02. 2015年3月16日 18:08:39
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再浮上する原油安リスク、プラス効果は米国でも見えず 2015年 03月 16日 16:55 JST [東京 16日 ロイター] - 原油安リスクが再び浮上してきた。米原油先物が直近安値を割り込み、「経験済み」とは言えないゾーンに入ろうとしている。長期的には景気押し上げ要因との見方が多いが、エネルギー消費大国の米国でさえ、ポジティブ効果は見えない。 ディスインフレ傾向に拍車がかかれば、追加金融緩和などの期待も高まるが、資源国への影響など予断を許さない状況になってきた。 <価格下落と在庫増の悪循環> 原油価格が新たな安値水準に突入した。米原油先物CLc1は16日朝方のアジア時間の取引で2%以上急落し、43.57ドルと1月29日に付けた安値をわずか1セントながら割り込み、2009年3月以来の安値水準に下落した。その後、44ドル台に戻しているものの、新たなステージに入ったことで一段の下落に警戒感が高まっている。 今回の価格下落の要因は、ドル高と原油在庫の増加だ。国際エネルギー機関(IEA)によると、米国では近く貯蔵タンクが不足する恐れがあるという。原油価格が下落しても需要は盛り上がりに欠け、在庫は増加。供給過剰の環境も解消されていない。 「掘削リグが減少しているのは、小規模業者が採算割れのリグを減らしているため。大規模業者はほとんど減らしていない。売り上げを確保するために価格下落の中で薄利多売に走っており、在庫が増加。価格がさらに下がるという悪循環に陥っている」(ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)という。 <いまだ伸びない米小売売上高> 原油安は、エネルギーコストの低下を通じ、少なくとも日本や欧州など資源輸入国の経済にはプラス。こうした見方はいまだに根強いが、最も恩恵を受ける国の1つとみられていた米国でさえ、ポジティブ効果が見られない。 2月米小売売上高は、前月比0.6%減少と市場予想の0.3%増を下回った。大雪や寒波などが影響しているとの見方もあるが、減少は2012年以来初めてとなる3カ月連続。原油価格の下落は昨年後半からであり「そろそろプラス効果が出てもいい」(邦銀)との期待を裏切っている。 一方、資源輸出国にとって、マイナスの影響がダイレクトに出ると懸念される。外為市場では、カナダドルCNH=など資源国通貨が下落。早期の米利上げ観測によるドル高の影響を受けているほか、原油安による影響も加わるダブルパンチとなっている。「逆オイルショック」に警戒感が高まった1月ほどではないが、資源国経済が一段と悪化する懸念も強まっている。 三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「米国におけるガソリン代の下落は、借金返済に回ってしまっているのかもしれない。米消費が拡大し、輸出増加と通貨安で資源国も潤うというシナリオに不安も出てきた」と指摘。米利上げペースにも影響が出てくる可能性があるとみている。 <日銀の追加緩和期待も> エネルギーコストの低下という観点からみれば、いずれ原油安は先進国だけでなく新興国の景気も押し上げるにしても、各国中銀にとって悩ましいのは、原油安による足元の物価下押し圧力だろう。 日銀は2年で2%目標を掲げた2013年4月4日から、もうすぐ2年が経過する。 原油価格を含めたコアCPI(除く生鮮)が対象であり、足元の原油安はさらに目標達成を難しくする。原油価格を外してコアコアCPIを対象にするという手もあるが、コアコア自体の伸びが0.1%程度であるうえ、原油価格が反転上昇したときに今度は目標物価が全く上がらないことになってしまう。 SMBC日興証券・チーフエコノミストの牧野潤一氏は「賃金上昇が物価を押し上 げるという見方もあるが、物価2%を実現するには3.5%以上の賃金上昇が必要。原油価格に関係なく2年で2%の目標は無理なのだから、デフレへのファイティング・ポーズをとり続けるという姿勢をアピールするためにも、早めの追加緩和が望ましい」と指摘。4月末にも追加緩和があると予想している。 米利上げの先送りや日銀の追加緩和は、株式市場などにとってはプラス材料だ。しかし、金融相場が行き過ぎれば、ファンダメンタルズからかい離した株価形成など「ゆがみ」をさらに拡大させる可能性もあり、そちらの面の警戒も怠れない。 (伊賀大記 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MC0LK20150316 「正常への回帰」は米株強気相場しか知らない世代にトラウマ 2015/03/16 16:43 JST
