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日本株は下がりにくい。だが、まさかの時に、あらかじめ備える必要がある(写真:tomo/imasia)
日本株が「暴落」する可能性はあるのか 日経平均株価の見方を教えよう
http://toyokeizai.net/articles/-/64204
2015年03月25日 東野 幸利 :国際テクニカルアナリスト 東洋経済
日本株のマーケットは、もともと米国に連動しやすいといわれてきました。しかし、最近は米国株が下げても日本株は同じように下げずに、上昇することがあります。これは3月本決算企業の期末を前に「配当狙いの買い」が入りやすいことや、大口資金を扱う年金などの「クジラ」による「爆買い」、さらには、海外投資家による「大型株買い」が主な要因と思われます。
■「賃上げ」が年金の「爆買い」を促すメカニズムとは?
配当狙いの買いが入りやすいのは、上場企業が株主に還元する配当が増えているからです。報道によると、2015年3月期に増配か、復配する上場企業は全体の約3割に達し、配当の総額は約7兆4000億円と前期に比べ約1割増え、2年連続で最高を更新するようです。
日銀による金融緩和で低下した国債利回りに比べ、配当利回りの高い個別株の魅力が意識されています。しかも、株価が下落する低迷相場の中では、「どうせ配当をとっても、株価が下がれば投資資金が目減りする」という感覚が浸透していましたが、今は株価が上昇しているため、値上がり益も期待できる、という雰囲気に変わってきたことも大きいかもしれません。これもある意味「資産効果」です。
一方、年金による「爆買い」に関しては、「賃上げ(ベア+定期昇給)」なども関係しているようです。「賃上げは国内の景気回復の裏返し」という意味では、アベノミクスを再評価することにつながると思うのですが、もう1つ重要なのは、賃金の上昇はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用資産(137兆358億円、2014年12月末)における、リスク資産への投資を促す効果が期待できます。
どういうことでしょうか?年金改革では、国内株式だったら運用資産全体の25%(±9%は許される)まで引き上げる、外国株式も25%(±8%は許される)まで引き上げる、と決まりました。なので、その許容範囲を超えて組み入れることはないのですが、年金利回りとして課されている厚労省からのノルマが「賃金上昇率+1.7%」ですので、賃金上昇率がアップすると、年金はリスク資産を早く増やさないと利回りが追い付かない。そういった買いが、足元で入っているのではないかと思います。
一方、2014年12月末で株式の資産構成割合は19.8%なので、25%までの増加余地はあるのですが、遅かれ早かれ、上限近くまで買ってしまうとどうなるか、を考える時期に来ているような気もします。
■今後はヘッジファンドが売りを仕掛けてくる?
筆者が信頼している、あるストラテジストも最近話していましたが、ある時点で公表されるGPIFの日本株の構成割合が上限に近付いたことが判明した時、それを逆手にヘッジファンドなどが売りを仕掛けてくる可能性があると。
つまり、株価を下げさせることによって、「GPIFにこれ以上買える余地はない→だから株価は上がらない」と思い込ませ、他の売りを誘いこむ戦術です。筆者もそれはいずれどこかでありえることだと思っています。「賃上げ」は年金による株式へのシフトを早める効果がある半面、上限に達する時期が前倒しになる点に注意しないといけません。
また、海外投資家は年初に売り過ぎた日本株を買い戻しています。余剰資金をため込まずに株主に配分する姿勢やコーポレートガバナンス(企業統治)などを含め、企業行動の変化に着目しているようです。
さらに、です。政府は、企業の輸出や生産の増加、収益の向上を理由に、3月の月例経済報告で景気判断を8カ月ぶりに上方修正しました。4月下旬から始まる3月決算の業績や来期の見通しに対する期待感が、株価を一段と押し上げる要因になるかどうか。これが、6月ごろまでの見どころといいますか、株価上昇のカギでしょう。
一方で、ドル高による米国企業の収益の落ちこみの心配もしないといけません。今は日本株の優位性がクローズアップされていますが、米国株が下げ出すと、海外投資家はそう簡単には日本株を買い増すことはしないでしょう。
以上、見てきたとおり、今年の3月は、「配当狙いの買い」、「年金買い」、「海外投資家の買い」が、例年以上に重なっていることが特徴です。とはいえ、4月以降も大口投資家による買いが続けばよいのですが、前回の最後でお話しました「日経平均83カ月周期説」によって4月に反動が起きれば、予想以上に大きいかもしれませんので、注意が必要です。
■気をつけたい、欧米マーケットの「変調」
筆者が足元で気になるのは、以下の3つです。1)ギリシャのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)がゆっくり上昇していること(上昇は国の財務状況や信用力が低下しリスクが高まっていることを意味する)、2)米VIX指数(恐怖指数)が十分なところまで下げ、上昇余地が高まってきたこと(上昇は市場の混乱を意味することが多い)、3)米国のダウ輸送株指数が軟調なこと(景気減速局面では輸送株が先行して下落する)、です。
この先、注意すべきタイミングは、米3月の雇用統計が発表になる4月3日(金)前後です。しかも、この日は米国株式市場が「グッド・フライデー」で休場となるため、先に雇用統計の結果を織り込むといったように、東京市場が間違った反応を示す可能性があるためです。
そこで、今からの「具体的な対応策の一つ」を最後に提示して、終わりにしたいと思います。日経平均が15年以来の高値を更新する中でも、忘れてはいけないのが新興市場です。特に、東証マザーズ指数は昨年の夏場以降ずっと低迷が続いていますが、4月中に「爆上げ」してもおかしくない雰囲気が出てきたように思います。
日経平均の「2万円」超えを追いかけるよりも、ひとまずはマザーズ市場に切り替えるという選択肢があります。例えばですが、マザーズ市場に連動する上場投資信託(ETF)などの値動きに注目してみると、面白いかもしれません。
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