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円高・円安はアメリカのルール違反から生まれた! 44年前、世界に激震が走った日(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/453.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 17 日 11:29:05: igsppGRN/E9PQ
 

                    アメリカの第37代大統領、ニクソン


円高・円安はアメリカのルール違反から生まれた!44年前、世界に激震が走った日
http://diamond.jp/articles/-/68467
2015年3月17日 茂木誠 [駿台予備学校 世界史科講師] ダイヤモンド・オンライン


新聞、テレビで「円高・円安」という言葉を聞かない日はありません。このルーツには、超大国アメリカと、第2次世界大戦の敗戦国である日本と西ドイツが複雑に絡み合っています。見ていきましょう。

■キーワードは、「日本・西ドイツの復興」 「アメリカの金の流出」

 ニュースで「円高」「円安」という単語が出てこない日はありません。しかし戦後、ブレトン= ウッズ体制によって、通貨の交換比率は固定されたはずです。固定相場制では、「円高」「円安」など起こりえません。何があったのでしょうか。キーパーソンは、アメリカの第37代大統領、ニクソンです。

「1ドル=360円」の固定相場制が戦後の世界貿易を活性化させ、特に敗戦国である日本と西ドイツの経済復興を支えました。

 両国は経済復興後も、通貨である日本円と西独マルクが安いレートで固定されていたので、日本製品と西ドイツ製品はドル換算では超安値となり、アメリカ市場へ大量に輸出されます。

 アメリカ国内では、ケネディ、ジョンソンと2代続いた民主党政権のもとで福祉予算が増大し、ジョンソン政権が始めたヴェトナム戦争によって軍事費も拡大しました。財政再建のため、アメリカの中央銀行であるFRBがドルを増刷した結果、インフレが進んでアメリカ製品は値上がりし、安い日本製品、ドイツ製品が飛ぶように売れたわけです。

 貿易代金の支払いはドルで行われます。日本企業や当時の西ドイツ企業がニューヨークの銀行に開いた口座に、ドルがどんどん払い込まれていきます。

 彼らがドルを、「金に交換してくれ」と要求すれば、アメリカはイヤとはいえません。このままでは、アメリカが蓄えていた金がどんどん海外へ流出していきます。

■ニクソン・ショックの結果、アメリカが得たもの、失ったもの

 金の流出を阻止するため、ニクソン大統領は緊急のテレビ会見を行い、「金とドルの交換を停止する!」と発表したのです。これをニクソン・ショック(1971年)といいます。今から44年前の出来事です。

 世界恐慌のときに各国が行った「金本位制の停止」と同じことをやったわけです。さらにニクソンは、「輸入品に一律10%の輸入課徴金を課す」と発表しました。

 これらはブレトン=ウッズ体制に対する明白な違反ですが、残念ながら超大国アメリカに対して制裁ができるような国はありません。

 ニクソン・ショックの結果、「ドルを持っていると暴落するんじゃないか?」と恐れた各国の銀行や証券会社がドルを売って円やマルクを買ったため、アメリカは固定相場制を維持するため、1ドル=300円までドルを切り下げます(スミソニアン合意)。

 しかしその後も、ドル売りの雪崩現象は止まりません。もはや固定相場制を維持するのも困難になりました。各国の中央銀行は市場介入をやめてしまい、通貨の価格は為替市場における売買で決まる―買い手が多ければドル高になり、売り手が多ければドル安になる―という変動相場制へと移行しました。この体制が今も続いているわけです。

 アメリカは、各国通貨にドルとの固定レートでの交換を認め、信認を与えるという役割を自ら放棄してしまいました。アメリカの威信は地に堕ちます。その反面、円高マルク高ドル安の進行はアメリカ製品を割安にし、アメリカ企業の国際競争力は徐々に回復しました。アメリカは、「名を捨てて実をとった」のです。


 