(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)がもたらした6年間の眠りから覚めることが、容易だと思う者は誰1人いない。 株式市場にボラティリティが戻ってきた。2014年には上昇しない日が4日と続いたことはなかったS&P500種株価指数が、今年は1月から既に5営業日続落が2回あった。1%を超える動きの日は前年同期に比べ50%増え、1−3月(第1四半期)には累計の下落率が3%以上となる続落が4回あった。 混沌(こんとん)状態のように見えるかもしれないが、ベテラン投資家のクリス・バーテルセン氏(70)に言わせれば、これは正常への回帰だ。株価が09年の3倍に達する中で、米当局の金融刺激策からの出口は遅過ぎるくらいだと同氏は言う。ボラティリティの指標は今年、前回の強気相場の最後だった07年に似た状態にある。今回の上昇相場は既に前回よりも1年長く続いている。 グローバル・ファイナンシャル・プライベート・キャピタルの最高投資責任者(CIO)のバーテルセン氏は、「いつもそこにある量的緩和によってわれわれは目がくらんでしまっているが、それは異常な状態だった」と言う。今は、「多くの投資家、特にこんな時代を見たことのない投資家にとっては船酔いしそうな状態だ」と同氏は語った。 外為とエネルギー市場のボラティリティの影響や米当局が年央までに利上げする方針を示していることで、株式市場は3年前の欧州債務危機当時以来の不安定さになっている。 原題:Back to Normal in Stocks Feels Like Trauma as U.S. Bull Run Ages(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lu Wang lwang8@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jeff Sutherland jsutherlan13@bloomberg.net Chris Nagi 更新日時: 2015/03/16 16:43 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLAN5D6K50Y201.html アングル:戦略見直し迫られる米企業、ユーロ安の影響回避へ 2015年 03月 16日 17:04 JST [ロンドン 13日 ロイター] - ユーロ安ドル高を背景に、欧州企業の業績は上向き始めている。一方、ドル高で収益が押し下げられている米企業は、欧州企業に市場シェアを奪われかねないという危機に直面し、事業戦略の見直しを迫られている。 フランスの化粧品大手ロレアル(OREP.PA)のジャンポール・アゴン最高経営責任者(CEO)は先月、投資家に対して「これまでユーロ高が障害となっていたが、今や風向きが変わった。2015年の売上高と利益を押し上げるプラスの為替効果を最大限に活用する」と語った。 欧州の航空大手エアバス(AIR.PA)、独自動車ダイムラー(DAIGn.DE)、仏エンジニアリング大手シュナイダー・エレクトリック(SCHN.PA)、仏重電大手アルストム(ALSO.PA)などもユーロ安の業績押し上げ効果を期待している。 ユーロ/ドルはここ半年で対ドルで約20%下落し、近いうちに1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)をつけるとの見方もある。 ただ、大半の米企業にとってユーロ安ドル高は懸念要因だ。アップル(AAPL.O)やデュポン(DD.N)、プライスライン(PCLN.O)、キャタピラー(CAT.N)、ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)などは、今後ユーロ安ドル高による逆風が増すと予想。ゼロックス(XRX.N)など収益見通しを下方修正する企業もある。 ドル高を警戒し、市場シェアや利益率を維持するため、コスト削減やユーロ圏での調達拡大、価格戦略の見直しなどを進めている。 ベレンバーグのアナリスト、ジェームス・ターゲット氏は「欧州へ製品を輸出する米企業は、欧州での価格調整や販促で今後収益が圧迫されるだろう」と指摘する。 欧州中央銀行(ECB)は今月から量的緩和を開始。対照的に、米連邦準備理事会(FRB)は今年中に利上げ再開を行うと予想されており、ユーロ安ドル高は今後も続くと見込まれる。米企業には長期的な戦略が求められている。 ターゲット氏は「原材料をどこで調達し、どこで製造し、どこで販売するかについて、企業は再検討する必要がある」と指摘する。 <迫られる戦略見直し> 米グーグル(GOOGL.O)やペプシコ(PEP.N)などは、短期的には為替ヘッジで損失はある程度抑えられるとしている。ただ、企業の多くは、ドル高ユーロ安の影響を抑えるため、どのように事業を再構成すべきか模索している。 多くの米企業はコスト削減を進めている。また、欧州でのユーロ建ての価格を引き上げることで、ユーロ安の影響を補おうとする動きもある。 米3M(MMM.N)は、一部の商品価格をドル相場に連動させることを検討。