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3月13日、国際五輪委員会(IOC)とスポンサー契約を結んだトヨタ自動車の豊田章男社長(左から2人目)
トヨタ、“2千億円”五輪スポンサー契約に秘めた裏の思惑 税金投入による巨額利益狙いか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150321-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 3月21日(土)6時1分配信
トヨタ自動車が国際五輪委員会(IOC)と最高位のスポンサー契約、TOP(ザ・オリンピック・パートナー)契約を結んだ。業績が好調で過去最高益を更新しながら、今期を「意志ある踊り場」(豊田章男トヨタ社長)と位置づけて工場新設などの大規模投資を手控える一方で、2000億円とも予想されるTOP契約を結んだトヨタの皮算用とはなんなのか。
TOPは、全世界で五輪のロゴマークを使用したマーケティングが可能となる。トヨタがTOP契約を結んだのは、世界中から注目されるオリンピックが、グローバル展開を本格化するトヨタのマーケティング戦略に大きな追い風になると判断したとの見方が強い。
TOPは1業種1社に限られ、トヨタ以外ではコカ・コーラやマクドナルド、サムスン電子など11社がすでに契約しており、日系企業ではパナソニック、ブリヂストンに続いてトヨタが3社目となる。これまでTOPに自動車メーカーはいなかった。自動車産業はすそ野の広い巨大な産業で地域志向も強いことから、世界中で開催される五輪のスポンサーになじみにくいというのがその理由だといわれている。
五輪開催国では多くの場合、地元の自動車メーカーや、開催地に工場を持つ自動車メーカーが組織委員会のスポンサーとなって、運営に必要な車両などを提供している。他のTOP契約企業は契約金500億円以下とみられる中、トヨタは10年間で2000億円程度とみられる破格の契約金を差し出すことで、自動車メーカー初のTOPとなった。
リーマンショック後、着実に業績を回復し、今期は営業利益が2兆7000億円と過去最高益を更新する見通しのトヨタ。それでも本業である自動車事業では「足元を固める」として工場の新設など、大規模な投資計画を事実上凍結したままにしている。にもかかわらず、巨額の支出をしてまでTOPにこだわった背景には、東京五輪で燃料電池車などのトヨタが先行する技術を世界にアピールする格好の機会と捉えているからだ。
●狙いはFCVのアピール
トヨタは2020年の五輪開催地として東京が決定してから、最高位スポンサーとなることを模索してきたが、最も気に掛けていたのが日産自動車の動向だ。日産は16年にブラジル・リオデジャネイロで開催される五輪の組織委員会と公式スポンサー契約を締結。契約金に加えて、運営に使う車両として自社の電気自動車など4500台を提供する。トヨタ担当者は日産に対して、東京五輪のスポンサーを含めた対応状況を非公式にヒヤリングし、日産が公式スポンサーに興味を持っていないことを確認した上で、TOP契約に向けた活動を本格化してきた。
トヨタは、「世界中の目が東京に集まる」(豊田社長)東京五輪を自社技術の絶好のPR機会とすべく、東京五輪開催中のモビリティ分野を是が非でも主導したかった。
特に力を入れるのが、量産型としては世界で初めて市販を開始した燃料電池車(FCV)だ。FCVは、ホンダや現代自動車、フォルクスワーゲンなど、一部自動車メーカーが開発しているが「本気で普及させようとしているのはトヨタだけ」(業界関係者)といわれる。
一方、東京都は、環境に優しい次世代エネルギーとして注目されている水素で電力などを賄う「水素タウン」構想を、東京五輪の選手村で実現する。観客の移動に使われるバスや自動車は、水素を燃料とするFCVをフル活用して、水素社会への転換を世界にアピールする。
仮に日産がスポンサーとなった場合、都の壮大な構想とは裏腹に、運営車両はすべて電気自動車(EV)となる可能性もあった。そもそもトヨタ以外の自動車メーカーがスポンサーとなった場合、運営用のFCVさえ準備できない。トヨタのTOPが実現したのは、東京都、IOC、トヨタの思惑が一致した結果でもある。
●巨額契約金の元は取れる?
さらに、トヨタにとってTOPになることは、マーケティング活動以外でのメリットも大きい。それは、東京五輪を名目にFCV普及に必要不可欠な水素ステーションが、税金を投じて急速に整備されることが見込まれるからだ。東京都は20年度までに、水素ステーションの整備やFCV購入補助金として約450億円の予算をつける方針。
多額の税金を投じて水素インフラを整備してもらい、世界の政府要人も多数来日することが予想される東京五輪で、トヨタのFCVや水素社会をアピールすることで、巨額の契約金の元は取れる可能性がある。
ただ、トヨタが思い描くほど水素社会が盛り上がるかは不透明だ。水素インフラを一から整備する必要があるFCVに否定的な見方は、自動車業界でも根強い。そもそも化石燃料から水素を製造する過程で二酸化炭素が排出されることから、環境に優しいエネルギーと呼べるのかとの指摘もある。東京五輪開催後、多額の税金を投じて整備された水素ステーションには閑古鳥が鳴き、その処分に困るという事態も十分想定される。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
河村靖史/ジャーナリスト
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