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コメント
 
01. 2015年3月17日 13:04:32 : nJF6kGWndY

>ブレトン= ウッズ体制によって、通貨の交換比率は固定されたはずです

アホかw

ユーロを見れば明らかなように、生産性の異なる国家が、同一通貨(通貨交換比率固定)など続けられるものではないのは明らか

それに覇権国が決めた制度など、いつ反故になっても、おかしくはないのは常識

欧州で、愚民が支配する破綻国家が約束を破って、デフォルトし、貸した方が悪いと嘯くのと同じ


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%83%E3%82%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A
国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD)の設立を決定したこれらの組織を中心とする体制である。この協定は1929年の世界大恐慌により1930年代に各国がブロック経済圏をつくって世界大戦をまねいた反省によっているだけでなく、第二次世界大戦で疲弊・混乱した世界経済を安定化させる目的があった。そのため具体的には国際的協力による通貨価値の安定、貿易振興、開発途上国の開発を行い自由で多角的な世界貿易体制をつくるため為替相場の安定が計られた。IMFについては、イギリスのケインズ案とアメリカのハリー・ホワイト案が英米両国の間で討議され、ホワイト案に近いものとなった。その際、ドルを世界の基軸通貨として、金1オンスを35USドルと定め、そのドルに対し各国通貨の交換比率を定めた(金本位制)。この固定相場制のもとで、日本円は1ドル=360円(変動幅±1%)[1]に固定された。 この体制下で西側諸国は、史上類を見ない高度成長を実現。特に、日本は1950年代から1970年代初めにかけて高度経済成長を実現し「東洋の奇跡」とよばれた。安定した自由貿易の利益が先進工業国全体の経済を改善した[要出典]。
§結末[編集]
しかしその後、アメリカ合衆国と世界の諸国の経済や貿易や財政の規模が著しく増大し、金の産出量や保有量が、経済や貿易や財政の規模の増大に対応することが困難になった。
1971年8月にニクソン・ショックによりアメリカはドルと金の交換を停止し、ブレトンウッズ体制は終了した。
その後、1971年12月にスミソニアン協定でブレトンウッズ体制の骨格を維持しようとするも、1973年には本格的に変動相場制に移行し、ブレトン・ウッズ体制は完全に終結した。
§学者の見解[編集]
経済学者のジョセフ・E・スティグリッツは「第二次世界大戦後から1973年まで続いたブレトン・ウッズ体制の下では固定相場制だったので、現在(2013年)のグローバル経済よりも安定していたことは確かであり、最近のアメリカの経済学者の中からブレトン・ウッズ体制を再評価する声も出ている。しかし、ブレトン・ウッズ体制は、各国の生産性にばらつきが出てきたときに、対応できなくなってしまった。その結果、ブレトン・ウッズ体制は崩壊し、変動相場制に移行した」と指摘している[2]。



02. 2015年3月17日 21:08:57 : e9xeV93vFQ

 
コラム:ハト派の日銀とタカ派のFRB、帰結はドル安か=佐々木融氏
2015年 03月 17日 20:02 JST
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長

[東京 17日] - 17日の日銀金融政策決定会合では予想通り金融政策が据え置かれ、黒田総裁会見も従来の主張を繰り返すにとどまった。そのため、市場の反応も限定的なものとなった。

日銀がこれまでも繰り返しているように、今後2%程度の物価上昇率を持続的かつ安定的に維持するためには、賃金も同様に一定程度の上昇率を維持する必要がある。その意味で、18日に迎える春闘の集中回答の中身、またその結果として全体の賃金がどの程度上昇するかを、日銀は見極めたいところだろう。ちなみに、3日に発表された1月の毎月勤労統計では、「決まって支給する給与」は前年比プラス0.9%と2000年3月以来の大きな伸びとなった。

さらに、今年に入ってから日本株の堅調さが目立つ。年初来の上昇率(3月16日時点)を見ると、米S&P500株価指数の1.1%に対して、東証株価指数(TOPIX)は10.7%に達する。また、何より注目すべきは、ドルベースで見ても、TOPIXの上昇率が9.3%と、S&P500を大きく上回っていることだ。

これは何を意味しているのか。例えば、2014年のTOPIXは8.1%上昇したが、ドルベースでは5.0%下落している。つまり、昨年1年間の株価指数上昇は、建値である円の価値が下落したことにより、世界の投資家が保有ポートフォリオに占める日本株の比率を一定にするために追加投資を行ったことに拠る部分が大きい。換言すれば、ドルベースで見ている海外投資家からすれば、日本の株価は実質的には下落していたのだ。

しかし、今年は円相場がさほど大きく動いていない中での株価上昇であるため、前述の通り、ドルベースでもTOPIXは9.3%上昇している。これは、ようやく日本の株価が通貨安ではなく、企業収益の増加期待によって買われ始めているためと考えられる。

ちなみに、独DAX株価指数は年初来24%上昇しているが、ドルベースでは8.4%しか上昇していない。今年の独DAX株価指数の強さは、昨年までの日本株と同じように建値である通貨の下落に拠るところが大きいのである。

今年は日本経済にとってかなり良い年になる可能性がある。輸出物価を輸入物価で割った交易条件は昨年10月以降急速に改善している。日本国を一つの会社に例えれば、販売価格が上昇している中、仕入れ価格が下落している状況だ。過去4カ月間について見れば、リーマンショック時の特殊な時期を除くと1991年以来の急速な改善ペースを示している。

こうした環境下、日銀のバランスシート規模は対名目国内総生産(GDP)比で66%まで拡大している。そして、このまま日銀が約束しているペースで資産購入を続ければ、76%に達する見通しだ。

米連邦準備理事会(FRB)の同比率は26%、欧州中央銀行(ECB)は今年末までの量的緩和(QE)分を考慮に入れても28%程度である。経済のファンダメンタルズが急速に改善し、株価も他国をアウトパフォーム、さらには対名目GDP比でFRB、ECBの倍以上のバランスシート規模になりながら、再度の追加緩和も辞さない日銀の姿勢(JPモルガンは今年7月の追加緩和を予想)は、他の主要国に比べて、かなりハト派的と言えるだろう。

<タカ派的過ぎるFRB>

一方、FRBは対照的に、相当タカ派的な中銀となっている。18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文からは、金融政策正常化までのフォワードガイダンスであった「忍耐強くいられる(patient)」との文言が削除されると予想されている。

利上げについては今後の経済指標次第と強調するだろうが、市場はすでに9月の利上げを織り込み、また年末までにもう一度利上げがあることを織り込んでいる(JPモルガンは6月に最初の利上げが行われ、年内に3回利上げがあると予想)。同時に発表される経済見通しについては、実質成長率、インフレ率、失業率いずれも前回12月公表分から、やや下方修正されると見ている。