さらに、仕入れ価格の再交渉も行っている。 サプライチェーン段階でユーロ安の利点を確保しようとする動きもある。ABBのウルリッヒ・シュピースホーファーCEOは、ユーロ圏内にあるサプライヤーを今以上に活用することを検討している、と明らかにした。 3Mのニック・ファナンダキ最高財務責任者(CFO)は、さらなる「域内の自給自足(regional self-sufficiency)」を目指す、としている。 こうした戦略は短期的にはコスト削減となるかもしれないが、長期的にみればリスクを伴う。 モーニングスターのアナリスト、フィリップ・ゴーハム氏は「現地での調達は、グローバルという利点を最大限活用する試みを損ね、調達の効率性を低下させる恐れがある」と指摘する。 <ユーロ安は一部米企業にプラス> 一部の米企業にとってもユーロ安は追い風だ。借り入れコストの低下や製品を輸出する欧州部門の業績改善、ユーロ圏内の消費需要の増加という恩恵を受ける。また、為替安によるユーロ圏への観光客増加が見込まれる娯楽関連の米企業にもプラスとなる。 ユーロ安ドル高で、長らく低迷していた欧州部門の回復が期待できる。キャタピラー(CAT.N)はここ数年、グルノーブルの掘削機工場の縮小を余儀なくされていたが、ユーロ安で状況が変わるかもしれない。 また、ユーロ建て債務がかなり多いフィリップ・モリス(PM.N)の借り入れコストは低下している。 欧州のホテルは、比較的ユーロ圏外からの宿泊客が多い。そのため、全世界でホテル事業を展開する米企業は、ユーロ安による宿泊客の増加分が、ドル高による国内宿泊客の減少を上回る可能性がある。 世界各国にホテルを展開するマリオット・インターナショナルのアーン・M・ソレンソンCEOによると、ユーロ圏のホテルの宿泊客の約30%は域外からで、そのうち北米からが約20%、アジアは6%程度。一方、米国のホテルの需要の95%は国内で、海外からの需要は5%にとどまるという。 (Tom Bergin記者、Martinne Geller記者、翻訳:伊藤恭子 編集:加藤京子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MC0MA20150316 ユーロが12年ぶり安値更新、欧米政策の違いで−ドル121円前半 2015/03/16 08:21 JST (ブルームバーグ):日本時間朝の外国為替市場では、ユーロが対ドルで約12年ぶりの安値を更新した。欧州中央銀行(ECB)が金融緩和策を進める一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに向かっていることを背景に、ユーロ売り圧力がかかりやすくなっている。 16日午前8時20分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.0492ドル付近で推移。一時は1.0458ドルと、2003年1月8日以来の水準までユーロ安が進んだ。ユーロ・円相場は前週末の海外市場で一時1ユーロ=126円91銭と、13年6月以来のユーロ安値を付け、127円台前半で日本時間朝の取引を迎えている。同時刻現在のドル・円相場は1ドル=121円33銭付近で取引されている。 上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、ユーロ圏では「さらなるマネタリーベースの増加やドイツの国債利回り低下が続くことが考えられる」と指摘。ユーロの先安観が根強いと言う。 一方、今週は、日本銀行が16日から金融政策決定会合を開くほか、17、18日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えている。 山内氏は、日銀会合に関しては政策の現状維持が賛成多数で可決されるとの見通しだとし、「波乱はない」と予想する。FOMCについては、声明文で、利上げ開始に際して「辛抱強く」なるとの文言の削除や変更の有無が焦点になると指摘。その上で、FOMCメンバーの成長や物価、政策金利の見通しがハト派的になる可能性もあると言い、「6月利上げの期待が先行している市場にとってはネガティブ材料になるのではないか」とみる。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典 更新日時: 2015/03/16 08:21 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL9ZZ36S972C01.html 債券は続落、国内株価の上昇転換が重し−日銀買いオペ見極めも 2015/03/16 09:24 JST (ブルームバーグ):債券相場は続落。前週末の米国株式相場が反落したにもかかわらず、国内株価が上昇に転じていることが重しとなっている。 16日の長期国債先物市場で、中心限月6月物 は前週末比1銭安の147円12銭で開始し、147円04銭まで下落。