http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/620.html
Tweet |
中国主導銀行に欧州各国が参加 背景にオバマ政権の弱体化と外交政策の失敗
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150324/dms1503240830004-n1.htm
2015.03.24 「日本」の解き方 夕刊フジ
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、英国をはじめ、ドイツ、フランス、イタリアが参加を表明した。AIIB入りに慎重な日米との溝が深まったとの見方もあるが、欧州各国が参加を決めた背景は何か。そして日本はどのような立場で臨むべきだろうか。
AIIBは、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)開発銀行と並んで、欧米主導のIMF(国際通貨基金)・世界銀行体制への挑戦と受け止められている。両方とも主導しているのは中国だ。
特にAIIBは中国だけで出資の半分を占める予定であり、ガバナンス(企業統治)の点で大いに問題がありそうだ。それにもかかわらず、英独仏伊が参加しようとするのは、あからさまな現実主義である。
もともと欧州諸国は、シルクロードなどを通じて中国との交流に良いイメージを持っており、受け入れられやすい土壌があった。しかも、目先の中国の成長は魅力的であり、中国との関係で実利をあげようとしている。
それにしても、中国の外交戦略は巧みだ。オバマ政権がレームダック(死に体)状態で、一番弱体化しているときを見計らって、しかも米国と微妙な関係になっている英国を狙ってきた。オバマ大統領がチャーチル元英首相の植民地政策を批判したこともあり、英国との関係は従来ほど強固ではない。
英国は英連邦の盟主であり、オーストラリア、ニュージーランド、カナダもなびく可能性がある。実際、ニュージーランドは参加表明しているし、オーストラリア、カナダも予断を許さない。
米英が一枚岩であったら、中国によるここまであからさまなIMF・世銀体制への挑戦はうまくゆかなかっただろう。しかし、オバマ政権のレームダックもあってか、米国はどうやら外交政策で失敗したようだ。英国のウィリアム王子が今月訪中した段階で、勝負あった感じだ。
日本としては、米国と共同歩調をとってきた手前、すぐに方向転換はできない。ただし、AIIBに一切関与しないというのも、今後の外交戦略上にとってマイナスだろう。
カギを握るのは、AIIBが国際基準に沿った活動を行い、そのガバナンスがしっかりしているかどうか。日米が主導するアジア開発銀行(ADB)との分野棲み分けができるかどうかだろう。ADBは貧困対策、AIIBはインフラ整備と建前上は分けられているので、ガバナンスの確保だけが残された課題だろう。
それができれば、いずれADBとAIIBは、協力してアジアのための国際金融機関になっていくのではないか。
いずれにしても、AIIBについては、中国が経済力とともに外交力を米国に見せつけた案件として、歴史に刻まれるだろう。
ただし、それが将来にわたって維持できるかどうかは、中国の経済がこれからも順調であるかどうかにかかっている。それは、成長が停滞する「中進国の罠」から中国が脱せられるかどうかを意味する。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。