだ。具体的に、家族にとっては生計者の死亡が考えられるが、死亡保障は老後にも注意が必要なので、詳細は2014年11月18日付当サイト記事『「生命保険の見直しで家計支出削減」のワナ? 老後に生活困窮するケース多数』をご参照いただきたい。
しかし、死亡には至らずともケガや病気により働けなくなる事態も深刻であろう。実は年金や公的医療保険制度等をはじめとする社会保障制度では、死亡保障に比べ相対的に手当が薄く、傷病手当金のように保障期間が限定的であるか、障害年金のように保障額が充分ではないのも事実。最後の砦が社会福祉政策であるが、活動範囲が狭くなる後期高齢期はともかく、若い世代が生活保護頼みになると、暮らし方の選択肢が極端に狭まってしまう。ただし、選択肢の少ない暮らし方でよいなら、最低限生きていくことは可能だ。
よって、この世代にマストな保険の1つが、損害保険会社の所得補償保険だ(一部、類種の保険を扱う生命保険会社もある)。この保険は、仕事に従事し所得を得ていた者が、入院の有無を問わず働くことができないと判断された期間にわたり、従前の所得の一定割合を限度として、その喪失所得を毎月補てんする。
筆者は、「所得補償保険」が世間で認知される前からこの保険の重要性を各所で説いてきた。最近では、ようやくその名を見聞きする機会が増えたが、いまだマイナーな部類の保険である。聞いたことのない人も少なくはないだろう。マイナーなゆえんは、保険会社にとって損害率が悪化する危惧があるため、大々的にセールスしていないことも遠からず影響していると考える。
そして、この保険に加入しても、医療保険で給付金を受け取るように恩恵を受けられる可能性は極めて低い。とにかく、保険金支給要件に該当するハードルは高く、基本的に「いかなる職種にも就けないこと」が要件となる。しかし、そんな費用対効果論は些末な問題なのだと言いたい。絶体絶命の窮地から家計を立て直す術が、保険本来の役割なのだ。「もらえればラッキー」な保険とは、根本的に異質な問題であることを考えてほしい。
●老後の最大の恐怖は、“介護費用”
現役でも老後でも、「看過できないほどの高額支出の発生」に備えるべきである。その筆頭が、高額な損害賠償責任を負う場合への備えだ。具体的に、火災保険等に特約で付帯する「個人賠償責任保険」は、生涯で一瞬たりとも切らすべきではないと断言できる。賃借人であるなら借家人賠償責任保険、車を運転するなら自動車保険(対人・対物賠償保険)も同様だ。これらは保険本来の機能を最も合理的に有し、加入するか否かの議論をする以前の問題である。
これに次ぐマストな保険が、資産損害(買い換え費用)を補てんする火災保険や車両保険、そして介護保険である。今回はこのうち高齢期の介護保険を特筆したい。背景に、介護費用の実態として公的介護保険制度の適用対象外の費用が意外にも甚大であること、要介護期間の長期化等もあり、老後の生活不安の根幹は介護費用やそれに関わる終の棲家の費用の問題にも集約できる。そして、ともあれ我々より遥かに多い情報量を持つ保険会社のセールス戦略がすべてを物語っている。医療保険をアピールしてきた保険は枚挙に暇がないが、介護保険はどうであろうか。そう、所得補償保険と同じく、保険会社にとって損害率が芳しくない部類の一角が介護保険なのだ。つまり、保険会社が積極的にPRしたがらない保険こそ注目すべきと述べておきたい。
だが、保険のカテゴリーはまったく異なるが、リスクの観点から考えると、現役中の介護保障は就業不能補償とおおむねカブる。よって、所得補償保険に加入していれば、介護保障は就業終了後に考えても決して遅くはない。むしろそれが効率的でもある。
昨今では、保険会社各社が国内での契約シェアを伸ばすため、最後のテリトリーともいえる介護分野に触手を拡げ、魅力的とも映る商品や特約を相次いで打ち出している。これまでも斬新な商品戦略を打ち出してきた保険会社の、この春以降の新規特約には目を見張るものがある。介護に関する保障商品はこれまでまったくないに等しいお粗末なものであったが、ようやく検討に値する内容が登場してきた。これから、じっくり吟味してほしい。
最後に、人気のある医療保険やがん保険については、予期せぬ事態で収入が途絶し、今後数十年にわたる億単位の見込み収入が途絶したとしても、また、たった一度の不祥事で十数億円に及ぶ損害賠償責任を負ったとしても、それを賄える資産をすでに確保できているのなら、保険商品で備える必要はない。逆に、ほんの数万円〜十数万円の医療費自己負担も困難な貯蓄の少ない期間については、保険による補てんも有効であろう。それは、個々の収入や貯蓄残高で判断すればよいだけの話だ。
もらえる給付金等の確率の高さや費用対効果の多寡、ましてや保険料の多寡で保険を論じるのは、もうそろそろやめにするべきだ。与えられた情報の中からどれが最良なのかを検討するのではなく、そもそも論が必要である。これに気付いた消費者は声を出すべきであり、それに応えられない供給者側は淘汰されるべき時代になっている。
井上信一/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会
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