直後から買いが優勢となり、一時は4銭高の147円17銭を付けた。しかし、株価 が上昇に転じると再び売りが優勢となり、マイナス圏での推移となっている。 日本相互証券によると、現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の338回債利回りは、前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.415%で開始し、その後も同水準。18日に入札を控えている20年物の151回債利回りは1bp低い1.21%に下げている。 日銀がきょう午前10時10分の金融調節で、今月6回目の長期国債買い入れオペを実施するかが注目されている。日銀は毎月10回のペースで同オペを行っている。今月は決定会合最終日と国債入札日を除いた8営業日のうち、残り5回行われる見通し。前週9日の相場ではオペ実施に対する見方が割れていたが、見送りが判明した後には先物が売られる場面があった。 SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、日銀オペについて、「オファーがあるとすれば、先週金曜日にオファーされた区分以外の10年超と物価連動債。しかし、10年超の月内残りオファー回数が2回と少ないため、今日はオペが見送られる可能性が高い」とみている。 13日の米国株相場は下落。S&P500種株価指数は前日比0.6%安の2053.40で引けた。一方、米債相場は横ばい圏。10年国債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.11%で取引を終えた。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 青木 勝 更新日時: 2015/03/16 09:24 JSThttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL55PE6JTSEI01.html ECBの債券買入にはリスクも、早期の物価目標達成必要=伊中銀総裁 2015年 03月 16日 08:11 JST [チェルノッビオ(イタリア) 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事のビスコ・イタリア中銀総裁は14日、ECBの債券買い入れ措置はリスクも伴うと指摘し、早期のインフレ目標達成が必要だ、との考えを示した。
ECBは債券買い入れ措置を2日に開始した。 総裁は、ECBが最初に債券買い入れを示唆してから、ユーロは予想以上に急速に下落した、と指摘。債券買い入れ措置が行き過ぎた効果をもたらし、金融商品や不動産価格が高騰するというリスクがある、との考えを示した。 「できるだけ早期にインフレ率を2%近くにするべきだ」とし「ゼロ金利を永遠、もしくは、超長期間続けることはできない」と語った。 今週発表されたイタリアの鉱工業生産が弱い数字となったことについては、投資家の間でここ数週間楽観的見方が浮上しているものの、経済は依然ぜい弱であることを示している、と指摘。「鉱工業生産の数字は、景気を楽観視し過ぎるべきでないということを示している」と語った。 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0WH0OL20150315
新興市場株:変わらず、下落銘柄数が上昇数を上回る 2015/03/16 16:21 JST
(ブルームバーグ):16日の新興市場の株式相場では指数が前週末比ほぼ変わらずで推移し、指数の構成銘柄では値下がり数が値上がり数を上回っている。景気減速が行き過ぎた場合は行動を起こすと李克強首相が表明したことを受けて中国株は上昇したものの、商品関連銘柄の下げが相殺している。 上海総合指数は2009年8月以来の高値を付けた。一方でタイ石油開発公社と韓国のLG化学 が共に少なくとも3.3%下げているなど、エネルギーや素材株は軟調。 MSCI新興市場指数 は香港時間午後2時3分(日本時間同3時3分)現在、ほぼ変わらずの939.61。構成銘柄のうち下落数は293、上昇数は213。 原題:Most Emerging Stocks Fall as Energy Shares Decline; China Gains(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:マニラ Ian Sayson isayson@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Michael Patterson mpatterson10@bloomberg.net Chan Tien Hin, Phani Varahabhotla 更新日時: 2015/03/16 16:21 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLAMCM6JTSER01.html 日本から約36兆円が米国債にさらにシフトか、利回り追求で 2015/03/16 08:24 JST
