01. 2015年3月18日 19:11:00
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焦点:黒田日銀の追加緩和に賛否両論、カギ握る期待インフレ率 2015年 03月 18日 13:27 JST [東京 18日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁が2013年4月4日に発進させた量的・質的金融緩和(QQE)。2回目の「記念日」が間近に迫ってきたが、1月消費者物価(除く生鮮、コアCPI)の前年比はプラス0.2%と、目標の2%から遠ざかる一方だ。 そんな時に、安倍晋三首相の経済ブレーンの本田悦朗内閣官房参与からこんな声が漏れた。「気合いとしての2年と、実際に2年で達するのは違う」──。 また、閣内で最も首相に近い1人と言われている甘利明経済再生担当相は1月27日の会見で、達成時期は2年よりも「余裕を持っていいのではないか」と述べた。 複数の政府関係者は、2年で2%を達成させるよりも、景気を上向かせることが最優先の課題であり、円安の加速でデメリットを多く感じる地方経済に負担をかけたくないとの意向を示している。 <追加緩和、慎重な声と促す意見> かつて日銀政策委員会のメンバーだったり、そこに出席した経験者からも「急ぐべからず」の声が挙がっている。 元日銀副総裁の武藤敏郎・大和総研理事長(元財務次官)は、15年度のコアCPIが前年比0.4%、16年度も同1.1%にとどまるとの見通しを示す。そのうえで「2%はハードルが高い」「そもそも2%を目標とすべきなのか」と4日の講演で持論を展開した。 元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローは「QQEでデフレマインドの氷にヒビは入れたが、ここから先の実体経済への波及には、そもそも時間がかかる。時限を限って慌てるのでなく長く緩和環境を続けるのが大切」と指摘する。 一方、強力な金融緩和によって経済を押し上げるべきだと主張する市場関係者からは、迅速で大胆な追加緩和を求める声が日増しに高まっている。 三菱UFJリサーチ&コンサルティング・主任研究員の片岡剛士氏は「消費税や原油安の影響が誤算とはいえ、2年経つのだから、なぜ2%でないのか説明責任を果たしてほしい」と指摘。さらに「必要であれば追加緩和してほしい」と述べる。 さらに甘利担当相の発言に関し、4月の統一地方選対策の面があると分析しつつ、日銀が経済・物価見通しを示す4月30日の決定会合時点で、もはやその点への配慮は不要との見解を示した。 <従来のスタンス変えない日銀執行部> ただ、日銀が発信しているメッセージを見ると、今のところスタンス修正の兆しは見えない。2月27日の黒田総裁の講演では、ロケットの推進力を引き合いに、2%の物価目標水準の引き下げや、達成期限の延長などの議論をけん制。 複数の日銀関係者は、「2年程度で物価2%を達成する」という強い決意に揺らぎがないことをあらためて示した内容だと説明した。 17日の黒田総裁の会見でも「エネルギー価格次第で若干マイナスも排除できないが、今のところは分からない。基本的な物価の基調、需給ギャップや中長期の予想物価上昇率、物価をめぐる家計や企業の見方を見ると着実に改善している」「仮に一時的に除く生鮮がマイナスになっても、基調がどうなっているかにかかっている。基調が今のところ変化する状況にない」と述べ、追加緩和に傾斜する姿勢は見せなかった。 しかし、BOJウオッチャーの間では、QQEの枠組みをめぐり、今年中に何らかの手直しがあるのではないかとの観測が広がっている。 その中で多くの賛同者を得ているのが、2%の目標を維持しつつ「15年度を中心とする期間に」という表現を修正し、達成期限を事実上延長するアイデアだ。 ある市場関係者は「民間の予測では2%の早期達成はゼロに近い。年内のどこかで枠組みをリフォームするはず」と話す。 一方で、別の市場関係者は「枠組みを変更しただけで政策を維持すれば、日銀のやる気が失われ、円高/株安になるだろう。枠組み変更と追加緩和はセットになるだろう」とみている。 <くすぶる出口政策への思惑> また、市場の一部では、中期的に見てQQEの出口政策を展望しておかないと、先々で大きな市場の変動に遭遇しかねないとの声も出ている。 富士通総研の早川氏は「物価上昇率が1%になれば、買い入れ縮小(テーパリング)の準備をすべき」と指摘する。 ある大手証券関係者は「日銀が出口に踏み切るならば、16年春がベストのタイミング」と指摘する。「3年連続でベアが実現することで安倍政権として、デフレ脱却を宣言できる。夏の参院選を控えアベノミクスの成果を政権も示したい時期だからだ」という。 そこで参考になるのは、先行する米国の出口戦略だろう。米連邦準備理事会(FRB)は、1)買い入れ縮小、2)利上げ、3)満期が来た国債の再投資をやめる形での資産縮小──の手順で出口に進むとみられている。 