いわゆる「ドット」で示される政策金利見通しは、2015年末を中心に下方修正されるだろう。前回の12月時点では、FOMC参加者17名中6名が2015年末の政策金利見通しを1.5%以上としていた。2016年末については13名が2%以上を予想していた。

また、長期的な中立金利は加重平均値で12月時点では3.78%だったが、これが下方修正されるかどうかも注目される。市場が今後の利上げペースにも注目し始める中、2016年末時点の予想や中立金利に対する見方のほうが、米金利に影響を与える可能性が高いだろう。

イエレンFRB議長の記者会見では、再び原油価格が下落基調を始め、WTI先物価格が約6年ぶりの低水準となっていることの米インフレ率への影響、歴史的なペースで急騰しているドルの米企業収益に与える影響などについて質問が出ることが予想され、これにどう答えるかが注目される。

市場は利上げの有無よりも、利上げのペースに注目している。しかし、最近の米経済指標は弱さが目立つ。小売売上高は2月まで3カ月連続の前月比マイナスとなっている。悪天候などの特殊要因も影響しているが、それだけでは説明できない弱さがある。2月のコア生産者物価指数は前月比0.5%減と予想外の大幅なマイナスとなった。製造業の生産は2月まで3カ月連続で前月比マイナスとなり、ドル高の影響が表れている可能性を示唆している。

確かに非農業部門雇用者数や失業率には著しい改善が見られるが、その他の経済指標は先行きを不安視させるものが多い。雇用関連指標についても、いわゆる「イエレン・ダッシュボート」と呼ばれる9つの指標で、リセッション入りした2007年12月以前の水準を超えて改善しているものは、非農業部門雇用者数、求人率、解雇率の3つしかない。

さらに、FRBが重視しているはずのコア個人消費支出(PCE)価格指数は1月の数字が前年比1.3%と目標の2%を大きく下回ったままだ。ちなみに、同指標を小数点第2位までで比べると、昨年11月以降3カ月連続で低下基調を辿っている。

<1980年代前半との類似点>

このように、日銀は足元のマクロ経済環境に比してハト派的過ぎるように見え、一方のFRBはタカ派的過ぎるように見える。そして、こうした姿勢の違いがドル円相場にも反映していると考えられる。

現在のドル円相場は、1980年以降で見て、フェアバリューから最も円安方向にかい離していた1982年10月時点の水準に近付いている。当時のピークは277円台で、足元でこれと同水準は128円という計算になる。

1982年のピークに至った主因は、当時のボルカーFRB議長による強烈な金融引き締め政策の影響などを受けたドルの急上昇であったが、一方で日銀による金融緩和と日本の財政赤字に対する海外からの懸念、日本人投資家による対外証券投資の増加を受けた円安という要因も貢献していた。細かく見れば異なる点もあるが、大まかな意味では現在と似た構図だったと言える。

その後のドル円相場はどのような運命を辿ったのだろうか。実は277円台の高値を付けた後、1985年までは220―260円台のレンジ内で推移した。実効レートベースでのドルの上昇は続いたが、円安の流れが止まり、やや反転し始めたため、レンジ相場が続いた。つまり、「ドル高・円高」である。これも今年に入ってからの動きと似ていて興味深い。

当時円安が止まった理由はいくつかあるが、貿易黒字が1983年に入って急速に改善し、経常黒字が前年の3倍に急増したことも大きく影響したと考えられる。ちなみに、2015年の経常黒字は昨年の8倍程度に拡大するとJPモルガンでは予想している。

その後の展開はよく知られている。1985年9月22日のプラザ合意をきっかけにドルは急落。ドル円相場は240円から約1年間で152円まで急落した。

果たして、現在のドル円相場が急騰途上の1982年半ばにあるのか、それとも1984―85年前半までのレンジ相場期の入り口にあるのか、現時点で明確な答えを出すのは難しい。しかし、個人的な意見ではあるが、日銀が超ハト派の旗を降ろすより、FRBが超タカ派の旗を降ろすほうが早いように感じる。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MD0SX20150317


