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コラム:雇用統計後のドル独歩高に「自滅」リスク=上野泰也氏(ロイター)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/372.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 12 日 12:25:05: igsppGRN/E9PQ
 

コラム:雇用統計後のドル独歩高に「自滅」リスク=上野泰也氏
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0M70A520150311
2015年 03月 11日 16:15 JST ロイター


上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 11日] - 3月6日に発表された米2月雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比29.5万人増と予想を上回る強い数字となり、失業率は2008年5月以来の水準である5.5%に下がった。これらの数字を材料にして「米利上げ6月開始」説が市場で久しぶりに勢いを増したため、米国債利回りは急上昇し、為替市場では幅広い通貨に対してドルが買い進まれた。

週明け9日以降もドル買いの勢いは止まらず、ドル上昇幅において出遅れ感があるとみられていた対円相場は、10日の東京市場で一時122円台に乗せた。

だが、今般の円安ドル高の持続性について、筆者はかなり懐疑的に見ている。統一地方選を控える日本の政府・与党から過度の円安をけん制する発言が出やすいという事情もあるが、最大の理由は、イエレン議長が率いる米連邦準備理事会(FRB)の利上げがアグレッシブなものになる可能性が極めて低いことである。

今回の米雇用統計を見ると、利上げ開始時期との関連で市場の注目度が高い民間部門の時間当たり賃金は24.78ドルで、前月から0.03ドル増にとどまった(前月比プラス0.1%)。前年同月比ではプラス2.0%で、過去5年ほど推移してきたレンジ内にしっかり収まる穏当な数字である。サービス分野のインフレ動向に大きな影響を及ぼす賃金の伸び率が加速し始めた兆候は、今回も見られなかったわけである。

昨年12月のFRB理事・地区連銀総裁経済見通し(中心的傾向)で、失業率の「長期」水準(自然失業率に相当)として示された数字は5.2―5.5%だった。このレンジの上限である5.5%まで実際の失業率が低下したため、米国では完全雇用が実現したのではないかとする論者もいる。だが、雇用の「量」だけではなく「質」についてもイエレン議長は以前から十分目配りしており、5.5%という数字が半ば機械的に早期利上げのトリガーになるとは考えにくい。

FRBが課されている2つの責務である「物価安定」と「最大雇用」のうち、利上げに始まる金融政策の正常化を推し進める際の議論の軸足は、「物価安定」へとすでに傾斜しつつあると筆者は見ている。実際、イエレン議長は2月下旬に行った定例議会証言の中で、以下のように述べている。

「労働市場の状況が改善を続け、さらなる改善が予想される場合、入手されるデータをベースにして、インフレ率がわれわれの2%の目標に向けて中期的に戻っていくだろうとFOMC(米連邦公開市場委員会)が合理的に確信する時に、FF(フェデラルファンド)レートの目標レンジを引き上げることが適切になるだろうとFOMCは見ている」(筆者訳)。2%に向けた物価上昇率加速について「合理的な確信」が得られたというコンセンサスがFOMC内で得られるまでには、データの蓄積を含め、少なからぬ時間が必要だろう。

また、米国の自然失業率が以前よりも下がっているのではないかという見解の持ち主が、FOMC内に複数名存在している。雇用情勢が改善しても賃金増加に加速感が出てこない時間が長くなる中で、そうした見解への支持は広がりやすいと考えられる。

その一方、3月のFOMC声明文で現在のフォワードガイダンスのキーワードである「忍耐強くいられる(can be patient)」が削除される可能性は、今年のFOMCで投票権を有する地区連銀総裁のうち3名、すなわちハト派のエバンズ・シカゴ連銀総裁、イエレン議長に近い存在とされるウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、タカ派のラッカー・リッチモンド連銀総裁の直近の発言内容から考えて、かなり高くなったと言わざるを得ない。

だが、同文言の削除はあくまでも利上げを開始する時期について政策当局が十分な自由度を確保するという選択であって、実際の利上げ開始決定は「データ次第」であるという根本原則に変わりはない。

そして、判断材料となるデータの中では、雇用者数や失業率よりも、賃金・物価関連の数字が重視されるだろう。失業率は順調に低下してきているが、前述の通り時間当たり賃金は前年同月比プラス2%前後のレンジ内に収まったままである。景気回復が続いていても雇用の「中身」がまだ濃くなっていないことに加えて、あるいはそれ以上に、グローバル化・IT化が進む中で賃金が上がりにくくなった(そして人件費をベースに決まる度合いが高いサービスの価格も上がりにくくなった)という世界経済の重要な構造変化が寄与していると、筆者は見ている。

さらに、米国ではドル高が財の価格上昇を抑制しており、サービスと財の双方で物価の上昇圧力が弱い状態が今後も続きそうである。このことは早期利上げ開始論にとって、強い逆風である。そして、それでもFRBが無理に利上げを始めれば(さらには積み重ねれば)、為替市場でドルの独歩高が進み、米国の景気・物価への下押し圧力が一段と強まってしまうというジレンマが存在する。