一方、日本では「財政健全化が遅々と進まない中で、テーパリングを始めれば、金利が急上昇しかねない。日銀当座預金の付利を引き上げる利上げが先ではないか」(大手証券)との観測も聞かれる。 もっとも富士通総研の早川氏は「金利上昇を嫌がって国債買い入れを続けるならば、急激な円安を招く」と指摘。物価上昇後に出口戦略を適切に実行しなければ、金利急上昇か急激な円安のいずれかが起きると予測する。 <政府内にQQEは不可欠のピースという意見> だが、日銀が出口戦略の発動を決断しようとする際に、政府が「再考」を要請してくる展開もゼロ%ではなさそうだ。なぜ、そのような推測が成り立つのか。それは政府の中長期財政試算のデータから見え隠れする。 同試算では、名目で3%台の成長を見込む前提となる長期金利が、名目3%台で計算されている。 2%の物価目標が達成されていると想定するならば、金利見通しは低過ぎる。ある政府関係者は「日銀の金融緩和が続くとしても、デフレから脱却した経済において、本当に名目成長率を下回る名目長期金利が続くのか。そこは疑問と言わざるを得ない」と危うさを口にする。 別の政府関係者は「財政再建は高成長と長期金利の低位安定が前提になる。QQEは金利を低位に抑制するための切り札」と述べている。 この論法を拡大していくと、財政再建を政府が優先する限り、QQEは止められないということになりはしないか──。 ある与党関係者は、消費税再増税が当初予定の1年半後となる2017年4月となったことで、その後の増税の景気への影響も考慮すれば、ちょうど1年後となる2018年4月の黒田総裁の任期満了までに「出口、少なくとも緩和政策を止めることは極めて難しくなったことは間違いない」(与党関係者)と指摘する。 出口模索にとってハードルになるのは、国内要因だけではない。FEDウオッチャーを自認する複数の市場関係者は、米景気が問題だとみている。今は世界経済をけん引しているものの、16年、17年まで景気拡大が続くのか不透明感が強く、17年4月の消費再増税が難しいと判断されるような経済情勢になっていれば、出口検討はさらに先送りされる、というシナリオだ。 これに対し、日銀は「出口戦略を検討するのは、時期尚早」(黒田総裁)との立場を崩していない。2%にワンタッチするだけでなく、安定的に推移することが見通せるようになるまでは、「封印」しておこうという「本音」がありそうだ。 出口論が独り歩きすると、「もう緩和姿勢は打ち止め」と市場に受け止められ、せっかく進んで来たデフレ心理の払しょくが「元の木阿弥」になることを恐れているようでもある。 日銀がQQEのモデルチェンジなしにどこまで進むのか。17日の会見で黒田総裁が強調したのは、原油価格が緩やかに上昇し、労働需給の引き締まりを背景にした裾野の広い賃上げの実現と、そのことで好循環し出した景気をバックに、需給ギャップの改善が続き、期待インフレ率が上昇すれば物価が2%に向かうとのメカニズムだった。 平たく言えば、景気がよくなるだけではダメで、企業や家計の物価観という「気」が変わらないと「2%は無理」という構図を認めたようにも見える。 その動きが期待通りに進んでいるのかどうか、リスクが増している場合にどこで日銀が決断するのか、市場サイドの洞察力も問われる場面が続きそうだ。 (竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0ME08N20150318?sp=true 公示地価:三大都市圏2年連続上昇、都心再開発「バブル手前」の声も 2015/03/18 16:50 JST (ブルームバーグ):国土交通省が18日発表した公示地価(2015年1月1日時点)によると、東京、大阪、名古屋の三大都市圏の地価は住宅地、商業地とも2年連続で上昇した。超低金利 に加えて、20年東京五輪を控えた大規模再開発や外国人観光客の増加が地価を押し上げた。住宅地も引き続き上昇基調にあるが、伸び率はやや鈍化している。 三大都市圏の公示地価は住宅地が前年比0.4%上昇(前年0.5%上昇)に対し、商業地は同1.8%上昇(同1.6%上昇)。上昇地点の比率は住宅地が5割弱、商業地は7割弱に達した。全用途は0.7%の上昇で横ばいだった。 90年代のバブル崩壊後、07年ごろに発生した外資マネーによるミニバブルは、08年のリーマンショックを契機にしぼみ、再び地価は下落。しかし、12年末に発足した安倍政権の下で日本銀行が異次元金融緩和に踏み切ったため、緩和マネーが投資用不動産価格を押し上げた。住宅需要も盛り返し、三大都市圏の地価は昨年、6年ぶりに上昇していた。 みずほ証券の石沢卓志上級研究員は、「都心では地価がバブルの一歩手前になっているところもある」と述べ、「東京オリンピックまでは地価の上昇が続くだろう」との見方を示した。東京23区の最高価格でみると、商業地(銀座4丁目)は1平方メートル当たり3380万円と、バブル期の約9割の水準に戻った。 