(ブルームバーグ):1980年代の日本人投資家による米国債への巨額投資は、高まる日本の経済力を反映する動きだった。日本人投資家はここにきて再び米国債投資に精を出しているが、今回はリターンを何とかしてひねり出すためだ。 日銀が20年にわたる景気低迷からの脱却を目指して2013年4月に大規模金融緩和に乗り出して以降、日本国債利回りはゼロに近い水準にとどまっている。欧州の国債利回りはマイナス圏に突入しており、同地域は投資対象の選択肢には入らない。 だからといってなぜ米国なのか。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが見込まれる中、米国債利回りが先進国の国債で最も高いことが1つの理由だ。次にドル相場だ。ほぼ全ての通貨に対して急上昇し、米国の資産の魅力はさらに高まっている。HSBCホールディングスによれば、日本人投資家は向こう2、3年で米国債に3000億ドル(約36兆円)を投資する可能性があり、12年以降の購入ペースの2倍に加速する見通し。 みずほ投信投資顧問のシニアファンドマネジャー、伊藤祐介氏は、日銀が個人投資家を締め出しており、彼らは別の投資先を探さざるを得なくなっているとの見方を示した。 原題:Beware the $300 Billion Shift Into Treasuries Coming From Japan(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Wes Goodman wgoodman@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net; Michael Tsang mtsang1@bloomberg.net Michael Tsang, Caroline Salas Gage 更新日時: 2015/03/16 08:24 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL9YR56TTDS001.html ヘッジファンド金買い越し、18週で最大の減少−利上げ観測で 2015/03/16 09:00 JST (ブルームバーグ):ヘッジファンドによる金相場上昇を見込む買い越しは過去18週間で最大の落ち込みを示した。米連邦準備制度理事会(FRB)が2008年以降ゼロ近辺で据え置いていた金利の引き上げが近づいているとの観測が高まったことが要因。 米政府のデータによれば、資産運用会社による金の買い越しは6週連続で減少した。投資家は先週、上場取引型金融商品(ETP)を通じて保有していた金18.9トンを売却。売却量は昨年11月以降で最大だった。米商品先物取引委員会(CFTC)が13日発表したデータによれば、金の先物とオプションの買越残高は10日終了週に26%減少して6万4925枚となった。 プルデンシャル・ファイナンシャル(ニュージャージー州)の市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は電話インタビューで、「現時点で唯一注視すべきなのはFRBが声明から『辛抱強く』の文言を外し、利上げの準備ができていると表明するかどうかだ。表明すれば金相場は下落するだろう」と指摘。「景気が引き続き勢いを増すと考えれば、それは金相場にとって弱材料になる。ドル相場の押し上げ要因になるからだ」と述べた。 原題:Hedge Funds Exit Gold at Fastest Pace in 18 Weeks on Fed Outlook(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Joe Deaux jdeaux@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Millie Munshi mmunshi@bloomberg.net Steve Stroth 更新日時: 2015/03/16 09:00 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL9ZS16TTDS201.html