<125円台トライは秋まで期待薄>

もう1つ重要なことは、イエレンFRBがハト派寄りのアプローチに傾斜する根底にある「リスクマネジメント」という観点である。

すなわち、タイミングが早すぎる利上げを実行して失敗した場合にはその後の対応が困難を極める(利上げの撤回を意味する利下げだけでなく「QE4」への突入が現実味を帯びる)一方で、タイミングが遅れた利上げならばインフレ率の目標比上振れに対して追加利上げの幅やペースの調整などによって善後処置を講じることが十分可能だという考え方がある。

イエレン議長、フィッシャー副議長とともにFRB指導部のキーパーソンであるダドリー・ニューヨーク連銀総裁は先日、利上げ開始に際してはそうした方針をとるべきだと、あらためて述べていた。

3月10日の米国市場でニューヨークダウ工業株30種平均は前日比332.78ドルの大幅安になった。原因はドル独歩高が米国の企業業績に及ぼす悪影響への警戒感の強まりである。イエレン議長がじっくり待たずに利上げを行うようだと、「自滅する恐れがありますよ」という市場からの警告だと受け止められる。

米国の利上げはいわば「自然体」で、市場から促される形で「受け身」で行われるのが、現実問題として望ましいと考えられる。無理をすれば景気減速、物価上昇率の鈍化につながるだけでなく、バブルの色彩を帯びている米国株の大幅下落を通じて世界経済を大きな混乱に巻き込みかねない。

米国の利上げ開始は今年12月のFOMCまでずれ込むだろうという筆者の予想には、今回の雇用統計が発表された後も変わりがない。そして、その後の追加利上げペースは、賃金・物価動向によほどの状況変化(上振れ)がない限り、半年に1回程度といった極めてスローなものにとどまるだろう。

とすれば、ドル高円安が今回の雇用統計をスタート台にしてこのまま加速していくのは難しいという結論になる。ドル円が大きな節目である124.14円さらには125円を試すタイミングは、今年10月末近くに日銀が追加緩和に動いた後になるというのが、筆者のシナリオである。

*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。


 

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コメント
 
01. 2015年3月12日 21:01:07 : DtmQsXsIT6
インタビュー:地銀合併、預貸金業務を大きくする意義ない=静銀頭取
2015年 03月 12日 19:43 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0M813N20150312&channelName=topNews#a=1
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[東京 12日 ロイター] - 静岡銀行(8355.T: 株価, ニュース, レポート)の中西勝則頭取は12日、ロイターとのインタビューで、合併により預金・貸出金業務の規模を大きくしても意義はないとの見解を示した。当面は事業領域を広げていくことを優先し、資本・業務提携を結んだマネックスグループ(8698.T: 株価, ニュース, レポート)との新しい決済事業を検討していることを明らかにした。

主なやり取りは以下の通り。

――業界再編の考え方は。

「合併は、銀行の伝統的業務である預金・貸出金業務を足すことだ。今、このビジネスが一番儲かっていない。むしろマイナスだ。この規模を増やすことに意義を感じない。もちろん、預金量が減少し、その一方で資金需要が旺盛なら話は別だが、そうでない限り、預貸金業務の規模を拡大しても、なかなか儲からないだろう」

「今後、貸出金利が上がってくれば規模拡大のメリットはある。しかし、それはまだ先の話だ。そうなってから、お互いの事業環境が良くなってからの方がいいかもしれない」

――今の戦略は。

「業務の領域を広げていくことに取り組んでいる。もはや銀行のライバルは他の銀行ではなく、ネット企業だ。アマゾンなども、決済などの金融事業に進出している。資本・業務提携を結んだマネックスとは、今後のさまざまな形の金融や決済業務での新展開を考えている。事業の詳細は、来年度中にははっきりさせたい」

――市場型間接金融に力を入れている。

「日本にないマーケットを主導して作りたいと考えている。劣後債やメザニン(弁済順位が中間的な債権)、プロジェクト・ファイナンスのうちのエクイティ部分などを分割し、他の地銀や信金、信組に販売していく。われわれはプライマリーにはなれないが、大手行や日本政策投資銀銀行が組成した案件を大きく引き受け、卸していくことができればいい。バランス・シートを膨らませたくない大手行の補完もできる。少しずつだが、取り組み実績も出始めている」

――外貨貸し出しも伸びている。

「外貨貸し出しの需要は強い。調達の範囲内でどんどん伸ばしていきたい。一昨年にはドル建て転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行したが、CBやSB(普通社債)など常に市場環境を見ながら調達を検討している」

(インタビュアー:布施太郎 浦中大我)


(布施太郎)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M813N20150312?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true


02. 2015年3月12日 22:40:16 : jXbiWWJBCA

米小売売上高:2月は前月比0.6%減−予想に反してマイナス
2015/03/12 21:44 JST

  (ブルームバーグ):米商務省が発表した2月の小売売上高 (速報値)は、季節調整済みで前月比0.6%減少。マイナスは3カ月連続。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.3%増加だった。
原題:Retail Sales in U.S. Unexpectedly Fall for Third Straight Month(抜粋)
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Vince Golle vgolle@bloomberg.net
更新日時: 2015/03/12 21:44 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NL3N5R6VDKHS01.html


