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好業績が続く(C)日刊ゲンダイ
米中で前年プラス「トヨタ式で会社はグングン伸びる」は本当か
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/157997
2015年3月13日 日刊ゲンダイ
トヨタが好調だ。米国での2月の新車販売台数は12カ月連続で前年実績をクリア。中国では7カ月連続のプラスだ。GDPが伸び悩む中、この成長はすごい。
好業績を支えるトヨタ生産方式は、業種に関係なく取り入れる企業も多いが、誤って導入して伸び悩むケースも少なくないという。
その論客がトヨタ出身の鈴村尚久氏で、亡父・喜久男氏はトヨタ生産方式の基礎を築き、自らは産業車両部や生産調査部などでトヨタ流を叩き込まれ、97年に独立した。近書「トヨタ生産方式の逆襲」(文春新書)で、実例を紹介しながら改善策を示している。
どんなところが間違えやすく、どう改善すればいいのか。本書で紹介されているケースは――。
<ある流通業者は、惣菜の廃棄量が多かった。メーン工場では、豆腐やサラダなどを商品ごとに単品ずつ大量生産し、トラックで支店に配送。配送は、午後4時に注文を受けた翌々日の朝1回のみで、午前9時の開店に間に合うよう各店舗に1日分をまとめて届ける。工場から遠い店には午前4時、近い店には午前7時に出発。
注文から納入まで40時間以上あるが、工場は24時間体制で商品ができていた。生産能力は十分だが、物流コストを抑えるため配送を1回に。
鈴村氏のアドバイスは(1)配送を朝・夕の2回にする(2)閉店間際の注文が朝に届くようにする(3)従来の午後4時の締め切りは、営業時間内の追加配送を可能にする。
1回の注文時は、欠品を恐れ多めの配送になりがちだったが、追加注文を可能にする改善で、より新鮮なものが店頭に並ぶように。しかも、店の裏に設けていた在庫スペースが不要になり、陳列スペースが増えた。工場では、製造工程の段階に応じて、食材や加工途中のものを保管する「ストア」を設けた。この効果は劇的で、豆腐だけで年間1500万円に上った廃棄分がゼロになった。>
■過剰在庫や欠品を生む曖昧な伝言ゲーム
元朝日新聞記者で、トヨタ生産方式に詳しい井上久男氏が言う。
「一般に過去数年の実績をもとに、月次などの販売計画が組まれていますが、それが間違い。その数値は、商品ラインアップ全体の大まかな枠組みで、品番ごとの目標ではない。そうすると、製造現場は品番ごとに少し余分に作ったり、在庫を嫌って厳しい数字にしたりする。製造ラインにはいくつも段階がありますから、そういう曖昧な伝言ゲームがいくつも続いて、過剰な在庫や欠品が生まれるのです。事例の流通業者も同じで、毎日の生産計画が大ざっぱでした。そこで、その日の売れ行きに沿って、追加注文できる仕組みを整えたのです。注文をすぐに吸収できるシステムがベストですから、適正な在庫は必要です」
トヨタ生産方式の本質はそこにあるが、「在庫を持たないことがトヨタの強み」という誤解がまかり通る。寿司屋はサクの状態で魚を保存し、注文を受けて切り身にする。そうすれば、にぎりにも海鮮丼にも対応できる。しかし、一度海鮮丼を作ってしまうと、それをにぎりに転用することはできない。寿司屋のカウンターのネタケースや大本の冷蔵庫がストアだ。
「ストアから次のストアに製品を流したら、逆の流れで在庫の情報を伝えること。そうすれば、常に必要な在庫を適正に管理できます」(井上久男氏)
本書には、ほかにも興味深い事例が紹介されている。異業種の人も手に取って読む価値がある。
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