大型再開発 CBREが2月に発表した調査によると、東京・大手町のオフィスの期待利回り(物件取得価格に対する賃料など収入の割合)は3.9%と、ミニバブル期の07年7月と並び調査開始以来の最低水準となり、物件価格の高騰ぶりを示している。 不動産投資の活発化で物件取得自体も困難になっている。東証REIT指数 は今年1月、07年以来の2000ポイントに達するなど、Jリートの資金調達環境は良好にもかかわらず、不動産証券化協会の調べでは、昨年のJリートによるオフィスビルなどの物件取得額は1兆5800億円と、前年比3割減少した。 東京を中心に進む大型再開発では、交通インフラの整備もあいまって地価を押し上げている。昨年開業した「虎ノ門ヒルズ」の最寄駅の港区・虎ノ門駅は、近辺で日比谷線新駅開業が予定されていることもあり、9.8%上昇した。北陸新幹線が開業した金沢駅は17.1%上昇と、全用途で上昇率が1位だった。 東京五輪の関連施設が集中する湾岸地域は、銀座や東京駅にバスで行ける利便性もあり、高層マンションの建設ラッシュとなっている。中央区の月島駅は9.1%上昇した。不動産経済研究所の調査担当の松田忠司氏は、高層マンションの販売は堅調に推移しているとし、「晴海や勝どきは街づくりが進むとともにさらに人気が高まる可能性がある」とみている。 外国人観光客 円安進行で訪日外国人の増加が続いていることも、消費を盛り上げ、商業地の上昇要因になっている。中でも東京圏の商業地の値上がり率上位7位までは中央区銀座が占めた。JPモルガン証券の穴井宏和アナリストは、「訪日外国人観光客の増加は銀座など都心の繁華街の地価を押し上げる大きな要因だ。外国人の消費でキャッシュフローが増え、地元の経済効果は大きい」と話す。 観光庁が発表した14年の訪日外国人旅行消費の総額は過去最高の2兆305億円(推計)。観光地の京都市東山区は観光客数が増加して店舗の新規需要が広がり、地価は7.6%上昇した。 住宅地 住宅ローンの低金利やローン減税に支えられて、住宅需要も堅調。不動産経済研究所の調査では、14年の新築マンションの平均発売価格(全国主要都市)は4306万円、1平方メートル当たり60.3万円と23年ぶりの高水準だった。地価の上昇地点が広がり、特に高額マンション地域では高い上昇率を示す地点が多い。全国一高かったのは千代田区六番町(同315万円、6.4%上昇)。 昨年4月に消費税が8%に引き上げられ、不動産経済研究所によると、14年に全国主要都市で発売された民間マンション戸数は前年比21%減の8万3205戸と09年以来のマイナス。国交省の地価調査課長の瀬口芳広氏は「消費増税の影響は住宅地の地価には表れていない。住宅地は上昇が巡航速度になっているとみている」と述べた。 ただ、三大都市圏のうち、地価上昇が早い時期から始まった名古屋圏では、住宅地の上昇率が前年の1.1%から0.8%にやや鈍化した。同省の瀬口氏は「地価が一定水準まで上がり、購入水準の限界に近づき、伸び悩んでいる可能性がある」と分析した。 地方都市 地価の上昇は三大都市圏から、札幌や仙台、広島、福岡の地方中枢都市にも波及。住宅地は7割弱が上昇、商業地も四分の三強の地点が値上がりした。地方圏全体でも値下がり幅が縮小し、住宅地は1.1%低下、商業地は1.4%低下にとどまった。 東日本大震災の被災地の地価は住宅の移転需要から回復傾向が続いている。岩手県の陸前高田市、福島県のいわき市や相馬市などの住宅地は上昇率が拡大した。全国の住宅地の上昇率上位10位までのうちすべてがいわき市だった。今回の公示地価は全国2万3380の調査地点が対象で、福島県内の17地点は調査を休止している。 関連ニュースと情報:虎ノ門ヒルズ開業へ、都心大型開発加速し10年1兆円規模−森ビル不動産投資ブーム、アベノミクス継続なら持続か−住宅市場に陰りも【クレジット市場】不動産高でJリート起債活発、ミニバブル以来とも 記事についての記者への問い合わせ先:東京 桑子かつ代 kkuwako@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Andreea Papuc apapuc1@bloomberg.net 持田譲二, 平野和 更新日時: 2015/03/18 16:50 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL1I446KLVR501.html
ドル高で米利上げペースがフラット化も、6月45%が予想-調査 2015/03/18 14:30 JST (ブルームバーグ):米連邦準備制度の政策担当者は、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上げのタイミングを決めるに際してドル高を判断材料とはしないが、ドル高の影響を考慮してその後の引き締めペースを緩めることを選ぶ可能性がある。