ECB緩和は「きっと失敗」とギリシャ財務相-伊は成功と反論 2015/03/16 13:56 JST (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)プログラムの有効性をめぐりギリシャのバルファキス財務相とイタリアのパドアン財務相がそれぞれ異なる考えを表明し、バルファキス氏はQEに代わる欧州の景気刺激策の必要性を訴えた。 バルファキス財務相はイタリアのチェルノッビオで14日に開かれたシンポジウムで、ECBの総額1兆1000億ユーロ(約140兆円)のQEプログラムが投資主導の成長を促進する力にはならないと主張。パドアン財務相はこれに対し、ユーロ相場の押し下げに既に成功していると歓迎し、ユーロ圏の長期的な経済見通しを反映するユーロ安がイタリアの今年の景気回復を後押しするだろうと語った。 バルファキス財務相はQEについて、「持続不可能であるばかりでなく、民間の与信の伸びと生産活動への投資を促進できないことが示される可能性がある」と述べ、欧州投資銀行(EIB)の投資プロジェクトに連動する債券発行を伴う景気刺激策を代わりに提案した。 原題:Varoufakis Says QE Bound to Fail as Padoan Calls It a Success(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先: Cernobbio, Italy Alessandro Speciale aspeciale@bloomberg.net; Cernobbio, Italy Flavia Rotondi rotondi@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net Kevin Costelloe, Leon Mangasarian 更新日時: 2015/03/16 13:56 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLAFL36JTSEF01.html コラム:今そこにあるギリシャのデフォルト危機=田中理氏 2015年 03月 16日 16:40 JST 田中理 第一生命経済研究所 主席エコノミスト [東京 16日] - 欧州連合(EU)によるギリシャ向け第2次支援プログラムは、2月末の終了期限の直前で、6月末まで4カ月間延長されることで決着した。改めて言うまでもなく、これによりギリシャ危機が解決したわけではない。 支援融資の延長とは、昨夏以来中断している融資を受け取るうえで必要な改革条件の履行期日が延期されただけで、次回融資の実行を約束するものではない。支援延長で一息つくどころか、ギリシャは現在も、いつ資金繰りが行き詰まってもおかしくない危機的な状況が続いている。 <4月末まで猶予あるかも不明> ギリシャ政府の財政資金はすでに枯渇寸前のようだ。20日に予定される月内最後の国際通貨基金(IMF)への支援融資の返済と、公務員の給与支払いや年金給付に充てる資金を捻出するため、政府は資金集めに奔走している。 社会保障基金、国営企業、政府関係機関に対して、民間銀行に預けている積立金をギリシャ中銀が管理する預金口座に移管することを要請しているほか、政府調達関連の納入代金や税還付の支払いを一時延期することも検討している。 ギリシャ政府は預金移管に応じれば、民間銀行よりも高い利息を支払うことを提案しているが、損失発生時の訴訟リスクを恐れる国有企業や政府関係機関の多くは難色を示している。休眠中の60年前の法律を持ち出して、半ば強制的に預金移管を検討しているとの話が出ていることからも、政府の困窮ぶりがうかがえる。ひとまず、ギリシャ金融安定基金(HFSF)が保有する5.5億ユーロの準備金を国庫に移管して急場をしのいだが、これも3月中の財政資金不足を穴埋めするのがやっとと言ったところだろう。 ギリシャのプライマリーバランス(基礎的財政収支)はすでに黒字化しており、対外債務の支払いと利払いの履行が可能な限り、本来、公務員の給与支払いや年金給付など一般歳出の支払いに窮することはないはずだ。だが、政権交代後の税制変更を見越した税滞納の増加や年明け後の景気再悪化の影響もあり、1月の税収は当初計画対比で10億ユーロ近く下振れした。2月の税収下振れは1億ユーロ程度にとどまったが、このまま税収の下振れが続けば、公務員給与や年金給付など国内向けの支払いにも支障が出始める。 救いは4月の対外債務の支払いが5億ユーロ弱のIMF融資の返済のみで、それほど大きいわけではないことだ。ギリシャ政府としては、3月、4月の財政資金不足を預金移管と国内向け支払いの一時延期でどうにか乗り切る間に、72億ユーロの次回支援融資の一部前倒し実行や、政府短期証券の発行増額を勝ち取る算段と考えられる。 ちなみに、ギリシャへの支払いが保留されている72億ユーロの内訳は、EUによる第2次支援の最終トランシェ(分割融資)が18億ユーロ、中断されているIMFによる次回分の融資が35億ユーロ、欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ国債の超過収益の還元分が19億ユーロだ。 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長は、支援延長合意の一環でギリシャ政府が2月末に提出した改革リストを実行に移すのであれば、次回融資の一部を前倒しで分割実行する可能性があることを示唆している。