 
高まる新興国リスク、「バーナンキ・ショック」再来に警戒感
2015年 03月 12日 19:28 JST
[東京 12日 ロイター] - 新興国リスクが再び高まってきている。米国の早期利上げを警戒し、一部の経常赤字国などから資金を引き揚げる動きが強まっているためだ。ドル高進行の下で、新興国の通貨安と株安が進行。ブラジルなど経済規模の大きな国が危機に陥いれば、「バーナンキ・ショック」の再来があるのではないかとの警戒感も出ている。

<ドル高の裏側>

ドル高の一方で新興国通貨が軟調だ。2月末と比べトルコリラは4.0%、南アフリカランドは6.1%下落。インドネシアルピアは4.1%下落し17年ぶり安値を付けた。ブラジルレアルは10.4%と2桁の落ち込みとなっている。

新興国通貨は年初から弱かったが、拍車をかけたのが2月米雇用統計。予想外に強かったことで、早期の米利上げ観測が一段と強まった。ドルインデックス.DXYが12日の市場で12年ぶりに100を超え、ドルが大きく買われた。他方、新興国通貨の下落基調が止まらない。

いわゆる「ドル投」によって、ドルを売って新興国通貨に転換し、新興国の株式などに投資していた投資家は、新興国通貨の下落となれば、同通貨を売って、目減り分をヘッジしておく必要性が高まる。こうした動きが強まれば、スパイラル的に通貨安を進行させるおそれもある。

通貨安と同時に株安も進み、MSCI新興国株指数.MSCIEFは2カ月ぶりの水準に低下。欧州で量的緩和策(QE)が始まり、米国の代わりに流動性供給を担ってくれるとの期待はあるものの、基軸通貨国の金融政策の大転換を前にして「足の速い投資家は、資金シフトを始めているようだ」(外資系証券トレーダー)という。

<米国だけが好調な世界経済>

2013年5月22日、当時のバーナンキFRB議長は議会証言で「状況改善の継続を確認し、持続可能と確信できれば、今後数回の会合で資産買い入れを縮小することは可能だ」と発言。流動性縮小懸念から、新興国の通貨と株式から資金が流出した。MSCI新興国株指数は、1カ月間あまりで約16%下落した。

いわゆる「バーナンキ・ショック」だ。その後、米国の量的緩和策は昨年でつつがなく終了、米利上げに向け、タカ派的な材料が出るたびに、市場では何度も「シミュレーション」を行ってきたため、「恐怖感」は薄れている。

さらに「米利上げは米国経済の好調さの裏返しであることから、新興国もグローバル需要の拡大を享受できる。通貨安は輸出にはプラス要因」(JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏)との長期的な視点もある。

2004年6月に米国が利上げした際は、やや長いスパンだが1─2年かけて他国にも景気拡大が波及し、他の新興国も利上げに踏み切っていった。

だが、今回はインフレに苦しむ国を除き、利上げは米国のみ。その他の国では金融緩和を競い合うように進めている。11日にはタイ、12日には韓国が利下げに踏み切った。ドル高だけではなく、新興国の金融緩和も通貨安の要因であり、米経済が回復したからといって、新興国経済が持ち直すとは期待しにくい。

<海外マネーの変調には依然警戒必要>

1997年のようなアジア通貨危機につながるとの見方は少ない。BNPパリバ証券・債券調査部EMKストラテジストの前島英彦氏は、新興国経済について、1)財政収支が改善、2)外貨準備高も潤沢、3)国内金融市場もバブル的ではない──と指摘。

さらに国際通貨基金(IMF)などの救済システムが整備されているほか、通貨スワップ協定など外部の「安全網」もあるとする。

ただ、市場では「ブラジルやロシアなど経済規模の大きい国の景気鈍化が著しく、警戒感が残る」(大和証券・投資戦略部シニアストラテジストの山田雪乃氏)との声もある。

ブラジルは数少ない、利上げを行っている国だ。4回連続で利上げを実施し、政策金利は12.75%と6年ぶり水準に上昇している。景気が過熱しているわけではなく、消費者物価が7%以上という高インフレへの対応だ。

「ブラジル政府は財政再建を目指しているが、汚職問題の広がりを機に議会との対立が続いており、ブラジル債がジャンク級に格下げされるとの見方も強まっている。ロシア・ルーブルと同様、ブラジル・レアルは利上げがあっても下げが止まらず、ブラジル危機が、現実味を帯びる展開も視野に入れるべきだ」とブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジストの村田雅志氏は指摘。「バーナンキ・ショック」の再来への懸念も出てきていると話す。

13年5月の「バーナンキ・ショック」翌日の日経平均は1143円の急落。年初来高値1万5942円を付けていた株価は、6月13日の1万2415円まで1カ月足らずの間に約3500円下落した。

日経平均は12日の市場で、15年ぶりに1万9000円の大台に一時乗せたが、買いの中心は依然として海外勢だ。公的年金などの買い期待が支えているとはいえ、グローバルな緩和マネーに翻弄される展開には、警戒が必要だろう。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M812720150312


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