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インドには民生安定を優先した経済開発を達成して欲しいと願っているが、日経新聞のタイトルは誤誘導につながるおそれがある。
統計データの真偽はともかく公表ベースで、インドのGDPはおよそ2兆ドル、中国のGDPはおよそ10兆ドルである。
インドの8%成長は、付加価値増加額としては1千6百億ドルだから、中国のGDP10兆ドルをベースにすると1.6%成長に相当する。
中国の7%成長は、付加価値増加額としては7千億ドルである。
10年後はともかく、しばらくのあいだ、日本にとってより重要な市場はインドよりも中国と言える。
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インド成長率、中国抜く
15・16年アジア開銀見通し 域内全体6.3%
【マニラ=佐竹実】世界経済の回復の足取りが重いなかで、アジア経済は今年、来年と高成長が続きそうだ。アジア開発銀行(ADB)が24日発表した最新の経済見通しによると、2015年、16年の域内経済の成長率はともに6.3%を維持する。原油安が消費を支えるほか、米国経済の回復で輸出が伸びる見込みだ。構造改革が進むインドの成長率は域内の主要国で最高となり、減速傾向を強める中国を上回る見通し。東南アジアの成長も加速するとみられ、けん引役の顔ぶれはさまざまとなる。
アジアの多くの国はエネルギー輸入国で、原油価格が下落したことによる恩恵は大きい。ガソリン価格の値下がりは減税と同様の効果をもたらし個人消費を後押ししそうだ。同じ新興市場でもロシアやブラジルなどの資源国が苦境にあるのとは対照的だ。
ADBの予想では、域内のインフレ率は14年の3.1%から15年は2.6%まで低下する。インフレ率が低ければ、景気刺激のための金融緩和策など柔軟な対応策を打ち出すことができる。
米国では雇用情勢が改善しており、年内の利上げも見込まれている。景気回復によって需要が増え、アジアの輸出増につながる可能性がある。
インドの15年の成長率は7.8%、16年は8.2%と予想した。インドは今年から国家会計の新基準を導入し、経済成長率を従来の予想から大幅に引き上げた。ADBも新基準に基づいて成長率を予想している。
14年5月に発足したモディ政権は法人税の引き下げにより製造業の誘致を目指しているほか、通信や鉄道などのインフラ整備も加速。ADBは「政府の改革が、海外投資家の信頼感につながる」と評価した。
中国は経済政策で成長の速度よりも質を重視する立場を表明。3月の全国人民代表大会(全人代)では、15年の成長率目標を7%前後に引き下げている。ADBも、15年は7.2%、16年は7%に減速すると予想する。
東南アジアは、15年が4.9%、16年は5.3%の成長を実現する見込み。ジョコ・ウィドド大統領の改革が期待されるインドネシアや、個人消費の勢いが強いフィリピンなどがけん引役だ。
ただ、ADBは米利上げに伴う新興市場からの資金の引き揚げやギリシャの債務危機などがリスク要因になると指摘した。ADBの魏尚進・チーフエコノミストは「商品価格が低下しているうちに、各国政府は補助金削減などの構造改革を進め、持続的な成長を目指すべきだ」と指摘する。
毎年春に公表する「アジア経済見通し」は、日本など域内先進国を除くアジア大洋州の45カ国・地域が対象。
[日経新聞3月24日夕刊P.1]
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