過去にもギリシャ向け支援融資を分割実行したことがあるが、改革の履行を条件としてきた点には変わりがない。 また、現在150億ユーロに設定されている政府短期証券の発行上限を引き上げることに対しては、主要な引き受け手である銀行を迂回した間接的な財政ファイナンスに該当する恐れがあるとして、ECBが難色を示している。 ただ、ECB関係者の発言とする9日付けのロイター通信の報道によれば、例えば外国銀行団を対象に政府短期証券を発行するのであれば財政ファイナンスには相当しないとの意見もある。その場合も、ECBが無条件で発行上限の引き上げを認めることはなく、ギリシャ政府に改革履行を求めることが予想される。 こうしてみると、ギリシャが目先の資金繰り危機を回避できるかは、4月末までに改革の具体策で「ブリュッセルグループ」と合意し、改革関連法案を議会で可決できるかどうかにかかっている。厳しい政府の資金繰りに鑑みると、4月末まで猶予があるのかどうかも定かではないが、当面は切迫した局面が続くことになろう。 なお、ブリュッセルグループとは、かつて「トロイカ」と呼ばれた欧州委員会、IMF、ECBの3機関に、融資の実行主体である欧州安定メカニズム(ESM)を加えた支援プログラムの監視団を指す。ギリシャ国民の間で悪名高い救済プログラムの延長受け入れではないことをアピールするため、ギリシャ政府からの要請に基づき、協議の開催場所をアテネからブリュッセルに移し、新たな呼称で呼ばれることとなった。こうした形式的な問題に配慮せざるを得ない辺りからも、ギリシャ国民の間で緊縮継続への反発がいかに根強いものであるかがうかがい知れる。 融資再開に必要な関連法案のギリシャ議会での採決に当たっては、連立政権の存続が危ぶまれる事態も想定される。現在の連立政権は緊縮見直し以外の点では政策やイデオロギーの相違が目立つほか、連立を主導する急進左派連合(SYRIZA)内には強硬な緊縮見直し派が一定の勢力基盤を維持している。今のところ表立った党批判の動きは広がっていないが、緊縮受け入れへの方針転換と受け止められれば、連立政権の崩壊や急進左派連合の分裂の恐れが高まる。 一部与党議員の離党後も連立政権が過半数を辛うじて維持できる場合や、支援協議の目処がつくまでは連立の組み換えによる挙国一致内閣で乗り切ることができれば「御の字」と言ったところだろう。連立崩壊で再選挙となれば、支援協議の中断は避けられず、ギリシャは資金繰り危機に見舞われる。緊縮受け入れの是非を問う国民投票の実施に傾けば、ユーロ離脱リスクを意識せざるを得なくなる。 <金融市場の静観は正しいのか> 目先の資金繰り危機や政治リスクを乗り越えたとしても、ギリシャ危機はまだ終わらない。現在の支援プログラムが終了する6月末までに、ギリシャが資本市場で国債発行の再開にこぎ着けると考えるのは非現実的だからだ。 ギリシャ政府は新たな支援融資を求めることを否定しており、ユーロ圏側も今のところ第3次支援協議の可能性を否定している。ギリシャ政府が債務負担軽減の秘策と期待を寄せる経済成長率に連動する国債への債務スワップ提案に支援提供国側はだんまりを決め込んでいる。まずはギリシャが4月末を期限とする改革合意の約束を果たさない限り、債務負担の軽減措置も追加支援の枠組みも、議論の俎上に載せることはないと言うことなのだろう。 筆者は2009年にギリシャ危機が発覚して以来、危機の経緯をつぶさに観察してきた。ギリシャ政府高官が第2次世界大戦時のナチス・ドイツ占領下の戦時賠償問題を再三繰り返していることや、ドイツ財務相のギリシャ財務相への発言に対して正式に抗議するなど、ギリシャ政府と支援提供国との間の関係がここまで冷え込んだことは記憶にない。こうした新政権による不穏な発言は、政権内の強硬派のガス抜きを狙ったものとみられるが、支援提供国側の反発を招きかねず、今後の支援協議を難しくしかねない。 金融市場でギリシャ危機再燃への感度がいまひとつ低いのは、金融安全網の整備やECBによる量的緩和の開始もあり、他国への波及リスクが薄れていることに加えて、強気の交渉姿勢を崩さなかったギリシャ政府が支援プログラムの延長受け入れで譲歩したことで、最後は危機回避に動いてくるとの学習効果が働いているのだろう。 こうした認識は筆者も共有するところだが、今後も危機寸前でのギリギリの妥協を模索する展開が予想され、まだしばらくはギリシャのテールリスクから解放されることはなさそうだ。 *田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MC0AP20150316