エコノミスト48人を対象に12、13日に実施した調査結果によれば、6月ないし9月の利上げを大多数が予想し、ドル高の影響で先送りするとの回答は全体の19%にとどまった。ドル高が利上げのタイミングに影響することはないものの、利上げペースが緩やかになる可能性が高いと58%が予測した。 他の国・地域よりも速い米国の成長ペースと年内の利上げ 観測がドルの押し上げ要因となっている。ドル高は米国の輸出価格を割高にして景気拡大の足を引っ張る一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の目標を2年9カ月連続で下回っているインフレ率をさらに抑制する恐れもある。 調査結果によれば、6月の利上げの可能性が最も高いと考える回答者が全体の45%に達した。9月との回答は37%、7月は10%だった。利上げのタイミングの検討に当たり「辛抱強く」対応できるという表現が連邦公開市場委員会(FOMC)の声明から完全に削除されるか、将来の金融政策の道筋に関する何らかの別のガイダンスに置き換えられると全体の89%が予想した。 原油安は永久に続かない キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏は「ドル高が経済成長に打撃を与えることはあり得るが、連邦準備制度の最終目標を変えるほどとは思わない。雇用統計の数字は力強く、ゼロ金利を下限とする誘導目標から離れるべき時機が来ている」と指摘した。 主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は過去1年で20%上昇し、1月27、28日に開催された前回のFOMC以降も4.7%上げている。 レイモンド・ジェームズ・アンド・アソシエーツのチーフエコノミスト、スコット・ブラウン氏は「原油安は永久には続かない。連邦準備制度はその先を見なければならず、雇用市場に主に目を向ける必要がある」との見方を示した。 原題:Dollar’s Climb Seen Flattening Fed Rate Trajectory After Liftoff(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Christopher Condon ccondon4@bloomberg.net;ワシントン Catarina Saraiva asaraiva5@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net Alister Bull, Mark Rohner 更新日時: 2015/03/18 14:30 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLE3A26JTSEB01.html FRB次第で37年リスク再来も-ブリッジウォーターのダリオ氏 2015/03/18 10:04 JST (ブルームバーグ):世界最大のヘッジファンド運用会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏は投資家に対し、米連邦準備制度の利上げペースが速過ぎる場合、1937年と同じような相場の大幅下落を引き起こすリスクがあると警告した。 ダリオ氏とマーク・ディナー氏は11日付の顧客向けリポートで、米金融当局は6月か9月の利上げを示唆しており、見送るのは難しい状況だとの見方を示した。ブルームバーグ・ニュースが入手した同リポートのコピーによれば、「同じことは何度も繰り返し起きる」とのブリッジウォーターの考え方を踏まえ、同社は偏った投資を選好しないとしている。 ダリオ、ディナー両氏は、「具体的にどの程度の引き締めが行われれば混乱を引き起こすかは、われわれも金融当局にも分からない」と指摘した上で、連邦準備制度は「通常よりも遅く、用心深く臨むことに越したことはない」と述べた。 ブリッジウォーターのリポートは、近年と37年までの数年間を比較。金利のゼロへの低下や金融緩和による資産価格の高騰、米経済の回復といった類似点を指摘した。 同リポートによると、1930年代の例では米金融当局が数段階におよぶ金融引き締めに着手した際、債券は売られ、株式相場は37年のピークから翌38年3月までに50%強下落。その結果、当局は政策の転換を余儀なくされた。 ブリッジウォーターのリポート内容ついては、バリューウォークが17日に先に報じていた。 原題:Bridgewater’s Dalio Warns of 1937 Market Risk With Rising Rates(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Kelly Bit kbit@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christian Baumgaertel cbaumgaertel@bloomberg.net Josh Friedman 更新日時: 2015/03/18 10:04 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLDP1E6JTSE801.html