日銀:金融政策維持、8対1−消費者物価上昇率当面ゼロ%程度
2015/03/17 12:16 JST

  (ブルームバーグ):日本銀行は17日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を8対1の賛成多数で決めた。生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)の前年比(増税の影響を除くベース)については「エネルギー価格下落の影響から当面ゼロ%程度で推移する」との見通しに下方修正した。
木内登英審議委員が前回会合に続き反対票を投じた。日銀は当面、原油価格下落が経済・物価に与える影響や賃金交渉の行方を見極める方針だ。
日銀はマネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行う方針を据え置いた。長期国債は年約80兆円、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J−REIT)はそれぞれ年約3兆円、年約900億円に相当するペースで保有残高が増加するよう買い入れる方針も維持した。
ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト34人を対象に5日から11日にかけて実施した調査でも、全員が現状維持を予想した。
日銀は足元の景気について「緩やかな回復基調を続けている」との判断を維持。先行きも「緩やかな回復基調を続けていく」との見通しを据え置いた。
黒田東彦総裁は先月27日の講演で、コアCPI前年比は「2015年度を中心とする期間に2%に達する」と発言。「物価の基調的な動きに変化が生じ、物価目標の早期実現のために必要になれば、ちゅうちょなく調整を行う方針に変わりない」と述べた。
何もせずに延長すること考えにくい
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは会合前、「期限内の物価目標達成は見込みが低い」と指摘。「目標を延期する手もあるが、日銀への信任低下を招き、その後の政策効果を阻害してしまうリスクがある。最終的には延期をせざる得なくなるにせよ、何もせずに延期するとは考えづらい」という。
矢嶋氏は追加緩和のタイミングとしては、経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行う7月を予想。ただし、「その時点で追加緩和期待が大いに高まっていないことが条件になろう。7月に緩和予想が集中する事態が予想される場合には、サプライズ演出のために前後に若干ずらす可能性がある」とみる。
一方、農林中金総合研究所の南武志主席研究員は会合前、「消費税増税の悪影響が一巡する15年度に入れば、原油安メリット、賃上げ継続などで景気回復基調が強まるだろう。それを受けて労働需給は一段とひっ迫し、賃金上昇が定着すると思われる」と指摘。
「原油安は直接的に物価指数を押し下げるが、同時に需要刺激効果もありデフレ現象ではない。予想物価上昇率がデフレ方向に振れるなど、よほどのことでもない限り、追加緩和はない」とみる。
宮尾審議委員の後任に原田氏
宮尾龍蔵審議委員が今会合を最後に退任する。後任は早大教授を務めた原田泰氏。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは「政策委員会の中心軸は現在よりもリフレ方向にシフトする。今後さらなる追加緩和の議論が浮上した場合、同氏が賛成に回ることは間違いない」と指摘。
「これまでの発言から判断する限り、原田氏はより財政ファイナンスに近い形の金融政策も排除しないようだ。審議委員就任後も『日銀の国債買い入れで国の借金が減る』的な発言が繰り返されれば、先行きの金融政策運営に対する不透明感を高めたり、財政ファイナンスへの懸念につながるかもしれない」としている。
日銀は昨年10月31日の金融政策決定会合で、消費増税後の需要の弱さや原油価格の大幅な下落が「物価の下押し要因として働いている」とした上で、「短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある」として追加緩和に踏み切った。
木内審議委員は独自提案も否決
木内審議委員は3月17日の決定会合で、2%の物価安定目標の実現を「中長期的に目指す」とした上で、量的・質的金融緩和を「2年間程度の集中対応措置と位置付ける」との提案を行ったが、8対1の反対多数で否決された。
黒田東彦総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は4月13日に公表される。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表している。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 上野英治郎
更新日時: 2015/03/17 12:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLA2456TTDS701.html


 