主要国の金融政策の差異、金融市場の変動要因に=IMF専務理事 2015年 03月 16日 17:12 JST [ニューデリー 16日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、世界的な景気回復が「あまりに鈍くぜい弱で不均衡」とし、国・地域によって金融政策に相違が見られ、金融市場のボラティリティにつながるリスクがあるとの見方を示した。 専務理事は講演原稿で、今年3.5%、来年3.7%としている世界の成長率見通しを再確認。「危機後の成長率として見通していた水準よりも低い」と述べた。 その上で「先行きは、原油価格と金利が低水準なため一定の改善が見込まれるが、ぜい弱な世界的な景気回復への多大なリスが依然ある」と指摘した。 専務理事は米国と英国が金融政策の正常化を進める一方、ユーロ圏と日本は緩和度合いを高めていることについて「同期していない金融政策」と初めて表現。「一連の過程をうまく制御しても、インドを含め金融市場の過度のボラティリティにつながる可能性がある」と述べた。 ユーロ圏と日本は引き続き低成長と低インフレのリスクがあり、失業率引き下げと債務削減が難しくなり、景気後退(リセッション)やデフレ圧力が高まるとの見方を示した。 新興国市場は、ドル高、世界的な金利上昇、資本フローの変動という3つの打撃を被る可能性に直面していると述べた。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MC0LA20150316 マネロン疑惑の欧州銀スペイン子会社、預金流出で債務超過状態に 2015年 03月 16日 17:46 JST [マドリード 16日 ロイター] - スペイン中央銀行によると、アンドラ公国の銀行バンカ・プリバダ・ダンドラ(BPA)子会社のバンコ・マドリードが多額の預金流出に見舞われ、債務超過手続きを要請し、全業務を停止した。預金保険により顧客1人当たり10万ユーロまで保全される。
BPAは、タックスヘイブン(租税回避地)として知られるフランスとスペインに挟まれた小国アンドラのプライベートバンク。米当局がマネーロンダリングの疑いがあると公表。これを受けてアンドラ当局が先週、同行を管理下に置いたことから預金が流出していた。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MC0P920150316 クルーグマン氏は勉強不足、スウェーデン政策酷評で-中銀高官 2015/03/16 15:35 JST (ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン氏がスウェーデン中央銀行の金融政策運営に浴びせた酷評について、同中銀のペール・ヤンソン副総裁は、クルーグマン氏の分析は全くの間違いであり、同国に関する勉強不足を露呈するものだと主張した。 クルーグマン氏は、スウェーデン中銀が欧州債務危機の真っただ中の2010年と11年に利上げに踏み切った上、その後のディスインフレへの対応でも十分迅速に利下げしなかったとして、「サドマネタリズム」だと政策運営を批判した。 ヤンソン副総裁は12日にストックホルムでインタビューに応じ、当時としては一連の決定は理にかなっていたと反論。価格は上昇に転じつつあり、景気拡大ペースは欧州の多くの地域よりも速く、与信の伸びと住宅価格を押し上げるというのがコンセンサス予測だったと指摘した。 副総裁はクルーグマン氏について、「スウェーデンを一種のデフレ経済と断じ、日本になぞらえるに当たり、データを見たのかと疑問を抱く」と批判。スウェーデン経済のパフォーマンスは危機の数年間にわたりユーロ圏はもちろん英国もしのぎ、米国に迫っていたと語った。 「利上げの理由にならず」 こうしたヤンソン副総裁の反論について問われたクルーグマン氏は電子メールで回答し、副総裁は「水準と変化率を混同する根本的な誤り」を犯しているようだと批判を投げ返した。 クルーグマン氏は「スウェーデンが急成長していたのは確かだが、失業率は危機前の水準をなお上回り、引き続き極めて大きな需給ギャップが存在すると確信できる十分な理由があった」と分析。「不景気の中での成長は利上げの理由にならず、インフレ面を見ると、コアインフレ率は2%を大きく下回り、これも利上げの理由にならなかった。このため、ヤンソン氏の論点は理解できない」と述べた。 原題:Krugman Is Told to Read More, Write Less, by Swedish Riksbanker(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ストックホルム Johan Carlstrom jcarlstrom@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jonas Bergman jbergman@bloomberg.net Tasneem Hanfi Brogger 更新日時: 2015/03/16 15:35 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLAJ3G6JTSEF01.html |