FOMC声明の注目点:「辛抱強く」から「合理的な確信」へ 2015/03/18 10:13 JST (ブルームバーグ):ワシントン時間18日午後2時(日本時間19日午前3時)に米連邦公開市場委員会(FOMC)が発表する声明の注目点は以下の通り。同声明とともに経済予測も公表される。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は午後2時半に記者会見する。 ◎ガイダンスの変化:利上げについて「辛抱強く」なれるという文言を削除し、早ければ6月の利上げに道を開く可能性が高い。ブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミスト49人の69%が「辛抱強く」の文言を別の形のガイダンスに置き換えると予想。20%が「辛抱強く」は削除され、代わりの文言はないと回答した。 ルネサンス・マクロ・リサーチの米経済責任者、ニール・ダッタ氏は当局者らが「辛抱強く」を他の文言に置き換えるとしたら、インフレ率が目標の2%に向け上昇するという「合理的な確信」が利上げ前に必要だとする経済データ依存型の文言を使用する可能性があると指摘。「この場合、FOMC声明はよりニュートラルになろう」と述べ、「インフレ見通しで『合理的な確信』について言及した場合、当局者らが雇用よりインフレを重視していることを意味する」と説明した。 ◎金利予測の更新:新たな四半期予想は当局者らが政策金利がより緩やかに上昇すると見込んでいることを示すだろうと、連邦準備制度の金融部門での勤務経験があるコーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は指摘した。 ペルリ氏は今回示される今年末の米政策金利の予測中央値は恐らく0.75−1%に低下すると分析。昨年12月に示された予測中央値は1.125%だった。同氏は「今年の予測が引き下げられるなら、恐らく全ての予想期間の値も下がるだろう」と述べた。 ドル高の影響 ◎ドル高:イエレン議長は会見で、ドル高が金融政策見通しに及ぼす影響について質問される可能性があると、ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツの経済アナリスト、テリー・シーハン氏は指摘。「イエレン議長はこれまで、ドル高の影響や、一部主要国のディスインフレ傾向とそれに起因する若干の混乱などについて深刻視しない考えをしてきた」とし、「貿易統計には輸出の伸び鈍化を示す兆候が既に見られることから、見通しへのリスクに関してイエレン議長がどの程度自信を持っているのかを知りたい」と述べた。 ◎インフレ目標達成への確信:1月以降の好調な雇用データにより、インフレ率が目標の2%に回復するとの「合理的な確信」が少なくとも一部当局者の間で増しただろうと、ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ジム・オサリバン氏が述べた。 2月の米失業率は5.5%と、2008年5月以来の低水準となった。一方、エネルギー価格下落とドル高を背景に、連邦準備制度がインフレの目安としている米個人消費支出(PCE)価格指数は1月、前年同月比で0.2%上昇に鈍化。12年4月以来、2%を下回っている。 オサリバン氏は「2つの考え方がある。1つは原油とドルの一時的な波及効果が表れているというもの。もう1つは失業率が低下し、スラック(たるみ)も縮小する中で、遅行指標であるインフレ率は最終的に上昇するという見方だ」と指摘した。 同氏は、当局者が食品とエネルギーを除くコア消費者物価の今年の見通しを恐らく引き下げるだろうと述べた。 原題:Fed Decision Day Guide: From Patience to Reasonable Confidence(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Matthew Boesler mboesler1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net Alister Bull 更新日時: 2015/03/18 10:13 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLDRFF6JIJUP01.html
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