【クレジット市場】在日外銀が黒田氏支える、円キャリー6年ぶり活況
2015/03/17 14:16 JST

  (ブルームバーグ):金利がゼロに近い円を借りてより高利回りのドル建てなどの資産に投資する円キャリー取引がリーマンショック直後以来の活況を呈している。2%の物価目標を掲げる日本銀行の黒田東彦総裁には朗報だ。
円キャリー取引動向を測る指標の一つとなる外国銀行の在日支店による本店向け貸出残高は、黒田総裁が金融機関向けの貸出増加支援制度を拡充した2014年6月から直近の1月まで、前年比18%超の伸びが続く。昨年11月には10兆2473億円と6年ぶりの高水準を記録した。円相場は対ドルで先週、約7年8カ月ぶりの水準に下落。円キャリー取引でドル資産を買った投資家の収益率は過去1年間で約20%に達する計算だ。
貸出増加支援制度は円高・デフレ対応に苦慮した白川方明総裁(当時)が安倍晋三内閣の発足した12年12月に導入した。円安は輸出競争力の向上や企業収益増、輸入インフレを通じた物価押し上げ要因となる。消費者物価は事実上ゼロ%近くまで鈍化。エコノミストらは日銀が15年度を中心とする期間に2%の物価目標を達成するには1ドル=140円の円安が必要だとみている。
クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミストは、貸出増加支援制度には「円キャリー取引を促す効果があり、円安基調に貢献している」と指摘。「外銀は円資金を調達して本店向け貸し出しを増やしている。邦銀の海外向け融資も一部は円キャリー取引的な面もあるのではないか」と読む。日米金融政策の方向性の違いと金利差を背景に円安・ドル高のトレンドが続き、年末には127円と予想する。
外銀・円キャリーに狙い
日銀の統計によると、外銀の在日支店による本店向け貸出残高は今年1月に前年比18.1%増の9兆7501億円。世界的な金融危機前の07年2月に23兆1906億円と過去最高を記録した後、リーマンショックを経た10年10月には3兆9031億円と超円高だった1995年5月以来の水準まで減った。12年9月からは2年5カ月連続で前年を上回っている。
外銀が抱える日銀当座預金残高は2月に過去最大の19兆5040億円。1年で83.2%も増えた。地方銀行や信託銀行を大幅に上回り、都市銀行、ゆうちょ銀行を含むその他に次いで大きい。外銀の当預は所要準備額470億円の415倍に及ぶ。都銀は所要準備3兆6850億円に対し、当預は71兆4680億円で19倍にとどまる。
貸出増加支援の資金供給は導入当初、金融機関が貸出増と同額まで、日銀から0.1%の固定金利で最長4年間、借り入れできる仕組みだった。対象先を「外銀の在日支店を含む」、対象となる貸し出しも「企業・家計向けなら国内外や表示通貨を問わない」と明記した。
白川総裁は導入時の記者会見で、中央銀行として異例の「ファンド向けや非居住者向け、邦銀海外店における貸し出しなども含めた」と説明。「円建てで借り入れた資金を外貨に転換する動きが広がれば、円高是正方向への資金の流れが強まる面もある」と指摘した。
「倍返し」で加速
同制度は13年6月に始まり、四半期ごとに実施。黒田総裁は14年2月に金融機関への融資上限を貸出増加額の2倍までに拡充。同制度を通じた資金供給が最終的に30兆円程度に膨らむとの見通しを示した。同年6月に初めて適用すると、貸付額は過去最高の4兆9368億円と従来平均の2.3倍に急増した。
日銀は1月、同制度の期限を1年延長するとともに、非取引先金融機関が各々の系統中央期間を通じて利用できる枠組みを導入すると発表した。資金供給残高は今月10日に18兆9773億円と1年前の3.7倍。16日公表の3月分は4兆4000億円で、残高は22兆3454億円に膨らむ。すでに30兆円程度の約4分の3を達成。一方、外銀の円貸し出しは2月に前年比11.5%減の1兆8945億円。7カ月連続で縮小している。
クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは、米国が9月に利上げを始める一方、日銀は10月末に追加緩和すると読む。「円キャリー取引は昨年以上にやりやすい環境」にあり、円相場は対ドルで年末に130円、16年末は138円まで下落すると予想。円安・ドル高は「輸入インフレ圧力などを通じて日銀の物価目標達成に追い風に働くのは間違いない。黒田総裁にとってはありがたい話だ」と指摘する。
ドルが独歩高
日銀は2%の物価目標を2年程度で達成するため、マネタリーベースを積み増す「量的・質的金融緩和」を13年4月に導入。昨年10月末の追加緩和で、増加ペースを年60兆−70兆円から約80兆円に高めた。資金供給手段である長期国債買い入れオペは月6兆−8兆円から8兆−12兆円に増額。政府が入札を通じて機関投資家などに販売する2015年度市中発行額152.6兆円に対し、年率で最大9割超にも及ぶ計算だ。
金融政策予想に左右され、為替相場に影響する2年物国債利回りの日米格差 は昨年12月に77.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と10年4月以来の水準に拡大。今月6日も71.1bpまで開いた。市場関係者は0.64%前後の米2年債 が年末に1.40%に上昇するが、日本は0.02%とほぼ横ばいを予想。日米金利差は138bpと2倍超に広がる見通しだ。
主要6通貨に対する強弱を示すドル指数 は13日に100.39と03年4月以来の高値を付けた。利上げが近い米国とは対照的に、前例のない金融緩和を背景に債券利回りが低下する国・地域が続出。ブルームバーグの通貨指数によると、ドルは過去1年間で先進国通貨に対して約22%上昇と最も強かった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは「ドル高基調が強いが、量的・質的緩和は円安要素だ」と指摘する。「名目国内総生産(GDP)が480兆円程度しかないのに国債保有を年80兆円も物価目標達成まで無期限で増やすと約束している」と指摘。「為替市場は鮮度の高い情報に飛びつきがちだが、すぐに追加緩和がなくても、円安圧力は容易なことではほぐれてこない」とみる。
統一地方選とG20
円の対ドル相場は日銀が異次元緩和を導入した13年に21%と79年以来の下落率となり、追加緩和があった昨年も14%下げた。10日には122円03銭と07年7月以来の安値を記録。市場関係者は今年末に125円、16年は128円まで円安・ドル高が進むと予想する。
それでも、全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI )の前年比上昇率は原油安を背景に1月に2.2%に鈍化した。昨年4月に実施された消費増税の影響を除くと0.2%程度で、物価目標の10分の1に過ぎない。10年物の固定利付国債と物価連動債の利回り格差(ブレークイーブンレート、BEI)が示す市場の予想インフレ率は1月に底入れしたが、足元で1%前後にとどまる。
甘利明経済再生相は2月17日の記者会見で、円安は「現状ではプラスの方が大きい」が、過度に進めば「経済ファンダメンタルズから離れる」と述べた。本田悦朗内閣府参与は20日、円相場は「心地の良い」水準で、追加緩和は必要ないと発言。内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授は25日、原油安を考慮すれば、物価目標の達成期間は3年程度への延期が可能だと語った。
クレディ・アグリコル証の尾形氏は、円安けん制と取れる発言が目立つのは「4月の統一地方選を控えて円安の恩恵が地方には浸透していないとの認識と、G20で通貨安競争が議論の俎上(そじょう)に乗りかけた影響がある」と読む。「黒田総裁の姿勢に変化はなく、米国内でのドル高懸念も一部に限られている」と指摘。「状況が一服すれば、円安・ドル高傾向がまた強まってくる」とみている。
安定度が高い円安
黒田総裁は先月18日の記者会見で、円安はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映して安定して推移している限り「経済にマイナスになることはない」と言明。金融政策運営では「今、物価の基調に変化がない中で、何か追加的なことをやる必要はない」が、「仮に物価の基調に変化が生じて、物価安定目標の早期達成が難しくなるという事態が生じた場合は、当然ちゅうちょなく調整する」と語った。
日銀は15年度を「中心とする期間」に消費者物価が2%程度に達する可能性が高いとするが、ブルームバーグ・ニュースが5−11日にエコノミストらに聞いたところ、実現するとの回答は30人中3人しかいなかった。10月末までに追加緩和するとの見方は34人中23人を占めた。
三菱モルガン証の植野氏は「年末に125円まで円安が進むが、円キャリー取引などでオーバーシュートすれば130円もあり得る」と読む。ただ、今の円安は「巻き戻しリスクもある円キャリー取引には依存せず、異次元緩和と実需の円売りに支えられて安定度が高い」と指摘。貿易赤字 と海外M&A(企業の合併・買収)ブーム、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )など公的年金勢の資産構成見直しに伴う外貨建て資産買いを挙げた。
関連ニュースと情報:日本から約36兆円が米国債にさらにシフトか、利回り追求加速へ【クレジット市場】GPIFの売りに共済など追随、超長期債の重しに【クレジット市場】日銀物価目標の達成は永遠に困難か、指標は懐疑的
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net
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更新日時: 2015/03/17 14:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLBRYK6JTSEC01.html

 

バンカーもトレーダーも機械で十分−人間は技術開発に活路か
2015/03/17 11:19 JST

  (ブルームバーグ):幅広い知性を持ち冷静沈着、そして同情心は持ち合わせない−。こんな求職者たちがわれわれの職を狙っている。ゆっくりとではあるが着実に、私たちの立場は危うくなっている。
空想科学小説の話ではない。技術の進歩がある種の職業を奪ってしまうのは産業革命が始まってからよく見られることだ。機織り職人も農民もタイピストも皆そうだ。しかし金融の専門家が機械に職を奪われるとは、なんという時代になったことだろう。
世界の金融業界が縮小するにつれ、ハイテク企業は台頭しリスク管理やデータ分析、トレーディングプラットフォームなどかつては人間が行っていたサービスを提供している。クリストファー・ラングナー記者の週明けの記事が示している。
米英の大手銀4行の従業員数は2008年初めに比べ35万人近く減った。1月に公表されたームバーグ・グローバル・ポールでは80%余りが銀行業界の人員削減が今年も続くと予想した。
適者生存の本能に優れた投資銀行バンカーらは金融テクノロジー業界に移ろうと躍起だ。ラングナー記者の記事では、幹部人材紹介会社エゴン・ゼンダー・インターナショナルのエリック・アンダーソン氏が「私が話をするバンカー10人のうち7人は、ハイテク企業への就職口があったら自分のことを思い出してほしいと言う」と語る場面がある。
マッキンゼーが昨年12月にまとめた米銀行システムの年次調査によれば、1万2000社以上の新興企業が銀行関連のテクノロジーに注力していた。投資銀行のバンカーと言えば、相当な時間を他業界のリストラを手掛けることに費やすものだが、それが現在は彼ら自身がその対象となっているのは非常に興味深いというか因果応報的にも思える。
ところで、債券トレーダーがロボットに取って代われるなら、ジャーナリストも同様だろう。このコラムの筆者は自嘲的な中年の英国人ジャーナリストに似せたロボットなのだ。あなたは信じますか?
原題:Robotic Investment Bankers Find Jobs Karma in Tech: Opening Line(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Matthew Brooker mbrooker1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Marty Schenker mschenker@bloomberg.net; Edward Johnson ejohnson28@bloomberg.net 木下晶代
更新日時: 2015/03/17 11:19 JST


懲りないウォール街、今年も長期金利上昇を予想−敗者輩出か
2015/03/17 09:09 JST
【記者:Joe Weisenthal】  (ブルームバーグ・ビジネス):投資家やエコノミストが大抵外す予想に、長期金利の方向がある。エコノミストらはもう何年も前から金利が上がると言っているが、実際は下がり続けている。
金利上昇予想の理由としてはインフレや政府支出をはじめ、様々な要素が挙げられてきた。「行く方向は上しかない」という言葉もよく聞かれた。
しかし金利が下がっているのは米国ばかりでなく、欧州の一部の国債利回りはマイナスになっている。日本では国債利回り上昇を見込む取引は永遠に勝ちが見込めないという意味で、「ウィドウメーカー(未亡人製造機)」と言われているほどだ。
なぜ長期金利は何年も下がり続けるのか。多くの国・地域でインフレ鈍化基調が定着していることに加え、高齢化によって国債のような超安全資産の需要が増したことがある。
そして今年もまた、アナリストらは懲りずに金利上昇を予想している。
原題:How Interest Rates Keep Making People on Wall Street Look Like Fools(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Joe Weisenthal jweisenthal@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Alex Dickinson adickinson11@bloomberg.net 木下晶代
更新日時: 2015/03/17 09:09 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLB2GT6K50XY01.html

 

日銀に物申す、脱デフレ秘策は賃金上昇率にあり−東大渡辺氏
2015/03/17 15:55 JST
  (ブルームバーグ):日本銀行はデフレ脱却を確実にするため、物価に代わり賃金上昇率を目標にすべきだ−−。元日銀マンで、現在は東京大学大学院で教壇に立つ渡辺努教授はこう訴える。2%の物価上昇目標の達成が厳しさを増す中、現状を放置すれば2年間の苦労が水泡に帰す可能性があり、これまでにないアプローチも必要と言う。
物価と金融政策が専門の渡辺教授はこのほど、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、「今のままでは物価上昇率がもう少し下がる可能性があり、ゼロがあってもおかしくない。2年頑張ってきたが、もう1回デフレなんだという考えが支配する」と指摘。デフレの根は深く、異次元緩和後も多くの品目の価格が据え置かれ、これを動かすために日銀は「少々伝統的な範囲から外れていても、ミクロの産業政策も責任を持つべき」と述べた。
日銀は2013年4月から大規模な質的・量的緩和を実施、昨年10月末には追加策を講じたにもかかわらず、消費税増税の影響を除いた1月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と、目標の2%上昇から遠ざかっている。増税前の昨年3月時点は1.3%の上昇だった。
渡辺教授は、アベノミクスが始まる前のデフレ状態と比べれば、日銀緩和後の円安による輸入物価の上昇でCPIの平均値を上げる一定の効果はあった、と評価。ただし、異次元緩和後も500を超す品目のうち半数でほとんど動きがない結果、上昇率分布ではいまだにゼロにピークがある状況と言う。これまでの日銀政策の延長線では、持続可能な形でCPIの上昇率2%を達成するのは難しいと指摘する。
非輸出系価格をどう上げるか
動きのない具体的品目は、国立大学の授業料や家賃、地下鉄料金、理美容サービスなど。同教授は、賃上げの動きが現状見られるのは収益面で余裕のある輸出系企業が中心で、これらと関係のないサービス系、公共系の価格を上げるには、これら系統の賃金上昇を狙って「政府が個別産業の価格についても手を入れて整える」ことが重要、とした。
厚生労働省の毎月勤労統計によると、14年の現金給与総額は前年比0.8%上昇したが、インフレを考慮した実質賃金は2.5%低下した。安倍政権は企業に対し賃上げを促しているものの、実質賃金は月次ベース で13年7月以降、19カ月連続で前年を下回る。
賃上げに関し、法的根拠がないまま政府が経営者に働き掛ける現状は、賃金への公的管理が毎年続くとの警戒感が企業サイドで生じやすい。そうした事態を避けるため、渡辺教授は「ある一定期間、政府・日銀が賃金について特例的に個別の企業について物を言うことを明文化・ルール化する」必要性に言及。名目賃金と物価は過去にほぼ連動しており、「名目賃金の上昇率を2%プラスアルファにするまで金融緩和を続ける、という言い方に変えるのは1つの方法」と提案した。
国民心理に寄り添う
物価上昇に拒否反応の強い国民にインフレ政策が受け入れられるためにも、「物価を上げたいと言うのではなく、賃金を上げたい、結果として物価も上がっていくとの言い方が良い」と同教授は話す。もっとも、特定産業を視野に入れた政策運営は中央銀行の役割を逸脱し、政治問題化する恐れもあると指摘。デフレ脱却には「今が最後のチャンス」と判断しており、「2−3年間の集中治療期間と割り切り、マクロを整えるためのミクロの期間限定措置として、賃金に相応の重きを置いて政策運営することは十分あり得る」とみる。 
渡辺教授らが開発した東大日次物価指数 は、全国約300のスーパーマーケットが扱う20万点超の商品についてのPOSデータを活用、88年までさかのぼって算出し、13年5月からホームページ上で公表している。過去1週間の平均値は12日時点で前年同日比0.15%下落、昨年12月末時点は0.28%上昇だった。同指数は、総務省が算出するCPIに比べ低く出る傾向があり、その差は約0.5%としている。
日銀は17日の金融政策決定会合で、当面の金融政策を現状維持とした。生鮮食品を除く消費者物価の前年比見通しについては、「当面ゼロ%程度で推移するとみられる」へ下方修正した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 Tom Redmond tredmond3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎, 淡路毅
更新日時: 2015/03/17 15:55 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL17KK6JTSER01.html

 
日銀総裁:物価「若干マイナス排除せず」−総合的に基調改善
2015/03/17 18:23 JST

  (ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、原油価格次第で消費者物価がマイナスに陥る可能性があるとの見方を示した。同時に、総合的に見れば物価の基調は着実に改善しており、対応する必要はないとの姿勢を鮮明にした。
金融政策の現状維持を決めた17日の会合後に黒田総裁は、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI、増税の影響除く)前年比は「エネルギー価格などの動向によっては若干のマイナスになることも排除はできない」と述べた。日銀は会合で物価見通しを「エネルギー価格下落の影響から当面ゼロ%程度で推移する」との見通しに下方修正した。
黒田総裁は一方で、「仮に一時的にコアCPI前年比がマイナスになっても、基調がどうなっているかにかかっている」と指摘。物価の基調は「需給ギャップや中長期的な予想物価上昇率に規定される。もう少し広く言えば物価をめぐる家計や企業の見方にも関係する。そういったものを総合的に見ると、物価の基調は着実に改善している」と述べた。
さらに足元の物価上昇率がどんどん下がっていくと、インフレ期待に影響にするのではないかという懸念があり得るとしながらも、「中長期的な物価上昇率はおおむね維持されており、幸いそうした懸念は払しょくされている」と発言。仮にコアCPIがマイナスになっても、「直ちに物価の基調に影響が出るという状況ではない」と語った。
黒田総裁は先月27日の講演で、「物価の基調的な動きに変化が生じ、物価目標の早期実現のために必要になればちゅうちょなく調整を行う方針に変わりない」と発言。この日の会見でも「経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う」と述べた。
株価に行き過ぎない
17日の東京株式市場は、TOPIX 、日経平均株価 はともに年初来高値を更新した。黒田総裁は「今のところ株式市場で過熱や行き過ぎた期待の強気化があるとは思っていない」と述べた。
日銀は指数連動型上場投資信託(ETF)を保有残高が年約3兆円に相当するペースで増加するよう買い入れている。黒田総裁は「リスクを取らない市場の動きに対してリスクプレミアムを縮小するように働きかけることで市場、経済全体が活性化するようにやっている。株価を支えるとか押し上げるということでやっているわけではない」と述べた。
日銀が量的・質的金融緩和を導入してから4月で2年が経過する。黒田総裁は「企業、家計ともに所得から支出への前向きな循環メカニズムが作用しており、緩やかな回復基調を続けている」と指摘。「物価の基調は着実に改善している」と述べた。
2年程度で早期実現に変わりない
黒田総裁はさらに、「需給ギャップはおおむね過去平均並みのゼロ%程度まで改善しており、予想物価上昇率は原油価格の下落にもかかわらず、やや長い目で見れば全体として上昇しているとみられる」と指摘。
「昨年春の賃金交渉で約20年ぶりのベースアップが実現し、本年も賃上げの方向が労使双方から示されるなど、家計や企業の実感としても、物価をめぐる状況は大きく変化している」と語った。
その上で、「このように量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮しており、2%の物価目標を2年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現する方向に全く変わりない」と述べた。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 上野英治郎
更新日時: 2015/03/17 18:23 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLCF2K6KLVR801.html

日銀総裁「物価一時マイナス、15年度中心に2%へ」:識者はこうみる
2015年 03月 17日 18:03 JST
[東京 17日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は17日の記者会見で、物価上昇率が前年比でマイナスに転じる可能性があるとしつつも、原油安の影響がはく落することで2015年度を中心とする時期に目標の2%に達するとの見解を示した。

市場では一部で警戒感は残っているものの、日銀が今後、追加緩和に踏み切るのであれば、賃金の上昇などを見極めた後の秋以降になるとの見方が大勢となっている。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●賃金上昇に自信、追加緩和は今秋以降

<SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏>

黒田総裁は会見で、物価の基調が着実に改善していると強調した。かなり強い口調で、賃金が上昇する実現する環境が整っていると述べるなど、基調改善に自信を深めている印象さえ受ける。

黒田総裁は、中長期的な物価上昇期待は維持されており、原油価格下落の影響はないと指摘。展望リポートが公表される4月の会合でも、原油価格の下振れに、金融政策で対応することはないとみている。

日銀が追加緩和に踏み切るとすれば、今秋以降だろう。賃金上昇の持続性を持たせるため、2016年春闘を見極めるタイミングが一つのポイントになるのではないか。

●物価見通し引き下げ、株式市場に緩和期待も

<岡三アセットマネジメント 上席ストラテジスト 鈴木守氏>

日銀の姿勢そのものに特に目立った変化は見られない。物価の当面の見通しは、原油価格の下落を配慮して表現を変えるだろうと事前にみられていたため、特に違和感はない。ただ下方修正したことで、株式市場では4月の段階で追加の金融緩和に踏み切るのではないかという期待が高まりやすい。

4月中の追加緩和に対して市場ではやらないというのが大方の見方となっているが、異次元緩和は誰もが想像しない時に実施するからこそ効果があるだけに、可能性については否定もできない。もっとも、国内のファンダメンタルズそのものは改善してきているうえ、足元の株高にはECB(欧州中央銀行)の量的緩和の影響が非常に大きい。あえてここで日銀がカードを切る必要があるかについては疑問だ。

●賃金上昇見極め、追加緩和あっても秋以降

<三菱東京UFJ銀行 市場企画部 チーフアナリスト 内田稔氏>

日銀は消費者物価の見通しを「当面ゼロ程度で推移する」と引き下げたが、黒田東彦総裁は、エネルギー価格の低下について、長期的には景気にプラスであり先々は物価も上昇すると説明した。物価の伸びが低調でも、すぐに(追加緩和に)動く必要がなくなり、様子をみる時間を稼いだと言える。

2%の物価安定目標達成に向けては賃上げが重要だと指摘する中、今春闘では大手企業を中心にベースアップの動きが伝えられている。賃金上昇がいずれ物価に波及するという説明を日銀が続けるのであれば、春闘の帰結を見極め、6月のボーナスの動向を確認する必要がある。

米国が金融政策の正常化に動いており、夏以降は原油安の影響もはく落する。時間を稼いだ間に様々な材料を集め、10月の展望レポートの段階で追加緩和の是非を検討すると思われる。

追加緩和がある場合、もはや国債の買い増しは難しいだろう。国債の場合は年限を伸ばすというオペレーションツイスト的なもの、資産を増やすのであれば、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)など、国債以外の資産を想定している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MD0SN20150317



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